【人生の知恵・仕事の知恵】 SEISO is continuous activity for good

SEISO is continuous activity for good

★トイレ掃除

 先週のオンライン研修で、イエローハットの創業者・鍵山秀三郎氏(現同社会長)がトイレ掃除

をしているところを受講者にみせ、感想を聞きました。

 筆者からの投げかけに対して、シンガポール人の男性受講者が以下のように回答しました。

 「日本人がシンガポールで自分の家でもないのに掃除をきちんとしている様子をよく見かけました。そうした姿勢について感銘します。従って、会社の代表者自らが掃除を行う姿勢を素晴らしいと思います」

 トイレ掃除を行う写真をみせると、海外では時折”disgusting” (吐き気を催す)という感想を聞く中で、 当該受講者の感想は救われる想いでした。

★清潔感の圧倒的な違い

  先日、世界の空港の清潔さについてのランキングを見る機会がありました。

  空港利用者が清潔と評価する上位の空港は、ほとんど日本の空港が占めており、日本人と

  して嬉しく思った次第です。

  筆者も、日本に帰国した時の整然とした空港の様子に、いつも深い安堵感を覚えます。

★掃除は継続という感覚

  いうまでもなく、日本人は子供の頃から学校などの集団生活の中で、自ら片付けることに慣れ

ています。そもそも乱雑にしておくという感覚がありません。

  鍵山秀三郎氏は、社内で掃除を浸透させるために10年かかったと話されています。

  日本で10年かかるのですから、そもそも乱雑にしておくことになんの抵抗もない海外では、

  スタート時点で全く異なります。

  しかし、そこで諦めるということではなく、「掃除は食事などと同じように、自分の任期を超えた

継続的な活動」と位置付けることが不可欠です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

廃業ショッピングモール「eカーブ」を取り壊し、高層住宅開発で

【クアラルンプール】 営業停止となっているセランゴール州ペタリンジャヤのムティアラ・ダマンサラのショッピングモール「eカーブ」が今年第2四半期に取り壊される。「eカーブ」は2006年にオープンしたが、再開発に向け2021年3月に営業を停止していた。

「eカーブ」跡地には、不動産開発のブーステッド・プロパティーズが、サービスアパート「ラインズ」を建設する。全4棟のうち、3棟・749戸は一般向け、1棟・250戸は低所得層向けの手頃な価格の住宅となる。最も高い棟は67階建てで、幅広のドア、バリアフリーのバスルーム、緩やかなスロープなど、高齢者のニーズに応えた設計を採用する。

ウェルネスセンターや小売店が入居する、約10万平方フィート・50区画の小売スペースも備え、電気自動車用充電器、雨水利用システム、廃棄物管理システムなど、環境に配慮した設備も設置する。販売ギャラリーが6月中に一般公開され、第3四半期に発売を開始する。
(マレーシアン・リザーブ、ワールドオブバズ、5月10日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月9日)

配車サービスの入札システムは無認可、調査を実施=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は11日、一部の配車アプリが導入している入札システムについて、運輸省は認可しておらず、公共陸運局(APAD)に調査を開始するよう指示したと述べた。

ローク運輸相は、当該入札システムでは、運転手が事前に運賃を設定できるため、「乗客に相場よりも高い料金を支払わせる可能性がある」という懸念の声が上がっていると指摘。運輸省は入札システムの導入について事前に知らされておらず、認可も与えていないため、詳細について調査すると述べた。

■サバ州とサラワク州にJPJアカデミーを設置へ■
ローク運輸相はまた、長期的な戦略として、サバ州とサラワク州に道路交通局(JPJ)職員の訓練施設である「JPJアカデミー」を設立し、両州の職員が半島まで出向くことなく現地で十分な訓練を受けられるようにすることを検討していると述べた。現在は計画段階で予算も下りていないが、第12次マレーシア計画(12MP)の枠組みの中で申請中だとしている。現在、サバ州には786人、サラワク州には739人のJPJ職員がいるという。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月10日)

KLセントラル再開発プロジェクトが年内に開始=運輸相

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)最大の交通ハブであるKLセントラル駅の再開発プロジェクトが年内にも始まる見通しだ。アンソニー・ローク運輸相が明らかにした。同プロジェクトはすでに昨年8月の閣議で承認を得ているという。

首都圏の交通インフラ開発を手掛ける、政府系マレーシアン・リソーシズ・コーポレーション(MRCB)が、10億リンギ超の予算で政府の負担なしに再開発を行う。首相府傘下の官民連携部門(UKAS)との協議が進行中で、より近代的かつ効率的なターミナルを目指し、周辺地域とシームレスに接続できるように改良を加える。

ローク運輸相は、KLセントラル周辺が過去20年間の成長により混雑が激しくなっているため、再開発が必要だと指摘。「KLセントラルの価値を高めるだけでなく、この地域の混雑を緩和する方法を検討することが急務であると考えている。再開発が完了した後は、このエリアの交通の流れが良くなることを願っている」と述べた。

KLセントラルには、マレーシア国鉄(KTM)コミューター線および高速電車(ETS)、軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線、KLモノレール、エクスプレス・レール・リンク(ERL)が乗り入れている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月11日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、5月10日)

ジョホール経済特区、イスカンダルプテリやペンゲランが対象地域に

【ジョホールバル】 計画中のジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)開発プロジェクトについて、ジョホール州のオン・ハフィズ・ガジ首相はイスカンダル・プテリや石油コンビナートのあるペンゲランが対象地域に含まれると明らかにした。

オン・ハフィズ首相は12日に行われた州議会の質疑の中で、JS-SEZ対象地域はジョホールバル、イスカンダル・プテリ、パシル・グダン、クライ、コタ・ティンギの州内5つの自治体にまたがると言明。州と国家に社会経済的な利益をもたらすと期待される16の経済セクターへの注力を提案しており、州内の世帯収入月額1万3,000リンギを目標としていると述べた。

注力セクターとして提案されているものには、電気・電子、医療、製薬、航空、特殊化学品、物流、保健・教育、金融・ビジネスサービス、エネルギー、デジタルエコノミー、観光、食品、農業技術、クリエイティブ、ハラル(イスラムの戒律に則った)産業などが含まれている。

JS-SEZについては、2024年1月11日にマレーシア・シンガポール間で推進覚書(MoU)が締結されており、シンガポールとの正式な交渉セッションは6月に始まる見通し。年内に両国の間で正式な合意が結ばれる予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月13日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月12日)

セランゴール州が都市計画案発表、パブリックコメントを募集

【シャアラム】 セランゴール州のアミルディン・シャリ首相は9日、2035年までの都市開発計画である「セランゴール州構造計画2035年」の修正案を発表した。第1次セランゴール計画(対象期間2021-25年)の後継計画で、州の立案、政策、戦略を連邦政府および国際水準に沿ったものにする。

第1次計画は一切変更を加えられておらず、今回が初の見直しだ。州の発展、繁栄を図るための計画で、17の戦略、73の政策、522のイニシアチブで構成する。6月9日まで掲示し、パブリックコメントを募る。

ペタリンジャヤ、シャアラム、ゴンバック、セパンのほか、北部、南部地域の開発案も計画文書に盛り込んだ。
(ザ・サン、エッジ、5月10日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月9日)

独VWがマレーシアの域内拠点化を計画=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 独フォルクスワーゲン(VW)がマレーシアを域内輸出拠点にすることを目指しており、マレーシア国内で電気自動車(EV)組立を行う計画だ。テンク・ザフルル投資貿易産業相がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

マレーシア法人、VWグループ・マレーシア(VGM)幹部と協議を行った際、VGM側がマレーシア国内でエンジン車およびEVを製造する意向を表明したという。ザフルル氏は「これまでVWのモデルはもっぱらマレーシアに輸入されていたが、現在は一部のモデルがマレーシアで組み立てられている。 注目すべきは、『トゥアレグ』が欧州以外で初めて国内で組み立てられていることだ」と述べた。なおどのEVモデルが組み立てられるか、いつ開始されるのかについては言及はなかった。

現在、「アルテオンRライン」、「ゴルフGTI」、「ティグアン・オールスペース・バリアント」、「トゥアレグRライン」がパハン州ペカンのハイコム工場で組み立てられている。
(ポールタン、ビジネス・トゥデー、5月9日)

【総点検・マレーシア経済】第496回 「もしトラ」のマレーシアへの影響は?

第496回 「もしトラ」のマレーシアへの影響は?

最近、「もしトラ」のワードがメディアで報じられることが多くなってきました。「もしトラ」とは、今年11月に行われるアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が再選されるケースをさしています。

現実味を増す第2次トランプ政権の政策の中でも注目を集めているのは、米国の貿易赤字を減らし雇用を増やすために、中国からのすべての輸入品の60%の関税を課し、さらには他のすべての国からの輸入にも一律10%の関税を課すという関税引き上げ政策です。これは、2018年7月に開始された「米中貿易戦争」で米中が交互に多くの品目について25%の関税を課す事態のエスカレート版と言えます。

マレーシアはベトナムと並んで、米中貿易戦争から「漁夫の利」を得た国と考えられています。これは、主にこれまで中国から米国に輸出されていた製品が、マレーシアやベトナムからの輸出によって代替されるために生じる利益です。実際、マレーシアの輸出は2021年、22年と2年連続で約25%増という大幅な増加を記録しました。

「もしトラ」のマレーシアへのどうなるでしょうか。アジ研ポリシーブリーフNo.189として、筆者のチームが試算した「もしトラ」の各国の影響が公開されています。それによると、全世界に対する関税が引き上げられた場合の影響は、米国のGDPが1.9%減、中国が0.9%減、日本が0.0%、ASEAN10が0.3%増などとなっています。

図は「もしとら」のマレーシアに対する影響を産業別にみたものです。中国に60%の関税が課された場合(青棒)、マレーシアのGDPに対する影響は0.5%増、特に電子・電機産業に1.2%増と大きなプラスの影響が出ています。一方で、マレーシアを含むすべての国に対しても10%の関税が課された場合(赤棒)、GDPに対する影響は0.2%増にまで減少、電子・電機産業への影響は0.1%減とマイナスに転じます。一方、農林水産業・食品加工業・その他製造業ではどちらのケースでもプラスの影響を確保しています。

このように、「もしトラ」が現実になった場合にもマレーシア経済に大きなマイナスの影響はなく、「漁夫の利」が得られるという予測が出ています。ただ、マレーシアへの10%の関税が「漁夫の利」を大きく減らすことからも分かるように、中国への制裁を対岸の火事とみていると、マレーシアを含むASEANが次の標的となる可能性は十分にあり、楽観ばかりはできないということになります。

熊谷 聡(くまがい さとる)
Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。
【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp

「対米ドルでのリンギ相場は実体を反映せず」中銀副総裁

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のアドナン・ザイラニ副総裁は9日、「国家経済フォーラム(NEF)2024」のパネルディスカッションで、「対米ドルでのリンギ相場について多くが取りざたされ、多数がこの相場をマレーシア経済運営の指標とみなしているが、リンギの全体における位置、国内経済の強さ・先行き見通しを無視した不当な評価だ」との見解を示した。

実際、2022年初頭以降、リンギは円、台湾ドル、韓国ウォンに対し値上がりしている。しかし中国人民元、インドネシアルピア、インドルピーに対してはわずかながら値下がりした。

アドナン・ザイラニ氏は「現在は強い米ドルという循環にあり、リンギの価値が低いという話ではない」と指摘。中国経済の先行き不透明感と地政学上の危機が安全資産としての米ドルに対する需要増を招いており、米国の高金利も当分続くとした。

輸出業者も外貨保持の姿勢が強く、リンギ安の要因になっている。こうした状況を打破するため中央銀行として過度な値下がり防止を目的に市場介入を行っている。政府系企業に外貨収入の送金も働き掛けているという。

民間企業は海外における再投資の認可手続きを省くため、在外外貨を保持する傾向があるが、中銀としては本国送金を望んでおり、外貨をリンギに両替した企業には、海外における再投資に対し認可を簡略に済ませるイニシアチブを検討しているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月10日)

創価大学、国際教養学部内にマレーシア研究拠点を開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 創価大学(所在地・東京都八王子市)は、国際教養学部内にマレーシア研究拠点を開設し、4月25日にマレーシアのシャフリル・エフェンディ・アブドル・ガニ駐日大使を招いて開所式を開催した。開所式にはマラヤ大学、マレーシア国民大学(UKM)の関係者も参加した。

マレーシア研究拠点では、人文・社会科学の観点からマレーシアに関する研究や、教育、SDGs(持続可能な開発目標)、ダイバーシティの観点から「創価大学グランドデザイン(10カ年計画)」の達成に向けて、さまざまな取り組みを実施していく。研究には創価大学の教授、准教授に加え、マラヤ大学、UKM、マレーシア科学大学からも教授、准教授、講師が参加する。