ランカウイ島を5G活用型観光地に、DNBなど3者が協力

【クアラルンプール】 通信タワーのイードットコ・マレーシア、第5世代(5G)移動通信ネットワーク敷設業者の国営デジタル・ナショナル(DNB)、ランカウイ開発庁(LADA)の3者は、ランカウイ島をマレーシア初の5G活用型観光地に転換するため協力することで合意した。観光体験に革命をもたらすという。

基盤整備では、高速通信が可能な場所をスカイブリッジ、チェナン海岸、主要ホテルなどへ拡大する。4月にはホテル運営業者、ツアー会社、地元企業などに参加を求めワークショップを開催し、5G利用のソリューションがどう観光に新たな定義づけができるかを協議する。協議結果はランカウイ島デジタル転換の戦略とする。
イードットコのガヤン・コララゲ取締役によると、ホテル管理のスマート化、非接触サービス、顧客の本質的ニーズの把握、などの技術革新を目指す。自律的シャトルサービスも提供する。

スポーツ競技の放映ではリアルタイムのデータ解析や没入型ライブ配信を実現する。提携期間は2年。DNBのアズマン最高経営責任者は「ランカウイは将来を見据えた5G利用の理想的実験地だ」と述べた。
(ザ・スター、3月20日)

2024年の洪水被害額は9.3億リンギ、GDPの0.05%に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は19日、マレーシアの洪水被害に関する特別レポートを発表。2024年通年の被害総額が9億3,340万リンギ(2023年:7億5,540万リンギ)に増加し、名目国内総生産(GDP)の0.05%(2023年:0.04%)に相当する額に上ったと明らかにした。

州別で最も被害が大きかったのはクランタン州(2億6,300万リンギ)で、これにケダ州(1億9,370万リンギ)、トレンガヌ州(1億8,200万リンギ)、ジョホール州(5,900万リンギ)、ペラ州(5,720万リンギ)と続いた。

項目別で最も被害が大きかったのは住宅で3億7,220万リンギ(2023年:1億6,830万リンギ)に急増。公共資産とインフラが3億340万リンギ(2023年:3億8,070万リンギ)で続いた。農業被害は1億8,520万リンギ(2023年:1億2,060万リンギ)に増加し、事業所への被害は5,410万リンギ(2023年:5,320万リンギ)となった。一方、車両への被害は1,730万リンギ(2023年:2,230万リンギ)に減少、製造セクターへの被害は120万リンギ(2023年:1,030万リンギ)と最も影響が少なかった。

住宅被害が州別で最も大きかったのはクランタン州の1億3,900万リンギで、これにトレンガヌ州が1億310万リンギ、ケダ州が5,400万リンギで続いた。

公共資産とインフラへの被害が最も大きかったのはトレンガヌ州の4,990万リンギで、これにクランタン州が4,810万リンギ、ペラ州が4,340万リンギで続いた。

農業への被害が最も大きかったのはケダ州の1億1,820万リンギで、これにクランタン州が4,380万リンギ、パハン州が880万リンギで続いた。

事業所への被害が最も大きかったのはクランタン州の2,710万リンギで、これにトレンガヌ州が1,640万リンギ、ケダ州が430万リンギで続いた。

車両被害はトレンガヌ州が580万リンギと最も大きく、これにクランタン州が400万リンギ、ケダ州が210万リンギで続いた。

製造業への被害が最も大きかったのはクランタン州の110万リンギで、その他の州の被害は軽微だった。

ジェトロ、ペトロナスとスタートアップ育成で連携し日系枠設置

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)との間で、日本とマレーシアのイノベーション促進に関する協力覚書を締結。スタートアップ向けのアクセラレーションプログラムにおいて、日系スタートアップの企業枠を設置し、マレーシア市場などへの参入を後押しする。

アクセラレーションプログラムは、ペトロナスのコーポレートベンチャーキャピタル部門のペトロナスベンチャーズが開催する「FUTURE TECH4.0」。ペトロナスの事業内容と親和性が高く、アジア太平洋地域で適用できる技術を有する、世界中のスタートアップが対象となる。4回目となる今年は、「エネルギーの未来」「産業と労働の未来」「化学と素材の未来」の3つを重点テーマに、技術の育成を目指している。

今回のジェトロの協力により、ペトロナスからの支援に加えて、ジェトロからも情報提供やマッチング企業を紹介。非日系スタートアップに対しては、日系企業とのマッチングや日本進出支援サービスも提供する。

現在、応募を受け付けており、締切は4月18日。書類選考と面接を経て参加が決まったスタートアップは6月から12週間にわたり、ワークショップやメンターシップなどを通じ、ビジネスモデルの戦略策定とアプローチを進める。その後、9月上旬までにペトロナスのビジネス部門や投資部門向けのピッチを行う予定という。詳しくはホームページ( https://www.petronas.com/ventures/futuretech4.0/ ) 参照。

パナソニックホームズ、分譲開発2件目のマンションを今秋着工

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 パナソニックホームズ(本社・大阪府豊中市)は19日、マレーシアにおける分譲開発2件目となる、セランゴール州カジャンの大型マンション「ガヤ レジディンシィ」を今秋着工すると発表した。

マンションは、35階建ての3棟のタワーで構成され、各棟494戸で2―4ベッドルームの計1,482戸が入居する。ショップも78戸あり、開発規模は26万8,909平方メートルになる。10月に着工し、2028年4月の引き渡しを目指す。売主は同社の現地子会社と、パートナー企業の合弁会社MKHプロパティベンチャーズで、昨年9月から販売を開始しており、今後販売を加速させていくという。

マンションはマレー鉄道(KTM)および首都圏大量高速輸送(MRT)のカジャン駅の近くに位置する。同社は、車社会であるマレーシアにおいて、公共交通機関の利用を前提に組み立てられた沿線開発プロジェクトは、交通渋滞の解消などで期待されていると位置づけている。同じカジャン地区にある同社のマレーシア初の分譲マンション「ミライ レジデンス」(27階建て4棟1,496戸)も完成し、今月4日から引き渡しを開始。ガヤが完成すると、戸建て住宅も合わせマレーシアでの住宅供給数は累計6,000戸超になる。

プロドゥア、公的個人認証の「マイデジタルID」と覚書締結

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は19日、キャッシュレス取引向上に向け、公的個人認証サービスプロバイダーの「マイデジタルID」と覚書(MoU)を締結した。マレーシアの自動車業界では初の試みという。

この提携は、政府が取り組むキャッシュレス社会の推進に沿うもの。プロドゥアのザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は「マイデジタルIDは認証取引のゲートキーパーであり、今後、サービスをさらに多様化することができる」と述べた。

マイデジタルIDのモハマド・アズディン・パルマン最高執行責任者は、提携は自動車業界におけるデジタル変革の加速におけるデジタルIDの重要性を示しているとし、「すべての顧客に安全でユーザーフレンドリーな体験を提供していく」と付け加えた。
(ビジネス・トゥデー、ザ・スター、3月19日)

サラワク州長期滞在ビザへの関心高まる、中国からの申請急増

【クチン】 サラワク州が独自で行っている長期滞在ビザ(査証)、サラワク州マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(S-MM2H)プログラムに対する関心が高まっており、特に中国からの申請が急増している。同州のアブドル・カリム州観光・創造産業・舞台芸術相が明らかにした。

S-MM2Hプログラムはこれまで米国、欧州、シンガポールからの応募者が中心だったが、最近の傾向では中国からの応募が大幅に増加しており、過去2カ月間で中国が最大の応募国となった。中国に加えて、日本、台湾、韓国、シンガポールからの応募も好調だという。昨年だけで560件の申請が寄せられた。

S-MM2Hは今年からシステムが変更され、代行業者の許可とライセンス発行権限が連邦政府観光芸術文化省からサラワク州政府に移譲され、プログラム管理が簡素化された。また申請基準は、申請者が州の銀行に預ける定期預金の額が50万リンギ(以前は15万リンギ)に引き上げられた。
(ボルネオポスト、3月19日)

4月導入の外国人投資家パス、最長1年滞在と数次入国可能に

【クアラルンプール】 マレーシア出入国管理局駐在者サービス課(ESD)は15日、4月1日から導入される投資家パス(ビザ)の詳細を発表した。

投資家パスは、ビジネス訪問者または外国人投資家の円滑な活動を目的としたマルチエントリービザ (MEV)になる。特に、投資機関または関連当局を通じてマレーシアへの投資を約束した人を対象とするという。6カ月間滞在でき、さらに6カ月間延長することができる。

申請時にマレーシア国外にいる必要があり、ESDの申請システム「エクスパッツ・ゲートウェイ」を通じて必要な書類が提出されると、5営業日以内に処理されるという。家族向けの扶養家族パス(DP)は申請することができない。

外国人投資家に対しては現在、出身国の規定に応じ、14―90日間のソーシャルビジットパスしかなく、中長期滞在できるビザが求められている。クアラルンプールの市場教育センター(CME)の最高責任者で、イタリア人実業家のカルメロ・フェルリト氏は「(投資を促すための)正しい一歩」と評価しつつ、「投資家の定義が不明確」と指摘。またマレーシアのアイルランド商工会議所のドナル・クロッティ会長の発言として、導入前に各国の商工会議所などと詳細を協議するよう提案している
(フリー・マレーシア・トゥデー、3月18日、ESD発表資料)

大型車両、高速道での追い越し車線走行を禁止へ

【クアラルンプール】 運輸省 (MOT) は、大型車両に対して高速道路走行の際の追い越し車線使用を禁止する方針だ。 ジャナ・サンティラン事務次官によると、同規則は2015年に公布されていたがこれまで実施されていなかったため、実施提案書を運輸大臣に提出するという。

商用車、特にトラックとバスに対する運行規則の厳格化のための5つの改善策の1つで、追い越す場合のみ2番目の走行車線を利用し、追い越しが終わった段階で左端の車線に戻る必要がある。追い越し車線はいかなる場合も走行してはならない。

他の4つの改善策は、▽速度制御装置の設置義務▽全地球測位システム (GPS) 追跡設置▽11の高速道路での高速走行時重量測定 (HS-WIM) 検出器設置▽追加の自動執行システム (AES) カメラ設置――。速度を時速80―90キロメートルに制限する速度制御装置はすでに新しいトラックには装備されており、GPS設置規則は3月中に施行される。またHS-WIMも2026年第1四半期に完了する予定だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・サン電子版、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、3月18日)

MAGとエアアジア、バッテリー機内持ち込み規則を改正

【クアラルンプール】 マレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は17日、電子機器の充電に用いられるバッテリーの機内持ち込み規則の改正を発表した。

乗客は、容量100ー160ワット時 (Wh) のバッテリーを、最大2台まで機内に持ち込むことができるが、頭上の収納棚に入れることは認められない。常に身に着けるか、座席の前のポケットや、バッグに入れて座席の下で保管することが求められる。また飛行中の充電、地上走行中やシートベルト着用サインが点灯中のバッテリーの使用も禁止される。傘下のマレーシア航空、ファイアフライ、MASウィングスで、4月1日から適用される。バッテリーを預け荷物の中に入れることは引き続き禁止される。

規制改正は17日に発表したバティック・エアに続くもの。エアアジアも同様に改正し、機内に持ち込むバッテリーは最大2台までで、容量は100ワット時 (Wh) または2万ミリアンペア時 (mAh) とし、常に携帯するよう求める。
(エアロニュース・ジャーナル、3月19日、MAG発表資料)

犯罪関与の外国人、2021ー24年の間に逮捕者が9600人

【クアラルンプール】 2021年から昨年11月までの間にマレーシア国内で外国人9,684人が暴力犯罪、強盗、窃盗、殺人、強姦、その他の犯罪行為に関与したとして警察に逮捕された。ラザルディン・フセイン監察総監が明らかにした。

国籍別でみると、インドネシア、ミャンマー、バングラデシュ、フィリピン、パキスタンから来た外国人の犯罪率が高かった。合法的に入国した後にオーバーステイで逮捕された者は6,559人に上った。

指名手配された外国人は2,141人で、うち1,414人は刑事捜査局が捜査している事件に関与した容疑で、325人は商業犯罪に、402人は麻薬関連犯罪に関与していた。

ラザルディン氏は、外国人、特に不法移民が関与する犯罪に対処する上で警察が直面する問題として、身元確認、個人の所在特定の困難さ、国際協力の制限などを挙げた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月18日)