デジタルノマド向け施設、年内に2000カ所の認定を目指す

【クアラルンプール】 昨年10月1日より開始されたデジタルノマド(ITを活用し旅行しながら働く人)向けビザ「DEランタウ」の認定宿泊施設「DEランタル・ハブ」数が年内に2,000カ所まで増加する見込みだ。テオ・ニーチン副通信デジタル相が明らかにした。

テオ副相によると、現在のDEランタル・ハブ数は764カ所で、そのうち339カ所はクアラルンプールに、278カ所はランカウイに、147カ所はペナンに位置する。通信デジタル省は拠点拡大に向け関係者との協議を続けており、3月にはマラッカ、今年の後半にはイポー、ジョホールバル、コタキナバル、クチンにも展開する予定だ。

テオ副相はまた、DEランタウ・ビザの現時点での申請数は2,400件で、そのうち承認されたのは53%だとし、入国管理局と共同でビザ悪用を防ぎつつ、より多くの外国人がマレーシアをデジタル拠点として選択するよう働きかけていくと述べた。
(ザ・サン、2月24日、ベルナマ通信、2月23日)

「ジャイアント」運営会社、DFIが地場企業連合に売却

【クアラルンプール】 DFIリテール・グループは、マレーシア国内で「ジャイアント」、「メルカト」、「ジャイアント・ミニ」のブランドで展開している食品小売部門から撤退すると発表した。

DFIリテールは、マレーシアの食品小売事業を統括するGCHリテール(マレーシア)を、SOGOデパートメント・ストアのアンドリュー・リム副会長が率いる企業連合に持株70%を売却することで合意した。今後はドラッグストア「ガーディアン・ヘルス・アンド・ビューティー」チェーンの成長に注力していく方針。残りの30%はネグリ・センビラン州王族系のシャリカ・ペサカ・アンタが所有している。

GCH買収に向け、リム氏が所有するUSPリソーシズとゲイリー・ヤップ氏が所有するギャップ・ホールディングスによる折半出資の新会社、マクロバリューが設立された。マクロバリューは2,500人いるGCHの従業員全員の雇用を維持する方針だ。3月上旬には売買取引を完了する予定。買収価格などについては明らかにされていない。

GCHは現在、「ジャイアント」40店舗、「メルカト」8店舗、「コールドストレージ」2店舗、「TMC」1店舗、「ジャイアント・ミニ」40店舗を運営している。2014年から2019年にかけて赤字が続いたことから、店舗数を半数まで縮小し、「ジャイアント・ミニ」の展開を図るなど経営改善に取り組んでいた。
香港を拠点とするDFIリテールは、旧称デイリー・ファーム時代の1999年に、オーナー一族であるテン一族からの「ジャイアント」事業買収を通じてマレーシアに参入していた。
(エッジ、マレー・メイル、2月23日)

LRTバンダラヤ駅の線路補修工事に7カ月要=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は22日、軽便鉄道(LRT)アンパン線バンダラヤ駅付近で起きた線路損傷について、修理に最長7カ月を要するため、9月頃までバンダラヤーマスジット・ジャメ間の運行を休止すると明らかにした。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアがコンサル企業アルプ・ペルンディンに依頼した調査の結果、バンダラヤ駅付近の高架橋や橋脚構造の損傷度が深刻だと判明し、近くの44階建て高層ビル工事現場からの飛散物が原因であることも再確認された。構造強化に向けた工事を3月初旬に開始し、2カ月で一時的な修繕を、残りの5カ月で総合的な修繕工事を行う。

ローク運輸相は、高層ビルの工事が公共陸運局(APAD)の許可なく開始されたため、開発業者に対して法的措置を検討しているとし、近隣住民に対し、通勤・通学に長期間支障をきたすことを謝罪すると述べた。運休期間中は代替シャトルバスを配備し、また、首都圏大量高速輸送(MRT)プトラジャヤ線の3月の全線開通後には代替ルートとして利用できるとしている。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月23日、ポールタン、ベルナマ通信、2月22日)

ネスレマレーシア、栄養食品のワイスを1.65億リンギで買収

【ペタリンジャヤ】 ネスレ(マレーシア)は、国内栄養食品事業の拡大に向けて、完全子会社ネスレ・プロダクツを通じ、栄養食品のワイス・ニュートリション(M)の100%株式をワイス(香港)ホールディングから1億6,500万リンギで取得する条件付株式売買契約を締結した。

ネスレ(マレーシア)が22日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、ワイス・ニュートリション(M)の事業や販売網を活用し、栄養食品分野の市場シェア拡大を目指す。ネスレ・マレーシアの72.61%株式を所有するソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレSAは、ワイス(香港)の直接持株会社でもあるため、今回の買収は関連当事者取引とみなされるという。

ワイス・ニュートリション(M)は2013年に設立。幼児、妊娠中・授乳中の母親、高齢者を対象としたプレミアム栄養製品である「S-26」、「S-26ゴールド」、「アシェンダ」、「プロママ」、「エナーカル・プラス」などを販売している。
(ザ・スター、2月23日、エッジ、2月22日)

プラサラナとシャトルバス配車「クムプール」、試験運行を開始

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は21日の下院質疑で、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアとシャトルバスの配車・予約サービス「クムプール」が、自宅と公共交通機関の駅を結ぶシャトルバスを地域限定で試験運行していると明らかにした。

公共交通機関の利用促進に向けた取り組みについて質問を受けたローク運輸相が明らかにしたところによると、試験中の利用料金は1回につき1リンギ。対象地域は、クアラルンプールのワンサ・マジュ地区とセランゴール州シャアラムのアラム・メガ地区だが、地域をさらに増やす計画もある。

またローク運輸相は、同じ目的地に向かう別の乗客と相乗りする「ライドシェア」制度の導入についても検討を行っていると説明。複数の配車サービス企業と可能性を協議しているとし、実現した場合は利用料金を直接下げることができると述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、2月22日、ベルナマ通信、2月21日)

第2四半期に12万リンギの中国製EVを発売予定=通産省

【クアラルンプール】 通産省(MITI)によると、第2四半期に低価格の電気自動車(EV)モデルが投入される見通しだ。

MITIのノラズマン・アユブ副事務局長によると、MITIでは中国からの低価格EV輸入を奨励しており、第2四半期に12万リンギのEVモデルが投入される見込み。国内で購入可能なEVのうち現状最も低価格なのは、中国・長城汽車の小型EV「オラ・グッド・キャット(欧拉好猫)」のベースモデル「400プロ」で、保険なし価格は13万9,800リンギ。他に15万リンギ以下なのは、中国BYD(比亜迪汽車)「アット3」で14万9,800リンギ。

ノラズマン氏は、「2025年までに1万基の公共EV充電施設を設置」という目標について改めて言及し、高速道路運営のプラス・マレーシアとも協力し、充電施設を設立していくと述べた。充電施設に投資する投資家も募る予定だという。

テンク・ザフルル通産相が昨年12月、通産省の電気自動車(EV)導入目標について発表しており、EVおよびハイブリッド車が市場総需要量(TIV)に占める割合を2030年までに15%、2040年までに38%にするとしている。
(ポールタン、2月21日、ベルナマ通信、2月18日)

ニトリがスリアKLCC店をオープン、国内7カ所目

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ニトリホールディングス(本社・北海道札幌市)は、23日にマレーシア7号店をクアラルンプールのショッピングモール「スリアKLCC」内にオープンする。

ニトリグループとしては894店舗目となる。店舗名は「ニトリ・スリアKLCC店」。4階に位置し、売り場面積は約308坪。営業時間は午前10時から午後10時00分。

同社はマレーシア国内において、これまでクアラルンプール(KL)の「ららぽーとブキ・ビンタンシティセンター」、「パビリオン・ブキジャリル」、セランゴール州プトラジャヤの「IOIシティモール」、ペタリンジャヤの「ワンウタマ・ショッピングセンター」と首都圏に出店してきたが、昨年12月に5号店をジョホールバルの「ミッドバレー・サウスキー」に地方初出店し、今年1月にも6号店を同じくジョホールで「トッペン・ショッピングセンター」にオープンしていた。

ニトリは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」という同社のロマンを実現するため、今後も積極的に海外展開を進めていく方針だ。

シンガポールの二輪車排出ガス規制、マレーシア登録車も対象に

【クアラルンプール】 シンガポールで二輪車を対象とした新排ガス規制が4月6日から施行される。登録国を問わず、シンガポールで走行する全二輪車が対象となるため、マレーシアのジョホール州からシンガポールに通勤する場合も対象となる。

シンガポール環境庁(NEA)によると、新規制は環境改善への取り組みの一環で、最新の国連(UN)騒音基準に基づくもの。排煙レベルは、煙や蒸気が見えないこと、騒音レベルは99デシベルエー(dBA)まで。一酸化炭素(CO)規制値は4.5%、炭化水素(HC)ガス規制値は2サイクルエンジンで7,800ppm、4サイクルエンジンで2,000ppm。

排ガス検査は陸路入国のチェックポイントやシンガポール国内で行われる。バイクが新基準に適合しない場合、その場で罰金を科される。罰金額はシンガポール国内、国外登録車間の違いはなく、同額になる予定だ。
(ポールタン、2月20日)

ペナンヒルのケーブルカー、100周年記念デザインで運行

【ジョージタウン】 ペナン州政府傘下のケーブルカー運営のペナン・ヒル・コーポレーション(PHC)は、ブキ・ベンデラのケーブルカーが近く100周年を迎えることから、100周年記念デザインのケーブルカーを運行すると発表した。

ペナン州首相であり、PHC会長でもあるチョウ・コンヨウ氏が発表した声明によると、1923年10月に開通したケーブルカーは、累計4,700万人以上が利用し、走行距離は55万キロメートル。運行回数は27.5万回以上で、昨年の年間乗客数は148万人だった。現在3代目が運行しているが、ペナンの歴史的遺産や社会経済的価値に貢献していることから、100周年を記念して、展示会、書籍発売、ドキュメンタリービデオ、ソーシャルメディア・コンテストなどの活動や、特別仕様の商品なども企画する。

ブキ・ベンデラのケーブルカーは、マレー鉄道のエンジニア、アーノルド・ロバート・ジョンソンによって建設された。英国の故エリザベス2世、日本の天皇皇后、カンボジアの皇太子など、海外要人も利用したという。
(ザ・スター、2月18日)

パブリックゴールド、国内初の金現物ATMをTRXに開設

【クアラルンプール】 金取引業者のパブリック・ゴールド・グループは17日、国内初となる金の自動預け払い機(ATM)をクアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」に開設したと発表した。

同社がTRXで運営する「メラナ・パブリック・ゴールド」店内に設置したもので、純度999.9で5グラムまでの金インゴット現物を1日24時間、週7日購入できる。金の表面にはディズニー、マーベルスタジオ、ワーナーブラザーズなどのキャラクターがデザインされており、家族や友人へのギフトとしても活用できるという。

パブリック・ゴールドのルイス・ン創業者兼会長は、年内にATM50台の設置を目標としており、空港やテーマパークなどの交通量の多い場所に設置する予定だと説明。金現物を保有することは、インフレに対するリスクヘッジ方法であり、国内経済状況を考えると、より多くの人々が金を保有し資産を守ることを検討すべきだと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月20日、ベルナマ通信、2月18日、ボルネオポスト、2月17日)