コタキナバル―ラブアン旅客フェリー、3年ぶりに運航再開

【コタキナバル】 サバ州コタキナバルと連邦直轄地ラブアンを結ぶ旅客フェリーが、3年間の運休を経て27日再開した。運航再開の式典にはハジジ・ノール州首相が出席した。所要時間は3時間。

同フェリーはジェセルトン・ポイント・ターミナルの安全上の懸念、燃料補助金の削減、新型コロナ・パンデミックにより2023年に運休していたもので、再開にあたってコタキナバル側のターミナル港をジェセルトン・ポイントからコタキナバル港に移し、新ターミナルの改修工事に130万リンギを投じた。

エコノミークラスの往復運賃は、マレーシア人が45リンギ、外国人は90リンギ。ファーストクラスは、マレーシア人が55リンギ、外国人は100リンギとなっている。5月28日から6月3日までは毎日1便運航(コタキナバル発午前8時)し、その後は毎週金曜、土曜、日曜に運航する。

コタキナバルから乗船する場合、利用者はジェッセルトン・ポイントでチケットを購入し、ジェッセルトン・キーからコタキナバル港のCIQターミナル行きのシャトルバスに乗る。CIQターミナルで税関・出国審査を受けて乗船する。
(マレー・メイル、5月27日)

米国との関税交渉、「10%以下は困難」=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 米国がマレーシアに課すと宣言している24%「相互関税」について、米国との交渉の先頭に立つテンク・ザフルル・アジズ投資貿易産業相はブルームバーグの取材に対し、これまでのようなゼロ関税に戻すことは困難との見方を示した。

米国は2025年7月8日までの90日間を猶予期間とし、10%の基本関税率を適用するとしている。マレーシアは報復関税措置ではなく交渉による解決を図っているが、ザフルル氏は「米国も公言しているように10%の税率については交渉の余地がなく、最低水準のようだ」とコメント。「我々にとって関税が24%を下回る、あるいは基本関税率の10%を下回れば、我が国の産業と輸出業者にとって朗報となるだろう」と述べた。

マレーシアは関税引き下げについて米国と断続的に協議を続けており、トランプ政権はマレーシアに対し、貿易不均衡や非関税障壁の是正、米国の技術が他国や投資に流出するのを防ぐことを要求している。米国はマレーシアに対し、中国への半導体積み替えと称する行為を取り締まるよう圧力をかけており、これを受けて投資貿易産業省は5月6日以降、米国向け非特恵原産地証明書の発行を同省のみで行うと発表している。

米国通商代表部(USTR)のデータによると、米国とマレーシアの貿易赤字は昨年248億ドルに達した。
(ブルームバーグ、ザ・スター電子版、エッジ、5月27日)

ASEAN首脳会議、GCCと中国を交え連携強化を確認

【クアラルンプール】 クアラルンプールで開催されていた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が27日、閉幕。この日は、ASEANと、湾岸協力会議(GCC)、中国の3者による首脳会議が初開催され、アンワル・イブラヒム首相は「今日の多極化した世界において協力のパターンを再構築できたことは大きな成功」と強調した。

今回のASEAN首脳会議では、2回目となるASEAN・GCCの首脳会議、さらに中国を交えての3者での初の首脳会議が相次いで開かれた。ASEANの国内総生産(GDP)は現在、3.8兆米ドル(15.9兆リンギ)で世界第5位の経済圏で、さらにGCC、中国を合わせたGDPは25兆米ドル(104兆リンギ)に達し、総人口は21億人を超える。

アンワル首相は「すでに我々には強固な連携がある一方で、未開拓の大きな潜在力も秘めている」と述べ、それぞれの独自の特性を活かしながら、より強靭で繁栄した未来に向け、貿易、投資、持続可能な開発における3者の協力を拡大させていくとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ベルナマ通信、5月27日)

ラフィジ経済相・ナズミ天然資源相が辞任、党役員選での敗北受け

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相とニック・ナズミ・ニック・アハマド天然資源・環境持続可能性相が28日、辞表を提出した。両氏はそれぞれ23日に行われた人民正義党(PKR)副党首選、党首補選で敗北していた。

ラフィジ氏は「私は説明責任と国民の信任に基づく新しい政治文化を推進するために政界入りした。先のPKR副党首選挙での敗北は、PKRが掲げる国民のための政策を私が政府のプログラムとして実現していくための党からの信任を失ったことを意味する。民主主義の原則を掲げる国の慣例に従い、党内選挙で敗北した党幹部は、勝利者にその座を譲るべきだ」と述べた。

現職の副党首だったラフィジ氏は、党役員選でアンワル・イブラヒム首相の実娘で現職の指名党首補であるヌルル・イザ・アンワル氏に大差で敗れた。選挙に先立ってラフィジ氏は敗れた場合には閣僚職を辞任すると述べ、下院議会議員及び一般党員としての職務に注力する考えを示していた。

一方、ニック・ナズミ氏は、閣僚入りにあたってPKR党首補の経歴が考慮されたことを認識しているとした上で、「党首補のポジションを守れなかったため、大臣を辞任することにした」と辞任理由を説明した。

現職のニック・ナズミ氏は、12人が出馬した党首補選(定員4人)では得票数5位にとどまった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、5月28日)