三井E&S、環境対応型港湾荷役クレーン12基を受注

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三井E&S(本社・東京都中央区)は9日、マレーシアで港湾運営やインフラ建設を行うMMCコーポレーション(MMC)グループ傘下のノースポート(マレーシア)より、環境対応型のタイヤ式電動門型コンテナ用ヤードクレーン12基を受注したと発表した。

セランゴール州ポートクランでコンテナ港を運営しているノースポートは今後、コンテナターミナルを拡張させる予定で港湾整備を進めており、今回の12基は、新たに拡張されるコンテナターミナルに設置される予定だ。

三井E&Sは、2021―2022年にかけて、ノースポートからタイヤ式門型クレーン23基、タイヤ式電動門型クレーン11基を受注し、納入を完了している。

産業廃棄物のアミタ、マレーシア子会社を海外統括会社に再編

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 産業廃棄物リサイクルのアミタホールディングス(本社・京都府京都市)は8日、アジア・大洋州地域でのビジネス展開を加速するため、マレーシア子会社アミタ・エンバイロンメンタル・ストラテジック・サポートをアミタ・サーキュラーデザインへと社名変更し、海外統括会社として新たに事業開始すると発表した。

組織再編により、現地ニーズを捉えたスピーディーな事業展開に向けて、アジア地域全体を対象とした人材登用やビジネスパートナーシップの強化を図る。2017年からマレーシアで展開している、100%リサイクル事業を基盤とし、まずは約4,200億米ドル(62兆7,600億円)のサーキュラー(循環型)ビジネス機会が生まれると言われるASEAN(東南アジア諸国連合)市場を視野に入れ、持続可能な企業経営や地域運営を統合的に支援する「社会デザイン事業」の実現を目指す。

アミタは2017年、マレーシアにてコングロマリットのベルジャヤ・グループと合弁で100%リサイクル事業を開始。同社独自の調合技術を活用し、産業廃棄物を主にセメントの代替原料・燃料などへと100%リサイクルしている。インドネシアにおける事業展開も視野に入れており、2023年5月に締結したインドセメント社とのMoU(協力覚書)を軸に、事業性調査を進めている。日本の環境省による「脱炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」の枠組みも活用し、インドネシアの自治体や他企業とも連携の上、調査を進めているという。

日本水産物のマレーシア輸出、今年増加する見込み=ジェトロ

【クアラルンプール】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、今年のマレーシアへの水産物輸出について、観光業が好調であることや円安を背景に、増加が見込まれるとしている。

ジェトロ・クアラルンプール事務所の高野光一所長は国営「ベルナマ通信」の取材に対し、昨年は福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出があったが、日本政府は、科学的根拠に基づいて水産物の安全性を慎重に説明しており、安全対策を継続していると説明。今年はマレーシアの経済成長が見込まれることから、日本産水産物への需要も増加することが期待できると述べた。ジェトロでは、マレーシアの流通業者、レストラン、小売業者が、水産物や加工食品などの日本製品をより多く輸入できるよう支援しているとしている。

2023年通年の日本産水産物(魚、魚卵、甲殻類、水産缶詰など)のマレーシア輸出額は前年比16%増の43億6,900万円だった。

生鮮・冷凍水産物を取り扱うセンドイチ・マレーシアのゼネラルマネージャーであるアルドレッド・ヨー氏は、日本産水産物への需要がレストランで高まりつつあるとし、特に北海道産ホタテは新鮮で甘みがあるため、人気があると述べた。ハマチやクロマグロなどは、主に青森県、宮城県、北海道から仕入れているという。価格に関しても、日本のトップ生産者や輸出業者と協力の上、コスト競争力を保ちながら管理を行っているため、急激に上昇することはないと述べた。

ヨー氏によると、日本の大手レストラン経営会社2社が、成長する東南アジア市場、特に旅行先として人気のマレーシアに魅力を感じ、同社を通じて年内にマレーシアにレストランを開店したいと打診してきているという。
(ザ・サン電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、2月11日)

MASが鉄道とのセットチケット、ロンドン・ソウル便で提供

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAS)は、同航空ロンドン・ソウル発着便と英国・韓国の鉄道のセットチケット販売を開始すると発表した。

航空と鉄道利用を組み合わせたサービスを提供するカナダ系アクセスレールとの提携事業。ロンドンのヒースロー空港からはロンドン・ノース・イースタン鉄道およびアバンティ・ウエスト・コースト鉄道が利用でき、韓国では仁川国際空港から韓国高速鉄道が利用できる。

サービスの名称はMHレール。チケットはマレーシア航空のホームページ、またGDS(グローバル流通システム)加盟の旅行代理店で購入できる。GDSは世界中の航空会社、ホテル、レンタカーなどの予約・発券ができるコンピューターシステム。MASは既にアクセスレールとの提携を通じ、英グレートイースタン鉄道が利用できるサービスを導入している。

アクセスレールのアンドリュー・ポペスク副社長(事業開発担当)は「今後もMASとの協力を進め、マレーシア航空がさらに多くの目的地のセットチケットを提供し、顧客がシームレスなサービスを享受できるようにする」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月9日、エッジ、2月8日)

KLIA近隣に4つ星のイビスホテルがオープン

【クアラルンプール】 クアラルンプール国際空港(KLIA)近隣に4つ星エアポートホテル「イビス・スタイルズ・セパンKLIA」が1日、オープンした。「イビス」は、ホテルチェーンの仏アコーホテルズが展開するホテルブランド。

新ホテルは、KLIAから1.2キロメートル、無料シャトルバスで6分の距離にあり、現時点でKLIAに最も近い国際ブランドホテルとなっている。客室数は全229室。セパン地区で最大級のプールを有し、バイク愛好家のために特別にデザインされた10室のバイカールームも用意している。ダイニングレストラン、ロビー・バー、スパ、フィットネスセンターを備え、CSR(企業の社会的責任)の一環として、各部屋に自閉症のアーティストによる絵画も飾られている。
(ザ・スター電子版、2月8日、イビス・ホテル発表資料)

マレーシア国鉄コミューター線、オープン決済システムを導入

【イポー】 マレーシア国鉄(KTMB)は8日、コミューター線の一部の駅で、運賃オープン決済システムの稼働を開始した。事前にオンラインで座席を指定してキップを購入する高速電車運行サービス(ETS)は対象外。

運賃決済の利便性を向上させるのが狙いで、首都圏クランバレーとマレー半島北部の80駅で利用可能。乗客は自動制御ゲートでデビットカード、クレジットカード、電子ウォレットのいずれかを使用して支払いを行うことができ、決済は1ー5秒で完了するという。

イポー駅での立ち上げに同席したアンソニー・ローク運輸相は、2022年9月に首都圏クランバレーで始まったKTMB運賃支払いシステムの改修プロジェクトが、昨年末に1年余りの短い期間で完了したと言明。またホリデー・シーズンなどの繁忙期以外にもETSサービスの運行頻度を増やすことを検討していると述べた。

KTMBのスハイミ・ヤコブ最高経営責任者(CEO)は、2022年に220万人だったKTMインターシティ列車の利用者数が2023年には81%増の425万人となり、ETSとコミューター線もそれぞれ26.4%、15.3%増加したと明らかにした。
(ベルナマ通信、ザ・サン電子版、エッジ、2月8日)

UMWトヨタ、23年の販売台数が過去最高を記録

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、「トヨタ」と「レクサス」の2ブランドを合計した2023年通年の販売台数が10万8,107台となり、年間売り上げとして過去最高を記録。非国産車部門における販売トップを維持したと発表した。

トヨタ車だけで非国産車部門のシェアが32%に達した。車種別ではピックアップトラックが2万7,447台となり、非国産車部門でのシェアが47.2%に達した。乗用車の販売台数は7万5,337台で、ホンダに次いで非国産車部門で2位、全体で4位となった。

またスポーツ車(SUV)は2万2,533台で、非国産車部門のシェアは19.6%となった。このほか台数は少ないものの、パネルバンの販売台数は3,424台で、シェアは100%だった。

なお2024年1月の販売台数も6,276台と好調を維持している。

ラビンドラン・クルサミー社長は、「同社の多様なモデルと先進的なアプローチが評価され、市場や顧客に好意的に受け入れられたことに感謝している。今後も革新的なモビリティを提供することに引き続き注力していく」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ポールタン、2月8日)

農林水産省、マレーシア向け輸出セミナーを29日に開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本の農林水産省は、2月29日にマレーシア向け輸出に関するセミナーをオンラインで開催する。

マレーシアにおける日本食市場の概況や、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)を含むEPA(経済連携協定)を利用するための手続き、その活用メリットなどについて説明する。農林水産物・食品の輸出拡大など、食品関係企業の海外市場への進出機会を増やすことを目的としている。

日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所、日本食の輸入卸を営むフォーカル・マーケティング社(国分グループ本社のグループ会社)、EPA下での特恵(優遇)税率活用コンサルティングの東京共同会計事務所が登壇する。
開催時間は14時から16時で、ZOOMを活用したオンライン形式で行う。事前登録が必要で、申し込みは https://reg.lapita.jp/public/seminar/view/7249 から(申し込み締切は28日18時)。

マレーシア、ITUの情報通信技術開発指数で世界15位に

【プトラジャヤ】 国際電気通信連合(ITU)による世界の情報通信環境に関する年次報告書「2023年度情報通信技術開発指数(IDI2023)」において、マレーシアは世界15位、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では3位となった。

IDI 2023は、通信網の普及状況やインターネット利用率・情報量、携帯電話所有率などの10の指標から100点満点で各国・地域の通信環境を評価したもので、マレーシアは94.5点を獲得した。

ASEANで首位となったのはシンガポール(97.4点)、2位はブルネイ(94.8点)だった。世界トップはクウェート(98.2点)。日本は92.0点、世界平均は72.8点だった。

マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は声明で、関係者の協力を得て、5Gや衛星通信の普及を加速させ、地方におけるネット接続の問題にも対処できたとし、今後も国内通信環境の強化に向けた取り組みを継続すると述べた。
(マレー・メイル、ボルネオポスト、ベルナマ通信、2月7日、ITU発表資料)

クチンにロキシーインピアナホテルが開業、廃墟ビルを再生

【クアラルンプール】 サラワク州クチン中心部に、廃墟ビルを再生したブティックホテル「ロキシー・インピアナ・ホテル」が新しくオープンした。

1967年に開業し、フィリピン・バンドの伴奏によるカラオケ・サービスなどから地元の人々に人気を博していた「カントリー・ビュー・ホテル」の建物を改装した。同ホテルは1980年代後半に経営者が代わり、「インピアナ・ホテル」と改名されたが、その後廃業。2000年代前半から放置され、廃墟となっていたが、地元の不動産開発会社テクトニック&サンズ・ホールディングスが買収し、新しいブティックホテルとして生まれ変わらせた。

開業式には、サラワク州のアマル・アワン・テンガ副首相も出席。同氏は、「廃墟の修復は、経済発展のみではなく、持続可能で包括的な成長も目指す取り組みだ」とし、ゼロから新しい建物を建てるのではなく、既存の資産を再利用することで、建築的・歴史的遺産を保護でき、資源も節約できると述べた。

テクトニック&サンズ・ホールディングスのリー・チンテック社長は、改装費用は1,200ー1,500万リンギ程度だったとし、デベロッパーの仕事は新しいアパートやショップハウスを建てることだけではないと強調。クチン市内で廃墟となった建物を見るのはしのびないとし、幽霊が出るという噂もあった建物を近代的なホテルに生まれ変わらせることは有意義な仕事だと述べた。同社は他にも廃墟を修復の上再利用してきた実績を有しているため、今後も州政府と協力していくとしている。
(ボルネオポスト、2月7日)