KLーシンガ高速鉄道、来年1月に提案依頼書プロセスを開始

【クアラルンプール】 民間主導での復活を目指しているクアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)建設計画は、来年1月15日以降に提案依頼書(RFP)提出プロセスを開始する見通しだ。

アンワル・イブラヒム首相が12日に行った内閣改造で副公共事業相に就任したアハマド・マスラン氏は同日、コンセプト提案書の提出期限が来年1月15日であるため、RFPプロセスはその後開始されると説明。RFPの締切日から1カ月以内に、建設を請け負う企業を決定すると述べた。HSRについては、国内企業以外にも、中国、日本、韓国、欧州企業合わせて30社以上が関心を示しているとし、早期の開始を望んでいると述べた。建設費については、以前は700億リンギ程度になると見込まれていたが、現時点では1,000億リンギまで膨れ上がっているという。

HSR建設計画は、HSR開発の権限を持つMyHSRコーポレーションが、国内外の業界関係者からの要請を受け、当初11月15日となっていたコンセプト提案書の提出期限を来年1月15日まで延長していた。
(エッジ、ベルナマ通信、12月12日)

ペイネット、海外旅行者向けのQRコード決済アプリを発表

【クアラルンプール】 銀行間決済システムを運営するペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)は11日、海外からの旅行者を対象としたQRコード決済アプリ「MYツーリストペイ 」を発表した。

マレーシア国内で広く使われているQRコード決済「ドゥイットナウQR」は、国内銀行のみが対応しているため、これまでは海外からの旅行者は利用できなかった(QRコード決済の相互接続を行っている、タイ、インドネシア、シンガポールを除く)。「MYツーリストペイ 」では、マレーシアの銀行口座がなくても、国外発行のクレジットカード・デビットカードを登録するだけでドゥイットナウQR決済を利用できるようにした。なおアプリにはパスポート表記のフルネーム、電子メールアドレス、電話番号の入力も必要となっている。

ペイネットのファルハン・アフマド最高経営責任者(CEO)は、「MYツーリストペイ」 は、現金とQRコード決済のみを支払い方法として受け付けている農村部などで真価を発揮するとし、シームレスな決済方法を展開することで、旅行体験を向上させるだけでなく、地域経済にも大きく貢献できると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月12日、ローヤットドットネット、フィンテック・ニュース・マレーシア、12月11日)

トロピカナ、「WKLホテル」を2.7億リンギで売却

【クアラルンプール】 不動産開発のトロピカナ・コーポレーションは、完全子会社、トロピカナ・レジデンス(TRSB)が6日、IOI PFCCホテルおよびフローラ・デベロプメントと「Wクアラルンプール・ホテル(WKL)」の売却に向けて売買契約 (SPA) を締結したと発表した。売却先の2社は共に、IOIプロパティーズの間接子会社。

売却額は2億7,000万リンギ。取り引きは2024年第1四半期の完了を見込んでいる。 トロピカナは、売却益のうち1億500万リンギをWKLによる銀行からの借入金の返済、1億6,486万リンギを トロピカナ・グループの借入金返済にそれぞれ充てる。

WKLはジャラン・アンパンとジャラン・P・ラムリーの交差点に隣接する25 階建てホテルで、2018年8月に開業。客室150室、総床面積1万2,917平方フィートの会議場及び宴会場、346台分の駐車場などを有する。 トロピカナ・グループは、今年9月30日時点での借入総額は32億6,000万リンギに上っており、今後も資産売却を進めていく方針とみられる。

クチンの自動高速輸送システム、2026年初頭にも営業運転開始

【コタ・サマラハン】 サラワク州クチンで計画されている自動高速輸送(ART)システムについて、建設プロジェクトを視察した同州のリー・キムシン運輸相は、最初の路線が2025年末までに完成する予定だと明らかにした。早ければ2026年初頭の営業運転開始を予定している。

ARTの初の路線となる「ブルーライン」は、レンバスからリベリアまでの27.6キロメートル(km)を結ぶ路線で、レーザー光線を使って対象物の距離を測定するLiDARセンサーを使った誘導システムが採用されている。車両は今年9月に中国から到着しており、すでに概念実証(POC)が行われている。これまでに2,500人が試乗したが、結果は良好だという。

クチン都市交通システム(KUTS)の中心となるART計画では、「ブルーライン」のほか、クチン・セントラルとペンディングを結ぶ「レッドライン」(全長12.3km)、ペンディングとサントゥボンのダマイを結ぶ「グリーンライン」(同30km)が計画されており、全線開通は2027年末、運行開始は2028年を予定している。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、12月6日)

ティオンナム、KLIA近隣に大型シェアハウスをオープンへ

【セパン】 物流大手のティオン・ナム・ロジスティックス・ホールディングスは、セランゴール州セパンに大型シェアハウスの「ブリックスKLIAバイ・パインツリー」をオープンすると発表した。

4フロア・全87室で、5つの客室タイプを有し、クアラルンプール国際空港(KLIA)から車で15分という利便性の高い場所に位置する。乗り継ぎやワーケーション(旅行地で余暇を楽しみながら仕事をする働き方)などの短期滞在から、長期滞在まで対応している。コワーキングスペース、ジム、カフェテリア、エンターテインメント・ルーム、コミュニティ・キッチン、コンビニエンスストア、コインランドリーなどの設備も有している。

ティオン・ナムのホテル&ホスピタリティ責任者であるジョニー・ラウ氏は、ブリックスKLIAはティオン・ナムにとって、共同生活宿泊施設事業への進出の第一歩となるとし、ブリックスKLIAは、快適性、利便性、コミュニティ・リビングの要素を含んでおり、KLIAを利用する旅行者に便利な体験を提供することを目指していると述べた。
(ザ・サン、12月7日)

エアアジア、来年3月にコタキナバルーソウル線を就航

【セパン=マレーシアBIZナビ】 格安航空会社のエアアジアは5日、2024年3月4日にコタキナバルーソウル(仁川)間で直行便を就航するとし、コタキナバルを国内で2番目の規模の拠点とすると発表した。

デイリー運航でスケジュールは、「AK1623」便がコタキナバル発18時5分、ソウル着翌0時5分。「AK1624」便がソウル発1時5分、コタキナバル着が5時35分となる。

就航を記念し、12月24日までの予約で片道349リンギから利用できるキャンペーンを実施する。キャンペーン運賃が適用されるのは2024年3月4日から10月26日の便までで、予約の申し込みはエアアジア・スーパー・アプリとウェブサイトで受け付けている。

エアアジア・マレーシアのリアド・アスマット最高経営責任者(CEO)は、コタキナバルとソウルを結ぶ直行便を運航する初の国内航空会社となることを嬉しく思うとコメント。新たな路線を開設することは、アジア全域の地域社会を結び、経済成長を促進させ、地域統合を強化するという同社ビジョンとも一致しているとした。

ハードリカー販売免許の新規発行は依然凍結=KL市政府

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は5日、雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局におけるハードリカー販売免許について、更新手続きの審査は進めているものの新規発行の凍結措置については依然として有効だと明らかにした。

10月に新たな委員会メンバーが任命された物品免許委員会(ELBKL)は、免許更新に関する審査のみを行っており、11月23日に開催された審査会合で承認された1,519件は全て更新案件で、新規発行はないという。
ELBKLのロナルド・プア新議長は先ごろ、規制を遵守している限り、ハードリカーの販売は許可されるとした上で、あくまで申請はケースバイケースで検討されると述べていた。

DBKLは2021年11月1日、酒類販売に関する新たなガイドラインを発表。ビールの販売時間や保管場所を制限したほか、食料雑貨店、コンビニエンスストア、中医薬局におけるハードリカー販売を禁止した。これを受けて華人の商工団体などが権利侵害だとして反発していた。
(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、12月5日)

デジタル入国カード事前登録義務、年内は猶予=内務相

【セパン】 12月1日付けで外国人入国者に対して義務付けられたマレーシア・デジタル入国カード(MDAC)の事前登録について、サイフディン・ナスシオン内務相は、年内は猶予すると発表した。ただ1月1日からは到着2ー3日前の登録を義務付ける。

5日にクアラルンプール新国際空港(KLIA)第1ターミナルで「ビザ自由化計画(PLV)」の実施状況を視察したサイフディン内相は、こうした新制度をマレーシア到着時に知る旅行者もいるため、到着時にもMDAC登録できるよう実施において柔軟性を持たせてあると言明。MDAC事前登録制度そのものについては、「観光客の入国条件を緩和しても、安全管理が損なわれないようにするには同制度が重要」と述べ、セキュリティ機能を強調した。

またサイフディン内相は、MDAC登録義務について▽シンガポール国民▽マレーシア永住権保持者▽マレーシア長期滞在パス保持者▽外交パスポート保持者▽ブルネイ一般身分証明書(GCI)保持者▽ブルネイ・マレーシア頻繁旅行証保持者▽タイおよびインドネシア国境パス保持者ーーの7つのカテゴリーに対しては免除されると述べた。

KLIAでは、中国とインドからの旅行者に対して12月1日付けで最長30日間のビザなし滞在を認めることを受け、混雑回避のために新たに入国管理局カウンター14カ所を設置し60カ所に増強した。
(ザ・スター、12月6日、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、12月5日)

バイオアルファ、ランカウイでハーブのアグロパークを開発へ

【クアラルンプール】 機能性食品の総合メーカー、バイオアルファ・ホールディングス(BHB)は4日、完全子会社、バイオアルファ・ウェルネスがケダ州ランカウイのハーブに焦点を当てたアグロパーク開発に向けて、ランカウイ開発庁(LADA)と管理運営契約を締結したと発表した。

アグロパークは、ハーブ栽培、研究開発(R&D)から製品加工に至るまでのサプライチェーンの全領域を網羅する統合施設で、ランカウイの新たな観光地となると共に、ハーブ栽培と農業に関する国際会議、インセンティブ、カンファレンス、展示会(MICE)イベントに対応する施設となる。

ハーブ栽培では地元の農家と協力し、100種類を超えるハーブ由来の製品を製造する。

BHBによる推定投資額は1,500万リンギで、内部資金と銀行からの借入金で賄う。直ちに着工する予定で、3年後の開園を目指す。

アグロパークの立地は、ランカウイ国際空港から約1キロメートルの距離にある、パダン・マトシラットの一等地にある8エーカーの土地。LADAは地主として、契約日から向こう30年間の土地使用権をBHBに付与する。BHBはアグロパークの開発を実施し、完成後はアグロパークの管理・運営を手掛ける。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月4日)

動画配信のティックトック、マレーシアでECモールを開設

【ペタリンジャヤ】 動画配信サイトの「ティックトック」は、ブランド旗艦店や公認オンライン小売店専用の「ティックトック・ショップモール」をマレーシアで立ち上げたと発表した。ティックトックから直接商品を購入できる「ティックトック・ショップ」機能を発展させたもので、600以上の国内外ブランドを厳選し、100%本物のオリジナル商品や信頼できるカスタマーサービス、限定特典を提供する。

ティックトック・ショップ・マレーシアの店舗獲得・提携責任者であるヌール・アズレ氏は、「ティックトック・ショップモール」のマレーシアでの立ち上げは、ティックトックで販売を行う中小企業やブランドの成長を強化するものだとし、売り手は商品に対する信頼性を担保でき、買い手はお気に入りのブランドを簡単に見つけられるようになると言明。実店舗のオンライン部門であれ、オンライン販売のみを行う中小企業であれ、ティックトックは変わらず支援していくとし、各社のブランド成長に貢献できることを願っていると述べた。
(ザ・サン、12月5日)