1月末時点のMM2H利用者は5万6066人=観光相

【クアラルンプール】 外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの利用者数は、2024年1月末時点で5万6,066人に達している。ティオン・キンシン観光芸術文化相が12日の国会答弁で明らかにした。


 内訳は、MM2H利用者本人が2万7,759人で、その扶養家族が2万8,307人となっている。国別に見ると、利用者が最も多いのは中国の2万4,765人で、全体の44%を占めた。次いで、オーストラリア(9,265人)、韓国(4,940人)、日本(4,733人)、バングラデシュ(3,604人)、英国(2,234人)と続く。台湾、米国、シンガポール、インドからも1,000人以上が利用している。


 ティオン大臣は、昨年12月の条件緩和によりMM2Hの利用者がさらに増える見込みだとし、MM2Hをより魅力的で競争力のあるものにしたいと言明。観光省は、内務省や入国管理局などとともに、業界関係者の意見を考慮しながら、条件改善に向けての提案を精査しているとし、具体的には、年齢や財政能力、最低居住期間、プログラムの有効期間、居住用不動産購入などの条件について検討を行っていると述べた。


 MM2Hには昨年12月からプラチナ、ゴールド、シルバーの3カテゴリーが導入されており、それぞれ必要とされるマレーシア国内銀行の定期預金額が異なる。年齢は30歳以上となり、年間で60日以上の現地滞在が必要。帯同可能な扶養家族は子どもだけではなく両親も含まれるようになった。なおMM2H申請手続きは観光芸術文化省に登録されたエージェント経由でのみ可能となっている。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、ビジネス・トゥデー、3月12日)

空港利用で乗り継ぎ税を導入、出国税も見直し

【クアラルンプール】 マレーシア航空委員会(MAVCOM)は12日、国際便で出国する旅客に対する旅客サービス税(PSC)を6月1日付で見直すと発表した。クアラルンプール国際空港第1ターミナル(KLIA1)利用が73リンギ、同空港第2ターミナル(KLIA2)およびそのほかの空港利用が50リンギ。

MAVCOMは新たに乗り継ぎ税も導入する。国内便利用者が7リンギ。セナイ国際空港(JHB)のみ10リンギ。KLIA利用の国際便乗り継ぎ客は42リンギで、KLIA2とそのほかの空港の場合は29リンギ。新料金の施行期間は2026年12月31日までの2年半。料金改定は物価上昇を考慮した。6月1日以前に購入の航空券には現行料金が適用される。

これまで国際便利用の出国に対するPSCは、東南アジア諸国連合(ASEAN)内の旅行(35リンギ)とASEAN域外旅行(73リンギ)の2種だったが、新料金体系ではASEAN域内、域外の差をなくした。

国内便利用の出発の際の旅客サービス税は11リンギで据え置くが、JHBのみ16リンギに引き上げる。

MAVCOMはマレーシア・エアポーツ・ホールディングスが運営していない空港(JHB、ケルテー空港、タンジョン・マニス空港)に対し旅客サービス税の独自設定を認めたが、JHB以外はMAVCOMの勧告に従った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月13日、エッジ、3月12日)

シンガポールの検問所2カ所、19日からQRコードの利用を開始

【シンガポール】 シンガポール入国管理局(ICA)は、マレーシアからウッドランズとトゥアスの検問所を経由して車でシンガポールに入国する場合、入国審査でパスポートの代わりにQRコードが利用可能となると発表した。3月19日より利用可能となる。


 携帯端末に「MyICA」アプリをダウンロードし、パスポートの詳細を入力してQRコードを生成する。乗車している全員分の情報を入力し、1つのグループQRコードを生成することが可能。そのQRコードをスキャンするだけで済むため、従来よりも入国審査が迅速になる。ICAによると、4人乗りの車では約20秒、10人乗りの車では約1分の時間短縮が見込まれるという。


 シンガポールを訪れたことのある旅行者は、「MyICA」アプリの内蔵カメラ機能を使用し、パスポートのバイオデータページ(証明写真があるページ)の下部にある「MRZ」文字列をスキャンし、パスポート情報を自動入力する。QRコードの利用は任意で、従来通りパスポートを利用することも可能。ただし、初回入国の場合や前回の入国時とは異なるパスポートを利用する場合は、QRコードではなく、パスポートによる審査が必須となる。


 ICAは、QRコードによる入国審査を他の検問所にも順次拡大していくとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、3月12日)

コタキナバル空港の移転計画はない=ローク運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は11日に行われた下院質疑の中で、サバ州コタキナバル(KK)に新空港を建設する計画はないと言明した。ローク氏は新空港建設には巨額の費用がかかるためだと説明、その代わりにKK市内に近い既存空港(KKIA)の最適化を進めると述べた。

サバ州政府系投資会社のカザナ・サバ(QSB)は2022年6月、60キロメートル離れたキマニスに空港を移転する可能性について検討するため、ベルジャヤ・ランドと覚書を締結。2023年7月に「空港移転には3ー5年を要する」という見通しを発表した。しかし今年1月、ハジジ・ノール州首相は空港を急いで移転する必要はないと述べ、あと10年はこのまま現空港を維持する考えを示した。

ローク氏は「これまで提案に上っている新空港の立地はKKからは40ー50キロメートル離れた場所だ。一方でKKIAは市内中心部にも近く、利便性が高い。そのためKKIAのターミナル拡張や滑走路延長の可能性を検討している。第2ターミナルの強化も検討中だ」と述べた。

ローク氏によると、空港運営会社、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)はKKIAの旅客取扱能力を年間900万人から1,200万人以上に増やすため、ターミナル1の改修も検討しているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月12日、フリー・マレーシア・トゥデー、3月11日)

西海岸高速道路の第11工区が開通、5月11日まで通行料無料

【クアラルンプール】 西海岸高速道路(WCE)のペラ州タイピン・セラタン(南)ーベルアス間の第11工区が11日に開通した。当初は2023年内に完成する見込みだった。

開通式に出席したアレキサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、第11工区は3月12日ー5月11日の期間、通行料が無料になると発表した。同区間を利用すると所要時間が従来の55分から20分に短縮され、タイピン動物園、タイピン湖庭園、マタンマングローブ林保護区、ペラ博物館、レミスビーチ、パンコール島など、ペラ州の観光地へのアクセスも容易になる。区間内にはバイクシェルター6カ所、休憩施設(R&R)2カ所、野生動物横断トンネル2カ所も設置されている。

WCEはセランゴール州とペラ州を結ぶ高速道路で、全長は314.5キロメートル(km)。11工区に分けての建設工事が行われており、現時点で6工区が開通している。工事進捗率は93%で、2025年末までに完成する予定。全区間開通後には南北高速道路(NSE)の混雑の緩和につながり、クラン港などの港湾への主要物流ルートになることも期待されている。
(ポールタン、ベルナマ通信、3月11日)

ミニマートの99スピードマート、IPOで事業拡大資金を調達

【クアラルンプール】 小規模食料品店を展開する99スピード・マート・リテール・ホールディングスは11日、新規株式公開(IPO)のための仮目論見書を証券委員会(SC)に提出した。創業者とその家族は総発行株式の17%を手放す。
仮目論見書によると、上場後の一般株主の持ち株比率は最少で増資後の15%になる。通常は同25%。株式公開価格は未定だが、最大15億リンギ規模の資金調達になる見通しだ。
公開株式数は14億2,800万株で、10億2,800万株が売り出し株、4億株が新株式。機関投資家、および特定の投資家向けは12億1,800万株、小口向けは2億1,000万株で、一般公募分は1億6,800万株。
99スピード・マートは調達した資金を、新規出店と配送センター増設、配送用トラックの購入に充てる。現在の店舗数は2,542店で、2025年末までに3,000店にする計画だ。
創業者のリー・ティアムワー氏は中国食品販売店から身を起こし、小売チェーン展開に乗り出し、ミニマート王と称されるまでになった立志伝中の人。小児まひのため足を失い、車いす生活を送っている。バーガーキングのマレーシア、シンガポール事業を所有している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月12日、エッジ、3月11日、99スピードマート発表資料)

KLミッドタウンのハイアットリージェンシー、2025年開業へ

【クアラルンプール】 2021年12月より建設が進められてきた、米ハイアットの5つ星ホテル「ハイアット・リージェンシー・クアラルンプール・アット・KLミッドタウン」は、2025年にオープンする見通しだ。8日に上棟式が行われた。

マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)に隣接しており、部屋数は306室。104室がサービススイートで、大宴会場やイベント会場、レストラン2カ所も付属する。8.95エーカーの複合開発「KLミッドタウン」に含まれており、近隣にはオフィス棟、住宅棟、イオン・モール(総面積50万平方フィート、2025年末完成予定)も建設される。KLミッドタウンの総開発費は50億リンギ。

ハイアット・リージェンシーおよびKLミッドタウンの開発はKLミッドタウン社が担当している。同社は複合企業のハップ・セン・コンソリデーテッドの子会社ハップ・セン・ランドと不動産開発のナザTTDIの子会社TTDI KLメトロポリスの間の合弁会社。

ハップ・セン・コンソリデーテッドのトーマス・カール・ラップ会長は声明で、本ホテルは同社にとり、サバ州コタキナバルの「ハイアット・セントリック・ コタキナバル」に続く2軒目のハイアット・ホテルだとし、ハイアットとの協業は、同社のホスピタリティへの取り組みが成功している証だと述べた。
(ザ・スター電子版、エッジ、3月8日)

首都圏の公共交通機関乗り放題乗車券、外国人観光客にも発売

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、8日付けで乗り放題乗車券「マイシティ・パス」を外国人観光客にも利用できるようにしたと発表した。公共交通網の利用促進および観光活動の活性化を目的としている。

「マイシティ・パス」が利用できるのは、軽便鉄道(LRT)、大量高速輸送(MRT)、モノレール、ラピッドKLバス、高速バス(BRT)。外国人の場合、1日券が10リンギ、3日券が25リンギとなる。

マレーシア人対象の1日券は8日付けで1リンギ値上がりして6リンギとなった。3日券は従来と変わらず15リンギ。プラサラナは、MRTプトラジャヤ線が昨年全線開通し、LRTシャアラム線が2025年に開通するなど、首都圏の鉄道網の拡大に伴う値上げだとしている。

「マイシティ・パス」は、プラサラナが提供する「PULSE」アプリ経由でオンライン購入できるほか、LRT、MRT、モノレール、BRTの各駅カウンターや一部のバス乗り場などでも購入できる。
(ビジネス・トゥデー、ポールタン、3月8日)

今年のラマダン入りは3月12日、統治者会議が発表

【クアラルンプール】 2024年のマレーシアのラマダン(断食月)入りは3月12日からと決まった。統治者会議の事務方トップである印章管理人、サイド・ダニアル・サイド・アハマド氏が10日、明らかにした。

クアラルンプール(KL)タワーやプトラジャヤ国際コンベンションセンターなど全国29カ所の観測地点で行われた新月の観察で決定した。シンガポールやインドネシアの宗教当局も同じく3月12日のラマダン入りを発表した。

ラマダン終了日も観測により正式決定されるが、現状では4月8日前後の予定で、その後はラマダン明けを祝うハリラヤが10、11の両日開催される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、3月11日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、3月10日)

公共バスにオープン決済システムを導入へ=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は6日、クレジットカードやデビットカードで運賃を支払うことができるオープン決済システムを公共バスに導入する計画を明らかにした。現状ではバス乗車にはタッチ・アンド・ゴー(TnG)カードが必須となっている。

ドイツの観光客が「TnGカードを所持していなかったため、ラピッドKLバスから乗車拒否された」とティックトックに投稿し話題になったことを受けてのもの。ローク運輸相は、バスへのオープン決済システム導入は以前から計画されており、当初は鉄道と同時に導入されるはずだったと説明。鉄道にオープン決済システムを導入するのは複雑な要素が絡むため時間がかかるが、バスでは、車両にカードリーダーを取り付けるだけで済むため、先行して実施すると述べた。すでに入札段階にあり、年内にラピッドKLバスに導入する見込みだとしている。

ローク運輸相はまた、公共交通インフラ整備の一環として、バス停を344カ所増やすことを検討しているとし、セランゴール州とクアラルンプールでは4,860万リンギを割り当て、7地区で総延長7,445メートル(m)の屋根付き歩道を建設中だと述べた。
(マレー・メイル、エッジ、3月6日)