日系企業の景況感が悪化、人材不足や頻繁な規制変動に嫌気

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は6日、JACTIM会員企業を対象に行った最新の景気動向調査を発表。「良好」から「悪化」を引いたDI値が2022年下期は2期ぶりのマイナスとなるマイナス8.1となった。プラス20.5だった前回予想値を大幅に下回り、前期のプラス9.4からも大幅に悪化した。2023年上期予想はマイナス15.2となり、さらに悪化している。一般ワーカー不足も含めた人材不足や政府の頻繁な規制変動への懸念が背景にあるとみられる。

同調査は2023年1月20日から2月27日にかけて加盟556社を対象に実施し、35.6%にあたる198社(製造業125社、非製造業73社)から回答を得た。

利益水準DIについては、2022年下期は前回のプラス41.5からプラス41.9とやや上昇したが、2023年上期予想はプラス38.1にダウンした。利益率DIについては、2022年下期は前回のマイナス6.4からマイナス17.7にダウンしたが、2023年上期予想はマイナス17.8とほぼ横ばいとなった。

従業員数DIについては、2022年下期は前回のマイナス36.3からマイナス16.2へ改善、2023年上期予想はマイナス9.1とさらに改善した。資金繰りDIについては、2022年下期は前回のプラス0.4からプラス11.2に上昇したが、2023年上期予想はプラス7.1にダウンした。

新型コロナウイルス「Covid-19」前と比較した生産状況については、非製造業においてはコロナ前の水準と同等以上と回答した企業が76.5%に上ったが、製造業においてはコロナ前の稼働状況に満たない企業が41.4%となり、回復ペースに鈍化傾向がみられる結果となった。

事業における課題については、全体的に従業員の賃金上昇、物価上昇、為替レートの変化が挙げられたが、製造業ではローカル従業員の離職率の高さや質、非製造業では高度人材(技術者・専門職・中間管理職)の不足を指摘する声が目立った。その他の課題については、40%超が駐在員の就労における雇用パスの取得の厳格化、煩雑さを挙げた。

マレーシアの投資環境については、英語力、親日的、良好な生活環境などで評価がアップ。一方でワーカー不足や頻繁な規制変動、高度人材の確保難などが中長期的課題として挙げられた。

今後の展開では、製造業・非製造業ともに約5割が「現状維持」で、約2割が「純粋増設、新規ビジネス開発など」の拡張を検討していると答えた。

 

鶏卵のレイホン、日本ハムのマレーシア撤退でJV完全子会社化

【クアラルンプール】 鶏卵のレイホンは、日本ハム(本社・大阪市北区)との間の合弁会社(JV)NHFマニュファクチャリング (M)の株式51%を買収し、完全子会社化すると発表した。日本ハムはマレーシアから撤退する。


レイホンが3日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、レイホンと日本ハムは2016年にJVを設立。日本ハムが51%、レイホンが49%の株式を所有し、日本の技術を活用したハラル(イスラムの戒律に則った)食品を製造し、中東や東南アジア地域への輸出を目指していたが、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大に伴い計画を達成できなかったことから、日本ハムはマレーシア事業からの撤退を決定した。


 またレイホンは、製造工場を日本ハムから引き継ぐと明らかにした上で、同工場がレイホンの輸出ビジネスにとり将来的に大きな役割を果たすとした。NHFの2023年2月末時点の純資産がマイナス2,120万リンギと負債を抱えているため、取得価格は1リンギとなる。
(エッジ、4月3日)

不動産開発のシェンタイ、大阪支店を24日に開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 不動産開発会社のシェン・タイ・インターナショナル(STI)は3日、日本支社となるシェンタイ・ジャパン マーケティング・インターナショナル(本社・東京都)が4月24日に大阪支社を開設すると発表した。

STIは2012年に女性弁護士リョン・サーレイ氏によって設立され、現在はマラッカ州において、高さ最高320メートルの9つのタワーが連なる5・6つ星ホテル、レジデンス、オフィス、高級ショッピングモールなどを有する大型複合施設「ザ・セイル」の開発を手がけている。

STIは2020年9月に日本支社を開設し、マレーシア不動産情報や、移住、ビジネス進出、長期滞在ビザの取得などについてのワンストップなサポートを日本の顧客に提供してきた。今回大阪支社を大阪市西区に開設し、「ザ・セイル」などの不動産投資や、資産形成・海外移住のサポートに力を入れる方針だ。

岩崎通信機、マレーシア生産子会社の全株式を台湾企業に譲渡

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 岩崎通信機(本社・東京都杉並区)は3月31日、推進中の中期経営計画における生産効率化施策の一環として、2023年7月末でネグリ・センビラン州に拠点を構える生産子会社・岩通マレーシアの全株式を譲渡すると発表した。

情報通信機器の生産高が減少傾向にあるため、現在2拠点で行っている情報通信機器の生産を福島県の主力工場1カ所に集約し、生産効率を高める。株式譲渡先は、電子部品製造の台湾企業ワルシン・テクノロジー(華新科技)のグループ会社シリテック。機構部品の生産や生産受託事業に携わるシリテックは、ペナン州に工場を有しており、岩崎通信機はワルシン・グループから各種生産部材を調達している。

株式譲渡に伴い、岩通マレーシアは2023年8月より連結対象から除外される。岩崎通信機は今後、ワルシン・グループからの電子部品の採用を拡大し、サプライチェーンの安定化を目指すと共に、技術的交流からスタートしビジネス協業のシナジー展開を模索していく方針だ。

TXPメディカル、マレーシアで救急医療DXを推進

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 医療データのプラットフォーム構築・提供のTXPメディカル (本社・東京都千代田区)は、2022年8月よりスタートした「マレーシアの3次医療機関における救急医療DX実証事業」で、病院前救急診療から病院診療までデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進しており、マレーシア救急診療のオペレーションの質向上の有用性を検証していると明らかにした。

同社が3月31日に発表した声明によると、マレーシアの実証事業対象病院において、救急車での搬送にて利用する「NSERモバイル」、患者向け問診システムである「TXPセルフ・アセスメント・システム」、病院内でデータを受け取り、電子カルテとの連携・業務支援を行う「ネクスト・ステージER」 (NSER) を利用して、救急医療データのワンストップ連携が行われ始めている。

「NSERシリーズ」は医療データの分断を解決し、医療現場のDXを実現するためのプロダクトとして開発されたもので、日本の質の高い救急医療を海外に輸出して世界の救急医療にも貢献したいという思いから同プロジェクトがスタート。実証事業対象病院への度重なるヒアリングや現地調査を通じて、マレーシアでの詳細なニーズを確認した上で、約4カ月をかけて現地にローカライズしたプロダクト開発を行った。昨年12月からは各病院で「NSERシリーズ」のトライアル利用を開始。トライアル利用開始後もプロダクトは改善をさらに重ね、OCRや音声入力機能はマレーシアの言語において問題なく利用され、その適用性も確かめられた。特に同社開発のOCR機能は、マレーシアの救急医療に関わるスタッフにおいても好評で、氏名の文字数が多いマレーシアでは大変有効であることが確認されているという。

TXPは今後、同検証で得られた定量的・定性的な結果を踏まえ、プロダクトを更にブラッシュアップし、国内外の医療データのインフラ実現と、日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済産業協力関係の強化に向けて研究開発および事業開発を継続していく方針だ。

ヘルスケアのIHH、メンタルケアのインテレクトに出資

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 インテレクト・ジャパン(本社・東京都港区)は3月31日、同社の100%出資元であるインテレクト(本社・シンガポール)がマレーシアのヘルスケアプロバイダーであるIHHヘルスケアから出資を受けると共に、IHHが運営する病院ネットワークの患者、法人顧客、従業員に対して、インテレクトが提供するメンタルマネジメント・ソリューションの提供並びに、IHH向けメンタルマネジメント・ソリューションの開発およびカスタマイズを行うと発表した。

IHH向けメンタルマネジメント・ソリューションの第一弾として、IHHが運営する病院ネットワークの一つである「グレンイーグルス・ホスピタル・シンガポール」のマタニティ患者に対してインテレクトのメンタルマネジメント・ソリューションの提供を開始する。

インテレクト・ジャパンは、IHHからの出資および医療従事者、患者向けのメンタルマネジメント・ソリューションの共同開発・カスタマイズは、医療従事者だけでなく、医療を受ける全ての人が早期にメンタル不調に気がつき、適切な治療を受けることで、早期に改善施策を講じることが出来るようになると説明。ウェルビーイング経営を志す全ての企業に加え、病院やクリニックなどの医療機関、医療従事者に対してのメンタルヘルスケア・ソリューション「インテレクト」による「セルフケアプログラム」と「コーチング」提供を通じ、医療従事者及び、医療を受ける全ての人々にメンタルサポートを提供していく方針だ。

ニコンが半導体装置サービス拠点設立、ペナンで11月に開業へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ニコン(本社・東京都港区)は3月30日、マレーシアを中心とした東南アジアの半導体装置事業のサービス拠点として、マレーシア現地法人のニコン・プレシジョン・マレーシアをペナン州で設立したと発表した。

資本金は1,300万リンギ(約3.9億円)で、ニコンのシンガポール法人であるニコン・シンガポールが100%出資する。主要事業は半導体装置の保守サービス、中古機の販売。当初は約50人体制で、11月より営業を開始する。

ニコンは、新会社設立により、半導体メーカーの投資が特に加速しているマレーシアにおけるサポート体制をより強固なものにするとともに、既にサービスビジネスを展開しているニコン・シンガポールと連携することで、今後市場が拡大する東南アジアでの半導体装置事業を一層強化する方針だ。

パナソニックマレーシア、環境団体と提携し生ごみ分別促進へ

【クアラルンプール】 パナソニック・マレーシアは、低炭素社会の実現を目指す非営利団体グリーンステップスと提携し、家庭から出る生ごみを分別し堆肥化を奨励する取り組みを行うと発表した。

マレーシアでは、ごみ分別に年間20億リンギ以上を費やしており、そのうちクアラルンプール(KL)のみで約2億5千万リンギを占めている。また、ごみの分別不足で廃棄物が十分にリサイクルできないという問題もあり、これらの課題解決を目指す。パナソニックの長期的な環境ビジョン「人や社会の幸福と持続可能な地球環境の両方に貢献する」にも合致しているという。

具体的には、KLのタマン・トゥン・ドクター・イスマイル(TTDI)の住民を対象とし、生ごみ分別や堆肥化データのグリーンステップス専用アプリへの継続的な入力を推奨する。アプリでは二酸化炭素排出量を追跡・測定でき、ポイントも獲得できるため、行動変容につながるという。4月1日ー6月30日までの3カ月間、最大1万5,000リンギの商品券を獲得できるコンテストを実施する。アプリ上でごみを3カテゴリーに分別し、堆肥化量を記録するコンテストで優秀な成績を収めた住民には、パナソニック製品に引き換えられる1万リンギの商品券とグリーンステップスのカフェでの飲食に使える5,000リンギの商品券が贈呈されるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月30日)

創価大学国際教養学部、マレーシア研究拠点を開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 創価大学(所在地・東京都八王子市)は3月30日、創価大学重点研究拠点の1つとして国際教養学部内に「マレーシア研究拠点」を4月1日に開設すると発表した。

マレーシア研究拠点設立の目的について、異なる宗教、言語、文化、民族が並存する「複合社会」マレーシアを人文社会科学の視角から研究し、日本・マレーシアを中心とした学術者・学生の相互連携を通じて、創価大学のグランドデザインである「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」の取り組みに貢献していくことにあると説明。重点研究拠点認定期間(2023年4月ー2028年3月)中に、国際教養学部教員4人とマレーシアの国立大学教員8人の計12名からなるメンバーが協力して段階的に基盤形成を行い、教育・研究活動の成果を広く社会に発信していくことを目指す。また、本年度の具体的な取り組みとしては、競争的外部研究資金獲得に向けた申請、共同研究プロジェクトの推進、国際フィールドワークI-II(マレーシア短期研修)の実施、本研究拠点主催の研究セミナー、研究成果報告会の開催を行う計画だ。

エスプールとJバリュー、日本企業などのマレーシア進出を支援

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 エスプール(本社・東京都千代田区)は29日、マレーシアの日系企業Jバリューと業務提携契約を締結し、日本国内企業や自治体に対するマレーシア進出支援事業に取り組むと発表した。

エスプールはプロフェッショナル人材を活用した「タクウィル」サービスにて海外進出支援事業を展開するほか、子会社であるエスプールグローカルでは、自治体と連携して地方企業の台湾販路展開支援をしている。一方、Jバリューはマレーシアでのショッピングモール運営のほか、日本国内から現地への物流業務、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証コンサルティングなどの事業を展開しており、豊富な現地ネットワークを所有している。

今回の業務提携により、両社のノウハウや仕組みを活用し、企業向けにはマレーシアへの販路拡大、マレーシアにおける現地拠点開発、JCMクレジットの創出、自治体向けには地域商品の販売支援、日本国内への観光誘致などを行い、新たな販路を模索する企業・自治体に対しマレーシア進出支援のサービス提供を進めていく方針だ。