郵便のポス、国際・国内宅配サービスを「ポスラジュ」に一本化

【クアラルンプール】 郵便のポス・マレーシアは国内・国際宅配サービスを「ポス・ラジュ」のブランドに一本化する。国内企業の海外展開を強力に後押しする。

事業者は国内配送、国外配送にかかわらず「ポス・ラジュ」のプラットフォームを通じサービスを利用することができる。外国市場参入を計画する中小企業が増加していることが背景にあり、ポス・マレーシアは、越境電子商取引の拡大に伴い、より信頼できる物流が新市場に参入する企業に必須のものになっているとした。

ポス・マレーシアは、商品の保管、注文確認、棚からの取り出し、梱包、発送まで、電子商取引で商品が売れてから客に届くまでのすべての作業を代行しており、電子商取引業者は販売に注力できるという。同社は200年余りにわたり郵便サービスを提供しており、宅配先は230カ国・地域に及ぶ。

チャールズ・ウィリアム最高営業責任者は「ポス・ラジュを通じ企業はオンラインでの販売だけでなく、オンラインでの業務拡大が可能になる」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、6月9日、エッジ、ザ・スター電子版、6月10日)

馬・日の緊密な関係はさらに重要性増す=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は自身のフェイスブックに、「マレーシアと日本の緊密な関係は、より困難で不確実な世界情勢の中でますます重要性を増している。両国はエネルギー安全保障、経済の強靭性、技術開発、地域安定強化において利益を共有している」と投稿した。

8―10日の日程で訪日したアンワル首相は、「1957年の馬・日国交樹立以来、両国は親密な友人であり、信頼できる戦略的パートナーとして成長を続けてきた」とした上で、「今回の自身にとって初の日本公式訪問は両国の特別な関係をさらに強化する上で重要な節目となった」と強調。両国間の新たな協力分野における幅広い機会を切り開くものと期待していると述べた。

アンワル首相は10日、首相官邸で高市早苗首相と首脳会議を行い、エネルギー及び安全保障分野における両国の関係強化を確認した。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、6月10日)

NEDO、日本企業4社とマレーシア初の既存建物ZEB化実証

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10日、マレーシアの持続可能エネルギー開発庁(SEDA)と提携し、建物の脱炭素化を目指す「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の実証事業を行うと発表した。既存建物の改修によるZEB化で、マレーシア初の取り組みという。

対象となるのは、セランゴール州サイバージャヤのSEDA本部庁舎(築21年、延べ床面積約5,000平方メートル)。既存建物は改修条件やコスト面などの制約が多く、新築に比べてZEB化が難しいとされている。一次エネルギー消費量を75%以上削減する「Nearly ZEB」に向け、断熱・気密性能を高める高性能建材や、省エネルギー・高効率設備機器を導入。合わせて、BEMS(ビルエネルギー管理システム)によりエネルギー使用状況を可視化し、設備運転を最適化することで、建物全体の消費エネルギーを大幅に削減する。事業期間は2028年度までとしている。

事業には、パシフィックコンサルタンツ、AGC、三菱電機、アズビルの日本企業4社が参画。パシフィックコンサルタンツは屋根や外壁、AGCは窓ガラス、三菱電機は空調設備、アズビルはBEMSなどを中心に手がける。今後、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域への展開を見据えた先導的なモデルケースとし、日本企業が持つ建築・省エネ技術のASEAN市場への展開を後押しする考えだ。

JERAがペトロナスと20年間のLNG売買契約、供給安定化へ

【東京】 日本の火力発電大手JERA(本社・東京都中央区)は10日、マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と、液化天然ガス(LNG)の売買契約を締結したと発表。2028年から20年間にわたり、年間最大約200万トンをペトロナスから購入する。

契約は、両社が昨年6月に締結した、LNG分野での協業強化の覚書に基づく。日本では、再生可能エネルギー導入拡大や石油火力発電所の老朽化などにより、LNGの調整電源としての重要性が高まる一方、需給の季節変動への対応が課題となっている。今回の契約で、こうした季節間格差への対応が強化されるという。

LNGの安定供給に向けた取り組みの一環で、この日行われたアンワル・イブラヒム首相と、高市早苗首相の共同記者会見でも紹介された。
(フリー・マレーシア・トゥデー、6月10日、発表資料)

イスラム党がPPBMとの関係断絶を発表、野党連合が弱体化の恐れ

【クアラルンプール】 イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首は、党中央執行委員会が統一プリブミ党(PPBM)とのあらゆる協力関係を断つことを決定したと発表した。両党は野党連合・国民同盟(PN)の中核を成しており、今後予定されている選挙を前に野党が弱体化することが懸念される

ハディ氏は、調査結果や両党間の関係に関する現状評価を考慮した上で決定したと述べた上で、党の最高宗教意思決定機関であるウラマー評議会が6月2日に同様の決定を下したことを支持したと表明。「政策、法律、公共の利益」を考慮したものだとし、近く開催される複数の州議会選挙と第16回総選挙を前に、イスラム教徒の結束を強化するため新たな政治的合意と選挙協力の形を模索していくと述べた。

一方、PNの副会長を兼任するPPBMのムヒディン・ヤシン党首(元首相)は、PASの決定に遺憾の意を表明した上で、PNに留まって野党連合を強化し続けると強調した。

PNは与党連合・希望同盟(PH)に対抗するために2020年にPPBMが中心になって設立され、マハティール・モハマド首相辞任後に政権奪取に成功。ムヒディン内閣が誕生したが、その後、連携先の統一マレー国民組織(UMNO)に政権を奪われ、次いで2022年の総選挙で希望同盟(PH)に敗北して下野した。その後もPNにとどまっていたPASだが、勢力が衰える一方であるにも関わらずPN内で主導権を握り続けるPPBMに対して不満の声が強まっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、チャンネル・ニュース・アジア、6月9日)

日馬首脳会談、エネルギー・安全保障分野での両国関係強化を確認

【東京=アジアインフォネット】 高市早苗首相は9日、日本を8―10日の日程で初の公式訪問中のアンワル・イブラヒム首相と首相官邸で首脳会談を行い、中東紛争を踏まえエネルギー及び安全保障分野における両国の関係強化を確認した。

高市首相は会談後の共同会見の中で「国際的なエネルギー情勢の不確実性が高まる中、日本への安定した液化天然ガス(LNG)供給国であるマレーシアとの協力はますます重要になっている」と言明。両国は肥料原料の安定供給確保と重要鉱物サプライチェーンの強化に向けて協力することでも合意したと述べた。

アンワル首相は、両国はリンギと円建ての貿易を促進するとともに、人工知能(AI)、半導体、防衛、その他のエネルギー関連分野での協力も目指すと述べた。

日・マレーシア共同声明によると、両首脳は安全保障、防衛、海洋協力を含む包括的戦略パートナーシップを深化させることで合意。海上自衛隊とマレーシア海軍による共同訓練、日本の政府安全保障能力強化支援(OSA)に基づく能力強化支援を継続することで一致した。

両首脳はまた、AI能力向上のための協力推進に向けた「日・マレーシアAIプラットフォーム」を立ち上げ、二国間の通貨スワップの拡充及び決済における現地通貨の利用を強化していくことを確認。こうした二国間の協力を支える礎となる人的交流を進め、グローバルな課題解決や持続可能な経済成長のため、各種のプログラムを活用していくことで一致した。

高市首相は、「防衛分野、特に海洋安全保障の重要性について、両国は共通認識を共有している」と述べ、今後も合同軍事演習を継続するとともに、日本が軍事装備を提供する機会をさらに模索していくと言明。アンワル首相は、経済・外交関係を通じて志を同じくする国々との関係強化を目指す日本の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想への賛意を示した。

アンワル首相訪日に合わせて署名された文書は次の通り。
◎海上保安分野に関する協力覚書
◎エネルギー安全保障及びエネルギー移行に関する意向書
◎環境とサステナビリティに関する協力覚書
◎固形廃棄物管理分野における協力覚書
◎医療機器規制協力の枠組みに関する覚書

【従業員の勤労意欲を高めるために】第925回:災害が経済成長を促すこともある?――復興とレジリエンスの違い

925回:災害が経済成長を促すこともある?――復興とレジリエンスの違い

前回は、パンデミックに強い社会をつくるためには、教育だけでなく電力インフラが重要であるという話でした。今回は、自然災害と経済成長の関係についてです。

地震、洪水、台風などの自然災害は経済に悪影響を与えると考えられています。しかし、実は研究によっては「災害後に経済成長率が高まる」という結果も報告されてきました。一見すると矛盾しているように見えますが、どちらが正しいのでしょうか。

拙稿では、1996年から2022年までの108カ国のデータを用いて、自然災害が経済成長に与える影響が、国のインフラ整備状況によって変わるのかを分析しました。特に注目したのは、電力アクセス率です。

分析の結果、電力インフラが極めて未整備な国では、災害の発生後に経済成長率が高まる傾向が見られました。しかし、これは災害が良い影響を与えているという意味ではありません。家屋や道路が破壊された後、それらを再建するために公共投資や援助資金が投入され、一時的にGDPが押し上げられている可能性があります。

一方で、一定以上の電力インフラが整備された国では、災害と経済成長との間に有意な関係は見られませんでした。災害が起きても経済全体への影響が限定的になり、「復興による成長」に依存しなくなるのです。

これは重要な違いです。

災害後にGDPが伸びたとしても、それは必ずしも社会が強くなったことを意味しません。むしろ、被害を受けたものを元に戻すための活動が統計上の成長として観測されているだけかもしれません。本当の意味でのレジリエンス(回復力)とは、災害が起きても経済活動や生活が大きく損なわれない状態を指します。

企業経営にも同じことが当てはまります。

トラブルや危機が発生した後、社員が懸命に働いて業績を回復させることがあります。しかし、それを成功体験として評価し過ぎると、「問題が起きてから頑張る組織」を強化してしまう危険があります。本当に重要なのは、そもそも大きな混乱が起きにくい仕組みを整えることです。

情報システムの冗長化、事業継続計画(BCP)、サプライチェーンの分散、人材育成などへの投資は、平時には目立たないかもしれません。しかし、危機が起きたときに企業の損失を最小限に抑えます。

災害後の急回復は目を引きます。しかし、より望ましいのは、回復を必要としないほど強靭な状態をつくることです。国でも企業でも、真の成長は「復興力」ではなく「レジリエンス」の上に成り立っているのかもしれません。

論文情報は以下。末尾のURLから全文をご覧いただけます。

Kokubun, K. (2026). Natural Disasters and Development Thresholds: Infrastructure, Nonlinearity, and Economic Resilience. Systems, 14(3), 243.
https://doi.org/10.3390/systems14030243

 

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、組織のあり方についての研究に従事している。この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

 

エアボルネオの運航トラブル、今後数日間続くと注意呼びかけ

【クチン】 サラワク州営航空会社のエアボルネオは、6月5日以降、サバ・サラワク州全域で運航上の問題が発生しており、今後数日間、遅延、欠航、スケジュール変更が発生する可能性があると利用客に注意を呼びかけた。機材整備に問題が発生したため一部の機材が運航できないという。

同社の声明によると、複数の航空機における予定外の技術的な修理作業、継続中の定期整備、および運航上の要件と乗務員の勤務体制が運航遅延の原因。安全を最優先に技術的な対応が必要な航空機は技術者が飛行可能と完全に判断するまで、予防措置として運航から外しているという。

複数の航空機が同時に整備および技術的な修正を受けているため、運航機材は一時的に制限されている。こうした航空機は順次復帰することになるため、今後数日間、さらなるスケジュール変更、欠航、遅延が発生する可能性があるという。

エアボルネオは影響を受ける旅客には直接連絡をとるなどし、早い代替便に振り替えるためチームが24時間体制で対応しているとした上で、旅客に対し空港へ向かう前にフライト状況を確認するよう呼びかけた。最新情報、予約変更、サポートについては、電話(1-300-22-1388=マレーシア国内、+60-82-537 555=国際電話)のほか、問い合わせフォーム(airborneo.com/en/contact-usからも受け付けている。
(ベルナマ通信、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、6月8日)

東京都、8月に「マレーシアエコシステム連携プログラム」を開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東京都は、マレーシア・デジタル経済公社(MDEC)と共同で8月に「東京都・マレーシアエコシステム連携プログラム」を開催すると発表。参加企業の募集を開始した。5社程度の参加を見込んでいる。

テーマはデジタル関連(AI、スマートマニュファクチャリング、ヘルステック、グリーンテック、グリーン・トランスフォーメーション、ロジスティック)で、東京のエコシステムの魅力を発信するとともに、マレーシアのエコシステムへの理解を深める。またピッチ登壇機会や現地パートナー獲得に向けたエコシステム訪問・マッチング等を通じて、マレーシア市場への進出を目指す東京のスタートアップを支援する

開催地はクアラルンプールなどで、講演、パネルディスカッション、スタートアップによるピッチのほか、企業訪問ツアー(デジタル関連大手企業、VC、研究機関等)、マッチング(事業連携先になりうる現地大手企業、VC、研究機関等)を予定している。

スズキ「ジムニー」26年版2種と「フロンクス・スポーツ」発表

【クアラルンプール】 スズキ・カーズ・マレーシアと、販売代理店ナザ・イースタン・モータースは、小型多目的スポーツ車(SUV)「ジムニー」の2026年モデル2種と、コンパクトSUV「フロンクス・スポーツ」を発表した。

ジムニーの2種は「オールグリップ・プラス」と、オフロード装備を強化した上位グレードの「ライノ・プラス」。いずれも3ドアで、ジムニーのタフな走行性能を支える「K15B型」1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載。4速オートマチック・トランスミッションを採用し、最高出力は102PS、最大トルクは130Nm。また今回、ADAS(先進運転支援システム)が初めて搭載された。

オールグリップ・プラスのボディカラーはツートン仕様2パターンと単色4色の計6パターンを用意。ライノ・プラスはピュアホワイトパール、キネティックイエロー、シフォンアイボリーの3色のみの限定展開となる。

日本からの完全輸入(CBU)で、本体価格(保険料別)はオールグリップ・プラスが15万8,900リンギ、ライノ・プラスが17万3,900リンギとなる。

フロンクス・スポーツは、昨年11月にマレーシア市場初投入された標準モデルのフロンクスに、スポーティな外観を加えた。専用フロントバンパーにブラックアクセントなどが強調されたデザインになっている。標準同様のマイルドハイブリッドシステム(MHEV)を採用し、K15C型1.5リッター4気筒エンジンに、12ボルトのリチウムイオンバッテリーと統合型スタータージェネレーター(ISG)が組み合わされている。前輪駆動の6速オートマチック・トランスミッションで、最高出力は103PS、最大トルクは138Nmを発揮する。

インドネシアからの完全輸入(CBU)で、本体価格(保険料別)は13万888リンギ。また今回標準モデルの価格(同)も見直し、11万8,888リンギへと約3万リンギ引き下げた。
(カーシフ、6月6日、ポールタン、モタオート、6月5、6日)