30日にKLの道路を一部通行止めに、国王の退位式で

【クアラルンプール】 アブドラ・リアヤトゥディン・アルムスタファ第16代国王の退位式が30日に開催されることを受け、マレーシア警察の交通調査執行局(JSPT)は、同日午前9時からクアラルンプール市内7路線を全面通行止めにし、13路線は一時閉鎖すると発表した。

JSPTのモハマド・アズマン局長によると、有料高速道路で影響を受けるのは、新パンタイ高速道路(NPE)、マジュ高速道路(MEX)、シャアラム高速道路(KESAS)。その他、王宮周辺の一般道路も閉鎖される。退位式の進捗に応じて段階的に再開される予定。

モハマド・アズマン局長は、道路利用者に対し、当日は交通渋滞を防ぐため、通行止めの道路を避けるとともに、現地の交通警察の指示に従うよう呼びかけた。警察官91人を交通規制業務に派遣する。

アブドラ国王は2019年1月より5年間在位していた。イブラヒム・イスカンダル第17代国王(ジョホール州スルタン)の即位式は31日に開催される。
(ポールタン、1月29日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、1月28日)

プトラジャヤで自動高速輸送システムの試験運転を来月開始

【プトラジャヤ】 プトラジャヤ・コーポレーション(ペルバダナン・プトラジャヤ)は24日、自動高速輸送システム(ART)の試験運転を2月1日から開始すると発表。2月1ー4日の4日間は運賃を無料にするとした。

プトラジャヤ・コーポレーションはフェイスブックへの投稿で、プトラジャヤでの試験運転は12月まで実施すると言明。イベント「プトラジャヤ・オープンデー」に合わせて4日間のみ運賃を無料にすると述べた。ARTのルートや技術仕様などについては未発表。

ARTは軌道のないトラムで、サラワク州クチンでも水素を動力源とした車両の実証実験を実施しており、2025年第4四半期の商業運転開始を目指している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ソヤチンチャウ、ローヤットドットネット、1月24日)

MYエアラインの運航者証明、民間航空局が停止処分を3カ月延長

【クアラルンプール】 マレーシア民間航空局(CAAM)は、経営危機となっている新興格安航空会社のMYエアラインに対する航空運航者証明書(AOC)の停止処分を、今年4月14日まで3カ月延長すると発表した。

MYエアラインは昨年10月12日に突如、「深刻な財務問題」を理由に運航を停止し、すでにチケット購入済みの12万5,000人が影響を受けた。これを受けてCAAMは同16日、MYエアラインに対するAOCを90日間停止した。
国営「ベルナマ通信」は先ごろ情報筋の話として、MYエアラインが中東の投資家との間で株式売却契約を締結したと報じた。ただ投資家の身元は明らかにされていない。

業務再開を目指すMYエアラインは、昨年11月14日に期限切れになったマレーシア航空委員会(MAVCOM)からの条件付き航空運送事業サービス許可(ASL)についても再取得を目指しているが、定期航空便を運航するには、ASLとAOCの両方が必要となる。

CAAMの広報担当者によると、かつて10機あったMYエアラインの登録済みの機材は現在は1機だけとなっている。
(エッジ、1月24日)

KL空港高速鉄道、ERLの運営権を30年延長

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、エクスプレス・レール・リンク(ERL)との間で締結している、クアラルンプール(KL)セントラルとKL新国際空港(KLIA)を結ぶ高速鉄道の運営権について、2059年まで30年間延長することを政府が承認したことを明らかにした。現協定の期限は2029年までとなっていた。

新たに追加された協定により、これまで認可制だった直通列車の「KLIAエクスプレス」と各駅停車の「KLIAトランジット」の運賃について、ERLは「市場主導型」の運賃体系を導入できるようになる。ローク運輸相は「政府はERLに対する補償という財政的義務から解放される」と述べた。

政府は2016年、KLセントラル―KLIA間の上限運賃を64リンギに設定。 ERLはそれ以来、運賃を片道55リンギに据え置いている。

新たな協定に基づき、政府は2029年よりERLに対する旅客サービス料(PSC)からの支払いを停止すると発表した。ERLは現在、乗客から受け取る運賃とは別に、KLIAを利用する航空旅客に課されるPSC(国際線5リンギ、国内線1リンギ)の一部を受け取っている。

また新たな協定では、ERLが一定の基準(10%の内部収益率=IRR)を満たした場合、ERLの利益の30%を政府が受け取る権利を得るという内容が盛り込まれている。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、1月23日)

セレンバンセントラル駅起工、他の9駅も刷新=ローク運輸相

【セレンバン】 アンソニー・ローク運輸相は19日、首都圏クランバレー複線化プロジェクト第2期(KVDT2)の下で、2.8億リンギを投じるマレーシア国鉄(KTMB)10駅のインフラ整備プロジェクトを発表した。発表に先駆けて、17日の閣議でプロジェクトが承認された。

1.7億リンギはネグリ・センビラン州のセレンバンにおける新駅「セレンバン・セントラル」建設に充てる。同日には新駅の起工式が行われ、同相も出席した。工事を受注したダヤ・マジュLTATには24カ月以内の完工が求められる。完成すれば国内初の二酸化炭素排出実質ゼロの駅となる予定。1904年創建の旧駅舎正面は、歴史的建造物として新駅と統合された上で保存される。「セレンバン・セントラル」建設計画は、KVDT2のコストを下げるために2019年に棚上げされていた。

また1.1億リンギは首都圏クランバレーの9駅の刷新に充てる。刷新されるのは▽セラク・サウス▽バンギ▽パンタイ・ダラム▽セリ・セティア▽バトゥ・ティガ▽パダン・ジャワ▽クラン▽ジャラン・カスタム▽ポート・クラン――。2週間以内に工事が開始される予定。

第1期のKVDT1はすでに97%完了しており、作業は4月末に完了する予定だ。
(ザ・スター、1月20日、ポールタン、ベルナマ、1月19日)

2月1日よりマレー半島、ラブアンで水道料金を値上げ

【ペタリンジャヤ】 国家水道事業委員会(SPAN)は17日、2月1日付けでマレー半島およびラブアンの利用者を対象に、水道料金を1立方メートル当たり22セン値上げすると発表した。

SPANの声明によると、値上げは供給コスト増に伴うもので、料金設定メカニズム(TSM)に基づき実施する。今回の値上げでも1立方メートルあたり1.75リンギ(2022年時点)という供給コストを全面的にカバーすることは難しいが、毎月の水道料金への影響を抑えるために最小限の値上げを行うことを決定した。世帯あたりの平均値上げ幅は3リンギ程度にとどまると予想されている。

SPANは、浄水場の建設・更新、古いパイプの交換など、給水システムのインフラ整備に向けた継続的な投資のためにも値上げの延期は難しいとし、水道料金はTSMに基づき、3年ごとに見直されることになっていると述べた。

一方、ペナン州のチョウ・コンヨウ首相は同日、州の家庭用水道料金が2月1日付けで2倍になると発表した。月間使用量が0ー20立方メートルの場合、現状1立方メートルあたり22センの水道料金が50センまで値上げされる。20ー35立方メートルでは現状の46センから1.10リンギに、35立方メートル以上では現状の68センから2リンギとなる。ただし、下から40%を占める低所得者層(B40)で8人以上の世帯および世帯収入が月額1,035リンギ以下の場合には、毎月10リンギの割引が提供される。

チョウ州首相は、過去31年間値上げが行われてこなかったことが、ペナン水道公社(PBAPP)の収入に影響を及ぼしており、値上げは、水道インフラの新設や既存インフラの維持管理のために必要だと述べた。PBAPPは値上げにより年間8,600万リンギの増収が見込まれるが、そのうち約7,800万リンギを貧困層向け補助金として支出する必要があるという。

チョウ州首相は、1月10ー14日に実施された計画断水によって老朽化した既存インフラの更新の必要性が示されたとし、今が水道料金の値上げを行う絶好のタイミングだと述べた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、1月17日)

 

ジャヤグローサー、シャアラムに49店舗目をオープン

【クアラルンプール】 高級スーパーマーケット・チェーンのジャヤ・グローサーは14日、セランゴール州シャアラムの「プラザ・シャアラム」に49店舗目をオープンした。シャアラムでは「プラザ・ジェルトン」及び「アーデンス・ラブズ」に次ぐ3店舗目となる。

ジャヤ・グローサーのアデリーン・フー氏は、格付会社のRAMレーティングスがマレーシアの2024年の国内総生産(GDP)成長率を4.5ー5.5%と予想していることを指摘し、「大半の調査機関による高い経済成長予測に基づき、今年はさらに業績が向上すると予想している」と述べた。

ジャヤ・グローサーは1月13日から21日まで野菜や肉などのさまざまな生活必需品を特別割引で提供するほか、輸入スナックやキャットフードなどについてもキャンペーンを実施している。
(ザ・サン、1月15日、マレー・メイル、ベルナマ、1月14日)

KLとプトラジャヤでごみの分別開始、違反者に罰金

【ペタリンジャヤ】 固形ごみの分別を規定した固形廃棄物・公共清掃法の運用が今年から開始された。同法を採用した連邦直轄領のクアラルンプール(KL)とプトラジャヤではごみの分別が義務付けられ、違反に対しては罰金が科せられる。

連邦直轄地固形廃棄物・公共清掃公社(SWcorp)によると、集合住宅の場合、管理組織または管理組合が分別の責任者とされる。罰金は1回目の違反が100リンギで、2回目が200リンギ、3回目が500リンギ。

土地付き住宅の場合、住宅所有者がごみ管理の責任を負う。違反に対する罰金は同様に、50リンギ、100リンギ、500リンギ。罰金を納付しなかった場合は罪に問われ、最高1万リンギの罰金に処せられる。4回目、5回目の違反では罰金でなく裁判にかけられる。

同法を採用しているのは、KLとプトラジャヤのほかにパハン、ジョホール、マラッカ、ネグリ・センビラン、ぺルリス、ケダの6州。政府はこれらの地域に対し、年間20億リンギ余りを廃棄物処理、公共清掃費用として支出している。

住宅管理組織・組合は住民向けに、十分な広さの廃棄物保管施設を提供しなければならず、これに違反した場合も最高1,000リンギの罰金が科せられる。
ごみの分別は埋め立てるごみの量の削減が狙い。KLにおける昨年1-11月のごみ収集量は約77万トンで、再利用率はわずか0.17%にとどまっている。

衛星通信のミアサット、スターリンクの販売代理店に

【クアラルンプール】 衛星通信事業者のミアサット・グローバルは昨年12月、衛星通信サービス「スターリンク」の再販業者となる契約を米スペースXと交わし、正規販売代理店になった。

スターリンクは、低い高度を回る衛星を使って通信網を構築した衛星通信サービスで、地球上のどこにでも高速インターネットを提供できる。スペースXはイーロン・マスク氏が率いる航空宇宙メーカー、宇宙輸送サービス会社。契約に基づきミアサットは、自社がサービスを提供するアジア、アフリカ、欧州、オーストラリアなど130カ国でスターリンクのハードウエアやサービスを販売する。

ミアサットのガネンドラ・セルバラジュ最高商務責任者(CCO)によれば、地上回線にアクセスできないマレーシア国民に対する高速インターネットサービスが強化されるという。一方、スターリンクにとっては、顧客サービス、技術サポート、保守・修理面でミアサットのマレーシアでのプレゼンスを活用できる。
(ザ・スター、1月12日)

馬・星両国、陸路国境での旅券なし往来を検討

【ジョホールバル】 マレーシア・シンガポール両国は、陸路国境における旅券なしの往来の実現に向け検討に乗り出した。マレーシア経済省とシンガポール貿易産業省が11日、共同声明で明らかにした。

旅券なし往来のシステムはQRコードシステムを使ったもので、ジョホール・シンガポール経済特区(JSSEZ)の開発支援のための取り組みの一環。両省は旅券なし往来が可能になれば、両国国境における出入国審査がより迅速に行われることになるとしている。

JSSEZについては同日、推進覚書(MoU)が締結され、両国首相が立ち会った。エレクトロニクス、金融、ビジネス関連サービス、ヘルスケアなどのセクターが対象で、両国間の貿易の促進が期待される。

JSSEZの開発支援に向けた取り組みとしては、旅券なし往来のほか、シンガポール企業がジョホール州に拠点を設立するために必要な承認・ライセンス申請を一貫して行うことができるワンストップ・ビジネス・投資センターの設立、陸路国境における貨物通関手続きのデジタル化、再生可能エネルギー協力の促進などが挙げられている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、1月11日)