リンギ相場、選挙結果より中国の利下げが影響大

【ペタリンジャヤ】 州議会選挙では野党連合が議席を増やした結果、投資家は政治リスクを考え直す可能性があるが、リンギ相場への影響は軽微で、中国人民銀行(中央銀行)の15日の利下げの方が影響は大きいとエコノミストはみている。

SPIアセット・マネジメントのスティーブン・イネス業務執行社員は、マレーシアには政治面の動乱の予兆が偏在しており、外国からの投資に悪影響を与えていると述べた。

中国経済の不振に触れ、人民元は値下がりが予想されるため、マレーシアの輸出業者は手持ちの米ドルを手放さず、いざという時に備えると指摘。リンギ相場に影響すると述べた。

社会経済研究センター(SERC)のリー・ヘングイエ専務理事は、州議会選挙の結果はリンギ相場にいくらか影響するが、中国経済の動向、利下げの方が影響は大きいとした。

バンク・ムアマラットのアフザニザム主任エコノミストは、州議会選挙の投票率が前回より低かったことを指摘。国民は政治の安定、経済政策の円滑な実行を望んでいると述べた。

一方TA証券は、対米ドルでリンギは値上がりするとし、その根拠として、米国の利上げが終了する見通しであること、原油価格の上昇などを挙げた。
(ザ・スター、8月16日)

第2四半期の製造業景況感指数、20年以来の低い水準に

【クアラルンプール】 独立系シンクタンクのマレーシア経済研究所(MIER)の調査によると、2023年第2四半期の製造業の景況感指数(BCI)は82.4ポイントとなり、前年同期比で13.8ポイント、前期比で13ポイントそれぞれダウンとなった。2020年第2四半期以来の低い水準となり、楽観と悲観の分岐点である100ポイントを大きく下回った。

売上高、雇用、在庫の指標が低下したことが影響した。また第1四半期に115.8ポイントとなっていたBCI予想指数も、94.3ポイントに下降した。
MIERは、世界の不確実性が続いていることと合わせて、インフレ率の上昇や、サプライチェーンの混乱が起きていることから、マレーシアは脆弱な立場にあるとして、解決策を模索することが必要だと指摘した。BCI調査には国内外の製造業350社以上が参加した。

一方で、消費者信頼感指数(CSI)は90.8ポイントとなり、前年同期比で4.8%上昇したものの、前期比で8.4ポイント下降した。楽観と悲観の分岐点である100ポイントを下回った。

MIERによると、消費者が今年の経済環境に対してより一層悲観的になっており、財政状況や所得、雇用、インフレに対して悲観的な見通しを持っていることがわかった。特に雇用の指数は、前年同期から7.8ポイント、前期から7.4ポイント共に下降し102.4ポイントとなった。CSI調査には1,014世帯が参加した。
(ザ・スター、8月11日、エッジ、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、8月10日)

マレーシアの総人口、第2四半期は2.1%増の3340万人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局の人口動態統計によると、2023年第2四半期のマレーシアの総人口は推定3,337万9,500人となり、前年同期から2.1%増加した。

総人口のうち、男性は前年同期の1,700万人から1,750万人に、女性は1,570万人から1,590万人に増加した。人口性比(女性100人に対する男性の数)は、110だった。なお、外国人は前年同期の250万人から300万人に増えた。

出生数は10万5,961人で、前年同期から13%増加。男児が5万4,747人、女児が5万1,214人だった。州別では最多はセランゴール州の2万477人で、最少はラブアンの357人。

死者数は5万239人で、前年同期に比べ0.7%増加。そのうち男性が2万8,495人、女性が2万1,744人だった。セランゴール州が7,765人と最多で、プトラジャヤが73人と最少だった。

新型コロナウイルス「Covid-19」による死者数は、前年同期比74.4%減の169人だった。ジョホール州が37人で最も多く、クランタン州、クアラルンプール、プトラジャヤはゼロだった。

売上10億ドル以下のアジア優良企業、マレーシアから9社が選出

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フォーブス・アジアは7日、アジア太平洋地域の年間売上10億米ドル以下の優良企業「ベスト・アンダー・ア・ビリオン」200社を発表。マレーシア上場企業9社が選ばれた。

「ベスト・アンダー・ア・ビリオン」の対象は、域内の証券取引所に上場し、年間売り上げが10億米ドル以下の企業を対象に、売り上げや営業利益の成長、資本利益率などを評価し、200社を選出した。順位は付けられていない。

マレーシアからは▽半導体のフロントケン・コーポレーション(本社・セランゴール州)▽ファクトリー・オートメーション(FA)ソリューションのグレーテック・テクノロジー(同ペナン州)▽物流・海運のハーバーリンク・グループ(同サラワク州)▽パーム油のキム・ローン・リソーシズ(同ジョホール州)▽半導体のQESグループ(同セランゴール州)▽ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)のサイコム(MSC)(同クアラルンプール)▽プラスチック包装のトン・グアン・インダストリーズ(同ケダ州)▽相手先ブランド設計・製造(ODM)のウチ・テクノロジーズ(同ペナン州)▽半導体のビトロックス(同ペナン州)ーーが選ばれた。

日本からは、コトブキヤやウォンテッドリーなど26社が選ばれた。隣国シンガポールからは7社、タイからは11社が選出された。

マレーシアには回復力、世銀がコロナ後の調査報告書

【クアラルンプール】 世界銀行マレーシア事務所はこのほど、新型コロナウイルス禍が経済に与えた影響と政策面の対応に関する報告書を公表。マレーシアの回復力は顕著との分析を示した。世銀は、カンボジア、インドネシア、モンゴル、フィリピン、ベトナムでも同様の調査を行った。

カントリーマネジャーの松田康彦氏によると、コロナ禍で雇用、家計所得が減少したが、マクロレベルではほかの5カ国より影響が少なかった。しかし中小零細企業と比較的貧しい世帯は受けた影響が大きく、政府支援の利用度も低かった。デジタルデバイドが問題だという。

松田氏は「危機がデジタル技術の採用を促した。政府、企業は将来の危機に備え、回復力、効率を高めるため、デジタルインフラ、リモート作業能力に投資するのが望ましい」とした。

リリン・サルワ・プルナマサリ上級エコノミストは、マレーシア経済がコロナ禍以前より成長したことを指摘。6カ国のうち最も裕福としつつも「ジニ係数は先進国を目指す国としては高い」と所得格差が問題だと指摘し、「貧困、不公平の削減が課題だ。政府は公平な回復を優先すべき」とした。

労働関連では労働者の再教育、技能引き上げが労働者の自助に役立ち、長期的に好ましい結果をもたらすとした。
(ザ・サン、8月4日、エッジ、8月3日)

下半期の企業収益はさらに改善、楽天トレードが予想

【クアラルンプール】 楽天トレードのトン・パクレン副社長(エクイティリサーチ担当)によると、企業収益は今年下半期にさらに改善する見通しだ。

上半期の企業収益は前年同期比推定6ー7%増加したが、下半期は11-12%の増加が見込めるという。昨年通年では10%減となったが、今年通年では9.3ー9.5%増と予想している。

評価減の戻し入れを行う企業が増えると予想されるためで、さらに国内経済活動自体が活発になっているという。ただ業績はセクターによりまちまちで、下半期にさらに業績改善が見込まれるのは石油・ガス、建設、農園、不動産投資信託(REIT)だという。

政府系金融機関MIDFの調査部門によれば、5月末までの今年の株価指数の動きでは、優良株で構成するFBM・KLCIが7.2%下落し、中位株の指数であるFBM70が4.9%上昇した。

第1四半期のFBM・KLCI構成銘柄の収益合計は158億リンギで、前年同期比では3%増だったが、前期比では34.7%減少した。金融銘柄が米欧の銀行危機の影響を受けたこと、一次産品価格の低迷で農園と一次産品関連企業の業績が悪化したことが影響した。
(ザ・サン、8月4日、ベルナマ通信、8月3日)

マレーシアは世界で3番目に交通事故死亡者数が多い=調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 自動車サブスクリプション(定額制)サービスを提供する米FINNが発表した道路の安全性に関する調査で、マレーシアの道路は、世界で3番目に交通事故による死亡者が多いことが明らかになった。

FINNによると、マレーシアの人口10万人当たりの交通事故死亡者数は22.48人。世界で最も死亡者が多い国はサウジアラビア(人口10万人当たりの死亡者数は35.94人)で、2位はタイ(同32.21人)となった。その一方で、アイスランド(同2.05人)が最も死亡者数が少なく、それにノルウェー(同2.12人)、スイス(同2.25人)が続き、欧州がトップ3を占める結果となった。

道路の安全性に関するランキングでは、マレーシアのスコアは4.07となり、世界で5番目に安全性が低い国であるとの結果が出た。

最も安全性が低いのはアルゼンチンで、2位が米国、3位がギリシャとなり、最も安全なのはオランダで、2番目がノルウェー、3番目がスウェーデンとエストニアとなった。なお、日本は10位にランクインした。

同調査は、世界保健機関(WHO)やザ・グローバル・エコノミー、ヌベオなどのデータを元に評価したもの。

上半期の航空旅客数、前年比1.9倍の3890.6万人

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 空港運営会社、マレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、2023年1ー6月の国内空港における航空旅客数は3,890.6万人で、前年同期比で1.9倍となった。

国際線が4.4倍の1,740.5万人、国内線は1.3倍の2,150.2万人だった。

6月の航空旅客数は前年同月比53.1%増の697.7万人となり、2019年6月の水準の77.4%まで回復した。前月比でも2.1%増加した。

国際線は前年同月から2.5倍の320.2万人と、300万人を超え、1日あたりの平均旅客数も最高となる10万6,000人以上を記録した。国内線も15.9%増の377.5万人となった。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)は395.9万人で、前年同月比プラス90.4%。国際線は2.4倍の266.6万人となり、国内線は31.5%増えて129.3万人となった。

KLIAを除く国内空港は301.8万人となり、前年同月から21.9%増加した。国際線は2.6倍の53.6万人となり、国内線はプラス9.2%の248.2万人だった。

1ー6月の自動車販売が前年比10.3%増、通年予想を上方修正

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)は、2023年上半期(1ー6月)の自動車販売台数が36万6,037台となり、前年同期比10.3%増となったと発表した。

新型コロナウイルス「Covid-19」封じ込めのために実施されたロックダウンの影響で大幅減少した前年からのベース効果もあって、乗用車は11.2%増の32万6,661台、商用車は3.6%増の3万9,376台と共に前年同期を上回った。
売上税の減免措置中に受けた予約分の納車が進んだことに加え、国産車メーカーの好調な販売、第1四半期に5.6%の上昇を記録した好調な国内総生産(GDP)、サプライチェーンの改善が貢献した。

メーカー別販売シェアのトップはダイハツ系自動車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の14万4,690台で、シェアは39.5%と前年同期を1.1ポイント上回った。2位は国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの7万6,012台で、シェアは3.5ポイント上昇して20.8%となった。3位以下は、トヨタ(4万8,145台、13.2%)、ホンダ(3万3,727台、9.2%)、三菱(1万1,811台、3.2%)が続いた。

1ー6月の生産台数は36万2,535台となり14.0%の大幅増となった。乗用車は15.5%増の33万9,846台、商用車は4.7%減の2万2,689台だった。

2023年通年の販売見通しについてMAAは、生活費の上昇、可処分所得の減少、主要外貨に対するリンギ安、国内外の経済環境の不確実性に対する懸念が重しとなり、今後数カ月間の消費者支出の鈍化が懸念されるものの、▽安定した経済見通し▽政策金利の据え置き▽新型モデル▽サプライチェーン環境のさらなる改善▽自動車各社の積極的なプロモーション戦略ーーなどの好材料があると分析。65万台に減少するとしていた従来予想を72万5,000台に大幅上方修正。前年比0.6%の増加と予想した。乗用車については0.5%増の65万2,500台、商用車は1.1%増の7万2,500台と見込んでいる。

マレーシア人訪日者数、上半期は大幅増の19万4200人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年上半期の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は、19万4,200人となり、前年同期比で40.9倍となったものの、2019年比では18.4%減となった。

6月単月では、2万2,000人となり、前年同月比で18.9倍となったが、前月比では35.3%減となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和の影響等もあり、訪日外客数は大幅に増加した。また、2019年同月比ではマイナス27.9%となった。クアラルンプールー関西間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

年初6カ月の世界全体の訪日者数は、1,071万2,000人となり、前年同期比21.1倍、2019年比マイナス35.6%となった。6月単月では、前年同月から17.2倍の207万3,300人となったものの、2019年同月からは28.0%減となった。

JNTOは、6月は2020年2月以降、初めて200万人を超え、上半期でもすでに1,000万人を超えたと言明。今後については、新たな観光立国推進基本計画等を踏まえ、観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進する必要があると指摘。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、ミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。