【イスラム金融の基礎知識】第553回メイバンク・イスラミック、フィリピンでイスラム銀行業務を開始

メイバンク・イスラミック、フィリピンでイスラム銀行業務を開始

Q: メイバンク・イスラミックがフィリピンでイスラム銀行業務を開始しましたが?

A: マレーシア資本のメイバンクは8月、フィリピンのザンボアンガ支店にイスラム窓口を(イスラミック・ウィンドウ)設置した。同国にとって外国銀行によるイスラム銀行業への参入は初の事例となる。

本連載でもこれまで触れてきたように、フィリピンでは2019年にイスラム銀行法が施行され、市場が民間に解放された。これを受けて今年1月にローカル資本のCARD銀行が、初のイスラム銀行業専業支店を設けた(第535回)。また中央銀行関係者からは、CARD銀行の後に続く銀行が複数存在し、そのうちの一つがマレーシア資本のメイバンクであると示されていた(第543回)。

中央銀行やメインバンクの関係者の話によれば、今年7月にメイバンクが、イスラム銀行業を営めるイスラム銀行部門の設立許可を取得、翌8月にはザンボアンガ支店内にイスラム窓口を設置した。業務は、当面の間は普通預金と当座預金の預金業務のみとし、十分な資金が確保できたところで融資業務を行うとしている。同銀行は、ムスリムと非ムスリムの双方が利用できるとしており、支店に両者が足を運べるような形となっている。ザンボアンガ支店は、ミンダナオ島最西部のザンボアンガ空港からほど近い場所に位置する。首都マニラよりもスールー諸島やボルネオ島の方がはるかに近く、またCARD銀行のコタバト支店とは200kmほどの距離にある。

開設式でメイバンク・フィリピンのアビゲイル社長兼CEOは、「フィリピンへの進出は単に自社の利益拡大だけでなく、公明性、透明性、地域社会の福祉に対するコミットメントを示すものである」とし、ムスリムが多く住む地域でイスラム窓口が設置することの社会的意義を強調した。中央銀行は他にも市場に参入する銀行があることを明らかにしており、今後の動向にますます注目が集まるだろう。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

ヒューマンスターチャイルド、KLに日本式保育施設を開園

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 保育事業を展開するヒューマンスターチャイルド(本社・神奈川県横浜市)は27日、日本式保育施設、「ヒューマンスターチャイルド・ケアセンター」を今年7月1日にクアラルンプール(KL)市内に開園したと発表した。

場所は三井不動産が運営する「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター(BBCC)」の近隣。マレーシア子会社のヒューマンスターチャイルド・マレーシアの直営園で、対象年齢は1―4歳となっている。日本人だけでなく現地に住む人を対象としており、日本で培ってきた、安心・安全で高品質な保育サービスを国境を越えて提供する。これにより海外での保育施設運営はインドネシア・ジャカルタに続き2園目となる。

ヒューマンスターチャイルドによると、同社は2018年7月にジャカルタで0―5歳児を対象とした直営保育施設「スターチャイルドインドネシア」を開園。現在、入園希望者は定員を超えており、日本の保育サービスが海外でも評価されているという。

【人生の知恵・仕事の知恵】Inclusive education

Inclusive education

★相応の考え方

先日、某社で泊まり込みのスーパーバイザー研修を行った時のことです。

まず、受講者の面々にあるテーマについての成果を発表してもらいました。しかし、その内容が、結果というより活動の内容報告に終始していました。

その旨のフィードバックをするところを思いとどまり、オブザーブをしていた上司であるシニアマネージャーに発表をしてもらったところ、スーパーバイザーと異なり、結果についての明確な振り返りでした。

そこで、当該受講者には、シニアマネージャーとの発表の違いについて考えてもらうことにしました。

★ロールモデルの大切さと海外現地法人での課題

どんな理論よりも、目の前に具体的な行動の規範となるロールモデルが存在することは大切です。

以前、ベトナムの日系企業で、部下指導を大切にしているベトナム人に、「あなたは海外の事業所では珍しく部下の指導をしていますね」と伝えたところ、日本人の上司が部下指導をしている姿を真似ている、とのことでした。

一方で、海外では、社長の言うことが全てという傾向があり、特に現地社員の上司を模範とはしない傾向が強く、直属上司を見習えと言っても当人に響かないところがあるのも現実です。

★体系的な人材育成が鍵

以前、マレーシアの日系企業の社長さんから以下の連絡を受けたことがありました。

「お宅の報連相研修を受けて、受けた社員は報連相ができるようになったが、受けてない社員とのバランスが悪くなった。だから、受けていない社員も受講させたい」

海外の場合、OJTが成り立ちにくいため、Off-JTによる教育機会は、人材育成において大変大切です。

前述の合宿研修を行った企業でも、階層別の総合的な教育を行なっています。そのため全社員の能力が相応にのび、そのうちのメンバーが実際の職場でロールモデルとなっているのです。

全体の底上げを図るための網羅的な人材育成戦略が大切です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

 

予算案にGST再導入が盛り込まれる可能性=RHB投資銀

【クアラルンプール】 RHBインベストメント・バンク(RHB投資銀)は、10月18日に発表される予定の2025年度予算案に、物品サービス税(GST)の再導入、「RON95」レギュラーガソリン補助金の合理化、高額物品税(HVGT、贅沢税)導入――が盛り込まれる可能性があるとの見方を示した。

RHB投資銀のアナリスト、アレクサンダー・チア氏は、アンワル・イブラヒム政権が政権安定を背景に税基盤の拡大を目指していると指摘。財政赤字をさらに削減してインフラ投資の余地を拡大する方針だと確信していると述べた。

その上でチア氏は、まだ決定していない2つの主要な取り組みがRON95の補助金の合理化と電子インボイスの完全導入と両立するGSTの再導入だとした上で、これらが来年度予算案に盛り込まれるだろうと指摘。RON95の補助金合理化については年内に実施されると予想したまたHVGTについても2025年度予算案で発表される可能性があるとした。
(ポールタン、9月26日、ベルナマ通信、9月25日)

小売20社・8千店舗、10月1日からレジ袋提供中止

【ペタリンジャヤ】 ハイパーマーケット、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、薬局、健康・美容チェーンなど小売20社が、10月1日から傘下の8,000店舗で使い捨てプラスチック製レジ袋の提供を中止する。ンガ・コーミン住宅地方自治相が明らかにした。

レジ袋提供を中止するのは、▽イオン▽99スーパーマート▽セブンイレブン▽TFバリューマート▽ガーディアン――など。買物袋を持参していない買物客は、店舗でリサイクル可能なショッピングバッグを購入することになる

ンガ氏は「すでに実施している企業もあるが、改めて1日から実施することで各社が誓約書を取り交わす」と言明。「この取り組みにより年間2億枚のレジ袋が削減され、廃棄物の量が減少し、既存のごみ埋立処分場の寿命が延びると予想される」と述べた。

政府は固形廃棄物管理と公共清掃に年間20億リンギに上る費用を負担しており、埋立地への依存を減らすよう取り組んでいる。現在、マレーシアには非衛生埋立地が114カ所、衛生埋立地が22カ所あるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、9月26日)

三菱商事、ペトロナスとLNG事業権益延長・再参入で合意

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三菱商事(本社・東京都千代田区)は27日、マレーシアの液化天然ガス(LNG)事業におけるLNG ドゥア(LNG2)の権益延長、及びLNGティガ(LNG3)への再参入について、国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と合意したと発表した。

これにより三菱商事の「LNG2」における権益比率は10%で維持され、「LNG3」については権益10%を再取得する。「LNG2」の権益は2025年から約10年間となっており、生産能力は960万トン。「LNG3」の権益は2024年から約10年間となっており、生産能力は770万トンとなっている。「LNG3」には2000年から参画していたが、2023年に一度権益期限が満了していた。

マレーシアLNGは全部で9つの天然ガス液化系列で構成され、第1―3系列を「LNGサトゥ(LNG1)」、第4―6系列をL「LNG2」、第7―8系列を「LNG3」、第9系列を「トレイン9」と称し、LNG年産能力は合計2,930万トンと世界最大規模を誇る。現在、同プロジェクトで生産されるLNGのうち年間約1,000万トンが日本に供給されており、日本向けLNG供給量では単一拠点としては世界最大となっている。

ラクオリア創薬の胃酸分泌抑制剤、マレーシアで販売承認取得

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 創薬ベンチャー企業、ラクオリア創薬(本社・愛知県名古屋市)は26日、同社が開発した胃酸分泌抑制剤「テゴプラザン(Tegoprazan)」がマレーシア保健省・医薬品規制庁(NPRA)より販売承認を取得したと発表した。

テゴプラザンはラクオリア創薬が開発したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌抑制剤。胃食道逆流症治療の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)よりも速やかに、かつ持続的に胃酸分泌を抑制するという特長を持つ。

今回、承認が得られた適応疾患は、びらん性胃食道逆流症、非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍、およびヘリコバクター・ピロリ除菌補助療法の4つ。マレーシアでの製品名はK-CABで、2025年上半期の販売開始が予定されている。

ラクオリアは、日本を除く全世界のテゴプラザン開発・製造・販売に関する再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を韓国HKイノエンと締結しており、HKイノエンは2021年、マレーシアの医薬品大手、ファーマニアガとの間で製品供給契約を締結。以後、ファーマニアガが販売承認の取得に向けた取り組みを進めていた。

 

ダウンロード速度で域内2位、オープンシグナル速度テスト

【クアラルンプール】 モバイル接続と信号強度を測定している独立組織のオープンシグナルが4月1日から6月30日まで行ったインターネット接続速度テストにおいて、マレーシアは5G(第5世代移動体通信)のダウンロード速度エクスペリエンスでアジア太平洋13カ国・地域中2位だった。速度は毎秒295.5メガビット。1位は韓国の427.5メガビットだった。

アップロード速度エクスペリエンスでは、韓国が52.2メガビットで1位、台湾が35.4メガビットで2位、マレーシアは34メガビットで3位だった。また5G可用性(5Gが利用できる時間の割合)でマレーシアは31.8%と域内4位の高さだった。最高はインドの52.1%で、次いでシンガポールが35.9%、韓国が34%だった。

都市など人口密度が高い地域における5G利用可能エリアの割合を示す「5Gカバレッジ・エクスペリエンス」でマレーシアは2.6点と10位の評価だった。1位はシンガポールで、国内のほぼ全域で5Gサービスが利用できる。

ファーミ・ファジル通信相の最近の発表によれば、人口密度が高い地域における5Gカバレッジ率は81.9%。
(ザ・スター、9月26日、ビジネス・トゥデー、9月25日)

「リンギの強さは持続する」中央銀行バンクネガラ見解

クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、経済見通しが良好で、構造改革の効果もあり、リンギは強さを維持するとの見解を示した。ブルームバーグの取材に電子メールで回答した。

第3四半期の新興市場の為替市場ではリンギが対米ドルで最も上昇し、9月25日は1米ドル=4.108リンギまで値上がりし、2021年6月以来、3年3カ月ぶりの高値を記録した。中国政府が24日、経済刺激策を発表し、同国経済の先行き見通しが改善したことが好影響を与えた。中国はマレーシア最大の貿易相手国。

アドナン・ザイラニ副総裁は25日、クアラルンプールで開催されたIFNアジア・フォーラムで演説し、米連邦準備制度理事会(FRB)が0.5ポイントの利下げに踏み切ったためマレーシアとの金利差が縮小し、有価証券市場への資金流入が期待できると発言した。
(エッジ、9月25日)

電子たばこ含む新しい喫煙規制法、10月1日に施行

【クアラルンプール】 電子たばこ製品の規制を盛り込んだ「2024年公衆衛生のための喫煙製品規制法」(法律852)が10月1日に施行される。ズルキフリ―・アハマド保健相がX(旧ツイッター)の投稿で明らかにした。当初は6月の施行が予定されていたが、延期されていた。

同法は電子たばこや電子喫煙器具を含むたばこ製品、喫煙材料、たばこ代替品の未成年者への売買を禁止、18歳未満の者への喫煙関連サービスの提供を禁止することを目的としたもので、今年2月2日に公布された。喫煙およびたばこ製品の登録、販売、包装、ラベル、公共の場での喫煙禁止に関する規制などを網羅している。

ズルキフリー保健相は、新法の制定が電子たばこの使用を含む喫煙に伴う害を減らし、喫煙自体を抑制しようとする取り組みの一環であると強調した。

保健団体からは2023年に「1954年毒物法」の毒物管理品目からニコチンが除外されたことに対する批判の声があがり、保健省に対して早急な新法施行を求める声が上がっていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、9月25日)