【クアラルンプール】 UOBのエコノミストは、米国の関税引き上げが実施されれば、マレーシアでは電気・電子(E&E)機器、ゴム、家具、光学機器の輸出が最も影響を受けるとの見方を示している。米トランプ政権は2日、マレーシアに対して24%の「相互関税」を課すと発表した。
E&Eの輸出はマレーシアの総輸出の約40%を占める。マレーシアはアジアで米国にとって3番目に大きな電気機械、装置、家電製品の供給国となっている。ゴム製品はマレーシアの対米総輸出の2.9%を占め、家具は3.5%を占めている。また光学・科学機器はマレーシアの対米総輸出の9%を占めている。
UOBは3月27日に発表したメモの中で、マレーシアに対する関税率について10%未満、10―30%、30%超という3つの潜在的なシナリオを提示。電気・電子、ゴム、家具、光学・科学機器は、相互関税に直面するリスクが最も高い4つの分野だと指摘した。3つのシナリオでは関税引き上げにより米国への輸出が減速し、関税が高ければ高いほど二次的影響が悪化すると予測。30%を超える関税が課せられた場合、世界貿易の幅広い減少とともに輸出が縮小すると予想されるとし、国内部門への影響は、世界的な供給減と激しい価格競争によって悪化するとした。一方、10%未満の場合、米国への輸出は減速するが、供給への影響は限定的であり、規模の経済による地域経済からの健全な価格競争により、国内部門への二次的影響は管理可能と予想している。
またUOBは、マレーシアは中立的な貿易姿勢を維持しており、報復措置を実施する可能性は低いと指摘した。
(エッジ、3月27日)