イオンマレーシア、4ー6月期は36.2%の大幅減益に

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)は、2023年度第2四半期(4ー6月期)決算を発表、売上高は前年同期比5.7%減の10億3,300万リンギ、純利益は36.2%減の3,019万リンギにとどまったと明らかにした。売り上げ減少と営業コストの増加が響いた。

同社がブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、上半期(1ー6月)の売上高は前年同期比2.0%増の21億3,984万リンギとなった。小売部門ではIOIプトラジャヤの新店舗と南部地域の店舗が、不動産管理部門では稼働率の向上と賃料アップが売上高向上に貢献した。一方、純利益は9.3%減の6,837万リンギにとどまった。

小売部門は、新型コロナ流行がエンデミック期に入ったことによる国境再開と経済、社会、観光活動の再開にともなうペントアップ需要(繰越需要)で売り上げが急増した前年同期からの反動で、今期の売上高は7.9%減の8億6,400万リンギとなった。一方、不動産管理部門は稼働率の向上により、売上高が7.5%増の1億6,900万リンギとなった。

イオンマレーシアの大野恵司社長は、「前年同期に経験した異常な需要は沈静化し、現在の収益はより典型的な市場トレンドに沿ったものになっている」と説明。今後については「サプライチェーンや通貨の評価に影響を与える不安定な国際情勢により、世界経済は引き続き厳しい状況にある。 外国人観光客数の回復や雇用率の改善が国内経済を支えている一方、必需品のインフレ脅威が迫っており、国内の裁量支出がさらに抑制される可能性がある」と分析した。
(マレーシアン・リザーブ、エッジ、8月22日、イオン発表資料)

パナソニック製造、4ー6月期は78.3%の増益

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  パナソニック・マニュファクチャリング・マレーシアは21日、同社2024年度第1四半期(2023年4ー6月)の純利益が前年同期比78.3%増の2,042万リンギとなったと発表した。鉄鋼など主要原材料費用の減少、為替差益や金利引き上げに伴う受取利息の増加などが寄与した。

一方、売上高は、中東や東南アジア諸国連合(ASEAN)、特にベトナムやシンガポールでの扇風機製品需要が鈍化したことなどから、前年同期から6.34%減の2億2,824万リンギに減少した。

前期比では、純利益は約3倍となり、売上高は、生活家電や暖房・換気・空調製品の国内売上増加により、前期から16.73%増加した。

同社は今後について、インフレ率上昇、地政学的緊張の激化、中国の景気回復遅延などの要因で、世界経済の成長は鈍化するが、国内経済は、底堅い内需に支えられ、今年後半に緩やかなペースで拡大すると予想。生産性向上や効率化に向け、製造施設におけるテクノロジー活用を進展させると同時に、コスト削減策を継続的に実施し、収益性を改善していくとした。

レクサスマレーシア、「RX500h Fスポーツ」の販売を開始

【クアラルンプール】 レクサス・マレーシアは、レクサスのスポーツ車(SUV)「RX500h Fスポーツ」の販売を開始したと発表した。

同社は今年5月に、第5世代となる「RX」シリーズから「RX350ラグジュアリー」の販売を開始しており、今回発売を開始した「RX500h Fスポーツ」は「RX」シリーズ2モデル目となる。

「RX350ラグジュアリー」と同様、日本からの輸入完成車(CBU)。「RX500h Fスポーツ」には、排気量2.4リッターのターボチャージャー付き4気筒ガソリン・エンジンを搭載し、パラレル式ハイブリッドシステムを採用した。0ー100キロメートル/時の加速時間は6.2秒。ダイナミック・リア・ステアリング(DRS)も搭載されている。ボディカラーは4色。

保険なしの価格は49万8,888リンギ。5年間(走行距離無制限)の保証が付帯する。ハイブリッド・バッテリーには、8年間(走行距離無制限)の保証が付くが、追加料金を支払うことでさらに2年間延長することも可能となっている。
(ポールタン、8月18日)

ネクストグリーン、空果房成型パルプの試験生産を開始

【ペタリンジャヤ】 パルプ・製紙メーカーのネクストグリーン・グローバル(NGGB)は、日本のクラウン・パッケージ(本社・愛知県小牧市)との合弁会社(JV)であるネクストグリーン・クラウニング・パッケージ・パルプ・モールディング(NGCP)が、パームヤシ空果房(EFB)を原料とする、食品グレードの成型パルプの試験生産を開始したと発表した。

NGGBがパハン州ペカンに構えるグリーン・テクノロジー・パーク(2022年7月に開設)内にNGCPが建設していた、総建築面積1万4,780平方フィートの成型パルプ製造工場が完成したことによる。同工場では成型パルプ400万ユニットの製造が可能だという。

NGGBのリム・シアムフアット社長は、空果房の可能性を見出すのに何年もの研究を要したが、クラウン・パッケージとの長年にわたる緊密な協力関係により、努力が実を結びつつあるとし、この合弁事業の成功がNGGBにプラスに貢献すると確信していると述べた。

NGCPはEFBを原料とする成型パルプの製造・販売および日本への包装資材の販売を目的とし、2020年7月に設立された。
(ザ・サン、8月18日)

ジャパンエキスポマレーシア2023、18-20日にKLで開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアで最大級のオールジャパンイベント「ジャパンエキスポマレーシア2023」が8月18ー20日の3日間、クアラルンプール郊外のショッピングモール「パビリオン・ブキジャリル」で開催される。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大の影響を受け2021ー2022年の開催が休止されたため、3年ぶりの開催となる。第5回となる今回は、日本ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力50周年記念事業にも認定された。主催はタイで同様のイベントを運営するジーユークリエイティヴ。

櫻坂46、バリスティック・ボーイズ・フロム・エグザイル・トライブ、サイキック・フィーバー・フロム・エグザイル・トライブなどの日本のアーティストが来馬しライブを開催。その他、カルチャーパフォーマンス、食、旅行、アニメ、コスプレ、ヘルス・ウェルネス、教育など、幅広い分野のイベントをゾーンごとに実施し、岐阜県やグロービス経営大学院などもブースを出展する。18日のオープニングセレモニーには、在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使やマレーシア政府観光局(ツーリズム・マレーシア)のアンマル・アブドル・ガパー局長も出席する。

日本は地政学的問題でASEANとの関係をさらに強化=髙橋大使

【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使は、世界が直面している地政学的な問題に対処するため、日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係をさらに強化していると述べた。

16日に開催された日ASEAN友好協力50周年に関するフォーラムの基調講演で髙橋大使は、ASEANのアジア太平洋・インド洋地域への関与の指針となる「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」は、域内での平和を維持し強化するために、他の全てのASEANパートナー国や日本の支援を受けて主流となるべきだと言明。日本はASEANの中心性を尊重し、今後もASEAN諸国との協力を継続していくと述べた。

マレーシアとの関係について、髙橋大使は、今後もルックイースト(東方)政策を継続し、両国により大きな利益を提供できるよう対象範囲を広げていきたいと表明。日本とマレーシアの関係は、もはや寄贈国と受贈国ではなく、お互いに補い合い、地球規模の問題に共に取り組む戦略的パートナーとなっていると言明。日本もマレーシアから学ぶ必要があり、特に多民族国家として社会的な安定を維持する点については学ぶことがあると述べた。

日本とマレーシアは2015年、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げした。昨年10月には「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることを目指して、協力することで合意している。
(ベルナマ通信、8月16日)

マレーシア人訪日者数、7月も大幅増の1万7400人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年7月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は1万7,400人となり、前年同月比で10.8倍となったが、前月比では20.9%減となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和の影響等もあり、訪日外客数は大幅に増加した。また、2019年同月比ではマイナス24.2%となった。クアラルンプールー関西空港間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。
1ー7月では21万1,600人となり、前年同期比で33.3倍となったものの、2019年比では18.9%減となった。

7月の世界全体の訪日者数は、前年同月から16.1倍の232万600人となったが、2019年同月からは22.4%減となった。年初7カ月では1,303万2,900人となり、前年同期比20.0倍、2019年比マイナス33.6%となった。

JNTOは、新たな観光立国推進基本計画等を踏まえ、観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつ、インバウンドのV字回復を図る必要があると指摘。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、ミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

東京海上の東南アジア資産、第一生命と日本生命が買収を検討

【クアラルンプール】 東京海上ホールディングスは東南アジアの生命保険事業の売却を検討しており、第一生命ホールディングスや日本生命保険が買収を検討している。ブルームバーグが消息筋の情報として報じた。

第一生命と日本生命は、金融アドバイザーと協力し、東京海上のマレーシア、インドネシア、シンガポール、タイでの事業を含む東南アジア資産に対する拘束力のない買収案を検討している。他の保険会社は一部市場の買収について興味を示しているが、東京海上は東南アジア資産をパッケージとして売却することを希望しているという。消息筋は、拘束力を持たない買収案は今後数週間以内に示される方向だとしているが、第一生命、日本生命、東京海上の代表者はブルームバーグの取材に対し、コメントを控えている。

ブルームバーグは4月に、東京海上が東南アジア生保事業(評価額約10億ドル)の売却に関する関心を探っていると報じていた。

東京海上は1879年に日本初の損害保険会社として設立。翌年にはロンドン、パリ、ニューヨークで元受保険の営業を開始した。現在では生命保険と損害保険の両方を提供し、日本以外の46カ国でも事業を展開している。国際事業が利益の54%を占めている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ブルームバーグ、8月15日)

アストロ、三井住友銀行から4億リンギの中長期融資枠を確保

【クアラルンプール】 有料テレビ放送のアストロ・マレーシア・ホールディングスの完全子会社で衛星放送に携わるミアサット・ブロードキャスト・ネットワーク・システムズ(MBNS)は、マレーシア三井住友銀行(SMBC)から最大4億リンギのタームローン(中長期貸付)枠を確保した。

アストロが14日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、今回確保した融資枠は、2018年8月にSMBCから借り入れた3億8,000万リンギの既存タームローンを借り換えるためのもの。借入金は、コンテンツ・番組・チャンネルの制作・購入・ライセンス取得、セットトップボックスの購入(ベンダーファイナンスの清算を含む)、資本支出、営業支出などに充てる。複数回に分け段階的に融資を受ける予定で、3カ月以内に最初の融資を受ける予定。返済は最初の借入日から2年後に分割払いの最初の支払いを行う予定で、4年以内に全額返済する。1年間の延長オプションも付与されている。

アストロの2024年度第1四半期(2ー4月)の売上高は前年同期比7.38%減の8億9,113万リンギ。純利益は、84%減の1,590万リンギだった。
(エッジ、8月14日)

川崎重工、マレーシアなどでの仮想同期発電機制御調査事業が採択

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 川崎重工(本社・東京都港区および兵庫県神戸市)は9日、インバータ製造に取り組むアイケイエス(本社・京都市中京区)と提案した「フィリピン・マレーシア/仮想同期発電機制御(VSG)調査事業」が、日本の経済産業省による「令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)」に採択されたと発表した。

今回採択された調査事業では、再生可能エネルギーの主力電源化において必須となる、系統安定化効果を持つ「VSG」を搭載したインバータについて、新たな再エネソリューションとしての実現性を検証するとともに、当該ソリューションのモデルプロジェクトを組成しながら製品サプライチェーン構築の検討を行う。また、フィリピンにおいてVSGを活用したエネルギーシステムの構築に取り組むことで、VSG技術の海外展開を図るとともに、フィリピンをはじめとする東南アジア諸国連合(ASEAN)等でのVSG技術の普及拡大が期待できるという。

川崎重工は、同調査事業を通じて、再生可能エネルギー大量導入による課題を解決し、カーボンニュートラルの実現に貢献していく方針だ。