95%が1つ以上の電子ウォレットを使用=リンギプラス調査

【クアラルンプール】 マレーシアの価格比較サイト、リンギプラス(RinggitPlus)の調査で、回答者の95%が少なくとも1つの電子ウォレットを使用していると答えた。2022年調査の89%、23年調査の91%からさらに上昇しており、消費者のデジタル化が急速に進んでいることがわかった。

同調査はサードパーティの分析プラットフォームを介して自己記入式のオンラインアンケートを使用して、全国のマレーシア人3,385人を対象に実施した。また回答者の45%が少なくとも1つのデジタルバンクに口座を持っており、26%が口座を開設する予定だと答えた。保険契約/タカフル契約については、回答者の29%はオンラインで購入することを好むと回答、代理店経由を好むとの回答は39%にとどまった。

金融関連の調査を行う際の主な情報源については、ソーシャルメディア(65%)がトップで、家族や友人 (53%)を上回った。収集した情報の信頼性に関しても、ソーシャルメディアを信頼する傾向が強く、ソーシャルメディアに対する信頼スコアは平均4.05と、家族や友人(3.36)、銀行・金融機関(3.22)よりも高かった。

リンギプラスのユエン・トゥックシュー最高経営責任者(CEO)は、「マレーシア人がキャッシュレス化し、デジタルバンキングを受け入れるようになるにつれて、デジタル個人情報や金融情報の保護、潜在的な詐欺や不正行為を特定する能力などが非常に重要なスキルとなる」と指摘。一般市民がますますオンラインで金融活動を行う傾向にあることは、「デジタル金融リテラシー」の重要性を示していると述べた。
(エッジ、1月13日)

為替相場の変動は続くもリンギは下期に持ち直し=投資銀

【クアラルンプール】 リンギ相場は昨年、2月の低値(1米ドル=4.8リンギ)から9月の高値(同4.12リンギ)と変動が大きかった。地政学上の緊張、米国大統領選挙など強い米ドルとなる要因があったためだ。ケナンガ・インベストメント・バンクは、変動は今年も続き、上半期はリンギ安で推移し、下半期に持ち直すと予想している。

上半期の相場予想は1米ドル=4.5-4.6リンギで、トランプ次期米大統領のドル高政策が主因だという。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げペースの減速が必要との立場で、下半期はリンギが上昇し、1米ドル=4.4-4.5リンギが予想されるという。

トランプ要因以外の短期的な米ドル高要因では、FRBとほかの国の中央銀行の金融政策の乖離、ユーロ圏経済のもろさ、課題に直面する中国、地政学上の不確実性が挙げられるという。

これに対し中央銀行バンク・ネガラの安定した金融政策、堅調な経済、財政健全化努力がマレーシアの強みで、リンギ下落を軽減するという。
(ビジネス・トゥデー、1月11日)

ペナン初の軽便鉄道が起工、2031年の全線開通目指す

【ジョージタウン】 ペナン初の軽便鉄道(LRT)ムティアラ線の起工式が11日、バンダル・スリ・ピナン駅の建設地で行われ、アンワル・イブラヒム首相やアンソニー・ローク運輸相、チョウ・コンヨウ州首相らが出席した。

MRTコーポレーションのザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)によると、総工費は130億リンギで、ペナン南端の人工島(シリコン島)とペナンの合同庁舎が入るジョージタウンのトゥン・アブドル・ラザク・コンプレックス(コムター)、本土側バターワースの統合交通ターミナル、ペナン・セントラルを結ぶ全長29.5キロメートルの路線で、2031年までの全線開通を予定している。

合計21の駅が設置され、海峡を結ぶ鉄道橋は2026年第2四半期に建設が開始される予定下を船舶が通行できるよう最も高い場所で高さが62メートルになるという。コムター駅の手前のマッカラム駅がペナン・セントラル方面への乗り換え駅となる。

使用車両は今年後半に公開入札で決定される予定。利用客の目標は3年目までに1日あたり6万人、20年後には16万8,000人としている。

ローク運輸相は、LRTムティアラ線プロジェクトの重要ポイントはコムターとペナン・セントラル間の接続だとし、ペナン海峡の両側の住民のアクセスを改善するのが狙いだと述べた
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、1月11日)

奈良県、いちごと柿の輸出プロモをマレーシアで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 奈良県は、奈良県産のいちごと柿の輸出プロモーションをマレーシア(首都圏クランバレーとペナン)の高級スーパーマーケットで10日から16日まで開催する。

農林水産物の輸出拡大が見込めるマレーシア市場へ奈良県産農産物の販路開拓を図るのが狙い。現地小売店でのテスト販売、プロモーションの実施を通して、マレーシア国内における現地ニーズを把握し、県産農産物の販売ターゲットを明確にするとともに、マレーシア市場の有望性を検討する。

開催店はジャヤ・グローサーの4店舗(ガーデンズ・モール、スターリング・モール、サンウェイ・ピラミッド、ガーニー・パラゴン)と伊勢丹KLCCの合計5店舗。奈良県産のいちご(古都華)と柿(富有柿、あんぽ柿)を展示即売している。あんぽ柿は半熟の干し柿となっている。

16日にはミシュラン掲載店で試食会を実施する。同店シェフが考案したメニューが披露され、マレーシアの著名シェフやスーパーマーケットから20人が招待される予定。

エルミナレイクサイドモール、開業以降月平均64万人集客

【クアラルンプール】 セランゴール州のショッピングモール「エルミナ・レイクサイド・モール」(ELM)は、昨年8月の開業以来4カ月あまりで99%の稼働率を達成。月平均で64万人が訪れ、不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティが開発を手がけるエルミナ市の中核施設として順調な発進をみせている。

ELMは17.2エーカーの敷地に、20万平方フィート超の純賃貸可能面積を誇る。現在、96のテナントが入居し、そのうち35%が食品・飲料の店舗。月平均2,000万リンギの売上を生み出すという。

サイム・ダービー・プロパティは2000年から、6,500エーカー、総開発価値280億リンギとされるエルミナ市の開発を進めてきた。現在までに1万2,800戸の住宅が完成し、6万7,000人が暮らす街に成長。最終的に15万人になる計画だ。住宅、商業だけでなく、産業向け開発も進められている。

11日にはELMの敷地内に新たにエルミナ屋外彫刻博物館がオープン。マレーシアの現代アーティストを紹介する専用スペースになるという。開業式典に出席した同社のアズミル・メリカン最高経営責任者(CEO)は「芸術と文化の発信スペースの追加により、エルミナ市はさらに地位が高まった。これからも経済活動を促進し、コミュニティのつながりを育み、住みやすく成長しやすい場所にしていきたい」と語った。
(ザ・スター、ビジネス・トゥデー、1月11日)

JS-SEZ、10年以内にクランバレーに匹敵=経済相

【クアラルンプール】 ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)の国内総生産(GDP)は今後10年以内に、年間約280億米ドル(1,259億リンギ)を追加創出するようになり、首都圏クランバレー(クアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴール州を含む)に匹敵する経済圏に成長しそうだ。

ラフィジ・ラムリ経済相は9日にあったイベントで、JS-SEの成長見通しを示した。ラフィジ氏は7日のJS-SEZに関する覚書締結にも立ち会ったことを踏まえ、今後、外国投資と地元投資の両方を誘致し、技術革新などを強化しながら持続可能性を促進する必要性を強調。「2国にまたがる経済特区は世界でもまれで、困難も予想されるが、シンガポールとの協力関係を十分に活用できれば、ジョホールは今後10年間で次の成長エンジンになる」と付け加えた。

2023年のジョホール州のGDPは1,480億リンギ、クアラルンプールは2,490億リンギだった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、1月9日)

RON95補助金合理化、新たな所得分類を近く決定=経済相

【クアラルンプール】 レギュラーガソリン「RON95」の補助金支給対象決定に向けた所得分類方式の見直しについて、ラフィジ・ラムリ経済相は審議の最終段階にあると言明。内閣は数週間以内に新たな方式を正式決定すると述べた。

所得別に最下層40%を占める「B40」、中間層40%を占める「M40」、上位20%を占める「T20」で構成された、これまでの3所得分類を段階的に廃止する。第10次マレーシア計画(10MP、対象期間2010―15年)以来、政府の補助金政策、財政支援はこの分類に基づいて行われてきたが、経済省は純可処分所得に基づく分類への変更を提案していたという

内閣が見直し決定を正式に下した後、政府は補助金の対象となる受給者の特定に着手する。ラフィジ氏によると2,100万人のデータを網羅した世帯別の収入データ「中央データベース・ハブ(パドゥ)」を用いて対象者を特定するが、最近新規登録受付を再開したという。

所得分類の方法については、にカザナ・リサーチ・インスティチュート(KRI)は「T20、M40、B40」方式はもはや国民の実際の経済状況を反映していないとして、上位30%、中間層50%、最下層20%で分類した「T30、M50、B20」を提言している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、1月9日)

経済成長率は5%超に、第2財務相が強気見通し

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は9日、ブルームバーグとの会見で、経済は昨年の好調を維持し、今年の国内総生産(GDP)成長率は5%超になるとの強気予想を示した。

昨年の財政赤字は当初目標だった対GDP比で4.3%を下回ったようだという。今年は同3.8%への縮小を目指す。アミル・ハムザ氏は「外国からの直接投資は堅調で、多くの活動の成果が現れつつある。今年は良い年になる」と語った。

運用資産が2兆リンギ近くある政府系投資会社は5年間で5,000億リンギを直接投資に配分するのが常だが、今回はさらに1,200億リンギを積み増す。

アミル・ハムザ氏はトランプ次期米大統領の関税に関する発言や貿易戦争について「世界市場は変動に見舞われているが、マレーシアにはそれを切り抜ける強靭さがある」と述べた。

ラフィジ・ラムリ経済相はフォーラムに出席した際、ブルームバーグの取材に対し、経済成長の勢いは維持されるとしたものの、トランプ次期米政権の政策がマレーシアに与える影響を理由に、成長加速には慎重姿勢を示した。
(ザ・スター、1月10日、エッジ、マレー・メイル、1月9日)

石破首相が訪マ、アンワル首相との首脳会議で関係強化を確認

【プトラジャヤ】 マレーシアを訪問中の石破茂首相は10日、アンワル・イブラヒム首相と首脳会議を行い、東シナ海、南シナ海、中東、ミャンマー情勢などで意見を交換。こうした地域的・国際的な問題に対処するために両国の協力関係を強化していくことを確認した。両首脳はまた教育面での協力関係強化でも合意した。

会談後の共同記者会見で石破首相は、両国がこれらの問題に関して緊密なコミュニケーションを維持することに合意し、平和と安定を促進するという共通のコミットメントを強化したとし、「緊密に連絡を取り合うことでアンワル首相と一致した」と述べた。

石破首相はまた、マレーシアが頻繁に洪水に見舞われていることに触れ、災害リスク管理におけるマレーシアとの二国間協力を強化する意向を表明。「マレーシアは洪水による被害にしばしば直面している。災害リスク管理における日本の専門知識と経験を活用し、この問題に対処するために協力することで合意した」と述べた。
このほか石破首相は、4月13日に開幕する大阪・関西万博に触れ、二国間関係の強化と両国間の協力促進の一環としてアンワル首相を個人的に招待する意向を示した。

一方、アンワル首相は、石破首相が初の二国間訪問先としてマレーシアを選んだことを「マレーシアを重要なパートナーとして真剣にみていることの表れ」と評価。石破首相との会談は私が経験した中で最も充実したものの一つだとした。

アンワル首相はまた、二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯蔵(CCUS)事業などマレーシアが進めるクリーンエネルギー政策における日本の役割を称賛した。
(ベルナマ通信、1月10日)

今年のGDP成長率は4.5-5.0%、製造業者連盟が予想

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は今年のマレーシア経済について、世界的不確実性が高まっているにもかかわらず、堅調な国内需要、活発な投資活動、輸出と観光業の成長に牽引され、着実に成長すると見込んでいる。

FMMのソー・ティエンライ会長は、2024年第2、第3四半期のマレーシアの国内総生産(GDP)はそれぞれ5.9%と5.3%堅調を維持したとし、今年通年の成長率は4.5%から5%の間になると予想されると言明。「中国の回復の鈍化、米国の政策の潜在的な変化、世界的な商品価格の変動、国内のインフレ圧力などのリスクは残っている」とした上で、輸出は今年も好調を維持すると予想されており、電気・電子、半導体、パーム油、機械、化学品などの主要セクターが牽引しているとした。また過去のデータに基づくと、懸念される米国の関税引き上げがマレーシアの輸出に与える影響は限定的になると予想されると述べた。

一方、インフレ率については、最低賃金の引き上げ、外国人労働者に対する従業員積立基金(EPF)の拠出金の見直し、売上・サービス税の適用範囲拡大、補助金合理化などの国内要因の影響を受けて、2025年には約3%に上昇するとみられるとした上で、それでも財務省の目標範囲である2%―3.5%にとどまると予想されると述べた。

通貨リンギについては、堅調な国内需要と観光部門の改善に支えられ、2025年も堅調に推移すると予想しているとした上で、「米連邦準備制度理事会の利下げ、労働力供給の変化、インフレなどの要因がリンギ・レートに影響を与えるだろう」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、1月8日)