【クアラルンプール】 男女間賃金格差について、市場調査会社Vase.aiの調査結果によると、マレーシア人の5人に2人(42%)が、格差を感じていることが分かった。40%が「公平で平等」、18%は「わからない」と回答した。
しかし回答者自身の職場における男女間賃金格差について「公平で平等である」と回答したのは、52%に上った。30%が「格差がある」、18%は「わからない」と答えた。
格差を感じた理由について、回答者の42%(うち44%が女性、40%が男性)は「特定の性別が特定の仕事に就けない場合があるため」と回答した。これに▽特定の性別は特定の環境で働くことが出来ない場合がある(37%)▽特定の性別は特定の役割・仕事にとって価値があると見なされている(33%)▽特定の性別はリーダーシップの役割を実行できないと見なされている(30%)▽特定の性別は仕事よりも個人の生活を優先する(28%)▽特定の性別はワークライフバランスを要求する(26%)▽特定の性別は子供を産んだ後に価値が低いと見なされている(24%)▽特定の性別を雇う方が安いと思われている(21%)▽特定の性別は低賃金の仕事・部門で働くことを選択する(16%)ーーとの回答が続いた。
有給の育児休暇については42%が、男性と女性両方の従業員に提供すべきと回答したが、34%は性別に関連した給与の査定やアクションプランが役立つ場合があると答えた。
また同調査により、回答者の38%が同じ職場に5年以上勤務していることが分かった。これに勤務年数1ー2年が15%、2ー3年が12%、 3ー4年が8%、4ー5年が6%が続いた。
同調査は1月22日ー29日間、24歳以上を対象にオンラインで行われたもので、1,042人のマレーシア人が参加した。参加者の70%はマレー系・ブミプトラ(マレー人と先住民族の総称)で、25%が中国系、5%がインド系または他の民族だった。また回答者の60%は民間部門、21%は政府・法定機関、19%は自営業の従事者で、うち33%がホワイトカラー労働者、 23%が専門職・幹部、 21%は自営業者、14%はブルーカラー労働者だった。
なお英字紙「マレー・メイル」によると、女性支援組織のウーマンズ・エイド(WAO)はマレーシアの企業に対して、英国のアプローチを採用し、性別間賃金格差に関する透明性を高めるよう求めているという。マレーシア政府に対しWAOは、男女の従業員の平均賃金、割合、ボーナスを受け取る従業員の男女比率を報告するよう企業に要求すべきと表明していた。
(マレー・メイル、8月13日)