ジョホール州投資機関、「ネクサスセデナック」で5分野重点誘致

【クアラルンプール】 ジョホール州の投資誘致機関、インベスト・ジョホールは、ジョホール・シンガポール経済特区(JSーSEZ)北部の新たな産業拠点「ネクサス・セデナック」で、投資誘致を目指す重点5分野を明らかにした。

同拠点の総開発価値(GDV)150億リンギ。財務省傘下のサザン・カタリスト(SOCAT)が、かつてアブラヤシ農園だった2,940エーカーを段階的に開発する。

インベスト・ジョホールの投資誘致は、2027年度予算案に則ったもの。アンワル・イブラヒム首相は10月9日の予算案発表の際、120億リンギの投資と、4万5,000人の雇用創出が期待されるとしていた。中核企業を軸に関連企業を呼び込む「クイーン・ビー方式」を採用し、連邦政府と州政府の関係機関を横断して調整する特別タスクフォースを設置したと説明していた。

重点分野は、▽先端製造業▽統合物流▽農業・食品技術▽グリーンテクノロジー▽製薬産業――の5つ。インベスト・ジョホールは、開発段階やインフラの整備状況、個別の投資プロジェクトの進捗に応じて、投資誘致を段階的に進める。ナタザ・ハリス最高経営責任者(CEO)は「今後も開発業者や関係機関、業界関係者と連携し、投資の実現を加速させる」と述べた。
(ベルナマ通信、10月30日)

マレーシアの死因トップは虚血性心疾患

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は10月29日、2025年の死因統計を発表。死因第1位は虚血性心疾患で、1万8,001人で全体の13%を占めた。総死亡者数は19万9,807人で、前年比0.4%の微増となった。

そのほかの主な死因は、肺炎が12.7%、糖尿病が5.0%、腎不全が3.6%、交通事故が3.4%となった。

性別でみると、男性は虚血性心疾患が15.5%で最多となった一方、女性は肺炎が13.6%で最多だった。

民族別では、マレー系とインド系は虚血性心疾患が死因のトップだったが、中華系、その他のブミプトラ(マレー人と先住民の総称)は肺炎となった。

年齢別の死因トップは、0―14歳と60歳以上では肺炎で、15―40歳は交通事故、41―59歳は虚血性心疾患となった。

州・連邦直轄地別に見ると、ケダ、ペラ、サバ、サラワクの4州では肺炎が最多だったが、そのほかの12の州・連邦直轄地では虚血性心疾患が最多だった。

【イスラム金融の基礎知識】第603回 ウズベキスタン、初のイスラム銀行ライセンスを発行

第603回 ウズベキスタン、初のイスラム銀行ライセンスを発行

Q: ウズベキスタンで初めてのイスラム銀行が誕生しましたが、詳細は?

A: ウズベキスタンの現地報道によると、ウズベキスタン中央銀行は10月23日に同国のオープン銀行にイスラム銀行業のライセンスを与えた。今夏に施行されたイスラム銀行に関する法律に基づき、ライセンスが発行された初めての事例となった。

ウズベキスタンのイスラム銀行制度をめぐっては、本連載でも触れたように(第591回)今年3月にイスラム銀行に関する法律に大統領が署名、その後6月に施行されたばかりだ。この法律に基づいて初めてライセンスを取得したオープン銀行は、フューチャー・オープン・テクノロジー・グループが株式を保有する民間銀行で、2025年にスマート銀行から名称を変更した。

法律によれば、ウズベキスタンでイスラム銀行を営むためには、全面的にイスラム式であるフルフレッチ型のイスラム銀行と、従来型銀行内に設置された専門の部署であるイスラム窓口(イスラム・ウィンドウ)の二つ方法・ライセンスがあるが、オープン銀行はフルフレッチ型を採用する。同じく、この法律が認める金融商品に使用される契約形態は、ムダーラバ、ワカーラ、ムラーバハ、サラーム、ムシャーラカ、イジャーラなどで、この点はマレーシアと同様である。同銀行のウェブサイトによれば、ライセンスを取得したニュースが第一報として掲載されているものの、具体的にどの契約形態を用いた預金や融資が提供されるかは、まだ明らかにしていない。

中央銀行は、今後5年間でフルフレッジ型のイスラム銀行が2行誕生し、これまで宗教上の理由で銀行の利用を避けていた人びとのタンス預金から、10億ドルの資金がイスラム銀行にもたらされると見込んでいる。今回のオープン銀行が同国のイスラム銀行に先鞭をつける形となり、今後の制度や市場の発展に大きな期待がかかっている。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

 

【従業員の勤労意欲を高めるために】第930回:良い会社でも、不満はなくならない

第930回:良い会社でも、不満はなくならない

前回は、同じ性格でも、どんな仕事をしているかによって、その意味が変わる可能性について紹介しました。今回は、従業員が会社に抱く「不満」について考えてみます。

従業員の不満が多い会社は、問題のある会社なのでしょうか。

普通はそう考えがちです。給与や待遇への不満が少なく、会社への愛着が強いほど、良い職場だと評価されます。

しかし、働きやすい会社になれば、従業員の不満はなくなるのでしょうか。

この疑問を調べるため、拙稿では中国にある日系製造業の現地法人を対象に、2021年、2023年、2025年の3回にわたって実施した従業員調査を分析しました。回答者は延べ284人です。

この会社では、心理的安全性と組織コミットメントが比較的高い水準にありました。心理的安全性とは、自分の意見を安心して言えること、組織コミットメントとは、会社への愛着や帰属意識のことです。

ところが、従業員の自由記述には、さまざまな不満や要望が書かれていました。

2021年には、給与が物価上昇に追いつかない、昇給が少ない、人手が足りないといった声が目立ちました。

2023年には、待遇面の不満に加え、従業員の提案を経営陣が十分に聞いていない、報奨制度が公平でないといった指摘が見られました。

2025年には、給与や職場環境への要望が続く一方、従業員同士の交流を増やしたい、会社の業績と賞与を連動させたいといった意見も見られました。

つまり、待遇への不満が消えて、別の要望に置き換わったわけではありません。給与や労働条件への不満は残りながら、職場の人間関係、経営への参加、会社の将来など、関心の対象が広がっていたのです。

もちろん、これは一社の事例なので、心理的安全性が高まったから意見が多様化したとは断定できません。

それでも、人材管理について一つの示唆があります。

従業員から不満が出ることは、必ずしも会社が悪くなっていることを意味しません。安心して意見を言えるからこそ、それまで表に出なかった問題が見えてくる可能性もあります。

不満がどれだけあるかだけでなく、何に不満を感じているのか。

従業員の声を評価するときには、その「内容」に目を向けることが大切なのではないでしょうか。

論文情報は以下。末尾のURLから概要をご覧いただけます。

Kokubun, K., Ino, Y., Shibahara, N., & Ishimura, K. (2026). When good organizations still face employee concerns: Psychological safety and the content of employee concerns in a Japanese subsidiary in China. Asia Pacific Business Review.

https://doi.org/10.1080/13602381.2026.2754528

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、組織のあり方についての研究に従事している。この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

電子インボイス、外国のECプラットフォームに義務付け

【クアラルンプール】 財務省は外国を拠点とする電子商取引(EC)プラットフォームとプラットフォーム上で販売する売り手に対し、電子インボイスの使用を近く義務付ける。監視強化が目的だ。アミルザン・アリ国内取引物価相が28日の予算審議で明らかにした。

監視を確実なものにするため政府は、ECプラットフォームおよびプラットフォーム上の売り手にマレーシア国内での事務所開設も義務付ける。中国最大級の共同購入型ECプラットフォームの拼多多(ピンドゥオドゥオ)や、中国国外向け姉妹サービスのTemuの監視が狙い。

外国のECプラットフォームには低額品に対し10%の売上税が適用されており、拼多多が商品価格の安さゆえにマレーシア人の人気を集めているため、国内の小売業者が異なる監督基準、税率に懸念を表明していた。電子インボイスは、従来の紙または電子文書による取引記録をデジタル化し、リアルタイムでの税務報告を可能にする制度。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月28日)

GST再導入見送り、売上サービス税を維持へ=第2財務相

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、物品・サービス税(GST)の再導入を見送り、現行の売上・サービス税(SST)のみの制度を維持する方針だ。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は29日、生活費の負担が続く中、国民への影響を考慮する必要があるとして、SSTの改善を続ける考えを示した。

アミル・ハムザ氏は下院における2027年度予算案に関する財務省の審議答弁で、GSTは低所得層ほど所得に占める財・サービスへの支出割合が高いため、逆進的な性格を持つと説明。税率が同じでも、所得に対する負担は低所得層のB40や中間所得層のM40で相対的に重くなると指摘した。

一方、SSTは課税対象とする商品・サービスを政府が選択でき、生活必需品を非課税とするなど、より対象を絞った課税が可能だと強調。今後もSSTを見直し、税の重複による負担や企業の納税手続きを簡素化する方針だと述べた。
財政見通し2027によると、SST収入は2025年の559億リンギから、26年には670億リンギに増加する見通し。27年には733億リンギに達し、2年間で174億リンギ増えると予測されている。

アミル・ハムザ氏は、SST収入は国内総生産(GDP)の3%に相当し、GSTが導入されていた2017年と同水準に達していると説明。GSTに切り替えても税収が必ずしも増えるわけではなく、輸出企業を含む事業者から国民へ税負担が移る可能性があると述べた。

またアミル・ハムザ氏は、GSTは徴税効率や透明性、仕入税額控除の仕組みに利点があると認める一方、納税手続きに伴う企業の負担にも言及した。GST登録企業は2018年に約70万社だったのに対し、SST登録企業は26年に約13万社にとどまるという。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、ザ・サン、エッジ、10月29日)

石川・富山県の合同物産展、11月2日より伊勢丹KLCCで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 石川・富山の両県は11月2日より、クアラルンプール(KL)市内の伊勢丹KLCCで物産展を合同開催する。日程は2日―9日がパート1で、10日―25日にパート2を開催する。

事業名は「マレーシアにおける石川県・富山県産品プロモーション」で、6月29日―7月3日に行ったバイヤー招聘・商談会の結果を踏まえて実施する。2県で合計17社が86品目を出展する予定。両県の地元食品メーカーが、水産品、水産加工品、調味料、菓子・デザートなどを展示・即売する。

石川県の出展企業(商品)は▽ウフフ(モチドーナツ)▽四十萬谷本舗(糀・甘酒など)▽ゴーゴーカレーグループ(ベジタリアンカレー)▽加賀守岡屋(焼きいなり)▽佃食品(にしん甘露煮など)▽北陸製菓(スナック・ビスケット)▽千田果樹園(ゼリー)▽産直ネットワーク(バームクーヘン)▽宮商逸味潮屋(ブリたたきなど)――の9社。

富山県からは、▽中村海産(みりん干し)▽海津屋(氷見うどん)▽杉野味噌醤油(味噌・醤油)▽片口屋(バーニャカウダ)▽魚津漁業協同組合(ホタルイカ加工品)▽マツオ(シロエビ加工品)▽葵食品(刺身カクテル)▽丸米製菓(あられ)――の8社が出展することになっている。

ドゥイットナウでの決済、中国含むアジア5カ国・地域で可能に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 銀行間決済システムを運営するペイメンツ・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)は、中国のアント・グループが提供する決済プラットフォーム、アリペイプラスとの提携を強化。マレーシア人旅行者は加入する銀行のアプリを用い、中国、香港、韓国、フィリピン、ラオスのアリペイプラス加盟商店で決済ができるようになったと発表した。

マラヤン・バンキング(メイバンク)、CIMB、ホンリョン・バンクの3行が最初の導入行で、バンク・イスラムも近く参加する。同5カ国・地域の加盟商店で、マレーシア人は銀行アプリでマレーシアの標準QRコード、ドゥイットナウの機能を開き、店頭に掲出されている、アリペイプラスのロゴのあるQRコードを読み取るだけで決済ができる。

ペイネットとアント・グループは23年から提携しており、アリペイプラスがサポートするウォレットを所有する旅行者は、マレーシアのドゥイットナウに参加する商店での決済が可能だ。

越境決済は増加しており、昨年のペイネットを通じた越境取引件数は3,000万件近くと、前年比150%増加した。

補助金なし「RON95」4.42リンギに引き上げ、29日から

【クアラルンプール】 財務省は28日、10月29日―11月4日の1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格を、前週の1リットル当たり4.32リンギから10セン引き上げ、4.42リンギとした。補助金適用外の「RON97」の価格も10セン引き上げ、4.80リンギから4.90リンギとなった。

補助金なし「ユーロ5 B10」および「B15」ディーゼルの小売価格は20セン引き上げ、5.07リンギから5.27リンギとする。「ユーロ5 B7」ディーゼル燃料も5.27リンギから20セン引き上げ、5.47リンギとする。

補助金付きの「RON95」の価格は1.99リンギ、「B10」および「B15」ディーゼル価格は2.10リンギで引き続き据え置く。

財務省は、西アジア情勢を巡る供給途絶への懸念から、前週はブレント原油価格が上昇したと指摘。シンガポールでは一部の石油製品の在庫が減少したものの、北東アジアからの供給は安定する見通しだとした。一方、世界的な石油価格は、中期的には変動しやすい状態が続くとした。
(ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、10月28日)

日揮のメタン排出管理施設、マレーシア経済省などが視察

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア経済省と、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の関係者がこのほど、茨城県大洗町のメタン排出管理技術の評価施設を視察した。施設を運営する日揮ホールディングス(本社・横浜市西区)が27日、発表した。

訪問したのは「JGCメタン排出管理技術評価センター」で、メタンの漏えいを検知・測定する技術の性能評価や技術開発を行っている。こうした技術は、メタンなどの温室効果ガスの排出量を正確に把握し、削減策を検討する上で重要となる。

視察では、日揮のメタン排出管理サービスや技術評価の取り組みについて説明を受けたほか、温室効果ガスの排出削減などについて意見交換が行われた。

日揮ホールディングスは9月、海外事業会社を通じ、ペトロナスとJOGMECなどと、東南アジア初となるメタン排出管理実証設備「SEA METEC」設立に向けた協力覚書(MoC)を締結している。