サイムモーターズが創立45周年、記念セールなどを展開

【クアラルンプール】 創立45周年を迎えたサイム・モーターズは、国内最大の自動車販売店として、12月にかけてさまざまな記念イベントを実施する。

サイム・モーターズは、コングロマリットのサイム・ダービーグループとして1980年に設立された。1990年代にかけて、全国規模での顧客基盤拡大に注力し基盤を築き、2000年代に入りプレミアム車など幅広いセグメントに進出し、急成長を遂げた。

また2023年にはUMWグループを買収し、UMWトヨタ・モーターとダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)を傘下に収めた。また2022年には中国・比亜迪汽車(BYD)と提携し、国内市場でいち早く電気自動車(EV)の販売を開始した。現在はこのほか、BMW、ミニ、ジャガー、ポルシェ、ボルボ、フォード、現代(ヒョンデ)などのブランドも手掛けている。

グループのジェフリー・サリム・デイビッドソン最高経営責任者(CEO)は「モーター事業はグループにとって重要な成長の原動力となってきた。今後は特に電動モビリティとアジア太平洋市場全体において、新たな機会を切り拓いていきたい」と語った。

10月には45時間連続のセールイベントが予定されているほか、9月から12月にかけて毎月プレゼント企画やスポーツイベント、オーケストラによるコンサートなども計画されている。
(カーシフ、9月3日、ポールタン、9月4日、モタオート、9月5日)

格安航空スクート、スバン空港の利用拡大の方針

【クアラルンプール】 シンガポール航空(SIA)の格安航空子会社スクートは、セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)の利用を拡大する意向だ。

スクートは昨年9月、26年ぶりとなるスバン空港のナロージェット機乗り入れ再開に合わせ、シンガポール―スバン線を就航。エアバスA320型機を使用し、毎日運航している。レスリー・タン最高経営責任者(CEO)が英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、同路線は非常に好調で、マレーシア航空当局の承認が得られることを前提に、増便に前向きな姿勢を示した。

スクートはクアラルンプール新国際空港(KLIA)からもシンガポール便を運航しているが、タン氏は「どちらの空港がいいか、乗客は柔軟に選べるようになる」と述べた。

スバン空港に関しては、今年に入りエアアジアとファイアフライが相次いで撤退。ジェット機を運航しているマレーシアの航空会社は、バティック・エアのみになっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、9月8日)

静岡わさびフェアのマレーシア開催、農水省補助事業に採択

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 伊豆わさび漬組合(所在地・静岡県三島市)は、2025年9月1日ー10月24日の日程で静岡県伊豆地域の老舗14社共同による「静岡わさびフェアinマレーシア」をクアラルンプール(KL)で開催する。同イベントは農林水産省補助事業「令和6年度補正予算・加工食品クラスター輸出緊急対策事業」に採択された。

「静岡わさびフェアinマレーシア」は、マレーシア初の十割そば店舗×展示スペース併設型店舗である「元年堂」パブリカ店で開催する。従来の展示会形式にとどまらず、現地卸業者と連携し、小売店やレストランへ直接アプローチを行い、生活者の声を起点に“持続可能な輸出モデル”を構築するという。

店舗フェアでは、元年堂の特別メニューにわさび加工食品を使用、アンケート取得200人を目標とする。また100社以上の取引実績を持つ卸業者と連携し販路を確立。現地小売・レストラン5社への営業代行を行う。さらにインスタグラム・TikTokを使った多言語発信(英語・マレー語)によるデジタルマーケティング、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証や商習慣をテーマに輸出人材育成・相談会を開催する。

航空旅客数、2025年7月に930万人を突破=CAAM

【プトラジャヤ】 マレーシア民間航空局(CAAM)は、マレーシア国内空港の旅客数が2025年7月に930万人を記録し、ほぼ新型コロナパンデミック前の水準に戻ったと明らかにした。

前月比では3.9%、前年同月比では5.3%それぞれ増加した。第2四半期の旅客数は前年比10.5%増の2,650万人となり、パンデミック前の水準の99.3%に達した。年初7カ月では6,120万人となり、CAAMは年間予測の1億580万人―1億1,290万人に向かって着実に進んでいるとしている。

7月の国際線旅客数は470万人に達し、前月比9.6%増、前年同月比3.4%増となり、新型コロナ前の2019年7月の水準の98.7%に達した。国内線旅客数は主に6月のスクールホリデーや祝日の影響で、前月比1.3%減の460万人となったが、前年同月比7.4%増を達成し、パンデミック前の94.8%に達した。

CAAMのノラズマン・マハムード最高責任者(CEO)は、国際旅客の増加は座席数の拡大、中国とインドからの観光客に対する政府の30日間ビザ免除、そしてコタキナバル-大邱、スバン-バンコク、クアラルンプール-パレンバンといった新規路線の開設によるものだと指摘した。

主な空港で旅客数が増加し、クアラルンプール新国際空港(KLIA)第1・第2ターミナルは4.4%増、セナイ国際空港は9.7%増、コタキナバル国際空港は7.2%増、ランカウイ国際空港は6.6%増、ペナン国際空港は4.0%増、クチン国際空港は0.2%増となった。

貨物輸送量は、年初に関税引き上げを受けた前倒し輸送が行われたが、輸送パターンが正常化したことで前年比2.8%の減少となったものの、7月には前月比11.4%増の9,300万キログラムと回復した。
(ザ・サン、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月4日)

国土交通省、ニライ技能短大で物流人材育成支援事業を実施

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ネグリ・センビラン州のニライ技能短期大学(ニライ・ポリテクニク)でこのほど、国土交通省の物流人材育成支援事業として、約120人の学生に対する集中講義が行われた。

同省の5日の発表によると、集中講義は8月18日から7日間実施された。同省の職員から日本の物流政策や、コールドチェーン物流サービスに関する取り組みについて説明があったほか、佐川グローバルロジスティクス(本社・東京都品川区)の社員が講師として協力。日本の物流現場で採り入れられている、整理、整頓、清掃、清潔、躾という「5S」を意識した業務改善を実技形式で紹介したり、学生たちによるディスカッション形式での新規提案などが行われた

同省では、東南アジア諸国連合(ASEAN)での物流マネジメント人材を育成するため、SGH財団(事務局・京都市下京区)の協力のもと、2015年から同事業を実施。今年はマレーシア以外に、ラオス、ベトナムでも実施した。

外国人観光客誘致、26年には4700万人を目標=副首相

【プトラジャヤ】 政府は、観光客の滞在期間延長と消費額の増加を目指す「マレーシア観光年(ビジット・マレーシア・イヤー2026=VM2026」の一環として、今年は4,300万人、2026年には4,700万人の外国人観光客の受け入れを目指す方針だ。

アハマド・ザヒド・ハミディ副首相は、2日に開催されたVM2026全国委員会の会合後、キャンペーン成功に向けた▽ブランディングとマーケティングキャンペーンの強化による需要創出▽航空会社、旅行代理店、地域の入国地点との戦略的パートナーシップによるマレーシア訪問客の増加▽エコツーリズム、ショッピングツーリズム、ニッチなアトラクションといった効果の高い分野への注力――の3つの主要戦略を発表した。

ザヒド氏は、特に中東が異常気象に見舞われる時期に中東の観光客を誘致するために、季節ごとの観光プロモーションを実施することの重要性を強調。「提案されている取り組みの一つは、マレーシア・ミッドナイトセールを強化し、マレーシアを最高のショッピングツーリズムとして位置付けることだ」と述べた。

2024年にマレーシアを訪問した外国人観光客は3,800万人に達し、前年比31.1%増となった。一方、国内観光客は2億6,010万人に達し、同21.7%増となった。
(ザ・サン、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、9月2日)

KLIAエアロトレインの深夜帯の保守が完了、24時間運行を再開

【クアラルンプール】 空港運営会社マレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は、クアラルンプール国際空港第1ターミナル(KLIA1)メインターミナルとサテライトターミナルを結ぶKLIAエアロトレインが8月18日から31日までの2週間にわたる深夜帯のメンテナンスを終え、24時間運行を再開したと発表した。

2週間の深夜帯のメンテナンスは7月の運用開始以降に収集された運用データに基づき、システムの信頼性と応答性を微調整するために行われた。請負業者のアルストムもこの期間を利用して信号ソフトウェアのアップデート試験を行った。メンテナンス期間中はシャトルバスがメインターミナルとサテライトターミナル間の旅客輸送を行った。

KLIAエアロトレインは4億5,600万リンギをかけて刷新され7月1日に完全運行を再開したが、早々に度重なるトラブルに見舞われた。7月4日には大雨でトンネル内に水が溜まり、運行開始からわずか3日間で一時運休に追い込まれた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月3日)

マツダの新高級SUV「CXー80」「CXー60」販売開始

【クアラルンプール】 マツダ車の販売を手掛けるベルマツ・モーターは3日、6人乗り高級クロスオーバーSUV「CXー80」を発表。6月から先行予約を受け付けていた5人乗りの「CXー60」とともに、正式に発売を開始した。両車種ともにマレーシア市場初投入で、注目される。

新たに発表されたCXー80は、全輪駆動(AWD)のプラグインハイブリッド車(PHEV)モデル。2.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIVーG 2.5」と、17.8キロワット時(kWh)のリチウムイオンバッテリーを組み合わせた電動モーターを搭載する。8速オートマチックトランスミッションを採用。パワートレイン全体での最高出力は323馬力(328PS)、最大トルクは500Nmで、最高速度は195キロメートル(km)となる。電動モーターのみでの航続距離は、欧州基準(NEDC)で最大65km。

車内は2列目が左右独立式のキャプテンシート、3列目は2人掛けのベンチシートになっている。ボディーカラーは、メルティングカッパーメタリック、ロジウムホワイト、アーティザンレッド、プラチナクォーツ、ジェットブラックの5色展開。日本からの完全輸入車(CBU)で、マレーシア半島での価格は33万1,610リンギ(保険料込み)になる。
(ポールタン、ジグホイールズ、ローヤット・ドットネット、9月3日)

AIを活用したホテル「ウィンダム iシティ」、12月に開業

【クアラルンプール】 不動産開発のアイ(I-BHD)は、米系ウィンダム・ホテルズ・アンド・リゾーツと提携。セランゴール州シャアラムに、人工知能(AI)を活用したホテル「ウィンダム iシティ」を12月に開業する。

ホテルはアイが開発を進めるスマートシティ「iシティ」内の55階建ての建物の39―55階を占める形で開業。200室で、キッチン付きの1ベッドルームから3ベッドルームで構成される。ウィンダムは2億リンギを投資したという。

さらに、同じ建物の12―38階はサービス付きレジデンス「ウィンダム・スイーツ・iシティ」となり312戸が入居する。建物全体の設備管理にAIが活用されるほか、ホテルではコンシェルジュや配膳などのサポート業務へのロボット活用も予定されている。

またホテルの開業に合わせ、マレーシア初のAI・ロボティクス体験センター「iシティAIワールド」もオープン。同施設は、ロボット開発を手掛ける上海智元新創技術(AgiBot)との提携によるもので、iシティの中核と位置付けられている。アイのリム・キムホン会長は「ホスピタリティとテクノロジーが一体化した未来の姿を提供していく」としている。

両社は昨年12月にクアラルンプール中心部に「ウィンダム・スイーツKLCC」を開業。屋内型テーマパーク「ウィンスポーツ」などが人気を集めている。72エーカーにも及ぶiシティでも同様のテーマパークやヘルスケア施設を展開するなど提携を強化していく計画だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月2日)

クラン港、初の世界トップ10コンテナ港入り

【クアラルンプール】 クラン港(セランゴール州)が「ロイズ・リスト2025」のトップ100コンテナ港ランキングで10位にランクインし、初めてトップ10入りを果たした。クラン港は2022年に13位、2023年に11位と着実に順位を上げていた。

クラン港の2024年のコンテナ取扱量は1,464万4,527TEU(20フィート標準コンテナ換算)で、前年(2023年)の1,406万1,000TEUから4.1%増加した。

マレーシア運輸省は、クラン港の取扱能力を強化するための継続的な取り組みを反映したものであり、2025年の取扱量は1,500万TEU近くにまで増加すると予想されると言明。「ウエストポートのターミナル拡張により2028年までに処理能力が倍増する予定であり、ノースポートのバースのアップグレードとキャリー島の大規模プロジェクトにより、最終的には2060年までに国内の処理能力が年間3000万TEUに増加する」と述べた。

マレーシアではクラン港のほか、タンジョン・プルパス港(PTP、ジョホール州)が取扱量が1,225万TEUで15位に入った。両港を合わせると世界5位の水準となる。

日本勢は東京港の45位が最高で、横浜港は70位、神戸港は75位、名古屋港は76位、大阪港は87位だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、9月1日、ロイズ・リスト発表資料)