ヤマハ、ペラ州に半導体調達子会社を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ヤマハ(本社・静岡県浜松市)は12月22日、マレーシアに半導体調達子会社「ヤマハ・ミュージック・インターナショナル・プロキュアメント」を設立したと発表した。

ヤマハが100%出資し、資本金は400万リンギ。ペラ州に拠点を構える。楽器・音響生産本部調達技術部調達企画グループリーダーだった岩田倫則氏が2024年1月1日付けで社長として就任した。

新会社では、外部環境変化に影響されにくい強靭な調達体制を実現するため、主要な半導体メーカーとの直接取引化を推進する。中国やインドネシア、日本の製造拠点に向けた最適な国際物流を実現できるインフラが整備されていることから、マレーシアでの新会社設立を決定したという。新会社の稼働開始は2024年7月を予定している。

川崎重工、ダイアログ向けにガス圧縮機2基を出荷

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 川崎重工(本社・東京都港区)は、マレーシアの石油ガスエンジニアリング会社、ダイアログE&C向けにガス圧縮機2基を神戸工場から出荷したと発表した。

ダイアログE&Cは、国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のガス関連子会社のペトロナス・ガスが進めるガス・パイプラインの輸送能力増強プロジェクトのEPC(エンジニアリング・調達・建設)請負業者。川崎重工が出荷したガス圧縮機2基は、ジョホール州クルアンのガス・パイプライン施設でのガス昇圧に用いられる。施設の稼働開始後は低炭素燃料であるガスのマレー半島内への供給を支える重要インフラとしての役割が期待されている。

川崎重工の圧縮機はこれまで半世紀以上にわたり、マレーシアを含む東南アジア・インド・中東向けに多くの納入実績を有しており、安定した稼働率を実現している。

タンジョンプルパス港、三井E&Sに電動クレーン48基を発注

【クアラルンプール】 ジョホール州の国内最大の積み替え港であるタンジョン・プルパス港(PTP)は、三井グループの重工業会社、三井E&Sから電動のタイヤ式門型(ガントリー)クレーン(e-RTG)を48基購入する契約を交わした。

貨物処理能力を高めるための発注で、PTPのチェ・カリブ会長は声明で「常に能力向上に努めることで、ますます競争が激しくなる世界市場で港湾としての優位性を保ってきた」と述べた。

2025年第3四半期までにクレーンの引き渡しを受ける。署名に当たったマルコ・ニールセン最高経営責任者(CEO)によれば、PTPは二酸化炭素排出量を30年までに45%削減する計画で、既に門型クレーンの85%を電動式にした。近く100%の達成を目指す。

PTPは2020年にも三井E&Sに港湾クレーンを35基、発注フュージョネックスている。
PTPは世界15位のコンテナ港で、年間取扱量は1,300万TEU(20フィートコンテナ換算)。ジョホールバルの南側に位置している。
(マレーシアン・リザーブ、12月22日)

香水のモルトンブラウン、「エクスチェンジTRX」に旗艦店開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 花王(本社・東京都中央区)は12月22日、傘下の英国・高級フレグランスブランド「モルトンブラウン」の旗艦店をクアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」の「エクスチェンジTRX」にオープンした。

店舗面積は68.2平方メートルで、営業時間は午前10時から午後10時。マレーシア1号店となる同店は、ロンドンの旗艦店であるリージェントストリート店にあるフレグランス・プレイグラウンド(香水からバス、ハンド製品に至るまで香りを試せる場)を英国外で初導入しており、「モルトンブラウン」の世界観を堪能できる。

花王は、ECサイトのオープンや高級ホテルでのアメニティ事業の加速などを通じて、「モルトンブラウン」のマレーシアでの存在感を高めていく計画だ。2024年には、シンガポール、タイ、香港での企業対個人(B2C)事業展開やインドネシア・マカオへの初進出も予定している。

阪急阪神エクスプレス、マレーシア法人でAEO認証を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 阪急阪神エクスプレス(本社・大阪府大阪市)は12月21日、同社のマレーシア法人阪急ロジスティクス(M)が、 マレーシア関税局からAEO制度の認証を8月1日付で取得したと発表した。

AEOはオーソライズド・エコノミック・オペレーターの略で、貨物のセキュリティ管理と法令順守の体制が整備された事業者に対し、税関が承認・認定し、税関手続きの緩和・簡素化策を提供する制度。

貨物のセキュリティ管理や法令順守体制が整備された事業者として認められたことにより、税関手続きの簡素化等、優遇措置を受けることが可能となり、これまで以上に迅速な通関サービスを提供できるようになった。阪急阪神エクスプレスは今後もサービスの品質向上に努め、顧客のサプライチェーンに貢献していく方針だ。

自動車内装のSMIS、インドネシア子会社株を日系すぎはらに売却

【クアラルンプール】 自動車内装品メーカーのSMISコープは、インドネシア子会社、PTグランド・スリヤ・テクノTbk(PTGST)の株式35%(152万株)を、同業のすぎはら(本社・広島県広島市)に137万米ドル(640万リンギ)で売却すると発表した。

これによりPTGSTにおけるSMISの持株比率は60%に低下し、すぎはらの持株比率は既存の5%を合わせて40%に拡大する。すぎはらは今年に入ってから、SMISコープよりPTGST株5%を譲渡されていた。PTGSTは主に自動車用フロアカーペットアセンブリ、トランクトリム、ラゲッジマットの製造・販売を行っている。

SMISコープは声明の中で、株式売却について、すぎはらとの関係を強化し、PTGSTの業務運営への戦略的な参加を促すのが狙いだとした上で、PTGSTの現地市場の存在感とすぎはらの技術的専門知識を組み合わせることで、シナジー効果を生み出すことが期待されるとしている。

SMISとすぎはらは2002年に合弁会社、スギハラグランド工業(SGI)をマレーシアで設立しており、すぎはらが40%を出資している。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、12月22日)

イオンクレジットの第3四半期は増収増益、融資増加で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 消費者向け総合金融サービスのイオンクレジットサービス(マレーシア)は12月21日、2024年第3四半期(2023年9ー11月)の純利益が前年同期比2%増の8,550万リンギとなったと発表した。

売上高も、ローンや融資の増加により、前年同期比16%増の4億8,650万リンギとなった。総取引・融資高が17.8%増の18億2,000万リンギとなったことが奏功した。2023年3ー11月の9カ月間の取引・融資高も前年同期比17.2%増の54億リンギとなった。

11月末時点での融資債権額は、前年同期比12.4%増の119億リンギで、不良債権比率は2.73%だった。

イオンクレジットは、デジタル化を継続的に実施しており、電子本人確認(eKYC)やスコアリングモデルの導入によりオンライン申請の時間短縮を図ったことで、申請数増加につながったと説明。今後は、審査通過率の向上を目指し、人工知能(AI)ベースのクレジット・スコアリングサービスを活用し、申込プロセスを最適化・強化していくとしている。生産性や回収実績の向上に向け、高リスク顧客を対象としたリスクベースの回収アプローチも採用するという。

オムロンのマレーシア工場、環境負荷軽減活動で受賞

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 オムロン(本社・京都市下京区)は20日、同社デバイス&モジュールソリューションズカンパニー傘下のマレーシア工場が、経営専門誌「エイジアンビジネスレビュー」が主催する「マレーシア・マネジメント・エクセレンス・アワーズ2023」の「チーム・オブ・ザ・イヤー(電子機器製造部門)」を受賞したと発表した。

同賞は、マレーシアのビジネス界で優れた業績を上げたリーダーやイノベーター、チームを表彰する制度。マレーシア工場は、これまでグローバルで深刻化する環境問題に対し、生産工程における二酸化炭素(CO2)排出削減やエネルギー効率の向上など、環境負荷の軽減に貢献する取り組みを行ってきた。ホットランナーの改良や自動リサイクルシステムの導入、部品洗浄プロセスにおける揮発性有機化合物(VOC)削減など、チームで連携し生産工程の技術革新に取り組むことで、515トンのCO2排出量の削減を実現した。この功績が高く評価されたという。

オムロンは2022年4月にスタートした長期ビジョン「シェイピング・ザ・フューチャー2030」において、「事業を通じた社会的課題の解決」と「脱炭素・環境負荷低減の実現」をサステナビリティ重要課題として定め、自社商品・サービスの提供を通じたカーボンニュートラル社会の実現、自社拠点におけるカーボンニュートラルの推進にも取り組んでいる。

イオンビッグ、TNBとの提携でソーラーパネルを5店舗に設置へ

【クアラルンプール】 イオン・ビッグ(M)は20日、電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の太陽光発電部門であるGSPARXと提携し、5店舗にソーラーパネルを設置すると発表した。発電容量は合計5.5メガワット(MW)、設置費用は1,500ー2,000万リンギ。

設置店舗は、▽ワンサ・マジュ店(クアラルンプール)▽バンダル・トゥン・フセイン・オン店(セランゴール州)▽ブキ・リマウ店(同)▽シャアラム店(同)▽ペナン・プライ店(ペナン州)ーー。来年以降、他店舗に展開することも検討している。両社は再生可能エネルギー供給契約(SARE)を締結した。
イオン・ビッグは、ドライブスルー・リサイクルセンターとしても認定されており、ワンサ・マジュ店の駐車場には同社にとり初となる電気自動車(EV)充電設備も設置している。

イオン・ビッグの親会社であるイオン・カンパニー(M)が4月にGSPARXとの間でSAREを締結しており、イオン・ビッグやイオンモールに太陽光発電設備を設置していくと発表していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月21日)

プロドゥア、ダイハツ不正の影響について詳細調査を実施

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は20日、ダイハツの不正問題を受け、現在詳細な調査を進行中であり、またマレーシア当局との間でプロドゥア車への影響について協議しているとの声明を発表した。

ダイハツは現在生産しているほぼ全車種と、過去に生産した一部の車種の安全性テストで不正を行っていたことが発覚しており、国内外の全車種の出荷を一旦停止するとしている。対象車は、ダイハツブランドで販売されているモデルと、トヨタ、マツダ、スバルに相手先ブランド生産(OEM)供給しているモデル。プロドゥア車も含まれており、第1世代と第2世代の「アジア」、「アルズ」、第2世代の「アルザ」、「アティバ」、「マイヴィ」、「ベザ」となっている。トヨタでは「ラッシュ」、「ヤリス」、「ヴィオス」、「ヴェロズ」が含まれている。

プロドゥアは声明で、顧客に心配を掛けていることを謝罪するとし、協議の結果については追って発表する予定だと述べた。
(ザ・スター、12月21日、ポールタン、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月20日)