筑波大学のマレーシアキャンパス、23年の開校を予定

【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の岡浩大使は、筑波大学がマレーシア・キャンパスを設立する計画について、2023年の開校を予定していると明らかにした。
岡大使は、計画当初は2022年の開校を目指していたが、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い遅延したと説明。日本とマレーシアの間で現在、実現に向けて話し合いが行われているとして、これ以上の遅延は起きないとの予想を示した。マレーシア・キャンパスはマラヤ大学の大学の施設内に開講する予定だという。
両国の協力関係について、岡大使は1980年代に「ルックイースト(東方)政策」が導入されて以来、教育とビジネスは両国間の重要な柱だったと言明。国際協力機構(JICA)が日本で実施する教育や職業訓練には、これまで1万7,000人のマレーシア人が参加し、日本から帰国した後は、政府や企業間で「日本とマレーシアの架け橋」となっているとした。
日本とマレーシアの政府間協力協定の下で、1998年には日本・マレーシア技術学院(JMTI)、2011年にはマレーシア日本国際工科院(MJIIT)が開校した。
岡大使は、2022年には東方政策開始から40年を迎えるとして、筑波大学のマレーシア・キャンパスは両国間の関係を象徴するものになると述べた。
(ベルナマ通信、10月17日)

UMNOのムヒディン政権に対する方針、明日にも決定か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 与党連合・国民連盟(PN)の友党としてムヒディン・ヤシン内閣を支えてきた統一マレー国民組織(UMNO)は、20日にも今後も政権を支えるか離脱するかのいずれかの方針を決定する模様だ。
UMNO最高評議会のタジュディン・アブドル・ラーマン議員が「ウトゥサン・マレーシア」に明らかにしたところによると、17日に開催予定だった最高評議会会議が、20日にパハン州で開催される。
タジュディン氏はUmnoがPN政権を支持しないことを決定した場合、新たな提携先を探して新たな与党連合を結成するか野党になるかの二つの選択肢があると指摘。新たな提携先については、国民コンセンサス(Muafakat Nasional)連携における汎マレーシア・イスラム党(PAS)とイスラム教とマレー系に重点を置く国民信任党(Amanah)を指すと述べた。
その一方で、ムヒディン政権がUMNOの要求通りにUMNO総裁を副首相に任命すれば、UMNOが政権を離脱することなく、今後も政権支援を継続するだろうと述べた。
UMNO内部ではUMNOに対する待遇の悪さを理由にムヒディン首相に対する不満の声が高まっており、これに配慮する形でムヒディン首相が内閣改造に踏み切るのではないかとの観測が浮上していた。現在副首相職は空席となっており、内閣改造を経ずにUMNOトップを任命することが可能な状況にある。

SOP違反による摘発、マスク非着用が最多=上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、標準的運用手順(SOP)の規定、特にマスク着用規定を軽視しないよう注意を呼び掛けた。

17日には合計661人が条件付き行動制限令(CMCO)違反で摘発され、うちマスク非着用が223人で最も多かった。これに次いで多かったのは社会的距離維持しなかった191人で、個人情報の非提供が112人、CMCO指定地域での条件違反が75人——と続いた。

連邦政府は経済活動への影響を最小限に食い止めるため、地域を限定した厳しい移動及び行動制限を課す方針を進めている。サブリ大臣は19日、新たにサバ州コタキナバルのケパヤン刑務所及び職員宿舎を対象に20日付けで強化行動制限令(EMCO)を発令した。すでにEMCOが発令されているケダ州アロースター刑務所一帯についても18日付けでさらに14日間、11月1日まで延長された。

■マレーシアの致死率は低水準=専門家■

マラヤ大学医学部のモイ・フーンミン教授によると、マレーシアにおける新型コロナの死亡率(確定感染者致死率=CFR)は17日時点で0.9%となっており、シンガポールを除くと東南アジアで最も低い水準。英国(6.3%)、米国(2.7%)、日本(1.8%)、韓国(同)を大きく下回っている。

同じくマラヤ大学のアワン・ブルギバ博士によると、死者数は増えているがこれは感染者数が増加しているためで、CFRは6月時点の1.4%から下がっているという。

保健省によると、年代別では死者全体の65%が60歳以上で、性別では男性が72%を占めた。80%以上が何らかの慢性疾患を抱えており、高血圧を抱えている者が64.9%、心臓病が23.4%、高コレステロール血症が19%、腎臓病が16.2%を占めた。

新型コロナ感染者は新たに865人、累計で2.1万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から865人(うち7人が海外で感染した帰国者)増えて、2万1,363人になったと発表した。
州別の感染者数は▽サバ州(643人)▽セランゴール州(107人)▽ラブアン(34人)▽ペナン島(26人)▽ペラ州(18人)▽マラッカ州(16人)▽クアラルンプール(KL、7人)▽ネグリ・センビラン州(4人)▽プトラジャヤ(3人)▽ケダ州(3人)▽ジョホール州(2人)▽パハン州(1人)▽トレンガヌ州(1人)ーーとなった。新たに455人が退院し治癒者数は1万3,717人に増加した。死者数は3人増えて190人になった。
基本再生算数(R0)について、保健省のノール・ヒシャム事務次官は同日、感染第3波の発生時に記録した2.2から約4週間で1.5に低下したと明らかにした。R0が2.2を維持した場合、10月31日には1日の新規感染者数が最大5,000人に上る可能性があったが、現行の1.5であれば同日までの感染者数が多くても1,200ー1,300に止まるという。第2波発生時のR0は3.5だった。
また国内の感染者については、約70ー80%がレベル1または2の無症状もしくは軽い症状であると言明。感染者数が最も多いサバ州も同様に80%近くが無症状だと強調した。レベル1は陽性反応が出ても症状が全く出ていない、2は軽い症状、3が肺炎の症状、4は呼吸困難を来している状態を表す。
ノール事務次官によると18日に新たなクラスターが発生した。▽サバ州コタキナバルで「ケパヤン刑務所クラスター」(49人)▽ネグリ・センビラン州レンバウとラブアンで「バーラヤンガン・クラスター」(感染者数は13人)▽セランゴール州クアラランガットとクランで「オート・クラスター」(同8人)▽ペナン州セベランプライで「アルマ・クラスター」(同7人)ーーの4クラスターが発生したことで、同日時点の国内のアクティブクラスターは85つ上った。

ダイドーグループ、マレーシア法人の全株式を星企業へ譲渡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ダイドーグループホールディンクス(本社・大阪府大阪市)は15日、100%出資子会社であるダイドー・ドリンコ・マレーシア(DDM)の債務約3.7億円を放棄し、同社の全株式6,730万株を投資関連事業を手掛けるシンガポールのリンガ・フランカ・ホールディングス(LFH)に10リンギ(約255円)で譲渡すると発表した。10月20日に破棄および譲渡を実施する予定。
ダイドーグループのマレーシア市場への参入は2015年。DDMの業績は当初策定した事業計画を大きく下回り、赤字が積み重なっていた。事業再構築を図るべく2019年10月に合弁を解消し、新たな事業計画の下で自社ブランドの拡販を進めていたが、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響で販売が低迷。販売回復によるキャッシュ・フローの改善に目途が立たない状況であるため株式の譲渡を決定したという。
株式譲渡後においてDDMは飲料事業を継続する方針だ。ダイドーグループとLFHは、DDMの主力商品である乳酸菌飲料「ヨービック」のアジア及び東南アジアの一部地域での独占販売権に関する契約の締結に向けた協議を進めている。

「ワン・ウタマ」モール、17日に営業再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」の大規模クラスターが発生していたセランゴール州ペタリンジャヤの「ワン・ウタマ」ショッピングモールは、施設内の消毒作業が終わったとして17日から営業を再開すると発表した。保健省から承認が出たという。

スポークスマンによると、27日までの条件付き行動制限令(CMCO)の期間中も、営業時間は午前10時—午後10時で維持する。一部のテナントは午前11時から午後8時までの間でフレキシブルに営業を行なう。

「ワン・ウタマ」クラスターでは15日までに132人の感染者が確認され、一部のテナント店員を除きほとんどを警備員や清掃員が占めた。このため11日より全面的に閉鎖となり、従業員やテナントの店員ら6,000人を対象にスクリーニングを実施した。

■ケダ州バリンの村で新たにCMCO発令■

イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、25人の感染者が確認されたケダ州バリンのカンポン・パダン・チェ・マスが新たに条件付き行動制限令(CMCO)に指定されたと発表した。発令は18日付けで期間は31日までの14日間。

内閣不信任案審議求める声が相次ぐ、友党からも

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相に対する与野党双方からの不満がこれまでになく高まっており、11月2日に開幕する次期国会において内閣不信任案の審議を行なうよう求める声が相次いでいる。ムヒディン内閣は3月の組閣時点で下院(定数222)の過半数をわずかに上回る114議席しか支持を獲得できておらず、数人のくら替え議員が出ただけで退陣に追い込まれるきわどい状況に立たされている。
独立系野党・祖国戦士党(ペジュアン)は15日に開催した中央委員会会議でムヒディン首相の不信任案審議を要望する文書を提出する方針を決議。マハティール・モハマド会長(前首相)、ムクリズ・マハティール党首(前ケダ州首相)、マスズリー・マリク前教育相、アミルディン・ハムザ書記長(前副財務相)、シャハルディン・モハマド・サレー前副公共事業相——の下院議員5人全員がアズハル・アジザン・ハルン下院議長に提出した。マハティール氏は前にも下院議長にムヒディン内閣不信任案審議の要望書を提出したが、他の審議を優先するとの名目で見送られた経緯がある。
野党連合・希望同盟(PH)所属政党・国民信任党(Amanah)のハサルディン・モハマド・ユヌス党首補は、所属議員11人に対して不信任案審議要求書の提出を呼び掛けたことを明らかにした。
ムヒディン内閣を支援してきた統一マレー国民組織(UMNO)所属議員の間からもムヒディン首相への批判の声が高まっており、長老のテンク・ラザレイ元財務相は下院議長に対し、マハティール前首相が要求した不信任案の審議が行なわれなかった理由を糾した上で改めて審議を行なうよう求めた。
ムヒディン首相への不満の声を背景に政界では再編の動きが強まっており、PHを率いるアンワル イブラヒム元副首相(人民正義党=PKR党首)は先ごろ、下院における自身への支持が過半数を越えたと宣言。報告を受けたアブドラ国王が、主要各党のトップを呼んで意見聴取を行なっていた。政治的混乱を懸念するアブドラ国王は16日に特別声明を発表し、憲法に則った合法的手段に基づいて政治的対立を解消するよう呼び掛けた。

旅行業界、コロナ時代の生き残り策(前)

 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大で壊滅的な打撃を受けている旅行業界。いつ終息するかも分からない先行き不透明な状況にあって、生き残りを模索する一方で、将来的な「ポスト・コロナ」を見据えたビジョンが求められている。日系旅行代理店、日本旅行グループ・サンライズ・ツアーズ&トラベル取締役の壁田忠幸さんに話を伺った。

業態の脆弱性が浮き彫りに

——コロナの流行でマレーシアの旅行業界ではどのような影響が出ているのでしょうか?

壁田:マレーシアに限らず世界全体の旅行業界がかつて経験した事のない、まさに未曾有の危機に直面しているのは間違いないことです。いずれの旅行会社も売り上げがゼロまたはそれに近い状況となり、旅行産業という業態の脆弱性が浮き彫りになりました。それぞれが生き残りをかけた対策を講じていますが、実際は各社毎の企業体力に寄るところが大きいと言えるでしょう。

——政府の支援体制はどうでしょう。

壁田:世界観光ランキングでもトップ20に入る上位国であり、観光立国と言われるマレーシアですが今般のコロナ禍において、現時点では観光業に対する特別な支援は少なく、他の産業同様に企業努力が求められています。今後、日本の「Go To トラベルキャンペーン」のような分かりやすい施策に発展していく事を期待をしています。

——マレーシアは3月18日というかなり早い時期に行動制限令(MCO)を敷くという思い切った厳しい措置をとりましたが、効果がそれに見合っていない印象です。解除どころか年末まで延長となってしまいました。

壁田:仮に先月(9月)にRMCOが解除されていれば「あの早い時期でのロックダウンは英断だった」という評価になったと思うのですが、結果的に12月末まで延長されたことでガッカリした方も多かったのではないでしょうか。ここまで我慢に我慢を重ねてきた我々の希望は奪われ、もう一段踏み込んだ費用圧縮の対策に追われる事になりました。もし8月末で終わっていれば・・・もしは無いですが各社とも進む道が大きく変わっていたと思います。

「ゼロよりまし」の功罪

——御社サンライズ・ツアーズ&トラベルのお話をお願いします。

壁田:弊社は日本旅行のマレーシア総代理店です。クアラルンプールを本拠地にした総合旅行社でありインバウンド事業は主にマレーシアを訪れる日本人のお客様を、アウトバウンド事業は在馬日系企業の業務渡航や団体旅行のお手伝いを中心にサービス展開をさせていただいております。

——インバウンドとアウトバウンドではコロナの影響はどのように違いますか?

壁田:当社のインバンド事業は日本からの来馬顧客をメインに取り扱うため、マレーシアのRMCOの解除時期に限らず、日本国内における海外旅行需要復活の時期が大きな鍵になります。一方、アウトバウンド部門ですがマレーシアのRMCOが年末まで延長された影響は甚大です。来年早々の市場の戻りに期待をし、その準備をするより手立てがありません。インもアウトも本年いっぱい動きのない(収入が見込めない)この状態、そしてこの時間をどうやって乗り越えるかは目下の課題です。

——アウトバウンドについては、ベトナムとかタイ、中国、豪州、ニュージーランドといった感染を抑え込んだ国を対象に「グリーンゾーン」国として観光渡航も解禁していこうという動きがあり、マレーシアの観光大臣もそうした交渉を他国と進める意向を示しています。

壁田:市場回復過程で「グリーンゾーン」渡航制度が確立され、段階的に渡航国が増えるのは喜ばしい事ですが、必ずしもそれだけでは十分とは言えません。もちろん一部のビジネス需要の回復は小さな光であり希望です。しかしながら一般的な旅行者にも、そして旅行業界にとってもより分かりやすい対策が投入される事を心から期待しています。

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——MCO延長のため年内は回復が期待できなくなりました。そうした中、生き残りのために物品販売をやっている旅行会社もあると聞きます。

壁田:「収入ゼロよりは何でもやって少しでも収入を得よう」という考えに基づいて実施しているところは多いようです。各社毎の判断ですからそれをとやかく言うつもりはありません。ただ、ポスト・コロナでもその分野に進出していくつもりで本気でやっているものと、言葉通り手当り次第にやっているものが混在しているように感じます。

——これまでにも現地のおみやげを車内販売する旅行会社が多くありましたが、これはガイドさんが観光のついでに売る訳です。本業(旅行)があるからプラスアルファの儲けになるからいいのでしょうが、本業が無いのに売るという事になれば勝手が違うし、経費も余計にかかってしまいます。

壁田:はい、付帯販売と呼ばれるものですね。たしかに主力商品であるツアーと比べると「付帯=オマケ」的な存在ではありますが、旅行全体を輝かせる名脇役だとも言えます。そこにはしっかりとしたストーリーがありました。ですから脇役だけを必死で売るような事は無かったのですし、旅行に直接関係ないものであればなおさらです。

——まったく本業と関係の無いものを売っている旅行会社もあるようですがいますが、これでは将来には繋がらないですよね。

壁田:旅行業はその歴史の中で常に形態を変えてきました。旅行という形の無い商品を取り扱う我々にとって、売るものが変化していくことに大きな戸惑いはありません。ただし今般のコロナ禍中で「生き残りの為に迫られた急激な変化」は、「ゼロよりマシ」「売れれば何でもいい」等、ストーリー性のない無策な物販に走ったものと、コロナ問題が明けた後も本業の旅行商品と融合できる(させる)戦略的ものとに大別されていると思います。

※本記事は中編・後編に続きます。

完全回復は来年11月の見込み=MATTA副会長

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア旅行代理店協会(MATTA)のシンティア・タン・アウトバンド担当副会長は、「マレーシアBIZナビ」の取材に対し、新型コロナウイルス「Covid-19」の落ち込みから回復するのは来年4月以降、完全回復は来年11月を見込んでいると述べた。
タン副会長は、MATTAに訪日旅行を売り込みたい日本側から日本の観光業界における感染防止の取り組みなどをマレーシア側に紹介するウェビナーを開催したい旨のオファーが寄せられていることに触れ、「こうしたポスト・コロナの取り組みを積極的に発信していこうというのは日本が初めて」と歓迎する意向を表明した。
その上でタン副会長は、訪日観光ウェビナーをマレーシアで行うのであれば復興に向けた行動制限令(RMCO)が明けた来年1月か2月が望ましく、その際にはマレーシアの地元メディアを使ったPRするのが好ましいと言明。それを踏まえた上で4月頃にメディアを連れて観光視察旅行(FAMツアー)を実施するとさらに効果的ではないかとの考えを示した。
またタン副会長はマレーシア人訪日旅行の傾向について、今後は4泊程度の短期間になっていくとの見方を示し、中部地方で1カ所に絞った旅行が選ばれる傾向にあると指摘。美しい景色、ショッピング、グルメのほかマレーシアで決して出会えない特別な体験、ユニークな製品、美しい景色、新しい体験が人気を博すだろうと述べた。