三菱モーターズ、カジャンに3Sセンターを開設

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)はこのほど、セランゴール州カジャンに3S(販売、サービス、部品交換)センターを開設した。首都圏クランバレーにおける三菱自動車のネットワークは19拠点になった。

新センターは、敷地面積1万5,800平方フィート(1,500平方メートル)で延べ床面積は9,600平方フィート(930平方メートル)。正規販売店のミレニアム・オートハウスが運営する。ミレニアム・オートハウスにとって、2021年9月に開設したコタ・ダマンサラ店に続く、2番目の拠点となる。クロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」や、ピックアップトラック「トライトン」などの人気車種を展示し、販売とアフターサービスの両方を提供する。

MMMの池田真也 最高経営責任者(CEO)は「センター開設はミレニアム・オートハウスとのパートナーシップを強化し、クランバレー全域における三菱自動車のプレゼンス拡大という両社の共通のコミットメントを反映している」としている。
(カーシフ、ポールタン、4月28日)

昨年のインフレ率は1.8%、ナシレマは13年間で81%高騰

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は29日、2024年通年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)の分析報告書を発表。CPIは全体で132.8となり、前年の130.4に対するインフレ率は1.8%となった。前年のインフレ率の2.5%からは鈍化した。

13の調査対象項目のうち、衣料・履物が0.3%、通信費が1.5%の下落で、それ以外の11項目では上昇した。そのうち、外食・宿泊(3.1%)、食品・飲料(2.0%)、保健(1.8%)、教育(1.5%)、交通費(1.0%)、家具・家庭用品等(0.7%)の6項目で前年の上昇率を下回り、インフレ率の鈍化につながった。一方、家賃・光熱費(3.0%)、雑品・サービス(同)、娯楽・文化(1.8%)、酒類・たばこ(0.7%)、保険・金融(0.3%)は前年を上回った。

州ごとにみると、1.8%を上回ったのは、ペナン州の3.0%を筆頭に、パハン州、サラワク州、セランゴール州の4州だった。東南アジア諸国連合(ASEAN)9カ国で比較すると、マレーシアのインフレ率を上回ったのは、ラオスの23.1%を最高に、ベトナム、フィリピン、シンガポール、インドネシアの5カ国だった。

さらに、マレーシアの定番食品11品目について2011年と比較。国民食ナシレマは11年の2.03リンギから24年には3.68リンギに、チキンサテーは11年の1本0.51リンギから24年に1.09リンギとなり、それぞれ81.3%、113.7%のアップとなった。

武藤経産相が来馬、ザフルル通産相と会談

【クアラルンプール】 米政権の関税措置を受け武藤容治経済産業相は27日から30日にかけ、マレーシアとタイを訪問し、閣僚と会談した。クアラルンプールでは28日、テンク・ザフルル投資貿易産業相と会談、2国間および日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)における産業協力について意見を交換した。

ザフルル氏のXへの投稿によると、世界的な先行き不透明の中、両国は人工知能(AI)と次世代自動車の分野で2国間連携を深めることを確認した。現在の国際経済環境への対応についても意見を交換。「マレーシアおよび日本は公正で実効性のある解決策を探るため、一致団結しなければならない」とした。

アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)について連携していくことも確認したという。AZECとはほとんどのASEAN加盟国と日本、豪州の11カ国が参加する、域内のカーボンニュートラルを目指す協力の枠組み。

タイで会見を開いた武藤氏は米政権による関税措置について、ASEAN諸国と連携を取りながら、ルールに基づく多角的な貿易体制を守っていきたいと述べた。
(エッジ、マレー・メイル、報道資料、4月29日)

産直ECのセカイマルシェ、経産省の補助金事業に採択

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジアで生鮮食品の産地直売EC(電子商取引)を展開するセカイマルシェ(本社・東京都江東区)は29日、人工知能(AI)を活用したECプラットフォーム構築の取り組みが、経済産業省の補助金事業として採択されたと発表した。

採択されたのは、経産省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」。今回の補助金を通じ、AIを活用して需要予測、ピッキング・配送の自動化などを進め、効率性と価格競争力を高め、シェア拡大を図るという。

セカイマルシェは2020年からマレーシアを中心に、産直ECの取り組みを進めており、生産者450社、ホテル・レストラン・ケータリング(HORECA)事業者1,700社と取引実績がある。

官民連携ファンドを設定、半導体産業の能力向上図る

【クアラルンプール】 マレーシア投資開発庁(MIDA)、マレーシア製造業者連盟(FMM)、プライベートエクイティーファンドのビンタン・キャピタル・パートナーズは半導体産業の企業を育成し、バリューチェーンを引き上げるための投資ファンド「ビンタン半導体インパクト・ファンドI」を設けることで合意し、覚書を交わした。

半導体産業を不確実な将来に備えさせるのが狙いで、MIDAの監督能力、FMMが持つ産業界ネットワーク、ビンタン・キャピタルの金融知識を融合させることで、国内企業の能力を世界レベルに引き上げる。信頼に足る半導体センターとしてのマレーシアの地位を強化し、投資誘致にもつなげる。国内企業が新規株式公開(IPO)に乗り出せるよう後押しする狙いもある。

社会、環境面では、「B Corp」認証の基準を守り、持続可能な社会の実現を促進する。「B Corp」認証とは、米国の非営利団体が運営する、社会や環境に配慮した企業を認証する制度。
(エッジ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月29日)

外食向け商材のオザックス、KLのホテル向け卸売企業を子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 外食産業向け紙・フィルム・消耗材などの専門商社オザックス(本社・大阪市中央区)は28日、クアラルンプール市(KL)に拠点を置くFKFホテル&レストラン・サプライズの株式80%を取得したと発表した。

FKFは2007年創業で、高級ホテルチェーンなどを顧客基盤とする、厨房機器、調理器具、食器などの業務用卸売企業。オザックスは海外事業の拡大を目指しており、マレーシアのホテル市場では、多くのグローバルホテルの開業が予定され2024年から2028年にかけて年率6%のベースで成長するといわれていることから、FKFの子会社化を決めた。

オザックスは今後も東南アジア市場で事業の拡大を図る。

売上サービス税の適用範囲拡大の実施が延期に=財務省

【クアラルンプール】 2025年度予算案演説の際に発表され、当初2025年5月に施行が予定されていた売上・サービス税の適用範囲拡大は、少なくとも1カ月延期される見通しだ。財務省の広報担当者が28日、発表した。

財務省は拡大される範囲と適用税率を最終決定するため、様々な業界との全国的な協議をすでに完了しているが、広報担当者は、「円滑な実施を確保するため、ガイドラインと対象範囲の見直しを進めている」と実施延期の理由を説明した。

マレーシア王立関税局(JKDM)のアニス・リザナ・モハマド・ザイヌディン局長は、新たな税制改正の官報公示を6月1日に行うよう財務省から指示を受けたことを明らかにした。官報公示は当初、今年第1四半期に行われる予定だった。官報公示が6月1日に変更されたことから、施行は早くても6月2日となる。

財務相を兼務するアンワル・イブラヒム首相は、昨年10月の予算案演説時にはSST適用範囲の具体的な詳細は明らかにせず、生活必需品以外のサーモンやアボカドといった輸入高級品を含む品目に対する売上税を引き上げるとのみ述べていた。サービス税についても範囲が拡大されることになっており、これまで免税対象となっていた企業間の商業サービス取引、特に手数料ベースのサービスが対象となる。

SST見直しについては、米トランプ政権による大幅な関税引き上げの影響を懸念するマレーシア製造業者連盟(FMM)やマレーシア華人商工会議所(中華工商聯合会、ACCCIM)といった産業団体から延期を求める声が上がっていた。
(ザ・スター電子版、エッジ、4月28日)

BATマレーシア、第3四半期までに電子たばこ製品販売を停止

【クアラルンプール】 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・マレーシア(BATマレーシア)は、電子たばこ製品の規制を盛り込んだ「2024年公衆衛生のための喫煙製品規制法」(法律852)を遵守するため、2025年第3四半期までにマレーシア市場における電子たばこ製品販売を段階的に停止すると発表した。

BATマレーシアは、「今回の移行では新規制を遵守しつつ電子たばこ製品の商業的評価を実施し、可燃性タバコの価値向上に引き続き注力していく」としている。
BATマレーシアは、世界トップ・シェアの電子たばこブランドを自称する「Vuse」をマレーシア市場で販売している。可燃性たばこではダンヒル、ピーター・スタイベサント、ロスマンズ、KYO、ラッキーズといったブランドを販売している。

電子たばこについては、先ごろズルケフリー・アハマド保健相が、昨年10月1日に施行された法律第852号に基づき、取締活動と規制強化を実施すると述べていた。同法は特に18歳未満の個人を対象としており、電子たばこや喫煙機器を含むあらゆる喫煙製品の購入、使用、販売を禁止している。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、4月28日)

世界銀行、マレーシアの今年GDP成長率を3.9%と予測

【クアラルンプール】 世界銀行は、厳しい世界経済環境を理由にマレーシアの経済成長が2025年に鈍化すると予測。3.9%との低めの最新の成長予想を示した。2024年のGDP成長率は5.1%だった。今年第1四半期は速報値で4.4%となっている。

世界銀行のマレーシア担当、アプルバ・サンギ主任エコノミストは、「あらゆる留意点を踏まえた予測」だとしている。世界銀行はマレーシアを含むアジア太平洋諸国の成長率見通しを発表し、中国は4%、インドネシアは4.7%、フィリピンは5.3%、カンボジアは4%、タイは1.6%、ベトナムは5.8%、としている。

世界銀行は、世界環境の悪化に起因する外的要因により、輸出が大きな逆風に直面するだろうと指摘。国内需要と個人消費は引き続き成長を牽引し、また民間投資は複数年にわたる継続的な投資と、既に承認されたプロジェクトの実施によって引き続き支えられると見込まれるが、主に貿易と投資をめぐる不確実性の高まりに起因する、いくつかの重大な下振れリスクにさらされているとした。マレーシアについては、国内リスクは国内政策によるインフレ圧力と、悪天候による供給混乱の可能性に起因しているとした。

今年のマレーシアの成長率については、国際通貨基金(IMF)が先ごろ4.7%から4.1%に引き下げたが、世界銀行による予測はIMFの予測よりもさらに低くなっている。マレーシア政府も最近の国際情勢を踏まえ、4.5―5.5%としていた公式成長率予測を下方修正する意向を示している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、4月26日)

KLタワーが再オープン、外国人向けチケットは20%超値上げ

【クアラルンプール】 一時閉鎖中だったクアラルンプール(KL)のランドマーク「KLタワー」が26日、再開。料金が見直され、外国人観光客向けには20%以上値上げされた。

KLタワーは、今年4月から運営会社が変更されたことに伴い、保守・改修工事のためとして17日から一時閉鎖されていた。新運営会社LSHサービスマスター(LSHSM)によると、オープンエアのスカイデッキや回転レストランの改修に2,000万リンギが費やされたという。今後も営業しながら、一部の改修工事は継続される予定。

また料金について、スカイデッキ(スカイボックス含む)のチケットは外国人観光客向けに値上げの一方で、マレーシア国民には値下げされた。外国人は大人140リンギ、子供80リンギと、20%以上の値上げだが、身分証カード「MyKad」を利用するマレーシア人は50リンギ、子供向けのMyKid利用者で28リンギとなり、約30%の値下げとなった。展望台のチケットは、MyKad利用者の30リンギ、MyKid利用者の20リンギは据え置かれたが、外国人は大人80リンギ(33%値上げ)、子供50リンギになった。

KLタワーは1日あたり1,000―1,500人の来場者があり、そのほとんどが外国人観光客。LSHSMのカイリル・ファイザル・オスマン最高経営責任者(CEO)は「今年は100万人の来場者数を目指す」としている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、4月26日、エッジ、ベルナマ通信、4月25日)