軽便鉄道KLCC駅で火災、一時混乱もけが人なし

【クアラルンプール】 首都圏軽便鉄道(LRT)ケラナ・ジャヤ線KLCC駅で2日午後4時15分ごろ、火災が発生した。火はすぐに消し止められたが、列車が緊急停止し、一時的に駅が閉鎖されるなど混乱した。けが人はなかった。KLCC駅は同日午後5時半過ぎに運用を再開した。

消防レスキュー局によると、地下のポンプ配電盤付近が燃えており、詳しい原因を調べている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、1月2日)

タワウ、サンダカン、ラハダトゥ、危険レベル2に引き下げ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 在マレーシア日本大使館は、マレーシアの危険情報を2024年12月23日付けで更新し、サバ州東側のバンジ島及びバラムバンガン島、サンダカンからセンポルナまでの沿岸の危険レベルを3から2に引き下げると発表した。

危険レベル3は「渡航中止勧告」で、危険レベル2は「不要不急の渡航中止」。サバ州東側における、バンジ島及びバラムバンガン島を除く島嶼についてはレベル3を継続する。またサバ州東側のその他の地域についてはレベル2を維持する。

これによりタワウ、サンダカン、ラハダトゥは危険レベル2となるが、スクーバダイビングの拠点として知られるマブール島、カパライ島、シパダン島などのセンポルナ沖の島々は引き続き危険レベル3となる。

日本大使館は、サバ州東側の沿岸及びその周辺の島嶼では2020年1月以降身代金目的の誘拐事件は発生していないが、バンジ島及びバラムバンガン島を除く島嶼は依然リスクが見られると説明。バンジ島及びバラムバンガン島を除く島嶼については、暴力犯罪発生件数も減少傾向にあることから、危険レベルを引き下げるとしている。

クランタン州、全飲食事業者にハラル認証取得を近く義務化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 クランタン州政府は、州内のすべての飲食店経営者に対し、事業免許の更新においてハラル(イスラムの戒律に則った)認証取得を義務付ける方針を明らかにした。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が報じた。具体的な実施時期は明らかにされていない。

同州イスラム開発・宣教活動・情報・地域関係委員会のアスリ・マット・ダウド議長(国政の閣僚に相当)は、コタバル市議会が最初に新たな事業免許更新要件を施行すると言明。「州内の他の地方議会もこれに倣うことになるだろう」と述べた。アスリ氏によると、2024年にはクランタン州全体でホテル、薬局、美容院を含む453の施設がハラル認証を取得した。このうち405カ所はマレー人が所有し、48カ所は非イスラム教徒が所有している。

同州マレー飲食業者協会(PERMEKA)のニック・ハッサン会長は州政府に対し、ハラル認証の義務化を2026年1月まで延期するよう要請。「多くの飲食業者は準備ができていない。当局は施行の6カ月前に発表すべき」と述べ、中小経営者にとっての懸案事項として設備改修や認証にかかる費用を含む財政上の課題を挙げた。

ハラル認証取得は1974年以来、連邦レベルでは任意となっているが、マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)は2024年9月、イスラムで禁忌とされる豚肉やアルコールを提供しない飲食店や食品会社に対し、ハラル認証取得を義務化することを検討していることを明らかにし波紋が広がった。これを受けてアハマド・ザヒド副首相はハラル認証取得を任意とする現行制度を今後も維持していくと述べていた。

半島部の基本電気料金、7月から14%値上げ=TNB

【クアラルンプール】 マレーシア半島部の基本電気料金は7月から、1キロワット時(kWh)あたり45.62センとなる。現行(39.95セン)から14.2%の値上げ。政府系電力会社テナガ・ナショナル(TNB)が、政府のインセンティブベース規制(IBR)の枠組みのもと、2025年から2027年までの第4次規制期間(RP4)の設定として昨年12月26日に発表した。

マレーシアの電気料金は、基本料金と、燃料価格の変動に合わせて料金を調整する不均衡価格転嫁(ICPT)制度に基づく料金で構成される。基本料金は、石炭やガスの予想価格や、運営経費、収益率などを勘案しながら3年ごとに見直される。今回、規制対象事業の設備投資(CAPEX)は428.2億リンギ、運営費は207.8億リンギで、RP3の205.5億リンギと176.9億リンギから、それぞれ上昇した。また収益率は変更なく7.3%に据え置かれた。

2025年上半期(1―6月)については、エネルギー移行・水利転換省(PETRA)が先月、ICPT制度に基づく部分の料金据え置きを発表していた。基本料金部分も同様で、その差額については電力業ファンド・グループ(KWIE)を通じて賄われるという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、12月26日)

アンワル首相新年メッセージ、「昨年は改革の序章」

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は12月31日、新年メッセージを発表。昨年は改革の序章、礎の年だったとし、一段の改革推進を表明した。23年7月に打ち出した政策理念(MADANI)について、アジアで指導的経済体になるための指針、慈悲、正義に基づく経済システムを築くための指針だと強調した。

アンワル氏は、すべての政府施策が国民に支持されるとは限らないが、大多数の国民の利益を念頭に置いて政策を実行していると強調した。一例として論議を呼んだディーゼル油、電力補助の合理化を取り上げ、以前は一律補助だったため、富裕層、外国人が恩恵を受ける結果を招いたと指摘。そうした財政の漏出を抑制するためだと述べた。

低所得層に対する現金給付については、予算枠を30%、額にして30億リンギ増やし、支援総額を130億リンギにすると表明した。

演説の締めくくりにアンワル氏は国家としての団結、統治の重要性を強調。国としてのまとまり、統治を改善し、汚職を根絶して初めて、独立した、責任ある主権国家として尊敬を得ることができると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、マレー・メイル、12月31日)

A&W店舗網の拡大を計画、PJのドライブスルー1号店は閉店へ

【クアラルンプール】 パン・マレーシア・コーポレーション(PMC)は、ファストフード・チェーン「A&W」の店舗網拡大に注力する方針で、2025年には全国に新たに12店舗をオープン、未開拓市場のサラワク州とブルネイにも目を向け、2026年までにサラワク州クチンに2―3店舗をオープンする予定だ。

PMCの取締役を兼任するA&Wのジョージ・アン最高経営責任者(CEO)によると、現在半島部に約100店舗、サバ州に4店舗を展開している。A&Wはレストランの平均売上高(ARS)が高い空港やテーマパークなどの人の往来が多い場所をターゲットにしており、特に空港での新規店舗開設を検討している。国内にはコタキナバル空港やペナン空港など、今後進出可能な空港が8―10カ所ほどあるという。

またA&Wは労働力を減らして効率性を高めるためのデジタル化も進めており、2024年末までに全店舗にデジタルキオスクを設置する方針だ。現時点でA&W店舗の約30%にデジタルキオスクがある。さらに消費者の消費習慣の変化に対応して、いくつかの店舗を24時間営業やドライブスルー形式に転換する予定。 2025年までに20店舗が24時間営業となり、そのうち12店舗はドライブスルーとする。

一方、セランゴール州ペタリンジャヤにあるマレーシア初のドライブスルー店については正式に閉店する方針だ。店舗がある1エーカーの土地にホテルを建設するという土地開発業者の計画に従ったもので、当初は2020年に閉店する予定だったが新型コロナ禍のため計画は中止されていた。同店舗は1965年に開業していた。
(ザ・スター、12月23日)

テレコムがプロドゥアと提携、デジタル革新を推進

【ペタリンジャヤ】 通信大手の政府系テレコム・マレーシアは、ダイハツ工業が出資する第2国民車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)と提携で合意した。電気自動車開発、デジタル革新、持続可能な企業成長を推進する。

提携分野は、▽ハイパーコネクテッド・ネットワーク▽デジタル技術推進▽顧客体験の改善▽環境持続可能性――の4つ。

テレコム・マレーシアの法人・政府関連事業子会社TMワンが、ソフトウエアを用いたディーラー向け仮想的WAN(広域通信網)、自動車用5G(第5世代移動体通信)アプリ、スマート製造技術などの提供を通じプロドゥアの生産基盤を強化する。これによりプロドゥアは生産能力を高め、データ管理を円滑にすることができるという。

TMワンはまた、クラウド、サイバーセキュリティー、データ解析、人工知能(AI)能力を活用し、プロドゥアのスマート製造、電気自動車、自律運転技術開発を支援する。

環境面ではTMワンとプロドゥアは電気自動車充電施設におけるクリーン電力使用、廃棄物削減で協力する。
(ザ・スター、12月24日、ビジネス・トゥデー12月23日)

東洋エンジニアリング、パハンの触媒回収工場の建設受注

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東洋エンジニアリング(本社・千葉市美浜区)は24日、マレーシアの子会社、トーヨー・マレーシアが、パハン州ゲベン工業団地で使用済み触媒リサイクル設備の建設を受注したと発表した。

この設備は、ジルコニウム化合物製造販売の太陽鉱工(本社・神戸市中央区)がマレーシア子会社を通じて進めているプロジェクト。石油精製などの工業プロセスで使用された触媒から有価金属を効率的に回収してリサイクルする、東南アジア初の施設になる。年間回収処理量は約7,000トン(使用済み触媒量)。

トーヨー・マレーシアは設計、調達、建設を一括で受注した。2027年第1四半期の運転開始を予定している。

アンワル首相就任2周年の支持率は54%=ムルデカ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムルデカ・センターが行なった最新世論調査によると、就任2周年を迎えたアンワル・イブラヒム首相の業績について「満足している」との回答は54%となり、1年前の調査の50%から4ポイント、前回調査の53%から1ポイント改善し、3期連続で「不満」率を上回った。

同調査は11月27日から12月10日にかけて全国の18歳以上の1,207人に対して電話で聞き取りを行なったもので、アンワル首相の業績については▽マレーシアのイメージ向上▽外国投資の誘致▽公務員の効率改善――については「満足している」との回答が54―62%と高かったが、「国民経済強化への取り組み」は45%にとどまり、「評価しない」(44%)とほぼ同率となって評価が分かれた。

アンワル首相率いる連立政府の業績については、 「満足している」が51%となり、前年同期の46%から5ポイント、前回の47%から4ポイント改善した。「不満」も相変わらず47%と多く、評価が分かれている点についてムルデカ・センターは、「主に生活費の圧力に対する根強い懸念と、計画されている補助金削減に対する不安が原因」と指摘している。

このほか連立政府の業績に関しては、▽官僚の清廉さ▽民族関係の改善▽政府の効率性改善――は「満足している」が「不満」を上回ったが、「財政問題への取り組み」は同率、▽経済成長▽物価問題への取り組み▽汚職対策▽法の支配の維持――は「不満」が「満足している」を上回った。

プロトン「e.MAS」」初の正規ショールーム、IDCCに開業

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)ブランド「e.MAS」の初の正規ショールームが21日、セランゴール州シャアラムの「IDEALコンベンション・センター(IDCC)」に正式オープンした。プロトン初のEV「e.MAS7」は16日に発表された。

初のショールームは、プロトンがSGカーズと協力してオープンしたもので、系列会社セティア・ゲミラン・オートが運営する既存のプロトン車ショールームの隣にある。顧客ラウンジはショールーム階にあり、下層階にサービスセンターがある。顧客のためにショールームの外に充電ステーションも設置している

プロトンのEV販売子会社、プロトン・ニューエナジー・テクノロジー(プロネット)は既に全国で37のディーラーを指名しており、2024年末までに30カ所が営業を開始する予定。37のディーラーのうち36は既存のプロトン・ディーラーであるため既存店舗にEV 専用エリアを設けるという。
(ポールタン、モタオート、ポールタン、12月21日)