エアボルネオ、今年下半期にマレーシア本土路線を開設へ

【クアラルンプール】 サラワク州政府が所有する地域航空会社、エアボルネオ・ホールディングスは、今年下半期に東マレーシアとマレーシア半島部を結ぶ路線を開設し、2027年からは東南アジアの域内路線にも拡大する計画だ。アブドル・カリム・ラーマン・ハムザ州観光・クリエイティブ産業・舞台芸術相が明らかにした。

機材の空き状況、規制当局の承認、理事会の承認を条件に、段階的に路線拡大を実施する予定。取締役会の承認と機材の供給状況しだいで今後1年以内に少なくとも3機のジェット機の導入が計画されており、マレー半島を結ぶ路線や域内路線の運航が可能となる。

現在、エアボルネオは以前MASウイングスが運航していたサラワク州、サバ州、ラブアンでの地方路線を継承している。運用機材はATR機8機とツイン・オッター機6機だが、これらは地方路線や短距離路線には適しているものの、半島への長距離路線には不十分だという。

アブドル・カリム氏は、運航体制の整備状況次第で、2027年からタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどの地域路線への就航を開始し、その後、より広範な路線拡大を検討する可能性があると述べた。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、1月20日)

KLのコーラスホテルが営業終了、シンガポールとのバス停も移転

【クアラルンプール】 老舗ホテル「コーラスホテルKLCC」が18日、営業を終了した。ペトロナス・ツインタワーに近いクアラルンプール(KL)中心部の一等地に位置。シンガポールとを結ぶ長距離プレミアムバスサービス「エアロライン」の発着場としても知られていた。

ホテルは、1984年に「ミン・コート・ホテル」として開業し、その後、コーラスホテルとしてリブランディングされた。約0.6ヘクタールの敷地に、12階建て388室で構成されていた。しかし、所有するマラヤン・ユナイテッド・インダストリーズ(MUI)が昨年8月、不動産開発のマーシン・グループに2億6,000万リンギで売却。総開発価値12億8,000万リンギの高級サービスアパートメントとして再開発される予定だ。

また、1990年代初頭からエアロラインの発着場にもなっており、近年は年間470万人の利用があったという。バス運営会社ズルコはエアロラインとして22台のバスを保有しており、当面はホテル向かいの宝飾店が臨時の発着場となる。

一方、公共陸運局(APAD)はズルコに対し、KL郊外の交通ハブであるTBSターミナルへの移転などを求め、昨年11月に1カ月間の運行停止を命じており、今後の運行が注目される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、1月18日、ザ・スター、1月19日)

「アイコニック・マージョリー・ペナン」ホテルが正式開業

【クチン】 アイコニック・ペナンは、「ビジット・マレーシア・イヤー2026(VM2026、マレーシア観光年2026)」キャンペーンに先立ち、マリオット・インターナショナルの個性的な独立ホテルカテゴリーの「トリビュート・ポートフォリオ」のホテル「アイコニック・マージョリー・ペナン」を正式開業した。

「アイコニック・マージョリー・ペナン」は同州バヤンレパスに所在する全298室の5つ星ホテルで、2016年にセベラン・ペライに開業した「アイコニック・ホテル」に続く、アイコニック・グループの2カ所目のホテル。総投資額は1億8,000万リンギ。

ペナンのババ・ニョニャ(中国人男性とマレー人女性との間に生まれた子孫)文化の伝統に敬意を表したデザインで、「ティフィン・ホール」、「ルーム&リーフス・ラウンジ」、「センシズ・バー」の3つの飲食店のほか、インフィニティプール、ジャグジー、24時間営業のフィットネスセンター、ウェルネススパなどのモダンなレクリエーション設備を備えている
(エッジ、1月19日)

ラピッドオンデマンド料金、2月から2リンギに改定

【ペタリンジャヤ】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは2月1日から、利用者のニーズに応じて柔軟に運行する「ラピッド・オンデマンド」(ROD)の料金を、現行の1リンギから2リンギに改定する。

RODは2023年5月に導入され、段階的にサービスを拡大。実証期間中はプロモーション価格として1リンギで展開されてきた。昨年11月には、サービス提供会社ごとに分かれていたアプリを統合させるなどの取り組みを進め、利用が浸透してきていた。これを受け、1月末で実証期間を終了することになった。

RODは現在、首都圏クランバレーの71エリアと、ペナンの11エリアをカバーしているが、今後クランバレーで22エリア、ペナンで23エリアの追加が予定されている。

また2027年末から2028年末にかけて、300台の電気バン(EV)を導入し、クランバレーで130台、ペナンで170台の配備を計画している。
(ローヤット・ドットネット、ベルナマ通信、1月19日)

イオンクアンタン店が開業、日本への輸出でも州政府と協議

【クアンタン】 イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)は15日、パハン州に「イオン・クアンタン店」を開業した。また同州政府は、ドリアンなどの特産品の日本への輸出に向け、イオンマレーシアと協議を始めた。

イオン・クアンタン店は、クアンタン中心部のイーストコーストモールのレベル2に位置。約4万9,000平方フィートで、生鮮食料品などが充実されているほか、セルフレジ、スマートカート、オンライン購入を通じた配送サービスなど、利便性の向上が図られている。

東海岸では、すでにクランタン州コタバルに店舗があるが、今回のクアンタン店の開業で東海岸のネットワークが強化された。今後も東海岸での事業拡大を目指していく。

開店式には、州政府のFELDA・協同組合・起業家委員会のアミザル・アブ・アダム委員長(国政の閣僚に相当)らが出席。イオンマレーシアと、日本への輸出拡大に向け、協議を開始したと言明した。ドリアンの最高級品種「猫山王(ムサンキング)」や、淡水魚のパティン、魚を使ったスナック菓子のケレペックなど、地元の中小企業製品が想定されている。

イオンマレーシアは現在、国内で27のショッピングモールなどを運営。今年はクアラルンプールのイオンKLミッドタウン店や、ジョホール州におけるイオンスタイル・スーパーマーケットなどの開業が予定されている。
(ビジネス・トゥデー、1月16日、ザ・サン、1月15日)

奈良県がイチゴと柿の輸出プロモ、昨年に続き今年も開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 奈良県は昨年に続き、同県産のイチゴと柿の輸出プロモーション「奈良県フェア」をマレーシアで1月19日から25日まで開催する。

農林水産物の輸出拡大が見込めるマレーシア市場へ奈良県産農産物の販路開拓を図るのが狙い。今回の取扱品目も昨年同様の同県産のイチゴ(古都華)と柿(富有柿、あんぽ柿)で、クアラルンプール(KL)の地元カフェ「モリ・コーヒー」で奈良県産の3種の商品を直販する。

また「モリ・コーヒー」がそれらを素材として魅力が十分に伝わるよう考案した新メニュー(スムージーやワッフルなど5種)を同カフェのデザートメニューに載せて販売する。

【総点検・マレーシア経済】第538回 米国の半導体への高率関税のマレーシアへの影響

第538回:米国の半導体への高率関税のマレーシアへの影響

連載537回で、「マレーシア側が大幅に譲歩しながらも米馬貿易協定を締結した最大の理由は、半導体について通商拡大法232条が発動される確率を低くするため」と書きました。この点について、もう少し詳しく見ていきます。

まず、現状、半導体・関連製品には相互関税が課されていません。2025年4月11日に発出された「大統領令14257号(2025年4月2日付、改正後)に基づく除外の明確化」には、半導体・関連製品を相互関税の対象から除外することが定められ、「半導体(semiconductors)」とは何であるかが明確化されています。

この文書によれば、相互関税から除外されている「半導体」には以下のものが含まれます。

・PC、ノートPC等(HTSUS 8471)

・半導体製造装置(HTSUS 8486)

・スマートフォン(HTSUS 85171300)

・SSD(HTSUS 85235100)

・フラットパネル・ディスプレイ・モジュール(HTSUS 85285200)

・ダイオード・トランジスタ等の半導体デバイス(HTSUS 8541)

・電子集積回路(HTSUS 8542)

2024年の米国のマレーシアからの輸入額のうち、57%が電子製品(ASEAN平均37%)で、うち73%(同67%)が上記の定義による「半導体」となり、輸出全体の41%(同25%)が相互関税から除外されていることが分かります。いずれも、ASEAN平均よりも高く、マレーシアはASEANで相互関税からの半導体除外で最も恩恵を受けている国であることが分かります。

この数値を用いてマレーシアの電子・電機製品に対する実質的な相互関税率を計算すると5.1%となり、名目上の相互関税率19%より大幅に低くなります。マレーシアの輸出全体について平均相互関税率を計算すると11.2%となります。

同時に、もしこの「半導体」に100%の関税率が課された場合に実質的な関税率がどうなるかを計算すると、なんと電子・電機製品への実質的な相互関税率は73.1%、対米輸出全体についての相互関税率は52.5%にまで跳ね上がります。

このように計算すると、マレーシアが米国と不利な貿易協定を結んだのは、通商拡大法232条が発動される確率を低くするためであるということにも納得できます。

熊谷 聡(くまがい さとる) Malaysian Institute of Economic Research客員研究員/日本貿易振興機構・アジア経済研究所主任調査研究員。専門はマレーシア経済/国際経済学。 【この記事のお問い合わせは】E-mail:satoru_kumagai★ide.go.jp(★を@に変更ください) アジア経済研究所 URL: http://www.ide.go.jp

【イスラム金融の基礎知識】第584回 CIMBが手がけたスクークをめぐる訴訟

第584回 CIMBが手がけたスクークをめぐる訴訟

Q: 高速道路建設の遅延をめぐり、CIMBが訴えられたようですが?

A: CIMBが1月、ブルサ・マレーシア(証券取引所)に提出した書類によれば、CIMBの子会社であるCIMB投資銀行が起債を手がけた高速道路運営会社のスクークをめぐり、出資者から利払いや損害賠償等を求めて民事訴訟を起こされたことが明らかになった。高速道路運営会社の社長も、すでに背任やマネーロンダリングなどの罪で起訴されており、問題が拡大している。

報道などによると、高速道路の運営を手掛けるマジュ・ホールディングス社は、プトラジャヤとKLIAを結ぶ高速道路の延伸工事を計画、資金調達のため特別目的会社であるMEX II社を立ち上げた。同社は、額面13.8億リンギ、期間15年、年利6.1%のスクーク・ムラーバハを2016年に発行した。発行に際しては、CIMB投資銀行はプリンシパル・アドバイザーなどの役割を担った。工事は同年に始まり、2019年に完成予定であった。ところが資金不足等で工事が頓挫、2023年の調査段階でも10%以上の未完成部分を残しており、現在も状況は改善されていないとみられている。工事に加え、利払いも2021年以降滞っており、2022年にMEX II社は破産管財人の管理下に入った。さらに2025年9月マジュ社のアブ・サヒド・モハメドCEOが、背任やマネーロンダリングなど複数の罪状で起訴された。

こうした状況を踏まえ、スクークの43%を保有する政府系信託会社や保険会社など14社が原告となり、未払い利息の支払いや損害賠償を求めて、MEX II社、マジュ社、同社CEO、CIMB投資銀行など12の会社・個人を被告とする訴訟を起こすに至った。対象プロジェクトの契約不履行によってスクーク購入者に損害が生じた場合、起債を手がけたイスラム銀行に責任がどう及ぶか、注目の訴訟といえよう。

 

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

【イスラム金融の基礎知識】第583回 中央アジアでのイスラム金融の課題

【イスラム金融の基礎知識】第583回 中央アジアでのイスラム金融の課題

Q: 中央アジアのイスラム金融の現状と課題は?

A: 昨年12月8日から11日まで4日間の日程で、UAEのアブダビで「アブダビ・ファイナンシャル・ウィーク」(ADFW)が開催された。中東湾岸諸国の金融機関や監督官庁、ビル・ゲイツなど欧米の財界人などが登壇する大規模なフォーラムだが、最終日には「イスラム金融サミット」と題する2時間のパネル・セッションが組まれた。会場の様子は2026年1月現在、YouTubeのADFW公式チャンネルで視聴可能だが、注目は「基準化とシャリアの規制」と題するセッションだ。登壇したのは、ユーラシア開発銀行(EDB)、アスタナ国際金融センター(いずれも本部はカザフスタン)、フィリピン中央銀行の担当者である。まさに「イスラム金融市場への本格参入はこれから」という国のイスラム金融担当者が登壇して、30分ほどの意見交換を行った。

この中でEDBのアザマット・チュレウベイ氏は、中央アジアのイスラム金融の現状について、イスラム金融に関する法律やイスラム法の解釈が各国でまちまちなため、国際開発金融機関としてのEDBの国境を超えた取り組みを困難なものにしていると指摘した。そのため、このような分断は関係各所の参加によって統一していく必要があるとした。

これに対して、フィリピン中央銀行のアリファ・A・アラ副総裁は、「ムスリムがマイノリティの国でイスラム金融を実践したことから得られた教訓」として、①ビジネスを実施可能にする法律、②立法だけでなく行政や規制当局、会計の専門家など利害関係者の協力、および③存在意義を国家の課題に結び付けること、という三つの必要性を挙げた。チュレウベイ氏も、EDBが各国の規制当局と基準機関であるAAOIFI、IFSBなどと協力体制を築くことで、中央アジアのイスラム金融は次の段階に進めるだろうと答えた。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

 

歳入庁がWhatsappを利用した検索プラットフォームを導入

【クアラルンプール】 内国歳入庁は15日、税務サービスの改善と納税手続きの簡素化を狙いに、メッセージングアプリであるWhatsapp(ワッツアップ)を利用した情報検索プラットフォームを導入したと発表した。

新情報検索プラットフォームでは、ワッツアップを通じて納税を促す通知、遅延状態の通知、法令順守情報などが、歳入庁に登録した納税者の携帯電話番号に送られる。IRBが使用しているWhatsAppプロフィール名は「Lembaga Hasil Dalam Negeri Malaysia」で、電話番号は03-8911-1000を使用している。

一方、IRB公式ポータルでは、強化された情報検察プラットフォーム「Tanya HAFY」が「Tanya@HKC」に置き換えられる。ユーザーは今日性のある納税関連情報を効率よく入手することができ、利用者体験も改善されるという。

歳入庁は納税者に対し、携帯電話番号に変更があった場合は、速やかにMyタックスのポータルを通じ届け出るよう求めた。
(ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、1月15日)