外国資本制限ある業種の規制緩和を検討=投資貿易産業相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、米国との貿易交渉の一環として、現在外国資本制限が課せられている業種について規制緩和を検討する可能性があると述べた。ただこの問題については影響を受ける業界と協議する必要があるとし、具体的な対象分野は明らかにしなかった。

マレーシアは、製造業などではほぼ自由化されているが、金融サービスや通信など、戦略的とみなされる分野における外資規制を設けている。米国との交渉ではこうした非関税障壁が重要な争点となっており、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証や政府調達など、マレーシアの国益に関わる重要な問題が対立軸論となっている。

ザフルル氏によると、特定分野において外資株主に対する出資制限を設けている問題は、貿易交渉の中で提起された。今月初め、米国はマレーシア産品すべてに25%の輸入関税を課すと発表したが、8月1日の発効前に交渉の余地があることも示唆している。

ザフルル氏は、「多くの機関や省庁が関わる問題なので、時間が必要だ」と述べ、先週の米国貿易代表との会議では新たな条件は提示されなかったものの、非関税障壁が依然として懸念材料であると強調した。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、エッジ、ベルナマ通信、7月15日)

トクヤマ、サラワクで半導体用多結晶シリコン製造工場建設

【クチン】 総合化学工業メーカーのトクヤマ(本部・東京都千代田区)は、サラワク州における高純度の半導体用多結晶シリコンの製造プロジェクトを本格化させる。

同社は2023年からマレーシアでの生産に向け準備を進めてきたが、今月8日、製造販売を手掛ける合弁会社としてOCIトクヤマ・セミコンダクター・マテリアルズ(OTSM)を設立。トクヤマと、韓国OCIホールディングスのマレーシア法人OCIテラサスが出資金9億2,200万リンギを50:50で拠出した。

プロジェクトでは、20億リンギを投資し、同州ビントゥルのサマラジュ工業団地内の13.7ヘクタールの敷地に新工場を建設。16日に起工式が予定されている。年間8,000トンの半導体グレードのポリシリコン生産能力を持つ。OTSMのスティーブ・チョイ最高経営責任者(CEO)によると、工場は2027年第1四半期に完成し、段階的に生産を増強し、2029年1月までにフル生産体制になる予定という。

同製品は、データセンターやスマートフォン、電気自動車、人工知能(AI)技術などの重要な基盤となるチップの製造に使用される。現在の世界需要は年間5万トンで、その約6分の1を生産する世界有数の主要プレーヤーとしての地位確立を目指していく。主に日本、韓国、台湾へ供給する。

また、州営電力会社サラワク・エナジーと10年間の電力購入契約を締結。工場への電力供給の70%を再生可能水力発電、残りの30%をガス火力および石炭火力発電所からの供給が見込まれている。
(ザ・スター、ボルネオポスト、7月14日、トクヤマ発表資料)

東海岸への高速電車サービス延伸計画なし=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ロ―ク運輸相は、現在半島西海岸を縦断している高速電車サービス(ETS)を東海岸地域に延伸する計画は当面ないと明言した。

東海岸地域における既存の鉄道路線が単線で電化されていないためで、現在マレーシア国鉄(KTMB)がディーゼル機関車(DMU)による客車運行を行っている。

ローク氏は「その代わり東海岸鉄道線(ECRL)プロジェクトによって、この地域が高速鉄道サービスを受けることになる」と言明。ETSについては引き続き西海岸に重点を置き、ペルリス州パダン・ベサルとジョホール州ジョホールバルを結ぶ路線を運行すると述べた。

ローク氏はまたKTMBの通勤、ETS、貨物サービスは未だ完全な収益性を達成していないため、改善の必要性があると言明。ただ政府系企業(GLC)であるKTMBは、利益よりも社会責任を最優先に考えていると指摘した。
(ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、7月14日)

 

6月の新車販売、プロドゥアが2万2328台でトップ維持

【クアラルンプール】 道路運輸局(JPJ)の統計によると、2025年6月のブランド別自動車販売台数はダイハツ系プロドゥアが2万2,328台でトップを維持した。プロドゥアの年初6カ月の販売台数は16万6,188台となった。

7位までは前月から順位に変化はなかった。6月の2位はプロトンの1万638台で、年初6カ月は6万9,771台となった。3位はトヨタの9,946台(累計5万7,370台)で、4位はホンダの4,495台(累計3万5,471台)、5位はJAECOO(チェリー自動車傘下ブランド)の1,609台(累計9,175台)、6位は電気自動車(EV)専業のBYDの1,045台(累計5,400台)、7位は三菱の888台(累計6,724台)、8位はチェリーの884台(累計4,991台)が続いた。中国の奇瑞汽車(チェリー)傘下ブランド「JETOUR(捷途)」が初登場で18位(270台)に入った。

車種別で6月単月トップはプロドゥア「ベザ」(6,150台)で、2位は「アジア」(5,207台)。3位にはプロトン「サガ」(5,195台)が入った。4位以下はプロドゥア「マイヴィ」(4,183台)、プロドゥア「アルザ」(2,807台)、プロドゥア「アティバ」(2,675台)、トヨタ「ヴィオス」(2,273台)、トヨタ「ハイラックス」(2,196台)、ホンダ「シティ」(1,643台)、トヨタ「アルファード」(1,490台)となった。

EVでは最も売れたプロトン「e.MAS7」(604台)もトップ20に入れなかった。
(ポールタン、6月11日)

米国製AIチップ、輸出・積み替えなどに許可義務づけ=MITI

【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は14日、米国製高性能人工知能(AI)チップの輸出、積み替え、通過すべてに戦略貿易許可の取得を義務づけ、即時発効した。

新規制は、2010年戦略貿易法(STA2010)第12条(キャッチオール規制条項)に基づくもの。同法は本来、兵器などに転用される恐れがある製品を「戦略物品リスト(SIL)」で管理するものだが、第12条では、リスト以外の製品でも、当局が定めるものに対しては、輸出・積み替え・通過を手がける企業や個人は、少なくとも30日前までに当局に通知し、許可を得る必要があると定めている。AIチップを正式にSILに入れるかどうかも引き続き検討されるという。

今回の規制の背景には、米国の輸出規制対象であるAIチップが、マレーシア経由で中国へ迂回輸出された疑惑がある。この疑惑が米国による関税措置の交渉にも影響する可能性があり、規制強化に踏み切ったとみられる。

マレーシア半導体産業協会(MSIA)のウォン・シューハイ会長も「積み替え問題を抑制するために政府が講じるべき必要な措置」とし、支持を表明している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、7月14日)

観賞魚養殖のシアンロンがアジアアロワナ輸出へ、大阪万博通じ

【クアラルンプール】 観賞魚養殖を手掛けるシアンロン・アクアティック(祥龍魚場)は大阪・関西万博を通じて、高級鑑賞魚アジアアロワナの日本への輸出を目指している。

アジアアロワナは、アロワナの中でも色彩が豊かで、高級品種として知られている。野生のアジアアロワナは絶滅危惧種としてワシントン条約(CITES)で商取引が禁止されている。これに対し、1978年にジョホール州で創業されたシアンロンは、1994年からアジアアロワナの商業的飼育と輸出を行う世界初のCITES登録企業として、中国にも養殖場を設立するなど国際的に事業を展開している。

日本にもかつては販売代理店があったが、現在は販売代理店がない状態。今回、大阪万博を通じて日本市場再参入に向け、複数の会社と協議を続けている。飼育には生態系などに最大限の配慮をしているという。

ン・チャーリー取締役は「アロワナは癒しの存在。もし提携が成功すれば、6桁の輸出収入を生み出す可能性がある」と説明。今後、日本だけでなく、アジア各国で販売代理店の設置に取り組んでいく。
(ベルナマ通信、7月11日)

人材開発公社、半導体業界向け産業技能開発枠組みを発表

【クアラルンプール】 人材開発公社(HRDコープ)は、半導体業界向けの産業スキル・フレームワーク(IndSF)を正式に発表した。マレーシアが世界的な半導体人材拠点を目指す国家戦略の一環であり、同分野における初の体系的なスキル開発指針となる。

同枠組みはマレーシア半導体産業協会(MSIA)および主要業界関係者とのパートナーシップにより策定された。急成長する半導体業界の即時的なニーズに対応した職業経路と訓練基準を定めている。国家半導体戦略(NSS)に整合する形で設計されており、マレーシアの産業変革と人材育成の連携を意図している。

IndSFは工学分野および技術分野の2つの主要領域に焦点を当てており、初級から専門職まで、9つの重要分野にわたるキャリア進展の道筋を提示している。これにより、教育機関や訓練提供者、現場の専門職が、業界の変化に応じた育成プログラムやキャリア開発計画を策定する際の基準として活用できるという。

MSIAのウォン・シュ―ハイ会長は、「この枠組みは国家半導体戦略の実現に不可欠であり、業界のニーズと人材育成のギャップを埋める鍵である」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、7月11日)

関税率25%は最終決定にあらず、首相がルビオ国務長官と会談

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は10日、一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)会議のため来訪したルビオ米国務長官の表敬訪問を受け、米政府がマレーシアに送付した、25%関税を盛り込んだ大統領書簡などについて意見を交換。関税について米側は「一般的手段であり、8月1日の施行までまだ交渉期間がある。マレーシアは域内で重要な貿易相手であり、マレーシアの意見を関税率決定に際し考慮する」との姿勢を示したという。

2国間関係全般についてアンワル氏は「マレーシアがすべての国との友好関係、貿易を望んでいることを米国は理解している。マレーシアはどちらかの味方をしなければならない、との意見もあるが、それは違う。米国は極めて重要な貿易相手だが、マレーシアは国民の利益のため、中国、ASEAN、そのほかの国との関係も強化しなければならない」と述べた。

中東ガザ情勢についてアンワル氏は「大虐殺は直ちに停止されなければならない」とルビオ氏に伝えた。ルビオ氏は停戦が実現するとの楽観的見通しを示したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、7月10日)

マレーシアの人口、2059年に4230万人でピ―クに到達

【クアラルンプール】 マレーシア統計局(DOSM)が2025年世界人口デーに合わせて発表した最新の報告書によると、マレーシアの人口は2059年に4,238万人でピークに達し、その後緩やかな減少期に入ると予想されている。
マレーシアの人口は着実に増加し、2030年から2060年にかけて年平均人口増加率は0.5%で緩やかに推移し、2059年にピークを迎えた後、減少に転じると予想される。2030年には3,649万人、2040年には3,978万人、2050年には4,179万人に達すると予想されるという。

民族構成にも大きな変化が見込まれており、ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)比率は2030年の71.8%から2060年には79.4%に上昇すると予測される。一方、華人の割合は急激に減少し、2030年の21.1%から2060年にはわずか14.8%にまで減少する見込み。インド系の割合も30年間で6.3%から4.7%に縮小するとみられる。

2059年以降の人口減少の一因として男女比の不均衡の加速が挙げられており、男女比は2030年の女性100人に対する男性112人の比率から、2060年には女性100人に対する男性比率は114人に増加すると予想され、2060年にはマレーシアの人口は、男性2,250万人、女性1,980万人になるとみられる。

マレーシアはまた、急速な高齢化社会に直面しており、平均年齢は2030年の32.8歳から2060年には40.7歳に上昇する見込み。若年層(0―14歳)の割合が19.9%から16.0%に、生産年齢人口(15―64歳)が70.8%から65.7%にそれぞれ減少する一方、65歳以上の高齢者人口は、2030年の9.3%から2060年には18.3%へと急拡大する見通しだ。

州レベルでは、セランゴール州が2060年も810万人でマレーシアで最も人口の多い州になる見込み。これにジョホール州(499万人)、サバ州(489万人)が続く。クアラルンプールは、2060年までに若年人口の割合がわずか9.1%と最も低くなる見込みで、高齢人口の割合は26.2%と最も高くなると予想されている。
(ボルネオポスト、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、7月11日)

微細藻類のバイオマスプロジェクトでサバ州政府系企業など提携

【コタキナバル】 サバ州政府系企業SAIPと、CCEパワー・ホールディングスは10日、同州キマニスの農業工業地区における微細藻類を原料とするバイオマスプロジェクトの開発で覚書を締結した。

プロジェクトでは、まず日本企業と協力して、100ヘクタールの土地に微細藻類を栽培。日光を必要としない閉鎖タンク式で培養され、5―7日で収穫できるという。その後1,000ヘクタールへの拡大も予定している。

さらに主に2つの生産ラインを備えた施設を建設。1つは微細藻類から産出される油から、持続可能な航空燃料(SAF)などを生産するためのもので、もう1つは微細藻類を乾燥させてバイオマス燃料として30メガワットを発電する施設になる。バイオマス発電所は3段階に分けて進められる予定で、年内にも始まる第1フェーズではパーム油由来のバイオマスを100%使用。第2フェーズではパームバイオマスと微細藻類を混合し、第3フェーズでは微細藻類を70%、パームバイオマスを30%使用する予定という。

州産業開発・起業家支援相で、SAIP会長も務めるフーン・ジンジャ氏は「サバ州は国内で最も有数の藻類産業拠点の一つとなる可能性を秘めている」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ボルネオポスト、7月10日)