【セパン】 中・長距離格安航空エアアジアXは11月14日から、クアラルンプール新国際空港(KLIA)と、トルコ最大の都市、イスタンブールのサビハ・ギョクチェン国際空港(SAW)を結ぶ路線を就航する。エアアジアXにとって13年ぶりのヨーロッパ直行便の復活となる。
KLIA―SAW便は月・水・金・日曜の週4便。往路の「D7604」便は飛行時間約11時間でKLIA発が9時35分、 SAW着が16時5分、復路の「D7605」便は飛行時間約10時間で、SAW発17時20分、KLIA着が翌8時40分となる。使用機材はエアバスA330ー300型機。
SAWは現在、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)が運営を行っており、アジアとヨーロッパの重要な中継地として、117以上の国際都市、40以上の国内都市への乗り継ぎが可能。エアアジアXはこのハブ機能を活用し、年間15万人の旅客輸送を目指していく。また、よりシームレスなサービスを提供するため、トルコを拠点とする航空会社と「インターライン契約」の協議を行っているという。
エアアジアXは2009―2012年にロンドンとパリへの路線を運航していたが、需要の低迷などで廃止した。一方、昨年はカザフスタンのアルマトイ路線や、初のアフリカ路線となるナイロビ路線を就航するなど、エアアジアXの親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は近年、世界的な格安航空会社ネットワークの構築を打ち出している。ヨーロッパ路線の復活はそのためにも重要で、その後に北米市場進出を目論む。エアアジアXが7月、最大70機のエアバスの長距離向けジェット機の購入を発表したのもその布石とみられている。しかし、ナイロビ路線は需要低迷のため9月1日からの運休が発表されており、エアアジアXのベンヤミン・イスマイルCEOは「イスタンブール便の就航は、これまで以上に力強く復興していく我々の新たな誇りとなる」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月12日、エッジ、8月11日)