国家経済行動評議会、サプライチェーンと国内産業保護策を承認

【クアラルンプール】 国家経済行動評議会(MTEN)は、世界的な供給危機の中、サプライチェーンと国内産業の継続性を確保するため、▽物流円滑化▽リスク軽減▽市場拡大――の3つの提案を承認した。製造業支援と投資促進を図る。

アクマル・ナスルラ―・モハマド・ナシル経済相は21日に行われた世界的な供給危機に関する定例ブリーフィングで、これらはMTEN危機管理タスクフォース、マレーシア投資貿易産業省(MITI)、マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)が提示した複数の戦略的緩和策の一部であると述べた。

アクマル氏はまた、政府は影響を受けた産業が利用可能な国内供給源を評価するとともに、国家戦略上のニーズと相互補完的な貿易原則に基づいた二国間交渉を強化していると言明。「製造業においてはバリューチェーンを混乱させている主要原材料不足に関する苦情が寄せられている。主な課題として挙げられているのは短期的に代替供給源を確保することの難しさ、そして輸出国からの制限や制約のリスクだ」と述べた。

その上でアクマル氏は、オーストラリアとの協力は、マレーシアの肥料生産に必要なリン酸塩や、オーストラリアのマレーシア産尿素の需要など、エネルギーと農業資材の安定供給を確保することに重点を置いていると述べ、安定したエネルギー供給フローの維持に向けた共通の取り組みを強調した。

また中国との協力では、重要な医療機器の国内生産を支援するため、樹脂とナフサの供給を増やすための戦略的措置に重点を置いていると述べた。
(ベルナマ通信、エッジ、ザ・スター電子版、4月21日)

KL中心部の賃貸住宅、24年下半期以降は賃料が安定

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)市中心部の賃貸住宅の賃料は2024年上半期に、パンデミック中の下落から反騰したが、下半期以降および2025年は安定的に推移した。不動産仲介のジュワイIQIは、今年は現在の水準を維持すると予想している。

ジュワイIQIはペトロナス・ツイン・タワーズ、パビリオン・クアラルンプール周辺にある郵便番号地域の取引1,000件余りから平均賃料を算出した。2024年上半期の平均賃料は月6,454リンギと、ジュワイが2018年に統計を取り始めて以来の最高を記録した。しかしそれ以降は市場も落ち着き、同4,500―5,000リンギになった。

賃料が高かったのはバンヤン・ツリー・シグネチャー・パビリオン、セント・メリー・レジデンシズなどで、月1万リンギ超の物件もあった。一方で、同1,200リンギと手ごろな物件もある。2025年下半期に最も取引件数が多かったのは3,000―5,000リンギの住宅。この先、ジュワイは3,500―5,300リンギの物件取引が多数を占めると予想している。
(ビジネス・トゥデー、フリー・マレーシア・トゥデー、4月22日)

補助金なし燃料価格が軒並み値下げ、原油価格の下落受け

【クアラルンプール】 財務省は22日、23―29日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり4.02リンギから15セン安の3.87リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も、前週の5.10リンギから25セン引き下げられ4.85リンギとなった。

半島部のディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は5.97リンギから85セン値下げされ5.12リンギとなった。「ユーロ5 B7」ディーゼルは5.32リンギとする。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。

財務省は、価格引き下げは世界的な原油価格の下落を受けたものだとした上で、ただ依然として高水準にあると指摘。「世界的な原油価格は下落しているものの、エネルギー市場の不確実性は依然として残っており、供給の完全な回復はすぐには実現しないだろう。また、西アジアの生産施設では混乱が生じており、世界的なサプライチェーンの安定化には時間が必要だ」と述べた。
(ポールタン、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、4月22日)

現行の燃料補助金政策の変更はない=ファディラ副首相

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は21日にベルナマ・ラジオの独占インタビューに応じ、中東における地政学的緊張が高まっているものの現行の燃料補助金政策を急に変更するつもりはないと言明。いかなる政策決定も性急な措置ではなく、包括的なデータ分析に基づいて行われると述べた。

ファディラ氏は、西アジアにおける紛争が1―2年間続く可能性があると認識しているが、いかなる措置もマレーシア国民の大多数の安全を守ることを最優先事項とすると強調。「エネルギー供給の安定、国民の安全確保、経済成長の継続、そして産業界が必要とする支援の確保に必要な措置を決定するためには、データに依拠しなければならない」と述べた。

その上でファディラ氏は、月々の補助金支出が60億―70億リンギに達しているものの、政府は経済計画を遅滞させることなく国民への支援を継続していくと言明。レギュラーガソリン「RON95」とサバ州とサラワク州におけるディーゼル燃料への補助金を含む既存の補助金政策は、生活費の急激な上昇が国民の負担とならないよう最新データに基づいて維持される」と述べた。

また中東危機が3年続く場合については、ホルムズ海峡に関連するサプライチェーンの混乱を受けて、政府が最悪のシナリオに備えていると強調。国営石油会社ペトロナスはアジア太平洋、オーストラリア、南米、アフリカからの代替供給源確保に向けた積極的な措置を講じる一方、補助金付き燃料の密輸出を阻止するため、国境での取り締まりを強化していると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ポールタン、ベルナマ通信、4月21日)

世界的供給危機が国内価格に影響を及ぼし始める=経済相

【クアラルンプール】 アクマル・ナスルラー・モハマド・ナシル経済相は、世界的な供給危機の影響が輸送、物流、商品価格、そして日々の生活費に波及し始めており、マレーシアはコスト調整の段階に突入しつつあると述べた。

アクマル氏は21日に地元テレビで生放送された世界的な供給危機に関する特別ブリーフィングの中で、4月13日から19日までの期間における一部の食品価格のモニタリング結果から、価格変動はまちまちであることが分かったと説明。供給圧力が一律に発生しているのではなく、品目によって異なり、天候、農業投入コスト、輸送コスト、短期的な供給変動といった要因に影響されていることを示していると述べた。

アクマル氏によると、標準鶏肉の平均価格は1キログラムあたり9.09リンギから9.33リンギへと2.8%上昇した一方、牛肉の価格は1キログラムあたり35.65リンギへと5.0%下落し、Cグレードの卵は10個あたり平均3.66リンギで横ばいだった。

魚介類と野菜のカテゴリーでは、サバの価格は1キログラムあたり17.08リンギから16.43リンギへと下落し、カラシナの平均価格は1キログラムあたり5.89リンギから6.21リンギへと上昇、ほうれん草の価格は1キログラムあたり5.26リンギで横ばいだった。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、4月21日)

中小零細企業支援、融資保証を80%に引き上げ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は20日、エネルギー危機の影響を受けた中小零細企業を支援するための複数の措置を発表した。経費上昇に苦しむ事業者からの意見を取り入れたもので、「政府は産業界の要望に直ちに行動し、あらゆる支援がそれを必要とするものに届くようにする」と強調した。

政府は事業融資保証会社に50億リンギを追加注入し、建設、農業、農林水産・食品、物流、観光業などを支援する。保証限度を80%(従来は70%)に引き上げ、保証期間も10年(同7年)にする。保証会社は民間金融機関と協力して融資組み換えもサポートする。

年商100万―500万リンギの企業に対するデジタルインボイス義務化を2027年末まで1年延期し、この間、月次でまとめて内国歳入庁へ提出する一括申請を容認する。

マレーシアから持ち出されたものの、中東紛争のためマレーシアに持ち帰ることになった国産輸出品に対する輸入税と売上税の免除も検討する。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、4月20日)

カジノリゾート運営のゲンティン、人型ロボットのAGIBOTと提携

【クアラルンプール】 統合型カジノリゾートなどを運営するゲンティン・マレーシアは、人工知能(AI)に身体性を持たせたエンボディドAIロボットをゲンティンの接客、娯楽に活用するため、世界有数の汎用エンボディドAIロボットの上海智元新創技術(AGIBOT)と覚書を交わした。締結式は上海で開かれたAGIBOTパートナー会議で行われた。

AGIBOTのアベル・デン社長によれば、ゲンティン・マレーシアのテーマパーク、ホテル、パフォーマンスの場に人型ロボットを配し、接客、サービスの「再定義」を目指す。覚書に基づき両社は、接客やコンシェルジェ機能を果たす人型ロボットの開発、ショーや没入型アトラクションと人型ロボットの融合などのソリューション開発を進める。

来年初頭にはリゾーツ・ワールド・ゲンティンでマレーシア初のロボットパフォーマンスを催し、実演とAIロボットを融合させ、没入型体験を観客に提供する。マレーシア初の試みだ。
(ビジネス・トゥデー、4月17日、エッジ、4月20日)

ランカウイ島フェリー減便、観光業界などが抗議集会

【ランカウイ】 燃料価格高騰に伴うランカウイ島と本土を結ぶフェリー減便を受け観光業界や住民らから政府に早急な解決を求める声が上がっている。19日夜にはクア旅客ターミナルに数百人が集まり、平和的な抗議活動を行った。複数の非政府組織の代表者らはフェリーのダイヤを直ちに元に戻すよう求めた。

3月25日以降、ランカウイ島へのフェリー便は1日5便から3便に削減されている。運航会社フェリー・ライン・ベンチャーズは便数削減の理由として、産業用ディーゼル燃料価格の高騰が事業の財政的持続可能性を脅かしていることを挙げている。現在の燃料価格水準ではフル稼働を続けると運航停止に追い込まれる恐れがあるため、運航規模を縮小せざるを得なかったという。

抗議集会に出席したケダ州市民青年組織(マダニ・アナク・ムダ)のズライディ・ラヒム会長は、燃料費高騰のため3月25日からフェリーの減便で島への観光客が減少していると指摘。「観光業に依存するランカウイ島の住民、特に小規模事業者に深刻な影響を与えている。この状況がさらに1、2カ月続けば、島の経済はさらに悪化する可能性がある」と述べた。

ランカウイ観光協会のザイヌディン・カディル会長は、フェリーの便数が約1カ月間縮小された結果、特に国内からの観光客の到着数が著しく減少したと指摘。「観光客の約70%はランカウイ島への移動手段としてフェリーを利用している。便数が減ると観光客の流入が鈍化する。多くの旅行代理店のカウンターが閉鎖されている」と述べた。

ランカウイ地区バス運転手協会のシュクリ・サアド会長は、フェリーの運航スケジュールが限られているため、4月は多くの予約がキャンセルされたと指摘。「便数が減ると、早めに島に到着して滞在時間を最大限に活用することが難しくなる」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月20日)

サンダカンの水上集落で大規模火災、1千戸8千人が被災

【サンダカン】 19日午前1時30分頃、サバ州サンダカンの水上集落から出火。火は強風にあおられて4ヘクタール超の集落にまたたく間に広がった。発生から約2時間半後の午前4時過ぎまでにほぼ鎮圧されたが、集落1,200戸のうち1,000戸計8,000人の住民が焼け出された模様だ。死傷者は報告されていない。

現場はサンダカン湾に面して高床式木造家屋が立ち並ぶ集落。サンダカン消防署と、応援要請を受けた隣接するキナバタンガン消防署からも消防隊員が出動した。しかし、集落へは狭い進入路しかなく消防車が入れなかったことに加え、干潮時間帯で使える海水も少なく、消火活動は困難を極めた。周辺の工場のタンクローリーや消火栓なども活用し、消火に当たったという。出火原因は現在調査中だ。

サバ州政府は消火活動中の同日午前4時には、集落を災害地域に指定。20日午前8時現在で、避難所6カ所が開設され、少なくとも219世帯248人が身を寄せているという。またムスタパ・サクムド首相府相(サバ・サラワク州問題担当)も関係機関に被災住民支援に迅速にあたるよう指示した。
(ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、4月19日、ベルナマ通信、4月20日)

カルテックスの一部給油所で在庫不足、北部州にも拡大の見通し

【クアラルンプール】 カルテックス・マレーシアの一部給油所でレギュラーガソリン「RON95」やディーゼル燃料の供給に遅延や一時的な不足が起こっており、今後マレーシア半島北部の州にも影響が拡大する見通しだ。

カルテックスでは11日ごろから、セランゴール州など首都圏クランバレーの一部給油所で、供給への影響が確認されている。港湾での予期せぬ「船舶バースの混雑」による配送遅延が原因とされる。

さらに同社は17日になりソーシャルメディアを通じ、ペルリス、ケダ、ペナン、ペラ、クランタン州にも数日以内に拡大する可能性がある、と投稿。謝罪とともに、「配送の優先付けをし、影響の最小化に努めている」とした。

カルテックスは、米国系石油会社シェブロン・マレーシアが運営しており、半島全域で400以上の給油所を運営している。
(ベルナマ通信、4月18日、エッジ、4月17日、スクープ、4月13日)