首都圏の公共交通機関乗り放題乗車券、外国人観光客にも発売

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、8日付けで乗り放題乗車券「マイシティ・パス」を外国人観光客にも利用できるようにしたと発表した。公共交通網の利用促進および観光活動の活性化を目的としている。

「マイシティ・パス」が利用できるのは、軽便鉄道(LRT)、大量高速輸送(MRT)、モノレール、ラピッドKLバス、高速バス(BRT)。外国人の場合、1日券が10リンギ、3日券が25リンギとなる。

マレーシア人対象の1日券は8日付けで1リンギ値上がりして6リンギとなった。3日券は従来と変わらず15リンギ。プラサラナは、MRTプトラジャヤ線が昨年全線開通し、LRTシャアラム線が2025年に開通するなど、首都圏の鉄道網の拡大に伴う値上げだとしている。

「マイシティ・パス」は、プラサラナが提供する「PULSE」アプリ経由でオンライン購入できるほか、LRT、MRT、モノレール、BRTの各駅カウンターや一部のバス乗り場などでも購入できる。
(ビジネス・トゥデー、ポールタン、3月8日)

今年のラマダン入りは3月12日、統治者会議が発表

【クアラルンプール】 2024年のマレーシアのラマダン(断食月)入りは3月12日からと決まった。統治者会議の事務方トップである印章管理人、サイド・ダニアル・サイド・アハマド氏が10日、明らかにした。

クアラルンプール(KL)タワーやプトラジャヤ国際コンベンションセンターなど全国29カ所の観測地点で行われた新月の観察で決定した。シンガポールやインドネシアの宗教当局も同じく3月12日のラマダン入りを発表した。

ラマダン終了日も観測により正式決定されるが、現状では4月8日前後の予定で、その後はラマダン明けを祝うハリラヤが10、11の両日開催される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、3月11日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月10日)

公共バスにオープン決済システムを導入へ=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は6日、クレジットカードやデビットカードで運賃を支払うことができるオープン決済システムを公共バスに導入する計画を明らかにした。現状ではバス乗車にはタッチ・アンド・ゴー(TnG)カードが必須となっている。

ドイツの観光客が「TnGカードを所持していなかったため、ラピッドKLバスから乗車拒否された」とティックトックに投稿し話題になったことを受けてのもの。ローク運輸相は、バスへのオープン決済システム導入は以前から計画されており、当初は鉄道と同時に導入されるはずだったと説明。鉄道にオープン決済システムを導入するのは複雑な要素が絡むため時間がかかるが、バスでは、車両にカードリーダーを取り付けるだけで済むため、先行して実施すると述べた。すでに入札段階にあり、年内にラピッドKLバスに導入する見込みだとしている。

ローク運輸相はまた、公共交通インフラ整備の一環として、バス停を344カ所増やすことを検討しているとし、セランゴール州とクアラルンプールでは4,860万リンギを割り当て、7地区で総延長7,445メートル(m)の屋根付き歩道を建設中だと述べた。
(マレー・メイル、エッジ、3月6日)

配車サービスのボルト、マレーシアに進出か

【クアラルンプール】 エストニアの配車サービスで、タイなどで普及している「ボルト」が、マレーシアにも進出する模様だ。自動車関連ポータルサイト「ポールタン」が5日報じた。

ポールタンによると、ビジネスSNS「リンクトイン」にマレーシアのカントリー・マネージャー募集情報が掲載された。クアラルンプールでの勤務で、配車サービスを立ち上げるための責任者を募集するとしている。

ボルトは2013年に設立。45カ国で1億5,000万人以上の顧客と300万人のドライバーを擁している。最近、エジプトのカイロにも進出した。タイのバンコクでは、個人向けの配車サービス以外に法人向けサービスも提供している。ボルト・アプリは競合のグラブ・アプリと同様に「スーパーアプリ」として機能しており、配車以外に食品配達やカーシェアリングなどのサービスも提供しているという。
(ポールタン、3月5日)

ブリティッシュエアウェイズ、4年ぶりにKLーロンドン線を再開

【クアラルンプール】 英ブリティッシュ・エアウェイズは、4年間運休していたクアラルンプール(KL)ーロンドン線の運航を11月10日より再開すると発表した。

クアラルンプール国際空港(KLIA)とロンドン・ヒースロー空港(LHR)間をデイリー運航する。使用機材はボーイング「B787-9」型機。座席数は全216席で、ファーストクラス8席、クラブクラス42席、ワールドトラベラー・プラス39席、ワールドトラベラー127席の4クラス構成となる。往復運賃はエコノミークラスが620ポンド(3,718リンギ)から、プレミアムエコノミークラスが1,388ポンド(8,323リンギ)から、ビジネスクラスが3,200ポンド(1万9,190リンギ)から、ファーストクラスが4,000ポンド(2万3,987リンギ)からとなっている。

ブリティッシュ・エアウェイズは2001年にKLIAーLHR直行便を就航したがその後中断。2015年5月に運航を再開したが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、2020年に再度運航を休止していた。現在、KLIAーLHR間の直行便はマレーシア航空のみが運航している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、3月5日)

「物品サービス税の復活はない」、第2財務相が国会で言明

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は、物品・サービス税(GST)について「課税対象が広範な消費税であり、低所得層の負担を増すもの」として、再導入する意向はないと言明した。

アミル・ハムザ氏は、5日の下院議会における税制に関する議員の質問に、「国民、特に低所得層は生活費の上昇に直面しており、GST復活は時期として不適切」とした。

アミル・ハムザ氏は、「昨年の消費者物価上昇率は2.5%だったが、食品・飲料の上昇率は約5%だった。食品・飲料価格が国民の生活に最も影響する」と指摘。こうしたことから3月1日付けで原則8%に引き上げられた売上・サービス税(SST)の税率についても6%で据え置くことを決めたと述べた。

アミル・ハムザ氏はまた、国内総生産(GDP)に対する税収額の比率がシンガポールでは12.6%なのに対し、マレーシアは11.2%と相対的に低いと指摘し、政府として現行税制の改善と、多額の税を納入できる層への課税増に注力する方針であることを強調した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月6日)

スターバックスのボイコット、ベルジャヤ創業者が自重呼びかけ

【那覇】 多角経営のベルジャヤ・グループの創業者であるビンセント・タン氏は、同グループがマレーシアでフランチャイズ運営しているカフェチェーン、スターバックス・マレーシアがボイコット運動の被害を受けていることについて、「国民に被害を及ぼすだけ」だとして自重を呼びかけた。

タン氏は英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、スターバックス・マレーシアの従業員の85%がイスラム教徒であり、ボイコット運動はこれらのマレーシア国民に損害を与えるだけで、誰の利益にもならないと指摘。本社にも外国人は働いていないと強調した。

一方でタン氏は、スターバックス・マレーシアの売り上げが徐々に改善しており、不買運動は沈静化しつつあるようだと言明。今年第3四半期にはさらなる業績改善が見込まれると予想した。

米スターバックスは、イスラエル・パレスチナ紛争の激化にともない、親イスラエル企業とのレッテルを貼られており、米資本とは関係のないスターバックス・マレーシアもボイコットの対象となり業績が悪化。さらに対ドル・リンギ安が悪化にさらに拍車をかけ、運営会社のベルジャヤ・フードの2023年10ー12月期の収益は大幅に減少し、純損失が過去最高を記録した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月5日)

航空会社の「炭素税」徴収、早ければ4月から可能に=運輸相

【セパン】 アンソニー・ローク運輸相は、マレーシア航空委員会(MAVCOM)が「2018年マレーシア航空委員会(行動規範)規則」の改正を最終決定すれば、早ければ4月にも航空各社が旅客に「炭素税」を課すことが可能になると述べた。

その上でローク氏は、「炭素税」は政府が課すいわゆる「税」ではなく、航空会社が任意で利用者に課すものであるとし、実施するかどうかの判断は航空各社に委ねられると強調。2026年からの「再生航空燃料(SAF)税」導入と課徴義務化を発表したシンガポールとマレーシアは違うとした上で、徴収した「炭素税」の使い道については、航空各社が透明性の高い仕組みを持つことが必要だと述べた。

世界の航空業界は2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、国際航空運送協会(IATA)は、SAFの使用と、カーボン・オフセット(温室効果ガス排出の相殺)によって、排出量を80%以上削減できるとしている。

このほかローク氏は、3月から一部を除いて6%から8%に引き上げられた売上・サービス税(SST)について言及。国内航空運賃のSST税率について、これまでの6%のまま維持できるかどうか財務省と折衝する考えを示した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月5日、マレー・メイル、エッジ、3月4日)

NSKグローサー6号店、Amコープモールにオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 スーパーマーケットのNSKグローサーは3日、セランゴール州ペタリンジャヤのショッピング・モール「Amコープ・モール」に新店舗をオープンした。開店前に多くの顧客が詰めかけ、長い行列ができたため開場を早めることとなった。

同社にとり、KLのクイル・シティ・モール店、ベルジャヤ・タイムスクエア店、セランゴール州のパラゴン・ポイント・ショッピング・センター店、スリー・ダマンサラ店、サミットUSJ店に次ぐ6店舗目となる。

高品質の国内商品や輸入品を幅広く取り揃えている。日用品や精肉、野菜、果物なども手頃な価格で販売しているが、会員になるとさらにお得に買い物ができるという。営業時間は午前10時から午後10時まで。現在、オープンを記念して割引キャンペーンも実施している。

ペナンヒルのケーブルカー、5月1日付けで運賃引き上げ

【ジョージタウン】 ペナン州傘下のペナン・ヒル・コーポレーション(PHC)は1日、麓とペナン・ヒルを結ぶケーブルカーの運賃を5月1日付けで改定すると発表した。

新しい料金設定では、スマート身分証カード「MyKad」及び「MyKid」保持者、居住者ID保持者(MM2H、i-Kad、労働許可証、マレーシア国民の配偶者) 向けのノーマル往復運賃は、大人が12リンギから16リンギに、片道運賃は6リンギから8リンギに引き上げられる。
また子ども(4ー12歳)及び高齢者(60歳以上)の往復運賃は、6リンギから8リンギにそれぞれ引き上げられるが、片道運賃は4リンギで据え置かれる。

「MyKad」および「MyKid」保持者向けのオフシーズンに使用可能なサンライズ・チケットは、往復3リンギから5リンギに引き上げられる。障害者はこれまで通り無料とする。

前回の運賃改定は2019年に行われた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月2日、エッジ、ベルナマ通信、3月1日)