UXのビービット、マレーシア企業買収で東南アジアに事業を拡大

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ユーザーエクスペリエンス(UX)コンサルのビービット(本社・東京都千代田区)は16日、マレーシアのスタートアップ企業「つなごう(TSUNAGO)」の全株式を取得し、東南アジア市場に進出すると発表した。ビービットは2022年より台湾に進出しており、グローバルでの事業拡大を目指している。

「つなごう」は、クアラルンプールに拠点を構え、シンガポール・マレーシアを中心にOMO(オンラインとオフラインの統合)ソリューションを提供している。2017年の設立以降、三越伊勢丹、通信のセルコム、バー・チェーンのソーシャルなど大手企業の支援を行っている。また、日本人起業家がアドバイザーとして参加しており、日本と東南アジアをつなぐチームも形成している。

ビービットは今回の買収により、OMOの顧客体験設計力、データ駆動による顧客理解力をより強化し、シンガポール・マレーシアを中心に東南アジア全域に進出する。親和性の高い既存サービス群との融合も視野に入れながら、コンサルティング・SaaS一体型のUXビジネスのグローバル拡大を加速する計画だ。

フェローテック、ケダ新工場の開所式を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フェローテックホールディングス(本社・東京都中央区)は15日にケダ州クリム・ハイテクパーク内で建設中だった新工場の開所式を開催したと発表した。

マレーシア投資開発庁(MIDA)とフェローテックの共同声明によると、ケダ新工場では半導体装置の電気機械の組み立てと先端材料の加工を行う。投資額は約8億5,000万リンギで、800人以上の雇用機会を創出した。

フェローテックの副社長であり、製造子会社のフェローテック・マニファクチャリング・マレーシア(FTMM) の最高経営責任者(CEO)でもある山村丈氏は、ケダ工場の最新鋭の生産施設は、急成長を遂げるアジア市場における同社製品・サービスに対する需要の高まりに対応できるよう、戦略的に設計されていると言明。同社にとり東南アジア初の生産拠点となるケダ工場には、米国、欧州、中国、日本の事業で培われた、44年にわたるエンジニアリングの専門知識が集約されていると述べた。

フェローテックは昨年7月にも、パワー半導体用絶縁放熱基板製造子会社である江蘇富楽華半導体科技股?(FLH)が、ジョホール州ジョホールバルに新工場を建設すると発表していた。2024年9月の操業開始を予定している。

セルコムDigi、技術開発でソフトバンク、住友子会社と提携

【クアラルンプール】 通信のセルコムDigiは15日、同業のソフトバンク(本社・東京都港区)および住友商事(本社・東京都千代田区)のシンガポール子会社SC-NEXと提携し、マレーシア企業にインダストリー4.0(IR4.0)ソリューションを提供すると発表した。

SC-NEXはデジタルトランスフォーメーション(DX)の専門企業。ソフトバンク、SC-NEXの人工知能(AI)、ロボット工学、分析ソリューションに関する専門知識とセルコムDigiが運営する4G LTE網および5G網を活用し、アグリテック(農業技術)やスマートシティ向けのIR4.0ソリューションの共創を模索する。

セルコムDigiのイダム・ナワウィ最高経営責任者(CEO)は声明で、2社との提携により、国内企業が革新的なテクノロジーに迅速にアクセスできるようになり、ビジネスの真の可能性を引き出すことが可能になると言明。セルコムDigiは、より多くの企業のDX化を支援し、持続可能な経営環境を構築することを目指すと述べた。
SC-NEXの大河原淳 最高経営責任者(CEO)は、住友商事の幅広い経験や知識を活用し、三者間協業を強化していくと述べた。

ソフトバンクの工藤公正 法人事業統括グローバル事業本部本部長は、「ソフトバンクでは入退室管理ソリューションやロボティクス・ソリューションなどで構成される先進的なスマートビル・ソリューションを開発しており、そのノウハウを活用できることを楽しみにしている」と述べた。マレーシア企業の持続可能な成長に向け、他の技術分野でも協力していきたいとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、1月15日)

ジャヤグローサー、シャアラムに49店舗目をオープン

【クアラルンプール】 高級スーパーマーケット・チェーンのジャヤ・グローサーは14日、セランゴール州シャアラムの「プラザ・シャアラム」に49店舗目をオープンした。シャアラムでは「プラザ・ジェルトン」及び「アーデンス・ラブズ」に次ぐ3店舗目となる。

ジャヤ・グローサーのアデリーン・フー氏は、格付会社のRAMレーティングスがマレーシアの2024年の国内総生産(GDP)成長率を4.5ー5.5%と予想していることを指摘し、「大半の調査機関による高い経済成長予測に基づき、今年はさらに業績が向上すると予想している」と述べた。

ジャヤ・グローサーは1月13日から21日まで野菜や肉などのさまざまな生活必需品を特別割引で提供するほか、輸入スナックやキャットフードなどについてもキャンペーンを実施している。
(ザ・サン、1月15日、マレー・メイル、ベルナマ、1月14日)

「業務スーパー」マレーシア2号店、KLにオープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 神戸物産(本社・兵庫県加古川市)が展開する「業務スーパー」のマレーシア2号店が、12日にクアラルンプールの「ピナクル・スリ・ペタリン・モール」にオープンした。

2022年9月にセランゴール州ペタリンジャヤ(PJ)のシェラトンホテルに隣接する「ピナクルPJ」に正式オープンした1号店に続くもの。神戸物産では、海外店舗でもローカライズすることなしに日本の商品をそのまま販売する方針をとっている。イスラム教徒の顧客も安心して購入ができるよう、禁忌とされる豚肉、アルコールの含有情報を成分表示レベルで明示しているという。

オープン日には50リンギ以上購入の先着100人にエコバッグをプレゼントするキャンペーンを実施。マレーシア在住の日本人のみではなく、現地の人々も詰めかけた。

東京オートサロン、11月にKLのMITECで第2回を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東京オートサロン事務局は、11月8ー10日に、カスタムカー・ショーである「東京オートサロン」のマレーシア版第2回をクアラルンプールで開催すると発表した。

第1回は2023年6月9ー11日にマレーシア国際貿易展示センター(MITEC)のホール2ー4で開催され、若者を中心に9.1万人以上が来場した。第2回はMITECのホール6ー8で午前10時から午後10時まで開催。イベント運営のエレメントXと広告代理店のMUSEグループが共催する。

第2回では、人気コミックスでゲーム化もされた「湾岸ミッドナイト」に登場する車両の展示、屋外でのドリフトカーデモ走行、カーオークション、二輪車の出展、日本の著名チューナーやレースクイーンとの交流イベントなど、新たなコンテンツも予定されている。

MUSEグループのリドゥワン・マトニ最高経営責任者(CEO)は、「第1回は東南アジア諸国から多くのファンが訪れ、本イベントがマレーシア周辺地域の自動車ファンにとって魅力的であることが認識できた」と言明。第2回の開催までは十分な準備期間があり、効果的なプロモーションができるため、周辺地域からより多くの来場者を見込んでいると述べた。

京都の豆乳ラーメン専門店「豆禅」、KLにマレーシア1号店を開店

【クアラルンプール】 京都の豆乳ラーメン専門店「豆禅(Towzen)」がクアラルンプール(KL)にマレーシア1号店をオープンした。

「豆禅」は、湯豆腐料理店の店長を務めていた米川実氏が2004年7月に京都市左京区下鴨で創業した店舗で、豚骨、鶏がらを使わず、ヴィーガン(完全菜食主義)に対応した豆乳ラーメンを提供している。京都の店舗はベジタリアンの外国人などが集まる人気店となっている。

KL店は和モダンなインテリアデザインが特徴で、座席数は30席以上。農場を所有する現地パートナーの協力を受け、野菜・果物などの食材を仕入れている。豆乳ラーメンに加え、うどん、丼物、おにぎり、お茶漬け、サイドメニュー、デザートなど、豊富なメニューを提供している。鶏の唐揚げに模したヤマブシタケの唐揚げやうなぎの押し寿司にしか見えない焼き茄子寿司、トンカツに似せた揚げ豆腐カツ、焼き餃子(野菜、豆腐、キノコ入り)なども名物となっている。
(マレー・メイル、1月12日)

GVA、マレーシア法務関連サービスの提供を開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本、タイ、フィリピン、インドに拠点を有し、スタートアップ企業の法務支援を行うGVAプロフェッショナル・グループは、1月にマレーシアの法律事務所ラメッシュ・ディペンドラ・ジェレミア・ロー(RDJロー)と提携し、マレーシアデスクをクアラルンプールに開設した。

今回のマレーシアデスクの開設により、GVAグループは5カ国でサービスを提供できる体制となる。提携先のRDJローは、マレーシアにおいて取引および紛争解決をはじめとする幅広い法務サービスを提供している法律事務所。グループがこれまでアジアで培ってきた知見を最大限に活かしながら、日本企業のマレーシア進出を全面的にサポートし、マレーシア企業の日本市場への参入支援も行う。

GVAグループは日本では、GVA法律事務所(所在地・東京都渋谷区)、GVA国際法律事務所(所在地・大阪府大阪市)を構えており、GVA国際法律事務所が国際法務機能を統括している。

KLとプトラジャヤでごみの分別開始、違反者に罰金

【ペタリンジャヤ】 固形ごみの分別を規定した固形廃棄物・公共清掃法の運用が今年から開始された。同法を採用した連邦直轄領のクアラルンプール(KL)とプトラジャヤではごみの分別が義務付けられ、違反に対しては罰金が科せられる。

連邦直轄地固形廃棄物・公共清掃公社(SWcorp)によると、集合住宅の場合、管理組織または管理組合が分別の責任者とされる。罰金は1回目の違反が100リンギで、2回目が200リンギ、3回目が500リンギ。

土地付き住宅の場合、住宅所有者がごみ管理の責任を負う。違反に対する罰金は同様に、50リンギ、100リンギ、500リンギ。罰金を納付しなかった場合は罪に問われ、最高1万リンギの罰金に処せられる。4回目、5回目の違反では罰金でなく裁判にかけられる。

同法を採用しているのは、KLとプトラジャヤのほかにパハン、ジョホール、マラッカ、ネグリ・センビラン、ぺルリス、ケダの6州。政府はこれらの地域に対し、年間20億リンギ余りを廃棄物処理、公共清掃費用として支出している。

住宅管理組織・組合は住民向けに、十分な広さの廃棄物保管施設を提供しなければならず、これに違反した場合も最高1,000リンギの罰金が科せられる。
ごみの分別は埋め立てるごみの量の削減が狙い。KLにおける昨年1-11月のごみ収集量は約77万トンで、再利用率はわずか0.17%にとどまっている。

衛星通信のミアサット、スターリンクの販売代理店に

【クアラルンプール】 衛星通信事業者のミアサット・グローバルは昨年12月、衛星通信サービス「スターリンク」の再販業者となる契約を米スペースXと交わし、正規販売代理店になった。

スターリンクは、低い高度を回る衛星を使って通信網を構築した衛星通信サービスで、地球上のどこにでも高速インターネットを提供できる。スペースXはイーロン・マスク氏が率いる航空宇宙メーカー、宇宙輸送サービス会社。契約に基づきミアサットは、自社がサービスを提供するアジア、アフリカ、欧州、オーストラリアなど130カ国でスターリンクのハードウエアやサービスを販売する。

ミアサットのガネンドラ・セルバラジュ最高商務責任者(CCO)によれば、地上回線にアクセスできないマレーシア国民に対する高速インターネットサービスが強化されるという。一方、スターリンクにとっては、顧客サービス、技術サポート、保守・修理面でミアサットのマレーシアでのプレゼンスを活用できる。
(ザ・スター、1月12日)