オタフクソース、ネグリセンビラン州で新工場の開設式を実施

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 オタフクソース(本社・広島市西区)は10日、マレーシア現地法人、オタフクソースマレーシアがネグリ・センビラン州に新設した社屋と工場のオープニングセレモニーを実施した。

同社の11日の発表によると、セレモニーには四方敬之 駐マレーシア日本大使をはじめ、取引先など約140人が出席。工場はマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)のハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得しており、セレモニーでは新たに導入された半自動充填設備などの見学や、ハラル認証調味料を使った調理実演が行われた。

新工場の面積は9,066平方メートルで、2023年11月に着工。年産能力は6,000キロリットルで、従来のセランゴール州にあった工場の8倍に拡張された。5,000万リンギを投資し、2025年7月1日より稼働開始している。40%は自社ブランド製品、60%はODM(相手先ブランド製造)になる。

オタフクソースマレーシアは、スシ・キング・ホールディングスとの合弁として2016年に設立された。現在、約100アイテムを製造しており、業務用商品が9割を占める。また、売上高の8割はマレーシア市場によるものという。2017年から日本へも輸出しているほか、今後は中東や欧州などへの事業拡大を目指していく。

ペナン州、高さ76メートルの建築制限見直しを検討

【ジョージタウン】 ペナン州は、長期基本計画「ペナン州構造計画2040(RSNPP2040)」において建築物の高さ制限の見直しや環境敏感地域の調整などいくつかの改善点を新たに導入する方向で検討しており、広く一般からの意見を求めている。

州地方自治体・都市計画委員会のフン・モイリー議長(国政の閣僚に相当)は、見直し対象となる主要な要素の一つは、建築物の高さ76メートル制限方針だと言明。州が直面している制約、特に限られた土地利用と複数の環境敏感地域の存在を考慮していると述べた。

高さ76メートルを超える開発については以前は自動的に却下されていたが、技術的な意見に基づき同規定の再検討を行っている。例えば高さ80メートル前後の建築に適していると考えられる平坦な地域がいくつもあるという。

フン氏は「地域の状況を踏まえ、より適切な高さ制限を決定することを目指している。例えばパハン州キャメロンハイランドでは150メートルを超える開発が許可されており、ペナン州は適性に応じて制限を見直す必要があることを示している」と述べた。

RSNPP2040は来年第3四半期に官報に掲載される予定。12月23日までの広報期間中に寄せられた一般からのフィードバックは技術委員会によって詳細に評価され、公聴会を経てから報告書が最終決定される。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、12月9日)

KLIA第2ターミナルで16項目の施設改修を実施=MAHB

【セパン】 空港運営のマレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は、マレーシア観光年2026(VM2026)に向けて、クアラルンプール新国際空港(KLIA)第2ターミナルで合計16項目の施設改修を実施した。約1年かけて実施したもので、旅客の流れ、快適性、業務効率の向上が狙い。

第2ターミナルのオペレーション・ゼネラルマネージャー、シャールニザム・アブドル・ジャミル氏は最新の改修と新サービスを紹介するメディア向け見学会で、「特にピーク時や祝祭期間における旅客数の増加に対応するため、チェックイン、搭乗、手荷物処理など、主要な旅客手続きに重点を置いた改修を実施した」と言明。「チェックインカウンター付近の設備改善、セルフサービス式手荷物預かり所の導入、手荷物チェックインポイントの増設を実施した。これにより長い列ができなくなり、乗客の流れがスムーズになる」と述べた。

シャールニザム氏によると、改修はソーシャルメディアで寄せられたコメントを含む乗客からのフィードバックとデータ分析に基づいて実施。トイレの5つ星基準へのアップグレード、祈祷室の改良、傾斜地での安全性を高めるために新設計された荷物用カート、車椅子とベビーカーの増設、乗り継ぎ時間が長い旅客向けの映画ラウンジ導入――などが行われた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、12月9日)

トヨタの水素車「ミライ」に首相が試乗、科技革新省から移管で

【クアラルンプール】 首相府は9日、トヨタ製の水素燃料電池自動車(FCV)「ミライ」を科学技術革新省(MOSTI)から受領した。引き渡しに立ち会ったアンワル・イブラヒム首相が、試乗した写真とともにフェイスブックに投稿した。

MOSTIは今年5月、実証実験の一環として移動式水素ステーション(MHRS)とともに「ミライ」3台を、UMWトヨタ・モーター(UMWT)から提供されていた。今回、低炭素技術とグリーンモビリティに向けた取り組み強化の象徴として首相府に1台が移管された。

アンワル首相は投稿で「次世代のために、よりクリーンで安全、持続可能なモビリティ環境の構築をリードしていく」と述べた。さらに国境を越えた協力を促進し、東南アジア全域における自動車技術革新を推進すると付け加えた。
(ベルナマ通信、ポールタン、12月9日)

高速電車KL―JB間の運転を12日に開始、9日にきっぷ発売

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は、クアラルンプール(KL)―ジョホールバル(JB)間の高速電車(ETS)運転を12日に開始すると発表した。これに合わせて9日にきっぷの販売を開始した。

片道運賃は82リンギからで、来年5月分までのきっぷが購入可能。開業記念として12月12日から2026年1月11日までの旅行分を対象に30%割引のプロモーションを実施する。KITS Styleアプリ、KTMB公式ウェブサイト(www.ktmb.com.my)、またはKTMBのキオスク端末で購入できる。

1日2往復の運転で、所要時間は4時間20分。運行スケジュールは年内がKLセントラル発が7時45分と17時35分で、JBセントラル着は12時5分と21時55分。JBセントラル発が8時40分と16時20分。1月1日からはKL発が7時55分と17時35分で、JBセントラル着は12時15分と21時55分。JBセントラル発が8時40分と16時20分となっている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ポールタン、12月9日)

来年3月までに極度貧困を撲滅へ=アンワル首相

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は7日、2023年7月以来取り組んできた「マダニ経済対策」を通じ、来年3月までには極度貧困を撲滅できるとの見通しを明らかにした

マレーシアでは貧困線所得(PLI)に基づき、世帯収入1,169リンギ未満を「極度貧困」、2,208リンギ未満を「絶対貧困」と分類。アンワル首相は同日開催された公務員改革全国大会の閉会式で、「極度貧困率は現在0.09%にまで低下した」と強調した。

そのうえで、承認済みの支援プログラムに関し、省庁間や州政府間などの手続きの遅れで貧困撲滅に影響が出ないよう、改めて迅速な執行を指示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月8日、マレー・メイル、ベルナマ通信、12月7日)

行方不明のMH370便、北京の地裁が遺族8人への賠償を命令

【北京】 2014年に行方不明となったマレーシア航空MH370便の乗客8人の遺族が起こしていた損害賠償請求訴訟で、中国・北京の地方裁判所(朝陽区人民法院)は5日、乗客1人あたり290万元(約41万米ドル)以上を支払うようマレーシア航空に命じた。

遺族は2023年11月に提訴。今回、葬儀費用や精神的苦痛などに対する賠償金として290万元の支払いが言い渡された。マレーシア航空はこの判決に対し現時点でコメントなどを発表していない。

MH370便は2014年3月8日、クアラルンプールから北京に向かう途中、乗員乗客239人を乗せたまま消息を絶った。乗客の3分の2にあたる154人が中国人で、事故後、遺族らにより78件の訴訟が起こされた。これまでに47件が取り下げられ、今回の8件をのぞく23件は係争中という。

MH370便に関しては、マレーシアの運輸省が今月3日、南インド洋で12月30日から55日間の海底捜索活動を再開すると発表したばかりだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、12月8日)

警官装ったペナンの詐欺事件、日本人被告ら初公判で容疑認める

【ブキ・メルタジャム】 日本人を狙った特殊詐欺事件に関与した容疑で、ペナン州で逮捕された日本人男女14人と中国人4人の初公判が5日に行われ、被告人全員が容疑を認め、情状酌量を求めた。

被告人は25―51歳で、ペナン警察が先月20日、同州シンパン・アンパットのバンガロー2軒の家宅捜索した際、逮捕されていた。被告人は3カ月間、コールセンターのオペレーターとして勤務していたとされるが、実際には、警察官を装って日本に電話をかけ、1人あたり月5,000―8,000リンギをだまし取っていたとみられる。押収品には、日本語で書かれた台本25セット、携帯電話49台、パソコン、トランシーバーなどが含まれていた。
被告人は初公判で、警察の調べに対し容疑を認め全面的に協力したことなどを主張。これを受け裁判所は、1人につき8,000リンギ(現地保証人付き)の保釈金を設定した。次回の公判は2026年2月3日の予定。

先月5日にも、日本人を狙った「ロマンス詐欺」容疑で、セランゴール州カジャンで外国籍13人が拘束されるなど、摘発が相次いでいる。マレーシアの刑法420条(詐欺)に基づき有罪判決を受けた場合、1―10年の禁固刑に加え、鞭打ち刑と罰金刑が科せられる可能性がある。
(ベルナマ通信、12月5日)

エアボルネオ、来年7月にジェット機運航を開始

【クチン】 サラワク州営航空会社エアボルネオは、サラワク州の地域航空接続強化計画の一環として、2026年7月にジェット機の運航を開始する。アバン・ジョハリ・オペン州首相が6日、発表した。

来年からの運航開始当初はターボプロップ機で運航し、その後ジェット機に移行する。アバン・ジョハリ首相はまた、シンガポールのローレンス・ウォン首相がサラワク州とシンガポール間の直行便の計画を歓迎したこと、マレーシアのアンソニー・ローク運輸大臣もこの計画を承認したことを明らかにした。またエアボルネオは域内だけでなく、韓国・済州島への路線拡大も目指している。

エアボルネオは、マレーシア航空グループ (MAG)傘下のMASウィングスの買収により誕生した。買収は2025年12月31日までに完了する予定。買収が完了し次第、サラワク州、サバ州、ラブアンの既存路線で運航を開始する。1月からの運航はエアボルネオのロゴと塗装を施したATR72-500型機1機とツインオッター1機で開始し、残りの機材の塗装は向こう6カ月をかけて段階的に行う。
(ボルネオポスト、ビジネス・トゥデー、12月6日)

電子インボイスの免税限度額、100万リンギに引き上げ

【コタキナバル】 段階的に義務化が進められている電子インボイス制度について、政府は来年から電子インボイスの免税限度額を50万リンギから100万リンギに引き上げる。アンワル・イブラヒム首相が発表した。中小企業の負担軽減策の一環。

アンワル首相は、中小企業経営者からシステム導入コストに関する直接のフィードバックを受けたものだと説明。「迅速な評価を行った後、閣議決定した。中小企業は今後、電子インボイス導入を強制されることはなくなる」と述べた。

電子インボイス制度は、昨年8月の売上高1億リンギ超を皮切りに、企業規模に応じ順次導入が進められてきた。当初は今年7月に完全義務化が予定されていたが、6月に2,500万リンギ以下の企業を、さらに細かく3区分すると発表。500万リンギ以下―100万リンギ超は2026年1月、100万リンギ以下―50万リンギ超は2026年7月にそれぞれ延長し、50万リンギ以下については当面免除としていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、12月6日)