新型コロナ、クレジットカードやデジタル決済が増加

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大の影響で、クレジットカードやデジタル決済の需要が増加している。
中央銀行バンク・ネガラ(BNM)によると、3月のクレジットカードの申請件数は24万5,800件だったが、4月には70.62%減少し7万2,200件となった。6月には18万3,200件に回復し、承認率は3月の32.43%から38.37%に上昇した。
4月のクレジットカードの決済件数は2,640万件で、62億リンギ相当の取引が行われたが、6月には3,860万件に増加、101億リンギの取引が行われた。
ビザ・マレーシアが実施した新型コロナウイルスに関する調査によると、7割が「デジタル決済を使用したい」と回答。5人中3人が「現金よりもデジタル決済を使用したい」と答えた。消費者がデジタル決済を好む傾向にあることから、小売りチェーンでも決済のデジタル化を進める動きがあり、デジタル決済を導入した店舗は世界平均で20%増加した。
マスターカードの調査によると、40%のマレーシア人消費者が「モバイル決済や電子財布を好んで利用している」と回答し、非接触型のデビットカードやクレジットカードに次いで回答率が高かった。マスターカードのマレーシア・ブルネイ担当マネジャー、ペリー・オン氏は、新型コロナウイルスはキャッシュレス決済の成長を加速させたと指摘。キャッシュレス決済がニューノーマル(新しい常態)となるとした。
(マレーシアン・リザーブ、8月11日)

国旗を逆さまに掲示、警察が捜査に乗り出す騒ぎに

【クラン=マレーシアBIZナビ】 セランゴール州クランの華語学校でマレーシア国旗が上下逆さまに掲示されている写真がソーシャルネット上で拡散。通報を受けた警察が国旗に対する侮辱容疑で捜査に乗り出す騒ぎがあった。

問題の写真が撮影されたのはシャアラム・バトゥ4にある華語学校で、教室の外壁の地階と1階の間部分に用務員の移民男性が装飾としての国旗をハイビスカスの花の絵と並べて掲げたものを、校外から撮影した人物がフェイスブックに写真を投稿した。

学校側は「用務員が上下を間違えて掲示したが、10分後に間違いに気付いて取り付け直した。国旗を侮辱する意図はなかった」と釈明。警察はこの説明を受け入れた上で、こうした写真の拡散を止めるよう呼び掛けた。

たとえケアレスミスであっても面白がってこうした写真を拡散する者が後を断たず、容易に民族対立を煽りかねないとの懸念の声が上がっている。

グリーンゾーン国の観光客誘致に向け準備=観光相

【クアラルンプール】 ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は11日、新型コロナウイルス感染症の抑制に成功したとみなされる「グリーンゾーン国」からの観光客誘致に向けて準備を進めていることを明らかにした上で、実現には国同士のさらなる交渉が必要との認識を示した。
国会の質疑で「グリーンゾーン国」からの観光客を誘致することについて聞かれたシュクリ大臣は、第2波が起きている豪州メルボルンを例に挙げて「一部の国や地域で未だに新型コロナウイルスの感染拡大が発生し続けているため、グリーンゾーン国内のすべての地域から観光客を呼び込むのは現実的ではない」と指摘。グリーンゾーン国内における感染の少ない州や地域のみを対象として観光客を呼び込むことを考えていると説明した。
また外国人観光客誘致のために保健省や外務省と協議し、新たな戦略を策定していると言明。相互主義の原則から、マレーシアが外国人観光客受け入れを再開するためには相手国にもマレーシア人を受け入れてもらえるよう交渉する必要があると述べた。
政府はこれまで、日本、シンガポール、豪州、ブルネイ、ニュージーランド、韓国を「グリーンゾーン国」としている。
(ザ・サン、8月12日、ベルナマ通信、8月11日)

国境封鎖の日に到着、不法入国者扱いされた日本人

行動制限令(MCO)が発効した3月18日朝にマレーシアに航空便で到着した旅行者が、「不法入国者」扱いに近い非人道的で劣悪な環境に長期間置かれていた事が「マレーシアBIZナビ」の取材で分かった。

前日の深夜に関西空港からクアラルンプール国際空港・格安航空ターミナル(KLIA2)行きのエアアジアX機に搭乗した日本人乗客らによると、到着後に入国管理局のゲート前で停められ、入国管理局のオフィスでパスポートや携帯電話などの手荷物を取り上げられてしまった。入管の係官からは「ロックダウンしたので入国できない。あなたたちは日本に帰らなければならない」と告げられたという。

日本に一時帰国していた日本企業の駐在員Sさんは、行動制限令(MCO)が発令されるとの情報を受けて急遽マレーシアに戻ることを決めた。関西空港ではエアアジアXが普通に搭乗手続きを行なったため、KLIA2に到着した際にこのような悲惨な状況に置かれるとは思っていなかった。携帯電話がないので外部に非常事態について連絡することもできず、「Sが行方不明になった」と会社で大騒ぎになったという。

当日朝には他にも到着便があったが、それらに乗っていた乗客が入国管理局職員によってトイレの近くの1カ所に集められていた。みんな床で寝るしかなく「3密状態」だったという。Sさんはこれが原因でクラスタが発生したら大変なことになると感じた。欧米人らが大声で係官に不満をぶちまけていたという。

待遇も悪く、配給される食事はパック入りの弁当で、備え付けの給水機だけが頼りだった。Sさんは食べなかったという。みんな着替えもなく、シャワーなどもないのでトイレで身体を拭くぐらいしか出来なかった。エアコンが効き過ぎて寒かったが改善を求めても聞き入られず、多くの旅客は寒さで震えて過ごした。どこからか段ボールを見つけてきて寝ていた人もいたが、没取されてしまったという。

政令で入国が禁じられたので入管が入国拒否するのはある意味仕方がないともいえるが、入国できないにも関わらず搭乗を認めた責任はエアアジアXにある。にも関わらずエアアジアXの係員の対応も悪く、預け荷物について係員に聞いてもまるで犯罪者に対するような扱いで、「座ったまま話せ」という高飛車な態度だった。

本国に送還されることになっているといっても、MCOのために国際便は次々にキャンセルとなって帰国便もなかなか決まらない。帰国便は基本的に出入国管理局が手配したという。Sさんは幸い19日に帰国できたが、便数が少ない路線であった場合はかなり長期間KLIAに留め置かれた。タイ・クラビから来たあるタイ及びマレーシア在住の日本人は、クラビ線が飛ばないため1週間もKLIA2で暮らす羽目となった。最終的に関空便に切り替えて日本に向かったという。

なお日本で待機していたSさんは、ようやく3週間ほど前にマレーシアに無事戻ることができた。しかしそれもスンナリいったわけでなく、18日の「強制送還」について聞かれたり、高い金を払って出発前に受けたPCR検査について入国の際に無効だといわれて抗原検査を受けさせられたという。

「マレーシアBIZナビ」でも度々報じているように、MCO発表をはじめマレーシア政府の決定は唐突なものが多かった。18日の出来事は氷山の一角とみられるが、政府上層部と現場の間の意思の疎通がとれずにトラブルになるケースはいつでも起こりうる。当分の間は十分に注意が必要だ。

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新型コロナ感染者は新たに11人、日本からの入国者も

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は12日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から11人増えて9,114人になったと発表した。

新規感染者のうち8人が日本、豪州、シンガポール、フィリピンからの入国者。残り3人はケダ州とサバ州で感染した。新たに8人が退院し治癒者数は8,817人に増加した。死者数は13日連続ゼロで、125人を維持した。

ペナン州のセベラン・プライ市議会(MBSP)は11日、市内の3つのエリアで4人の新規感染者が検出されたことを受け、標準運用手順(SOP)を強化すると発表した。

市内にある1,000カ所以上の屋外運動場およびジムは閉鎖となる。ジョギングコースなどの施設は開業できるが利用を控えるよう呼び掛けている。また屋台については、持ち帰りか配達サービスのみを認めており、顧客が路上や広場などで食事することは許可していない。フードコートやカフェ、レストランなど屋内にある飲食店は、引き続き店内での飲食を提供できる。

オンライン入国許可申請システム、外国人駐在員向けに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア出入国管理局外国人居留民サービス部(ESD)は10日、外国人駐在員などを対象としたオンライン申請システム「MYEntry」(https://myentry.myxpats.com.my)を導入したと発表した。

 MYEntryは、海外のマレーシア大使館を含む政府関係機関が入国申請をリアルタイムで受理、処理、監視、追跡できるようにするオンラインプラットフォーム。家族や家政婦の申請も行なうことができるほか、申請案件の処理状況もリアルタイムでチェックすることが出来る。
8月17日に完全実施する予定だが、それまでに従来方式でESDに対して電子メールを通じて申請を出しているものの14営業日を過ぎても回答がない場合には「MYEntry」を通じて再申請するよう求めている。問い合わせ先は電話(03-8880-1449)もしくは電子メール(taskforce_esd @imi.gov.my)で受け付けている。