【クアラルンプール】 2025年度予算案演説の際に発表され、当初2025年5月に施行が予定されていた売上・サービス税の適用範囲拡大は、少なくとも1カ月延期される見通しだ。財務省の広報担当者が28日、発表した。

財務省は拡大される範囲と適用税率を最終決定するため、様々な業界との全国的な協議をすでに完了しているが、広報担当者は、「円滑な実施を確保するため、ガイドラインと対象範囲の見直しを進めている」と実施延期の理由を説明した。

マレーシア王立関税局(JKDM)のアニス・リザナ・モハマド・ザイヌディン局長は、新たな税制改正の官報公示を6月1日に行うよう財務省から指示を受けたことを明らかにした。官報公示は当初、今年第1四半期に行われる予定だった。官報公示が6月1日に変更されたことから、施行は早くても6月2日となる。

財務相を兼務するアンワル・イブラヒム首相は、昨年10月の予算案演説時にはSST適用範囲の具体的な詳細は明らかにせず、生活必需品以外のサーモンやアボカドといった輸入高級品を含む品目に対する売上税を引き上げるとのみ述べていた。サービス税についても範囲が拡大されることになっており、これまで免税対象となっていた企業間の商業サービス取引、特に手数料ベースのサービスが対象となる。

SST見直しについては、米トランプ政権による大幅な関税引き上げの影響を懸念するマレーシア製造業者連盟(FMM)やマレーシア華人商工会議所(中華工商聯合会、ACCCIM)といった産業団体から延期を求める声が上がっていた。
(ザ・スター電子版、エッジ、4月28日)