国会が7カ月ぶりに再開、コロナ対策巡り激論

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を受けて1月11日に発令された非常事態宣言発令の下、永らく閉会となっていた国会が26日、7カ月ぶりに特別国会として再開された。

会期は26—29日、8月2日の合計5日間。昨年12月29日に閉会して以来となる。閉会中に制定された各種政令や国家復興計画(NRP)、国家予防接種プログラムについて政府が説明を行なうことになっており、26日は早速ムヒディン•ヤシン首相が国家復興計画(NRP)について説明した。

野党側からは、政府の失策を厳しく指摘する声が上がった。かつての師匠であるアンワル•イブラヒム元副首相(野党連合・希望同盟=PHリーダー)が、産業界の制限緩和により工場で感染者が急増した責任についてアズミン・アリ上級相(兼通産相)を激しく追求する場面もあった。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染防止の観点から当初検討されていた、本会議場における対面とバーチャルのハイブリッド方式は採用せず、全員が出席できることになった。下院議会の222議席のうち2議席が議員死去のため空席となっているが補欠選挙は延期されており、議員数は220人となっている。

下院議員205人がすでに2回のワクチン接種を終え、12人が1回のみ、3人は受けていない。しかし下院議員2人が陽性であることが判明、3人が感染者と濃厚接触があったとして欠席した。濃厚接触者にはズライダ・カマルディン住宅地方自治相も含まれている。このほかリーザル・メリカン・ナイナ青年スポーツ相が東京五輪視察のために欠席した。

ムヒディン政権は政治的混乱を避けるとの理由で再開に慎重姿勢だったが、アブドラ国王のほか、野党勢力や人権団体、そして与党連合内部からも上がっていた再開を求める声に押し切られた格好だ。

ほとんどの州が10月中に第4フェーズに=ムヒディン首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は26日に開幕した特別国会で国家復興計画(NRP)に関する説明を行ない、ほとんどの州が早ければ10月中にも第4フェーズに移行できると述べた。
NRPによると、第4フェーズへの移行すれば可能な限り日常生活に戻すこととなり、すべての経済活動、より多くの社会活動が許可される。また州を越えた旅行が許可され、国内観光旅行も厳格な標準的運用手順(SOP)に従うことを条件に容認するとなっている。
ムヒディン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策に成功して一旦次のフェーズに移行した州について、出口戦略に重点を置くNRPのアプローチに基づき再び元のフェーズに戻さないことを国家安全委員会(NSC)特別会議で決定したと言明。再び感染件数が増加した場合には地区ごとに移動制限を厳格化することで対処していくと述べた。
ムヒディン首相はまた、現政府は完璧ではないもののワクチン接種率が最も高い国の一つとなっているなど可能な限りの措置をとっていると強調。10月までにはすべての成人に対するワクチン接種が終わるだろうとした上で、困難な時代に立ち向かっていくためには団結することが重要だと述べた。
またムヒディン首相は、保留となっている第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)については9月20日、来年度予算案に関しては10月29日に国会に上程すると発表した
このほかタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)は、8月1日で期限を迎える非常事態宣言についてアブドラ国王に延長を求める意向のないことを明言。予定通りに非常事態宣言を解除することになると述べた。

新型コロナの感染者数は1万4516人、累計で100万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万4,516人となったと発表した。過去最多の1万7,045人となった前日からは減少した。アクティブ感染者数は16万5,840人で、累計感染者数は102万7,954人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,508人だった。それに▽ジョホール州(1,449人)▽クアラルンプール(KL、1,425人)▽ケダ州(1,160人)▽サバ州(720人)▽ペラ州(590人)▽ネグリ・センビラン州(452人)▽ペナン州(402人)▽パハン州(386人)▽マラッカ州(373人)▽サラワク州(356人)▽クランタン州(346人)▽トレンガヌ州(245人)▽プトラジャヤ(94人)▽ラブアン(8人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。9,372人が新たに回復し、累計治癒者は85万3,913人となった。死者数は過去最多となる207人で、累計で8,201人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、34カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で18カ所、コミュニティで15カ所、残りは医療センターなど感染すると重症化しやすいコミュニティでクラスターが発生した。
州別では、サバ州とジョホール州でそれぞれ6カ所、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ5カ所、ペラ州、パハン州、ケダ州でそれぞれ3カ所、トレンガヌ州、ネグリ・センビラン州、KLでそれぞれ1カ所発生した。

ワクチン巡り”フェイク接種”&”過小投与”疑惑が次々浮上

新型コロナウイルス「Covid-19」対策の切り札であるワクチン接種が加速化しており、政府は成人全員への接種目標を10月末に切り上げている。一方では根強い不信感をもって接種を拒否する人も少なくない。最近ではこうしたワクチン不信を助長するかのような、決してあってはならない接種を巡る不正問題が浮上している。

7月9日には、セランゴール州バンティンに仮設されたワクチン接種センター(PPV)で6日に接種を受けた40歳の男性が「中身が入っていない注射器で注射をする振りをされた」と警察に被害届を出した。

男性は自身の接種の様子を動画撮影していたが、それを確認して「フェイク」だと悟り、苦情を言いに行ったところ逆に怒鳴りつけられた。男性が動画をみせたところ幹部職員は絶句していたという。

7月17日にはクアラルンプール(KL)のブキ・ジャリル国立競技場に仮設された接種センターで接種を受けた33歳の男性が警察に被害届を提出した。男性によると、接種ブースで接種コードをスマホでスキャンしてから接種が終わるまで20秒もかからなかった。接種前に注射器を見せることもしなかったという。確かに針が腕に刺さるのは感じたが、注射器のピストンは動かなかった。このため男性が他の職員に注意を促したところ、返ってきた答えは「それが普通」というものだったので二度驚いたとしている。

「フェイク接種」が言いがかりや誤解でない証拠に、ワクチン接種タスクフォース(CITF)は、ケダ州スンガイ・プタニ空軍基地に設置された接種センター(PPV)における「フェイク接種」に関与したとして、先ごろ職員に懲戒処分を行なったことを明らかにした。ソーシャルメディアで出回っている画像には、職員が中身の入っていない注射器を女性の腕に刺す様子が映っていた。

一方、KL世界貿易センター(WTCKL)に設置されたPPVでは、アストラゼネカ製ワクチンの「過小投与」の疑惑が持ち上がり、保健省が調査に乗り出した。ファイザー製は1回の投薬量が0.3ミリリットルだが、アストラゼネカとシノバックは0.5ミリリットルと異なっており、不正でなく職員の人為的ミスである可能性もあるという。

接種に関する不正問題が浮上する中、アダム・ババ保健相はトラブルを防止のために、職員は接種前に注射器を被接種者にきちんと見せるべきであるとした上で、被接種者も疑問に思ったら職員に注射器を見せて欲しいと頼んで構わないと述べている。

(マレーシアBIZナビ編集部)

自動車のSST減免措置、業界がさらなる延長を要請

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)のアイシャ・アハマド会長は、年末まで再延長されている自動車の売上・サービス税(SST)減免措置について、さらに6カ月再々延長するよう求めた。
今年上半期の業況報告の中でアイシャ会長は、自動車産業支援のためにSST減免が継続されたものの、完全ロックダウン(FMCO)とそれに続く首都圏などの強化行動制限令(EMCO)により自動車組立工場と販売店が閉鎖されたことで支援が無意味になったと指摘。自動車産業の事実上の閉鎖は2カ月近くに及んでおり、受注済みの新車の納車すらできなくなっているとし、差し迫った問題としてはこの受注分の納車を履行することだと述べた。
自動車向けSST減免措置は現地組立車(CKD)で100%、輸入完成車(CBU)で50%となっており、2020年6月に発表された「国家経済復興計画(PENJANA)」の下で2020年末まで半年限定で実施されたが、その後、2021年6月末まで延長、さらに今年6月の「国民と経済を強化するための戦略的プログラム(PEMERKASA)プラス」の中で12月まで再延長が盛り込まれていた。
(ポールタン、7月22日)

段階的に観光活動再開へ=観光芸術文化省

【プトラジャヤ】 観光芸術文化省(MOTAC)は、コロナにより打撃を受けた観光業の復興のため、観光活動の段階的な再開を国家安全委員会(NSC)に提案した。
再開は4段階に分けられ、▽第1段階:地区内の旅行・観光▽第2段階:地区間の旅行・観光▽第3段階:州間の旅行・観光▽第4段階:海外旅行やインバウンド観光——となっている。
MOTACはまた、ワクチン接種を受けた観光客のみを受け入れ、地域内に限定して観光を許可する「Covid-19フリーデスティネーションプログラム」についても、国家復興計画(NRP)に沿って段階的に進めていく。第1段階では、ランカウイ島とクチンで試験的に実施、第2段階では▽ルダン島▽プルヘンティアン島▽パンコール島▽ティオマン島——などの人気リゾートや▽ジョホール州▽マラッカ州▽ペナン州▽サバ州——などの主要観光地にまで対象を拡大、第3段階ではその他の主要観光地を対象とする。
MOTACは、観光業界の負担を軽減するため、ツアーオペレーターおよび観光ガイドのライセンス料免除や観光業の最前線で働く労働者を対象としたワクチン接種促進などにも取り組んでいるという。
(エッジ、マレーシアン・リザーブ、7月22日)

個人消費の回復、来年までずれこむ見込み=フィッチ分析

【ペタリンジャヤ】  フィッチ・グループの調査部門、フィッチ・ソリューションズは、今年の家計支出予想を前年比3%増とした。パンデミックや行動制限令の影響により前年比3.7%減となった2020年と比べると回復傾向にあるが、当初予想の11%からは下方修正されている。
フィッチによると、2021年の家計支出は9,000億リンギと予想され、2019年の9,050億リンギを下回る。ロックダウンによる経済的困難が続いており、ワクチン接種にも時間がかかっているため、個人消費の回復は2022年にまでずれこむと見ている。
国内の小売売上の60%を占める首都圏クランバレーで移動制限が続いていることも経済回復を遅らせる要因となっているが、移動制限によって電子商取引が発展している一面もある。オンライン小売売上指数は、前年同期比23.1%増となっている。
個人消費の回復を妨げるリスクとしては、消費者物価の上昇が考えられる。また、政府財政がひっ迫していることから、政府による景気刺激策は昨年発表された内容を超えるものを期待できないという。中長期的なリスクとしては、検討されているGST再導入あるいはその他の消費税導入が実施された場合、家計の可処分所得に対して悪影響を与えると分析している。
(ザ・サン、7月22日)

新型コロナの感染者数は1万5573人、初めて1万5千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は23日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万5,573人となったと発表した。最多を更新し、初めて1万5千人を超えた。アクティブ感染者数は14万7,386人で、累計感染者数は98万491人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く7,672人だった。それに▽クアラルンプール(KL、2,063人)▽ケダ州(937人)▽ジョホール州(722人)▽ネグリ・センビラン州(682人)▽ペナン州(530人)▽サバ州(516人)▽サラワク州(461人)▽パハン州(457人)▽マラッカ州(452人)▽ペラ州(415人)▽クランタン州(372人)▽トレンガヌ州(229人)▽プトラジャヤ(41人)▽ラブアン(21人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。これまでで最多となる1万94人が新たに回復し、累計治癒者は82万5,387人となった。死者数は144人で、累計で7,718人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は22日、32カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で21カ所、コミュニティで7カ所、高齢者施設と高等教育機関でそれぞれ2カ所のクラスターが発生した。
州別では、KLとジョホール州で6カ所、セランゴール州で5カ所、ペナン州で3カ所、サラワク州とサバ州、ケダ州、パハン州、マラッカ州でそれぞれ2カ所、トレンガヌ州、クランタン州でそれぞれ1カ所発生した。

非コロナ患者の首都圏民間病院への転院、保健省が命令

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染者の急増で病床不足が深刻化する中、保健省は7月20日付けで、首都圏クランバレーにある民間病院に対し、公立の医療機関に入院している新型コロナウイルス「Covid-19」以外の患者をすべて受け入れるよう命じた。
公立病院におけるコロナ以外の患者を民間病院に移送することで、公立病院でより多くのカテゴリー3、4、5のコロナ重症患者を受け入れられるようにするのが狙い。マレーシア民間病院協会(APHM)のクルジット・シン会長は保健省の命令を受け取ったことを認めた上で、すでに同日から多くの患者が民間病院に移送されていることを明らかにした。
民間病院に移送された患者の治療費は一定限度まで政府が負担するただ患者の治療はガイドラインに基づいて行なわなければならず、限度額を超えた額については当座は民間病院側が負担し、保健省が審査した上で払い戻されるという。
保健省のガイドラインによると、手術料は4万5,000リンギ、手術以外で2万5,000リンギ、最低額の入院費用が5,000リンギとなっている。
21日における新規感染者数は1万1,985人となっており、7月13日から9日連続で1万人を突破している。半数以上をセランゴール州とクアラルンプール(KL)で占めている。
(マレー・メイル、7月21日)

コロナ、40—50代の重症増加でICU占有=保健省

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、呼吸補助を必要とする新たな新型コロナウイルス(Covid-19)患者数は日ごとに増加しており、新規感染者1万1,985人のうち110人がカテゴリー4(酸素吸入が必要)およびカテゴリー5(人工呼吸器が必要)の段階にあると発表した。
軽症にあたるカテゴリー1と2が全新規感染者中97.6%を占め、カテゴリー3-5にあたるのは2.4%。内訳は、カテゴリー3(肺炎発症)が178人、カテゴリー4が45人、カテゴリー5が65人。重症患者が集中治療室(ICU)を使えるようにするため、適切な住宅環境があるカテゴリー1と2の感染者については、自宅隔離で対応しているという。
高齢者へのワクチン接種の効果が出てきており、現在、ICUの病床にあるのは40代、50代が中心で60歳以上の高齢者は少なくなっている。全国のICUに927人が入院中で、そのうち459人が人工呼吸器を必要としている。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は、ワクチン接種について、シノバックとファイザーの両ワクチンともに効果があると述べた。シノバックの効果に疑いの声が出ていることに関して、論文誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンで報告されたチリでの例を引き合いに出して否定した。
チリでは、420万人の2回接種完了者と550万人の未接種者を比較した結果、シノバックの接種により、コロナ感染を65.9%、入院を87.5%、ICU入院を90.3%、死亡を86.3%減少させている。一方、ファイザーの95%という非常に高い有効性は、8人の2回接種完了者と162人の未接種者という小規模グループから出た結果にすぎないという。こうしたことからノール事務次官は、実際の使用においては、シノバックとファイザーの間に大きな違いはなく、いずれのワクチンも重症化や入院を防ぐには非常に有効だが、感染そのものを防ぐ効果については低いと強調した。