蔦屋書店のマレーシア法人、カンボジアに6店舗出店へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 「蔦屋書店」などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC、本社・東京都渋谷区)は9日、マレーシア法人ツタヤ・ブックス・マレーシアが2034年までにカンボジアで6店舗の書店を出店する計画であることを明らかにした。

ツタヤ・ブックス・マレーシアは、CCCと双日(本社・東京都千代田区)の合弁会社。このほどカンボジアでデベロッパー事業やホテル事業などを展開する、アーバン・リビング・ソリューションズ(ULS)とフランチャイズ包括契約を締結した。2034年までにカンボジア国内で「ツタヤ・ブックストア」を6店舗出店する計画だ。契約締結に伴い、2025年に首都プノンペンに1号店を開設する。

CCCは海外事業として、台湾にて「ツタヤ・ブックストア」を計11店舗、中国本土で「蔦屋書店」と「ツタヤ・ブックストア」を計12店舗、マレーシアでは「蔦屋書店」と「ツタヤ・ブックストア」を計2店舗出店している。今後もアジア太平洋地域においてビジネス強化を図って行く方針だ。

食料価格の高騰がKLの貧困層を圧迫=ユニセフ調査

【クアラルンプール】 ユニセフ(国連児童基金)は8日、2023年10月ー11月にかけ、クアラルンプール(KL)の低所得世帯755世帯を対象に実施した調査結果を発表。食費の高騰により、KLの低所得世帯の子どもが食事を満足に摂れていない現状が明らかとなった。

調査報告書によると、生活費の高騰や経済的な制約により、多くの生計維持者(40%近く)が長時間労働を余儀なくされ、支出を減らしている。調査対象の子どもの約52%が1日2食以下の食事しか摂れていなかった。90%の世帯が「生活費、特に食料品価格の上昇の影響を受けている」と答えており、約50%が「2022年よりも経済的に悪化している」と回答した。食生活は顕著に変化しており、卵、米、インスタントラーメンの消費が増加している。また、経済問題は精神的な健康にも打撃を与え、4世帯に3世帯が「生活費の高騰が精神的に影響を与えた」とした。「うつ病を患っている」と回答した世帯の割合は、2020年9月の21%から2023年10月には28%にまで増加した。

ユニセフは、貧困緩和策として、▽育児手当の支給▽障害者手当の支給▽社会的援助の拡大▽性と生殖に関する健康と権利(SRHR)に関する意識の向上▽最低賃金の引き上げ▽社会的保護の改善ーーという6つの提案を行っている。

(ザ・スター、5月9日、マレー・メイル、5月8日、ユニセフ発表資料)

通信アシアタ、インドネシア法人をシナールマス子会社と合併か

【ジャカルタ】 通信大手アシアタのインドネシア法人とインドネシアのコングロマリットであるシナール・マスの通信事業部門がインドネシア政府に合併許可を求めている模様だ。インドネシアのブディ・アリー・セティアディ通信情報技術相が明らかにした。

ブディ大臣はロイター通信の取材に対し、両社の合併により、インドネシアの通信部門は3大企業に統合されるとし、まだ協議中の段階ではあるが、規制当局としてサービスの質の向上につながる合併計画を支持すると述べた。年内にも合併が合意に達する可能性があるとしている。ロイターはアシアタとシナール・マスにコメントを求めたが、回答はなかったという。

ブルームバーグも、情報筋の話として両社の合併により35億ドルの事業体を設立する計画があると報じていた。

インドネシアの通信最大手は国営企業テルコム・インドネシア傘下のテルコムセル。カタール・香港資本のインドサットがそれに続き、アシアタの現地法人XLアシアタは第3位で、5800万人にサービスを提供している。

(ザ・スター電子版、5月8日、ロイター、4月25日)

VSTECS、米AWSのディストリビューターに認定

【クアラルンプール】 情報通信技術(ICT)製品の販売に携わるVSTECSは8日、100%子会社のVSTECS KUが米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の国内初のディストリビューターに認定されたと発表した。AWSの各種クラウド・サービスを国内で販売することが可能となる。

VSTECSのJHソーン最高経営責任者(CEO)は、AWSの認定ディストリビューターとなることで、取り扱うクラウド・サービスの幅が拡大し、プライベート、パブリック、ハイブリッドなど、クラウドのあらゆる要件に対応できるようになると言明。クラウド・ソリューションにおける同社の専門知識を通じて、あらゆる規模の企業がクラウドを活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させることができると述べた。

VSTECSは米マイクロソフトのノートパソコン「サーフェス」、半導体設計の米クアルコム・テクノロジーズのノートパソコンとタブレット、米スペースXが提供する衛星インターネット接続サービス「スターリンク」などの国内販売にも携わっている。

(エッジ、5月8日)

日産車販売のタンチョン、サイバージャヤのショールームを刷新

【クアラルンプール】 日産車販売を手掛けるエダラン・タンチョン・モーター(ETCM)は8日、150万リンギを投じ、セランゴール州サイバージャヤの日産3S(販売、サービス、部品交換)センターを改装し、1月初旬から営業を開始したと発表した。

運営はディーラーのエボ・モビリティが担当する。日産が2022年に導入したグローバル・コーポレート・アイデンティティ(CI)「ニッサン・リテール・コンセプト (NRC-NEXT)」 を導入した。これにより国内で合計4店舗がNRC-NEXTに基づき改装されたという。

新店舗の総建築面積は7,300平方フィートで、最大5台の車両を展示できるショールームや納車専用エリアを有し、試乗車も用意する。付属のサービスセンターでは、月間200台の車両の取り扱いが可能となっている。年中無休で、営業時間は、ショールームが午前9時ー午後7時。サービスセンターが平日午前8時ー午後5時、土曜日は午前8時ー午後1時。

(モタオート、ポールタン、5月8日)

UMWトヨタ、4月の販売台数が前月比24%減の7345台に

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、2024年4月のトヨタとレクサスを合わせた新車販売台数が7,345台にとどまり、前月比24.2%の大幅減となった。
4月のトヨタの販売台数は7,213台、レクサスは132台。年初4カ月の累計販売台数は3万789台となった。3月の販売台数は9,688台で、トヨタが9,471台、レクサスが217台だった。

UMWトヨタは、マレーシアの自動車業界の強化と革新に継続的に取り組んでいるとコメント。自動車の卓越性と顧客満足度への取り組みを推進することで、良質なエクスペリエンスを顧客に提供し、自動車のイノベーションと顧客満足度のあらゆる側面で進歩し続けることに専念するとしている。
(ビジネス・トゥデー、5月8日)

資格試験の英ピアソンVUE、KLにテストセンターを開設

【クアラルンプール】 コンピュータ受験(CBT)資格試験運営の英ピアソンVUEは、クアラルンプール(KL)に試験実施施設(テストセンター)であるピアソン・プロフェッショナル・センター(PPC)を開設したと発表した。

PPCはアジア公認銀行協会(AICB)施設内に設置された。ID管理やIDチェック(手のひら静脈認証技術を含む)、署名パッド、施設全体への監視カメラ設置、目視と監視カメラを両用しての試験監督、受験者用ロッカーなどのセキュリティ対策が施されている。ピアソンVUEは2002年以来、世界180カ国以上、テストセンター5,600カ所で資格試験を実施している。

ピアソンVUEのクレイグ・マクファーレン豪州・東南アジア担当副社長は、マレーシアでは多くの産業分野で急速な専門化が進んでいるとし、ピアソンVUEは現地の認証機関に信頼性の高い試験を提供していくと述べた。
(ザ・サン電子版、5月7日)

デジタル銀行のGXバンク、チューリッヒと共同で保険商品開発へ

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブが主導するデジタル銀行GXバンクは、スイス系保険会社チューリッヒ・マレーシア(チューリッヒ損害保険マレーシアとチューリッヒ生命保険マレーシアの2社)との間で、10年間の独占的提携契約を締結したと発表した。

GXバンクはテクノロジーやデータに基づく洞察から顧客の悩みを特定し、チューリッヒ・マレーシアと協力の上、シンプルで使いやすく、手頃な価格のデジタル保険商品を共同開発する。第1号となるデジタル保険商品は今年第3四半期に導入する予定で、サイバー犯罪による不正取引や電子詐欺メッセージによる取引から個人を保護することを目指す。

英プライスウォーターハウスクーパースの2023年の調査によると、マレーシアの無保険人口の84%は18ー34歳で、成人の58%が生命保険やタカフル(イスラム保険)に加入していない。また、マレーシアではサイバー犯罪が増加しており、オンライン詐欺の被害件数は2019年から2023年までの5年間で倍増し、2023年1ー11月の被害額は推定約13億リンギとなっているという。
(ソヤチンチャウ、5月7日、チューリッヒ・マレーシア発表資料)

首相が腐敗防止戦略発表、公務員の汚職防止に力点

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は7日、「国家腐敗防止計画」(NACP、対象期間2019-2023年)に替わる「国家腐敗防止戦略」(NACS、同2024-2028年)を発表した。行政サービス、政府系企業における統治、清廉の向上・改善に力点を置く。

アンワル氏は「権力を持つ者、公務員、法執行当局者が、弱肉強食のおきてを信奉し、富を不法に蓄積し、物事を処理する権利があると思っているとしたら、国は救われず、国民の運命は危険にさらされる」と述べた。アンワル氏はさらに、国民の多数は汚職を嫌っているが、汚職にかかわっている者が影響力のある者、高位にある者のため、権力乱用を正当化する者が少数ながらいることも否定できないとした。

腐敗防止戦略は、教育、公的説明責任、国民の声、執行、報奨金、の5戦略が柱。学校では汚職に関する教育を施し、一般大衆向けにも啓発活動を行う。国民の声を重視するのは、国民の意見を政府施策に生かせる可能性があるためだ。法執行に当たっては勇敢な行動を執行官に求める。報奨金戦略は、汚職防止に協力した、あるいは功のあった執行官、公務員、一般人は報われてしかるべきとの考えに基づく。
(ザ・スター、5月8日、エッジ、5月7日)

化粧品製造のNIL、マレーシアとタイでヘアケア製品発売へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 医薬品・化粧品製造のNIL(エヌアイエル、本社・東京都千代田区)は7日、同社のヘアケアブランド「SUNA」のオフィシャルストアを立ち上げ、マレーシアとタイで販売開始すると発表した。

エニーマインド・グループ(本社・東京都港区) の「グローバルECソリューション」の提供を受ける。同時にエニーマインドとの間で「SUNA」の両国での独占販売契約も締結した。

NILは有機合成の研究者集団が集結して2015年に設立した研究開発型スタートアップ企業。「SUNA」は、日本においては楽天市場などのECモールを活用して販売しているが、海外市場の販路を開拓するために、越境ECの活用を検討してきた。昨年の秋頃より、エニーマインドが所有するECモールの店舗を活用した越境販売サービスを用いて、タイやマレーシア、シンガポールにてテスト販売を行ったところ、タイでは2023年11月の売上本数が前月の6倍にも上るなど、好調な結果を得られた。こうした結果を踏まえ、5月よりマレーシアとタイでブランドオフィシャルストアを立ち上げ、本格的に越境EC展開を開始することとなったという。