【クアラルンプール】 行政サービスの電子化を請け負っているゼトリックスAI(旧MyEGサービシズ)は12日、大規模言語モデル「NurAI」を開発したと発表した。世界初の、イスラム教の要件を満たす人工知能(AI)モデルで、グローバルサウスの世界観を反映させているという。

法律、保健医療、金融から、歴史、イスラム哲学、クルアン(コーラン)学などイスラムにかかわる事項まで広範な話題に回答を生成する。使用可能言語は、マレー語、インドネシア語、アラビア語、英語で、パソコン、モバイル端末のどちらでも利用できる。

ゼトリックスAIは声明で「イスラムの価値にそぐわない点がある西側、中国のAIモデルの代替になり得る、イスラム共同体向けAIだ」とした。発表式でアハマド・ザヒド副首相は「宗教と技術の調和の好例であり、官民、金融機関、宗教団体などすべての関係者にこうした技術の開発、普及を後押しするよう求める」と述べた。

NurAI開発には中国ディープシークのオープンソースノウハウを利用した。専門知識を学習したアバターを使っており、ユーザーはアバターを個人教授のように利用できる。
(エッジ、8月11日、ビジネス・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月12日)