ネット専業イオン銀行、近く営業を開始

【クアラルンプール】 インターネット専業銀行のイオン銀行(M)は近く営業を開始する見通しで、フェイスブックの公式サイトで、ユーザー登録を開始した。

フェイスブックページにはQRコードが掲載されており、ユーザーはこれをスキャンし、登録サイトで氏名と電子メールアドレスを記入すれば、最新情報がイオン銀行(M)から送られてくる。

デジタル銀行の第1号となったGXバンク同様、イオン銀行(M)も専用アプリを利用するが、まだ一般客には提供されていない。イオン銀行(M)はイスラム教に対応したイスラム銀行で、しかもフルバンクのため、あらゆる銀行サービスを提供できる。

親会社イオンフィナンシャルサービスによれば、年度内をめどに開業し、預金、保険、少額ローンなどを扱う。技術面で金融技術の米マネーライオンと協力し、人工知能(AI)を使った分析で家計管理支援も提供する。

デジタル銀行は支店を持たないネット銀行で、マレーシアではシンガポールの配車サービス大手のグラブなど計5陣営が認可を得ている。
(ソヤチンチャウ、2月22日)

アーノッツグループとセブンイレブン(M)が即席食品で提携

【プチョン】 豪州系食品メーカーのアーノッツ (TAG)は、セブンイレブン・マレーシアと提携し、即席食品「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」を6月から全国で発売すると発表した。

TAGは今回の提携によりインスタント食品市場に参入し、2026年までに国内インスタント食品市場で60%以上のシェアを獲得することを目指す。「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」は若い社会人、大学生、忙しい母親などをターゲットにしており、5分で完成するのが特徴。

TAGのジョージ・ゾグビ最高経営責任者(CEO)は、今回の提携は長期的な成長に向けてのものであり、他社とも提携し取扱店舗を増やしていくと言明。消費者は、おいしくて栄養価が高く、外出先でも食べられる便利な製品を求めており、本製品はこの3点すべてを満たしているため、将来性を楽観視していると述べた。

TAGは「プレゴ」、「キンボール」などといったパスタソースなどのブランドを有しており、クアラルンプール(KL)工場で製造を行っている。「プレゴ」ブランドは、国内パスタソース市場で92%のシェアを占めており、乾燥パスタでも市場をリードしているという。

TAGのアジア事業の売上高は全世界売上高の4分の1に相当する10億リンギ超で、10年後には25億リンギに達すると見込まれている。シンガポールに惣菜を輸出しており、将来的には他国へも輸出する計画があるという。
(ザ・サン、2月23日、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、2月22日)

ハラル開発公社が日本で2件の覚書を締結、ハラル貿易促進で

【大阪】 マレーシアと日本の間で、ハラル(イスラムの戒律に則った)関連の覚書(MoU)が2件締結された。アハマド・ザヒド副首相の日本公式訪問に合わせたもの。

1件目はハラル開発公社(HDC)とイオン・マレーシア間のもので、両者は日本におけるマレーシアのハラル製品販売で協力する。HDCはイオンの協力を得て、日本市場への参入を希望するマレーシアのハラル業界関係者にビジネス指導を行い、HDCのハラル統合プラットフォームの利用促進を図るとともに、ハラル製品の販促セミナーなども実施する。日本のハラル業界関係者を対象としたハラル・トレーニング・プログラムも提供し、日本のレストランにおけるハラル認証プロセスの合理化に向け、人材育成や専門知識の共有も行っていく。

2件目は、HDCと日本ハラール協会(JHA)間のもので、日本におけるインフラやハラル認証の強化を目指す。整合性のとれたハラル認証を世界的に推進し、日本企業のハラル貿易参入を促進する。

覚書締結式にはザヒド副首相やHDCのカイルル・アズワン・ハルン会長も立ち会った。ザヒド副首相は、マレーシア・ハラル委員会の委員長も務めている。

ザヒド副首相は、ハラル製品・サービスに対する世界的な需要の増加に対応するため、日本とマレーシアの両国が協力することが重要だとし、日本のムスリム人口は少ないものの、日本のハラル市場の成長の余地は大きいと述べた。マレーシアの2022年輸出額は595億リンギだったが、そのうち日本へのハラル関連輸出額は36億リンギに過ぎなかったとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、2月22日)

 

マレーシア人訪日者数、1月は18.5%増の3万2100人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年1月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万2,100人となり、前年同月比で18.5%増加したが、前月比では47.2%減少した。

JNTOによると、1 月が海外旅行需要の低下する時期であること、旅行代金の高騰、LCCの地方路線の回復の遅れ等の影響があったが、スノーシーズンによる訪日需要の高まり、祝日等の影響もあり増加した。なお、新型コロナ前の2019年同月との比較では2.2%増となった。

クアラルンプール(KL)ー新千歳間の復便もあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

1月の世界全体の訪日者数は、能登半島地震発生後、東アジアを中心に影響が一部見られたものの、前年同月から79.5%増の268万8,100人、2019年同月からはほぼ横ばいとなった。

JNTOは、昨年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画で3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が示されるとともに、旅行消費額・地方部宿泊数等に関する新たな政府目標が掲げられたとし、これらの実現に向けて、市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいくとしている。

共同オフィス「コラブスコワーキング」、KLに7店舗目を開設

【クアラルンプール】 コワーキング・スペース(共同オフィス)の「コラブス・コワーキング」は、クアラルンプールのダマンサラ・ハイツの商業施設「ザ・ファイブ」内に7店舗目をオープンした。

「ザ・ファイブ」店は2階建てで1万5,407平方フィート、256席を有し、会議室3室やイベントホールも付属している。「コラブス・コワーキング」は、不動産開発のパラマウントの子会社パラマウント・コワーキングが2017年より運営するブランド。既存5店舗の平均稼働率は75%で、昨年11月にオープンした「KEN TTDI」店は50%、「ザ・ファイブ」店は現時点で40%だという。

「コラブス・コワーキング」の責任者であり、パラマウントの副最高経営責任者(CEO)でもあるベンジャミン・テオ氏によると、「コラブス・コワーキング」は首都圏で合計16万7,000平方フィートのスペースを提供しており、国内コワーキングスペース運営会社中、管理面積でトップ3に入るという。今年年央までの8店舗目オープンも目指している。会員は複数店舗にまたがっての利用も可能だ。

テオ氏は今後の見通しについて、今後5年間でコワーキング業界の10ー15%の成長を見込んでおり、「コラブス・コワーキング」も今後2年間で総面積を約2倍の30万平方フィートまで拡大することを目指すと述べた。首都圏以外への進出も検討するとしている。
(エッジ、2月21日)

ベルジャヤフード第2四半期は赤字、スターバックスへの抗議が影響

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・フードの24年度第2四半期(23年10-12月)決算は4,258万リンギの赤字だった。イスラエル・パレスチナ戦争をめぐるスターバックス店舗に対するボイコットが影響した。前年同期は3,549万リンギの黒字だった。

スターバックスはパレスチナ紛争でイスラエルを支援したとされ、ソーシャルメディア上でボイコットの呼びかけがあった。またパレスチナへの連帯を表明した同社労働組合を提訴。各地でスターバックスに対する抗議活動が活発化した。ベルジャヤ・フードはベルジャヤ・スターバックス・コーヒーを傘下に置き、スターバックス店舗を運営している。

売上高は38%減の1億8,255万リンギだった。シンガポールで豆乳など大豆加工品を提供する店舗を展開するジョリビーン・フーズの売却損(1,050万リンギ)も影響した。

中間期の売上高は20.3%減の4億6,109万リンギ、純損益は2,355万リンギの損失(前年同期は7,019万リンギの黒字)だった。

先行きについてベルジャヤ・フードは、現在の状況は短期的なもので、下半期は業績の改善が見込めるとした。
(ザ・スター、2月22日、エッジ、2月21日)

 

日系ラーメン店、独自の罰金制度によりSNSで物議

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」のショッピングモール「エクスチェンジTRX」に出店している日系ラーメン店が、恣意的な罰金を店員に課していることがソーシャルメディアで明らかにされ、物議を醸している。

X(旧・ツイッター)の投稿によると、遅刻や無断欠勤などに加え、忙しい時間帯にトイレに行く、タイムカードの押し忘れ、オーダーミス、病気休暇などに対しても罰金が課されている。罰金額は30ー500リンギで、休暇中の店員を含め連帯責任とするとされている。

罰金リストが複数のソーシャルメディアで拡散されており、多くのネットユーザーが、「労働者の権利を侵害しており、労働法にも違反している」とし、関係当局に対処するよう求めた。スティーブン・シム人的資源相はこれを受け、雇用法第4章に違反しているため、店員に労働局へ訴え出るよう呼びかけている。一方、店舗側は社外秘のリストが公開されたとして警察に被害届を提出した模様だ。英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」は店舗経営者に本件の詳細について問い合わせを行ったが、回答は得られていないという。
(ハイプ、2月21日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、2月20日)

訪日中のザンブリー高等教育相、筑波大学を訪問

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 筑波大学は21日、訪日中のザンブリー・アブドル・カディル高等教育相およびマレーシアの高等教育機関の代表合計12人が20日に筑波大学を来訪したと発表した。

懇談会を実施し、9月に開校を予定している筑波大学マレーシア分校の説明や、マレーシア政府からの関心が高い筑波大学人工知能科学センターの紹介が行われた。また、筑波大学がマラッカ技術大学と取り組んでいる共同研究についても触れられ、同大学との連携強化に向けた意見交換が行われた。

懇談後、一行は筑波大学の計算科学研究センターを訪問し、スーパーコンピューター「シグナス」を視察した。筑波大学は、今後、マレーシアの高等教育機関との更なる連携が期待されるとしている。

春節に訪馬した中国人観光客数は50%増、ビザ免除効果で

【クアラルンプール】 マレーシア華人観光協会(MCTA)のポール・パウ会長によると、今年の春節期間中に中国からの観光客が前年比で50%増加し、10億ー15億リンギを国内で消費したと推定される。「星州日報」が18日に報じた。

パウ会長によると、2月5日以降、約5,000の団体による合計10万人以上の中国人観光客がマレーシアを訪れ、マレーシアは、中国人観光客の春節旅行先トップ5に入った。中国人観光客は、北部地域(ペナン州・ペラ州)、中部地域(クアラルンプール、パハン州、マラッカ州)、南部地域(ジョホール州およびシンガポール)のいずれかを観光することを好み、ダイビングができるサバ州も人気となった。2023年12月に実施された、中国人観光客のビザ免除が、観光客数の急増につながったという。

中国文化圏では辰年生まれの子どもが家に幸運と繁栄をもたらすと信じられていることから、今年マレーシアでの出産を望む親も多く、メディカルツーリズムも好調だ。特にジョホール州の産婦人科は地元民に加え、シンガポール人からも人気が高く、ほぼ満室状態となっている。同州のLYCヘルスケアでは出産パッケージの料金が5,000ー7,000シンガポール(S)ドル(1万7,704ー2万4,785リンギ)と、シンガポールでの出産費用(1万Sドル以上)より格安であるため、シンガポール人から人気を博しており、顧客の半分をシンガポール人が占めている。枠を確保するために妊娠前に予約を入れる母親さえいるという。
(ザ・スター電子版、2月20日、星州日報、2月18日)

UMWトヨタがカーボンニュートラル構想を発表、イベントも開催

【ペタリンジャヤ】 UMWトヨタ・モーター(UMWT)は20日、持続可能で環境に配慮した「ビヨンド・ゼロ」構想を発表した。トヨタ自動車が掲げる目標「2050年までにカーボンニュートラルを達成する」に沿ったもの。

クアラルンプール郊外ブキジャリルのテクノロジー・パーク・マレーシアにおいて、28日まで同構想を紹介するイベントを開催する。電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、バッテリー電気自動車(BEV)、燃料電池EVなど、さまざまな電動化技術を搭載したトヨタ車を展示する。

ラビンドラン・クルサミー社長は、トヨタでは目標達成に向け、各国でそれぞれの状況に応じた戦略を推進しており、全顧客が各自のニーズに合った適切な低炭素ソリューションを選択できるようになるべきだと考えていると述べた。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、持続可能なエネルギーへの転換は急務であるとし、トヨタのクリーンエネルギーにおける革新的な取り組みは、「エネルギー転換における地域のリーダーになる」というマレーシアの目標にも沿っていると述べた。

UMWTは、2009年以来4万1,600台のHEVを販売しており、二酸化炭素排出量約15万トンの削減につながっているという。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、2月20日)