【マレーシア・トレンド・ウォッチ】半導体サプライチェーンにおけるマレーシアの存在

半導体サプライチェーンにおけるマレーシアの存在

英語有力経済誌フィナンシャル・タイムズ電子版が3月11日に”Malaysia: the surprise winner from US-China chip wars”というタイトルの記事を配信しました。「米中半導体戦争での意外な勝利者はマレーシア」という趣旨です。同記事には米国への半導体輸出国について言及があり、2023年2月時点を示すグラフでマレーシアが20%を占めていることが示されました。2位は台湾15.1%、3位ベトナム11.6%、4位タイ8.7%、5位韓国7.5%であり、日本は7位で3.5%でした。中国は6位で4.6%となっていますが、今後、米中の半導体戦争が継続する限りは減っていく可能性が高そうです。

マレーシアは半導体サプライチェーンの一角を形成していましたが、今回のように米国という重要市場に対してマレーシアが1位となることは、記事タイトルのとおり「surprise」と言えそうです。もちろん、半導体関連といっても幅があります。先進国には、いわゆる「川上」にあたる半導体素材や「川中」の製造設計が集中します。半導体素材は日本や韓国が強く、設計は台湾STMCのような会社が強くなっています。マレーシアは「川下」に当たる半導体産業が殆どです。

このようにマレーシアでの半導体産業が盛り上がっている理由は、これまでに一定の理工系人材を育ててきたことや投資環境の良さ、そして、長年の半導体を含めた製造業の産業集積を経ているからです。人口が3,000万人の中規模であるため、インドネシアやベトナムといった億単位の人口のある国に比べると、目立ち難い存在と捉えられてしまいがちです。大手IT企業のマレーシアへの投資ニュースは、NDVIAを始めとして続いており、今後、半導体サプライチェーンにおけるマレーシアの役割がより高まっていきそうです。

※本連載の内容は著者の所属組織の見解を代表するものではなく、個人的な見解に基づくものです。

川端 隆史(かわばた たかし)
マレーシア研究者。1976年栃木県生まれ。東京外国語大学マレーシア専攻卒業。1999 年から2010年まで外務省に勤務し、在マレーシア日本国大使館、 国際情報統括官組織などを歴任。2010年11月から15年7月までは SMBC日興証券でASEAN担当シニアエコノミスト。2015年8月に ソーシャルメディアNewsPicksと経済・産業情報プラットフォームSPEEDAを手がけるユーザベースに転身、2016年3月から同社シンガポール拠点に駐在。2020年12月から2023年3月まで米国リスクコンサルティングファームのクロールのシンガポール支社に勤務。共著書に「マハティール政権下のマレーシア」、「東南アジアのイスラーム」、「東南アジア文化辞典」がある。この記事のお問い合わせ は、takashi.kawabata★gmail.comまで(★を@に変更ください)

リザーバーリンク、ケダ州での太陽光発電で住商などとJV設立へ

【クアラルンプール】 石油・ガス関連サービスのリザーバー・リンク・エナジーは25日、ケダ州での太陽光発電に向け、合弁会社(JV)を設立すると発表した。

リザーバー・リンクがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社は20日付けで100%子会社であるリザーバー・リンク・リニューワブル(RLR)を通じ、住友商事、太陽光発電のMAQOエンジニアリング(MESB)、同SRMウタマ・セランバウ(SUS)との間で株主間契約を締結した。JVには住友商事が49%、RLRが29%、MESBが22%を出資する。

RLRと住友商事、MESBから構成される企業連合体が2023年8月に再生可能エネルギーの販売枠を規定する、環境天然資源気候変動省の「コーポレート・グリーン・パワー・プログラム(CGPP)」で、太陽光発電事業者として選ばれており、販売枠として約30メガワット(MW)が割り当てられている。
(ザ・スター電子版、エッジ、3月25日)

【人生の知恵・仕事の知恵】Enhance pockets of effective guidance

Enhance pockets of effective guidance

★相談へのアドバイス

先週、某国某社で報告の受け方について、マネージャー及びスーパーバイザーを対象にケーススタディーを使ってワンオンワンの研修を行いました。

ケースの一つとして、同じミスを繰り返す部下をどのように指導したら良いかという相談についてこたえるものを用意しました。作業書などの改善をアドバイスする受講者に対して、以下のように伝えました。

「作業書の改善も必要かもしれませんが、ミスの繰り返しを無くすことを保証するものではありません。」

もう一つのアドバイスとして、現場での具体的な指導が求められます。

 

★現場での指導を促す工夫

マレーシアも含めて海外では、日本のような部下指導の発想は皆無です。もしも部下の仕事力が基準にそぐわないのであれば、先述した通りマニュアルの改善をするか、もしくはそれもダメな場合は教育を担当する人事に下駄を預けるというのが一般的です。

なぜ、現場での上司からの直接指導が大切なのか、現地の上司にまず理解してもらう必要があります。

 

★フレーズの工夫

先週の別の研修では、部下へのフィードバックの方法の一つとして、If I were you という言い方をアドバイスしました。

直接部下に指示や指導をすることを苦手とする現地の人たちには、向いている表現でしょう。部下へのフィードバックのレパートリーを増やすことで部下への指導に幅を持たせることも、マニュアル指導からの脱却に有効です。

【湯浅忠雄氏による社員研修がKLで開催!】
2024年4月22日(月)「報連相とPDCA」
2024年4月23日(火)「問題発見と解決の技法」
2024年4月24日(水)「中間管理者の使命と役割」
2024年4月25日(木)「日本人管理者のためのマネジメント研修」
開催時間:各9:00-17:00
使用言語:英語(25日のみ日本語)
会  場:SENTRO ( KL セントラル近くMENALA ALLIANZ38F )
問合せ先:yuasatadao@gmail.com

 

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお)
アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。
【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第871回:ライフスタイルとモチベーション(11)駐在員にとって大事な睡眠と食事

871回:ライフスタイルとモチベーション(11)駐在員にとって大事な睡眠と食事

前回は、良いライフスタイルを維持することで、健康が維持されるというお話でした。今回は、1月にマレーシアBIZナビ・ウィークリーの読者の皆さんに協力いただいたアンケート調査の結果の一部をご紹介します。

今回の研究では、ライフスタイルに関する7つの変数を盛り込みました。このうち、睡眠と食事が、文化的知性や心の知性を高めるうえで特に効果的であることが示されました。睡眠の質は、報酬の期待値と関連しています。そのため、睡眠不足の人は、そうしないことで得られる報酬を正しく評価できないことで、簡単に仕事を休んだり、予定や会議をキャンセルしたり、社会活動をサボったりしてしまいます(Palmer & Alfano, 2017)。こうした経験を繰り返す駐在員であれば、感情を利用したり、ストレスに耐えるような能力の不足を自覚したりしていても不思議ではありません。

また、食事のバランスは、認知やエピソード記憶と関連しています(Guasch‐Ferre & Willett, 2021)。エピソード記憶とは、時間や場所、そのときの感情を含むイベントの記憶のことです。そのため、食生活の不健康な人が、異文化体験やその時の感情の具体的な記憶が曖昧になり易く、そのことで、異文化についての知識や興味が下がり、また交流の際に適切な行動を取ることを苦手と感じていても不思議ではありません。

一方、運動は、今回の研究では文化的知性や心の知性との相関が見られませんでした。運動は、自制心や向社会的行動、対人コミュニケーションなどにポジティブな効果があること、また、個人で行うよりもチームで行うほうが効果が大きいことなどが、システマティックレビューで確かめられています(Teixeira et al., 2012)。しかし、しばしば差別を受けた少数民族が民族的な誇りを取り戻すためにスポーツチームに参加するように(Thorpe et al., 2014)、現地に馴染めない駐在員が日本人駐在員主催のスポーツコミュニティに参加し、そのことで、チーム内の団結心の向上と引き換えに、現地の文化への興味や、文化を相対的に見るためのメタ認知の発達を遅らせている可能性も考えられます。こうしたメリットとデメリットが打ち消し合うことで、サンプル全体としては文化的知性や心の知性との相関が確認できなかったのかも知れません。

現地との交流の妨げにならない限り、健康なライフスタイルは脳の働きを高め、現地経営に良い影響を与えます。皆さんも心がけてみてはいかがでしょうか。

Guasch‐Ferre, M., & Willett, W. C. (2021). The Mediterranean diet and health: A comprehensive overview. Journal of internal medicine, 290(3), 549-566. https://doi.org/10.1111/joim.13333
Palmer, C. A., & Alfano, C. A. (2017). Sleep and emotion regulation: An organizing, integrative review. Sleep medicine reviews, 31, 6-16. https://doi.org/10.1016/j.smrv.2015.12.006
Teixeira, P. J., Carraca, E. V., Markland, D., Silva, M. N., & Ryan, R. M. (2012). Exercise, physical activity, and self-determination theory: a systematic review. International journal of behavioral nutrition and physical activity, 9, 1-30. https://doi.org/10.1186/s13643-023-02264-8
Thorpe, A., Anders, W., & Rowley, K. (2014). The community network: an Aboriginal community football club bringing people together. Australian journal of primary health, 20(4), 356-364. https://doi.org/10.1071/PY14051

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、国際経済労働研究所理事、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

【総点検・マレーシア経済】第493回 マレーシアの2月の輸出は0.8%減、回復は確信できず

第493回 マレーシアの2月の輸出は0.8%減、回復は確信できず

3月18日、統計局はマレーシアの2024年2月の輸出を前年同月比0.8%減と発表しました。1月の輸出は8.7%増と11カ月ぶりのプラスに転じましたが、2月には再び前年同月を割り込みました。製造業の輸出は2.4%減、最大の輸出品目である電気・電子産業の輸出は前月の6.5%減から9.8%減へと下げ幅を拡大し、増加に転じる気配がありません。

図1〜3はそれぞれ中国、米国、シンガポール向けのマレーシアの2022〜24年2月の月別輸出の絶対額の推移を示したものです。2024年(青線)の中国向けの輸出は、1月、2月共に2022年(灰線)、2023年(黄線)を下回っており、ここ3年で最も低調な状況です。一方で、2024年米国向けの輸出は、1月、2月共に過去2年を上回って推移しており、堅調さを維持しています。シンガポール向けの輸出は1月は前年並みでしたが、2月は前年同月比15.2%減となりました。ただ、これには旧正月の時期(2024年は2月10日、2023年は1月22日)が関係している可能性があり、本当に悪いかは3月の数字を待つ必要があります。

こうした推移により、マレーシアの輸出先上位3カ国向けの輸出額はかつてないほど拮抗してきています。2022年2月には中国向け輸出を100とするとシンガポールが95、米国が68でした。2023年2月にはシンガポールを100とすると、中国向けが78、米国向けは67となっていました。2024年2月にはシンガポールを100とすると、中国向けが91、米国向けが87となっています。このところ非常に好調だったシンガポール向けが減少する一方で、米中が接近しています。2022年2月には中国向け輸出は米国向けの約1.5倍あったことを考えると、マレーシアの輸出先としての米中のバランスは大きく変化してきており、逆転も考えられる状況です。

熊谷 聡(くまがい さとる)
Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。
【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp

【イスラム金融の基礎知識】第540回:モロッコの宗教大臣の発言が波紋

第540回:モロッコの宗教大臣の発言が波紋 

Q:モロッコの宗教大臣のイスラム金融に関する発言が波紋を呼んでいますが、論点は?

 

A:モロッコの宗教大臣による「銀行利子は、すべてが禁じられているわけではない」との発言が波紋を呼んでいる。イスラムでの銀行利子の論点が改めて表面化した。

注目を集めているのは、モロッコのアフメド・トゥーフィク宗教大臣の発言だ。宗教大臣は、歴史学者兼小説家にして、大学でイスラム研究も行ってきた人物であり、2002年から大臣職を務めている。3月15日に王室主催のラマダン月講演会にて「首長国制度の刷新」という演題で登壇した大臣によれば、「コーランが禁じたのは、借金が返済できなくなった負債者を奴隷化するような高金利や複利を指す」とし、そこまで重くはない利息ならば認められるとした。また、わずかな利息も認めないイスラム法学者に対して「(従来型銀行を利用する)信徒の良心を傷つける」と批判した。

この発言に対しモロッコ国内のイスラム法学者は反発、著名なハッサン・ケッターニ師は自身のFacebook上で反論を掲載、「高金利は禁じられると言いながら実際には国内の銀行で課されている」とし、「これが宗教の刷新なのか」と大臣の発言を強く批判している。

しばしば「イスラムは銀行利子を禁じている」と言及されることがあるが、正確には「銀行利子は禁じられたリバーに該当するか」について、全ての銀行利子は禁じられているとの主張と、高金利や複利のみ禁じられるとの主張という、相反する二つの主張が存在する。イスラム銀行は前者に基づく一方、後者が従来型銀行を支えており、多くのイスラム諸国で両銀行が併存している。さらに後者の場合、「高金利とは具体的に年利何%以上なのか」が社会経済の状況に応じて変化するため、争点の対象となりやすい。今回のモロッコの議論も、こうした立場の違いが表面化したといえる。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

三洋化成が高吸水性樹脂事業から撤退、マレーシア子会社を解散へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三洋化成(本社・京都府京都市)は25日、高吸水性樹脂(SAP)事業から撤退すると発表。これに関連してマレーシア子会社のSDPグローバル(マレーシア)(SDPM)などを解散すると明らかにした。

2023年度より始動した「新中期経営計画2025」における構造改革の一環で、SAP製造販売を手掛けるSDPMは3月末で生産を停止し、2024年度中に解散する。SDPMは三洋化成が全額出資する、SDPグローバル(本社・東京都港区)の完全子会社で、2018年にジョホール州パシル・グダンに設立された。

三洋化成は、世界的な紙おむつの普及に伴いSAP事業を拡大してきたが、近年ではアジアにおける紙おむつ市場の拡大に伴い、新規参入が相次いだことにより供給過剰の状況が鮮明となり、市場の競争環境が厳しくなっていた。新規参入メーカーのSAP製造技術レベルが向上してきたことにより、品質による差別化を訴求することが困難な汎用製品となったことで、同社SAP事業の収益性が急速に悪化し、2024年3月期の営業利益は約18億円の赤字見込みとなっている。

GMO、マレーシア企業の端末レス決済アプリを日本で提供

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 GMOインターネットグループで対面キャッシュレス決済プラットフォームを展開するGMOフィナンシャルゲート(本社・東京都渋谷区)は25日、アジアで決済ソリューションを提供するマレーシアのフィンテック企業ソフトスペースと提携し、3月より日本国内で端末レス決済アプリ「ステラタップ」の提供支援を開始したと発表した。

ソフトスペースが開発した「ステラタップ」は、専用決済端末を導入する必要なく、アンドロイドのスマートフォンにダウンロードするだけでタッチ決済の取り扱いが可能となるソリューションで、中小企業の利用を想定している。市販端末や外付け端末のセキュリティ基準を定めた最新規格であるPCI MPoC規格認定も取得した。

ソフトスペースは、世界初のPCI MPoC認定ソリューション・プロバイダーで、今回はその技術を日本で初めて活用することになる。GMOフィナンシャルゲートが日本国内での決済センター事業およびアプリ配信を担当する。

GMOフィナンシャルゲートは、これまで端末導入に障壁のあった個人事業主や決済端末の持ち運びが難しい移動販売のシーンにおいても「ステラタップ」は導入しやすいため、運送業者、注文タブレット、移動販売など、様々な活用に向けてサービスを展開する予定だ。

2023年の電子決済取引件数、23.7%増の115億件

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、2023年の電子決済取引件数は前年比23.7%増の115億件に達したと発表した。

BNMは20日に発表した「2023年版経済・金融レビュー」の中で、2023年の一人あたりの取引数は前年比20.4%増の343件、カードや電子マネー、金融プロセス・エクスチェンジ(FPX)による銀行口座引き落としなどの小売決済総額は17%増の5,920億リンギに達したとし、電子決済普及に向けた官民一体の活動が功を奏したと述べた。BNMも決済サービスの安定性や社会的信用の維持に向け、決済インフラや規制・監督体制の強化などの取り組みを行っているとし、「2026年までに国民一人あたりの電子決済取引の年成長率を15%以上にする」という金融部門青写真の目標は達成できる見込みだと述べた。

(ザ・サン電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月20日、バンクネガ発表資料)

チャーター便のベルジャヤ・エア、シンガポールーレダン線に就航

【レダン島】 チャーター便運航のベルジャヤ系ベルジャヤ・エアが22日、シンガポールのセレター空港から初めてレダン島に乗り入れた。ベルジャヤ・ホテルズ・アンド・リゾート(BHR)が経営するターラス・ビーチ・アンド・スパ・リゾートが提供しているパックツアーによる運航だ。

ベルジャヤ・エアはセランゴール州スバン(スルタン・アブドル・アジズ・シャー)空港とレダン島間でチャーター便を運航しているが、シンガポールの潜在性に目を付けた。シンガポールからリゾート島への旅行はモルディブ諸島やモーリシャスが一般的だが、距離的に遠く、シンガポールから1時間20分で行ける点を強みに需要を掘り起こす。レダン島はトレンガヌ州北部沖の南シナ海にある。

ベルジャヤ・エアはチャーター便運航先を、ランカウイ島やペナン島のBHR運営リゾート、さらにはタイのサムイ島まで拡大する意向だ。

航空機メーカーの仏伊ATRに標準70席のターボプロップ双発旅客機「ATR 72-600」を2機注文しており、富裕層向けチャーター便の運航に利用する。2025年と26年に引き渡しを受ける。現在保有しているのは42席と70席の機材それぞれ1機。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月25日)