【クアラルンプール】 財務省は8日、来年度予算案の上程に先立つ省としての現状分析と来年の予想を発表。世界的な貿易の不確実性の高まりと外需低迷を背景に、来年の国内経済は成長が鈍化するとの見通しを示した。

成長を支えるのは強靭な内需、特に民間投資、安定した雇用、賃上げなど所得増の措置とみている。またマレーシア観光年はサービス業の成長に貢献する。このため来年度予算では国内成長要因の強化、輸出市場の多様化を図るという。

現状について、世界的な不確実性にもかかわらず国内経済は強靭さを維持しており、今年通年では4.0-4.8%の成長が見込める。5月の失業率は3.0%に低下。投資家の信頼、強固な基礎的条件を背景にリンギ需要は堅調で、対米ドルで今年、最も値上がりしたアジア通貨の一つになった。政府系企業の国内投資促進プログラムでは110億リンギが高成長分野に投じられた。

財務省はIMD世界競争力ランキングでマレーシアが69カ国・地域中、23位から11位に躍進したことも取り上げた。2桁躍進はマレーシのみ。
(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、8月8日)