【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は22日、レギュラーガソリン「RON95」の新たな補助金制度を9月30日から導入すると発表。価格は現在の2.05リンギに対し、マレーシア国民は1リットルあたり1.99リンギに引き下げられる一方、外国人などは補助金なしの2.60リンギでの販売になる。

新制度は「ブディ・マダニRON95(BUDI95)」と呼ばれ、対象は有効な運転免許証を持つマレーシア国民で1,600万人超になる。購入上限は原則、毎月300リットルまで。所得下位40%の層(B40)は28日から前倒しで補助金価格で購入できる。

配車サービスのドライバーなど上限枠の拡大を希望する人は別途申請が必要だが、それ以外の国民は、身分証カード「MyKad」の提示のみで、特に手続きは不要。「タッチ・アンド・ゴー(TNG)イーウォレット」など決済機能のあるアプリを活用し、MyKadを毎回提示することなく購入することもできる。

周辺国で比較すると、▽サウジアラビア2.61リンギ▽インドネシアの3.22リンギ▽フィリピン4.22リンギ▽タイ5.68リンギ▽シンガポール9.02リンギ――で、アンワル首相は「マレーシアより安く販売されているのはブルネイぐらい。不透明な世界経済状況にもかかわらず、マレーシアは国民のために燃料価格を引き下げる勇気を持つ世界で唯一の国」と強調。さらに今回所得階層による区分を設けなかったことについて「マレーシア国民に対する感謝の気持ちを表す取り組み」と付け加えた。

ガソリン補助金については、財政健全化のため、ディーゼル油(軽油)と合わせ対象を限定した形での合理化が検討されてきた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月22日)