【クアラルンプール】 ナジブ・ラザク元首相の主導で設立された国策投資会社、ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)、同子会社SRCインターナショナルによる公金流用事件で、政府は財産回収信託口座を2018年に設けて以降、297億リンギの資金をこれまでに回収した。議員の質問に財務省が書面で回答した。
1MDB債務返済のため、1MDBに移転された資金は今年7月末の時点で約422億リンギ。うち約154億リンギが財務省と財務大臣法人による株主貸し付けで、約267億リンギが回収資金からのもの。約289億リンギが元本返済、132億リンギが利子支払いに充当された。
1MDBの残存債務はイスラム債の償還義務(約90億リンギ)で、2039年まで返済が続けられる。50億リンギが元本、約40億リンギが利子など。SRCに対し政府は53億5,000万リンギを移転した。元本、利子支払いに充当される。財務省は、資金回収には外国政府機関の協力が欠かせず、裁判手続きもあるため、まだ数年を要する複雑な作業だと説明した。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月14日)