ペナン軽便鉄道、北の終点をタンジョンブンガに延伸へ

【ジョージタウン】 アンソニー・ローク運輸相は、ペナン島で計画されている軽便鉄道(LRT)計画第1期について、北の終点を現計画のコムターからさらに北部のタンジョン・ブンガまで延伸する方向で検討する考えを示した。バヤンレパスLRT(BLLRT)計画は当初ペナン州政府が単独で進めていたが、先ごろ連邦政府が追加資金提供を約束していた。

LRTプロジェクト視察のためにペナンを訪問したローク運輸相は予定されていた3島の人工島建設計画が1島に縮小されたことから、これに応じてLRT計画も見直す必要があると指摘。人工島に建設予定だった車両基地を既存の土地に建設することで連邦政府と州政府が同意したとして、予定より早く工事が進む可能性があると述べた。また車両基地の立地が決まれば年内にも第1期工事の入札が行われる予定だとし、推進母体である政府系MRTコープがコムター止まりではなくタンジョン・ブンガまで延伸する方が望ましいと考えていると述べた。

ペナンLRTの建設費用について、MRTコープは社債発行を計画している。第2期ではペナン海峡を越えてバターワース、ケパラ・バタスまでの延伸が計画されている。
(ザ・スター、5月31日、エッジ、5月30日)

イポー、6月から毎週土曜にレジ袋有料化

【イポー】 イポー市議会(MBI)は、6月1日から毎週土曜にレジ袋の使用で20センを徴収する「ノー・プラスチックバッグ」キャンペーンを実施すると発表した。

ルマイジ・バハリン市長は、キャンペーンは、環境の持続可能性に向け使い捨てプラスチックを減らすことを目的としており、徴収された20センは、学生や一般市民を対象とした環境維持プログラムの実施や、リサイクルキャンペーンに使われると述べた。

ルマイジ市長によると、同キャンペーンには、スーパーやコンビニ、ファストフード店、薬局など1,378店舗が参加し、対象店舗には「ノー・プラスチックバッグ・デー」参加店舗証明書が掲示される。事業許可証に追加条件を付与することで料金徴収を可能にしているという。

ルマイジ市長はまた、今月18日には、イポー市のライセンス部門が環境衛生部門と共同で120社との対話セッションを行い、その結果、22事業所(18%)が「レジ袋を使用しない事業所」として登録されたと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、5月29日)

ペナン島で住宅の短期レンタルが禁止に、宿泊業界は歓迎

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 ペナン州政府が25日、ペナン島内の個人所有の住宅短期レンタル(STRA)を同日付で禁止すると発表し、宿泊業界が歓迎の意を示している。STRAは「Airbnb」や「booking.comなどがネット仲介を行っている。

ペナン島市議会(MBPP)のラジェンドラン・アンソニー市長によると、▽サービス付きアパート▽スモールオフィス・ホームオフィス (SoHo)▽スモールオフィス・フレキシブルオフィス (SoFo)▽スモールオフィス・バーチャルオフィス (SoVo)▽オフィススイート▽デュプレックス・オフィスーーの6カテゴリーの商業施設は規制対象外。

個人でなく商用カテゴリーでSTRAを行うことは可能だが、それぞれの共同管理団体(JMB)または管理法人(MC)の承認を得る必要があり、年次総会で他の住民から75%の「賛成」票を得る必要がある。JMBとMCは1ユニット当たり最大250リンギの新規登録料、及び年間250ー500リンギの年会費を徴収する。
また各ユニットはMBPPに登録する必要があり、所有者はマレーシア会社委員会(CCM)の書類を提出する必要がある。この他、1ユニットあたり1,000ー3,000リンギの1回限りの保証金が求められる。STRAユニットのレンタルは年間最大で180日許可され、週3日に制限される。

マレーシア・バジェット・ビジネスホテル協会(MyBha)のガネーシュ・ミシェル会長は、ホスピタリティ・観光業界はここ数年、民間のSTRAによる打撃を受けているとして、禁止を決めたことは観光産業の改善に向けた良いスタートになるとコメント。ペナンで暮らしたい人に多くの住宅を提供できるようになるため、長期的な家賃低下にもつながると述べた。

KFCとピザハットが慈悲メニューに参加、低価格商品を提供

【クアラルンプール】 ファストフード・チェーンのケンタッキー・フライド・チキン(KFC)とピザハットは29日、5リンギ(約150円)の「慈悲(ラーマ)メニュー」を開始すると発表した。

KFCではチキン1ピース、バタースコッチ・バン、ミネラルウォーターを、ピザハットではパーソナルピザ(1人用小サイズピザ)とミネラルウォーターをセットにし、それぞれ5リンギで提供する。

サラフディン・アユブ国内取引物価相は、大手ファストフードである両ブランドが参加したことで慈悲メニューに対する懐疑的・否定的な意見が払拭できるとし、現在、大手レストランを含む3,000の食品販売業者が慈悲メニューを提供していると述べた。慈悲メニューは、食品価格の高騰に対する短期的な解決策として今年1月から始まったものだが、現在では、食品以外にも低価格商品を提供する動きが全国に広がっている。食品販売業者の参加は任意で、当初は赤字覚悟の参加が必要だったが、後に国内取引物価省が金銭的インセンティブを提供するとした。

両ブランドを国内展開する、QSRブランズ(M)ホールディングスのネーチャル・カンナ社長兼最高経営責任者(CEO)は、慈悲メニューは企業の社会的責任、つまり地域社会への恩返しであるとし、困難な時期を乗り切るために、現実的で実行可能な解決策だと述べた。
(マレー・メイル、5月29日)

眼鏡販売のフォーカスポイント、今年は12店舗をオープン

【ペタリンジャヤ】  眼鏡販売チェーンのフォーカス・ポイント・ホールディングスは、今後3ー5年間について、マレーシアの眼鏡事業に引き続き注力するとし、市場シェア拡大のため新店舗をオープンすると発表した。昨年15店舗をオープンしたのに続き、今年は12店舗のオープンを目指す。

リアウ・チョンリアン社長兼最高経営責任者(CEO)は、24日に開催された年次総会後の会見で、同社はマレーシアにおいて国内最大の店舗数を誇る眼鏡・コンタクトなどのビジョン・ケア店となっていると強調。マレーシア眼鏡委員会(MOC)が2021年8月、Eコマースのプラットフォームにおける眼鏡やコンタクトレンズの販売を禁止したため、2022年会計年度で眼鏡部門の電子商取引の売り上げが30.55%減少したが、今後も同社グループはMOCが定めたガイドラインに準拠した製品を提供し、Eコマース事業を拡大し続けると述べた。

なおソー・ジンチュエン最高財務責任者(CFO)によると、昨年の小売店事業の成長率は46.7%、法人事業が63.8%、フランチャイズ事業が33.4%だった。同社は今年も小売店事業、法人事業、フランチャイズ事業、Eコマースにおける売り上げ増を目指して継続的に取り組む方針だ。
(ベルナマ通信、5月24日)

ブックエクセス、ガーデンズモール屋上に新店舗をオープン

【クアラルンプール】 書店チェーンのブックエクセスは、クアラルンプールのショッピングモール「ガーデンズ・モール」の屋上に新店舗をオープンした。

2棟に分かれており、1棟は子供向け、もう1棟は大人向け書籍を取り揃えており、レストラン、イベントスペースも有している。ムスリムフレンドリーな(イスラム教徒への配慮のある)レストラン「レッド・レッド・ボタック・ヘッド」では、伝統的なマレーシア料理に新味を加えた料理を提供し、週末のイベントやバンドによる生演奏も行われる。書籍スペースでは、ブックエクセスの他店舗同様、何層にも重なった本棚やスロープ、通路があり、探検気分も味わうことができる。営業時間は毎日午前10時ー午後10時。

ブックエクセス創業者のアンドリュー・ヤップ氏は、屋上の庭に書店を作るのは少し難しかったが、こういった挑戦により、常に進化し続けることができるとコメント。新店舗は夜にパーティーを開催できるようなイベントスペースになるとし、他書店とは違う工夫を続けていると述べた。
(ザ・バイブス、5月25日)

パーム油由来のTRF、食品の追加栄養素として承認=MPOB

【クアラルンプール】 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)は25日、トコトリエノール含有量が高いパーム油由来のビタミンEであるパーム・トコトリエノール・リッチ・フラクション(TRF)が、食品に許可される追加栄養素として分類されたと発表した。

マレーシア保健省(MoH)が臨床研究とグループ研究からの最新の証拠に裏付けられた厳格な技術審査を経て、栄養機能表示を承認した。これによりパーム由来のトコトリエノールを使用する食品加工メーカーは自社製品にTRF機能性表示ラベルを付けることができるようになり、TRFの効能に対する一般の認識が高まることが期待される。

MPOB会長のモハマド・ヘルミー・オスマン・バシャ会長は、「この栄養機能表示は、液体食品の場合は100ミリリットルあたり少なくとも10ミリグラムのTRFを含む食品、固形食品の場合は100グラムあたり少なくとも10ミリグラムのTRFを含む食品に使用できる」と述べた。

モハマド・ヘルミー会長によると、TRFには多くの利点があり、その中には酸化ストレスを軽減し、認知機能を改善するのに役立つ抗酸化物質があるという。
モハマド・ヘルミー会長は、世界保健機関(WHO)の呼びかけに沿ってトランス脂肪酸(TA)を排除するなど、パーム油生産チェーンのすべての関係者が国内のパーム油生産の品質向上に取り組む必要があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月25日)

出入国システムの入れ替えは25年8月、管理当局統合は24年

【クアラルンプール】 新たな出入国管理システムの導入は25年8月になるもようだ。また出入国管理業務にかかわる省庁統合は24年1月に実現する。サイフディン・ナスシオン内務相が24日、議員の質問に文書で回答した。

現行のマレーシア出入国管理システムは20年以上前の導入だ。時代遅れで、将来のニーズに対応できないとされ、システム更新が計画された。

前政権時代にハムザ・ザイヌディン内相(当時)は、24年末までの導入を計画していると表明していた。複数の警備関連機関の情報を統合し人工知能とビッグデータ分析技術を利用してリスクを探知する「リスク評価エンジン」の搭載が目指されている。

サイフディン氏は、システム受注業者に新システム構築の能力がないと判断されれば、政府は業者を変更すると述べた。

出入国管理担当機関の統合は18年からの懸案事項で、入国地点での行政サービスの改善が狙い。

サイフディン氏によると、入国地点では入管、税関、検疫、警備間の調整不足、設備の老朽化、混雑を招きやすい建物の設計など多くの課題がある。
(ザ・スター、5月26日、エッジ、5月24日)

プロトン、セランゴール州に新3Sセンターをオープン

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、セランゴール州セリ・ケンバンガンのプンチャク・ジャリルに新たな3S(販売、サービス、部品交換)センターをオープンした。

同州プチョンで1S(販売)センターおよび4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)センターを運営するプロトンのディーラー、アティアラ・ジョハン・グループが運営するもので、同社グループにとり3カ所目のプロトン車販売拠点となる。
自動車10台を展示できるショールーム、10基のサービスベイ、1日当たり最大60台に対してクイックサービスを提供可能なスペア・パーツ・センターを備え、ラウンジや保険更新などのサービスも行うほか、顧客を送迎するシャトルサービスも行う。板金や塗装を希望する顧客には、プチョンにある4Sセンターの協力の下でサービスを提供することも可能となっているという。

3Sセンターには太陽光エネルギー・システムが導入されており、環境に優しい施設となっている。
(ポールタン、5月23日)

玩具の中国ポップマート、1号店をパビリオンKLに開設

【クアラルンプール】 中国の玩具メーカー、ポップマート(北京泡泡瑪特文化創意)は、マレーシア1号店をクアラルンプール(KL)のショッピングモール「パビリオンKL」に開設した。

店舗面積は1,569平方フィート。人気のコレクターズアイテムや限定商品を取り揃え、ドアの色が変わるRGBライトや目を引く楽しいディスプレイを採用するなど、若者やミレニアル世代にアピールするような店舗デザインを取り入れている。営業時間は毎日午前10時ー午後10時。

グローバル事業責任者のジャスティン・ムーン氏は、マレーシアは、ポップマートの主要市場としてシンガポールの次に大きな可能性があるとし、今回の新店舗開設は、東南アジアにおける同社の事業展開が新段階に入ったことを示しているとコメント。シンガポールとマレーシアの社会や文化は似ており、一定規模のアートトイ収集市場が形成されているため、シンガポールでの店舗展開の経験を活かし、マレーシアでも事業を展開していくと述べた。また、急速に経済発展している東南アジアの国々では消費者の購買力が高く、市場成長も見込めることから、将来的には近隣諸国にも進出する可能性があるとした。

ポップマートは2018年に世界展開を開始。2022年末時点で実店舗を80店舗以上、ロボショップ(自動販売機)を200カ所以上海外に設置しており、その70%は東・東南アジア、30%は欧州、米国、豪州が占めている。2021年にシンガポールで実店舗を開設し、同国内で8店舗を展開。マレーシア向けオンライン販売も同年にスタートした。
(マレー・メイル、イーツァイ・グローバル、マレーシアキニ、5月22日)