北東モンスーン期に突入、3月まで大雨に警戒を=気象局

【クアランプール】 マレーシア気象局は、5日から北東モンスーン期が始まると発表。来年3月までの間に大雨が5―7回発生することが予想されるとしている。

大雨となる可能性が高い州として、11―12月にかけての北東モンスーンの初期段階では、クランタン、トレンガヌ、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州、2025年1―2月にかけては、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州を挙げた。

ただし、低気圧と重なる場合などは、他州でも大雨をもたらす可能性があるとして、警戒を呼びかけている。

一方、2025年1―3月の北東モンスーン期の終盤は、マレー半島北部の降雨量が減少し、暑く乾燥した天候につながりやすく、熱波が発生する可能性がある。しかし、低温傾向や降水量の増加などの影響を東南アジアにもたらす「ラニーニャ現象」が年末から2025年半ばまで続くと予想されるため、気象条件は2024年ほど厳しくない見込みだ。
(ベルナマ通信、11月1日)

HKS、「東京オートサロンKL2024」にコンセプトカー出展

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 チューニングメーカーのエッチ・ケー・エス(HKS、本社・静岡県富士宮市)は、マレーシアで11月8日―10日の日程で開催される「東京オートサロン・クアラルンプール(KL)2024」にてコンセプトカーの展示を行うと発表した。

東京で開催された「東京オートサロン2024」で展示した車両を刷新したコンセプトカー「THE HKS GT-R R35 MY24 NISMO DimensionZ」を展示する。ベース車両は2024年式日産「GT-R NISMO」で、新たに立ち上げた車両販売事業「THE HKS」の象徴的存在として製作した。

日本での車両販売価格は1億1,000万円で、発売開始は2025年冬を予定している。

日清オイリオ子会社、ガスマレーシアからバイオメタン購入

【クアラルンプール】 日清オイリオのマレーシア子会社、インターコンチネンタルスペシャリティファット(ISF)は、ガス・マレーシア子会社のガス・マレーシア・エナジー・アンド・サービシズ(GMES)からバイオメタンの供給を受ける契約を締結した。

バイオメタンには国際持続可能性カーボン認証(ISCC)プラスの証明書が付いている。ISCCプラス認証は、再生可能な材料やリサイクル材料を使用した製品を認証する国際的な認証制度で、食品、飼料など、持続可能な原料や中間材、最終製品、関連するサプライチェーン上の事業者が対象。

締結式に立ち会ったガス・マレーシアのアハマド・ハシミ最高経営責任者(CEO)は「これまで化石燃料に依存してきた産業における再生可能エネルギー(RE)の採用を前進させる一歩となる契約だ」と語った。

パーム油工場の廃液を原料にバイオメタンを生産するもので、循環経済のモデルになり得る。二酸化炭素排出が削減されることで、ISFの環境・社会・統治(ESG)目標の達成にも貢献するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月2日、マレーシアン・リザーブ、11月1日)

マレーシア国鉄、1月から都市部中心に完全キャッシュレス化

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は、首都圏クランバレーや地方の都市部を中心に2025年1月1日より完全キャッシュレスのチケット購入システムを導入すると発表した。

年末までの移行段階では、公式ソーシャルメディ、駅での宣伝資料の配布、電車内でのアナウンスなど、さまざまなチャンネルを通じて、特に高齢者や障害者にキャッシュレス決済への移行について周知徹底を求めていく。

地元の銀行と協力して、デビットカードを持っていない人を支援する。駅職員は、KTMBモバイル (KITS) アプリまたは「コミューターリンク」カードへの登録を奨励し、アプリまたはカードでチケットを購入するよう案内していく。また自販機でのチケットを購入するサポートも行う。

キャッシュレス決済の普及をさらに促進するため、KTMBはKITS登録者先着1,000人に500のポイントを付与するほか、1,000枚の「コミューターリンク」 カードを無料配布している。

統計によると、現在、乗客の約82%がKITS経由で高速電車鉄道(ETS)と「シャトル・テブラウ」のオンライン決済方法を利用しており、首都圏および北部のKTMコミューター・サービスに対するキャッシュレス決済システムの利用率も71%に上っている。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月1日)

サラワク州長期滞在ビザ、承認要件を来年1月付で改定

【クチン】 サラワク州は、同州に居住するための長期滞在ビザ(査証)、サラワク州マレーシア・マイ・セカンド・ホームプログラム(S-MM2H)の承認条件を2025年1月1日付で改定する。監督権限が7月、連邦政府から州政府に移管されたことに伴う措置で、ビザ承認後、申請者が州の銀行に預ける定期預金の額が引き上げられる。S-MM2H代理店も営業免許の再申請を求められる。

アブドル・カリム州観光・創造産業・舞台芸術相の発表によると、承認要件は、マレーシアが外交関係を持つ国の30歳以上の国民。定期預金の預入額は1人につき50万リンギ(以前は15万リンギ)。滞在可能期間はこれまで同様5年プラス5年で、年間滞在日数30日以上が更新の条件。申請手続き費用は5,000リンギ。

S-MM2Hの利用者は2022年が441人、23年が542人。今年は8月時点で386人がビザを認められており、定期預金の合計は7,755万リンギ。

出身国・地域別内訳は、中国が391人、英国350人、台湾262人、香港255人、米国210人、シンガポール207人、韓国178人、日本138人、豪州121人、インドネシア117人。
(ザ・スター、11月1日、ベルナマ通信、マレー・メイル、10月31日)

マレーシア人の死因トップは肺炎、心疾患上回る

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は、マレーシア人の死因に関する最新統計を発表。2023年の死因第1位は肺炎で、 虚血性心疾患をわずかに上回り、通年で1万8,181人が亡くなった。肺炎が死因トップになったのは20年ぶり。死因全体の15.2%を占めた。

肺炎がトップとなった理由について統計局のモハマド・ウジル首席統計官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響だと指摘。特に免疫力が弱く、健康状態が良くない人が肺炎にかかる可能性が高いとした。なお2019年は新型コロナが死因トップだった。

2番目に多かった虚血性心疾患は全体の15.1%を占めた。ウジル氏は不健康な生活習慣や食習慣に大きく関係していると指摘した。ただし男女別でみると男性の死因トップは虚血性心疾患だった。

民族別では、肺炎は中国系とその他のブミプトラ系民族の間で多い傾向で、虚血性心疾患はマレー系とインド系で多い傾向となった。

年齢別では、60歳以上の死因トップは肺炎で、41―59歳では虚血性心疾患がトップだった。

3位以下の死因とその割合は▽脳血管障害(7.2%)▽交通事故(3.5%)▽気管、気管支、肺の悪性腫瘍(2.0%)▽慢性下気道疾患(1.8%)▽結腸、直腸、肛門の悪性腫瘍(1.7%)▽糖尿病(1.7%)▽高血圧性疾患(1.5%)▽乳腺の悪性腫瘍(1.4%)――となった。

悪性腫瘍による死亡者数も増加傾向にあり、2001年の5,231人から2023年には1万6,545人に大幅増加している。悪性腫瘍による死亡者数が最も多かったのは消化器(5,054人)で、次いで呼吸器および胸郭内臓器(2,530人)、乳がん(1,681人)となった。

KLIA1で日本人から窃盗、中国籍の男3人に禁固3カ月

【クアランプール】 セランゴール州セパン治安判事裁判所は10月30日、日本人男性のかばんからカードの入った財布を盗んだとして、中国籍の男3人にそれぞれ禁固3カ月を言い渡した。

判決を受けたのは、50代の中国籍の男3人。被害にあった日本人男性は10月21日、セランゴール州ペタリンジャヤのレストランで支払いをしようとした際、かばんから財布がなくなっているのに気づいた。クアラルンプール新国際空港第1ターミナル(KLIA1)で被害にあったとみられる。

また被害男性の知らない場所で、盗まれた財布にあったクレジットカードが使われ、3回に分けて不正使用され計7,622リンギが盗まれたという。男性は翌22日に警察に通報し、3人は25日にKLIA1で逮捕された。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月30日)

ペラ州で建設の新高速道路、南北高速道の混雑を4割緩和

【クアラルンプール】 建設中の「ウエスト・イポー・スパン高速道路(WISE)」は南北高速道路の混雑を最大40%緩和する見通しだ。WISE開発・運営権益文書の授与式で、アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相が語った。

WISEはペラ州のクアラカンサーとゴペンを結ぶ全長60.88キロメートルの高速道路。総工費は62億リンギで、2028年に完工の予定。クアラカンサー―ゴペン間は丘陵地で、大型車両の混雑が発生しやすい。

運営権を取得したのはイースト・コースト・ロード社で、権益期間は工事期間を含め55年。道路料金は1キロにつき23センで、固定制。固定制はマレーシア初で、ナンタ・リンギ氏は「利用者負担が最小限に抑えられる」と語った。6カ所にインターチェンジが整備される。

開発費用は全額、イースト・コースト・ロードが負担する。ナンタ・リンギ氏によれば、WISE事業が行われなければ、政府は南北高速道路を拡充しなければならず、歳出を余儀なくされるという。

こうした事情からナンタ・リンギ氏は「この事業が成功裏に運ぶよう、金融機関、認可当局の州政府など関係機関に協力、支持を求めたい」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月1日、エッジ、マレー・メイル、10月30日)

 

「有害コンテンツ」対策でメタをけん責、免許制導入協議で

【クアラルンプール】 政府が2025年からフェイスブック、TikTokなどのSNSサービス運営する企業に免許取得を義務付けることについて、フェイスブックなどを運営するメタ・プラットフォームズは、明確な指針がなく、制度に対応するための時間が少なすぎると不満を表明した。

免許制導入は8月に発表された。サイバー犯罪対策の一環で、国内の利用者が800万人以上のプラットフォームが対象だ。2025年1月1日までの免許申請を求めている。

メタの東南アジア地域幹部ラファエル・フランケル氏はロイター通信の取材に対し、免許申請までの期間が極めて短く、SNSが果たすべき責務も明確でないと指摘。「こうした規制は適切に組み立て、安全と技術革新、デジタル経済成長とのバランスをとる必要があるため、2-3年の協議が必要だ」と語った。

ファーミ・ファジル通信相は10月29日、メタ代表者と会い、小児性愛やチャイルドグルーミングの問題に対する対策が、特にフェイスブック上で不十分とメタをけん責。「そうした性犯罪に関与するグループアカウントに対しメタは積極的対策を講じるべき」と語った。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、10月30日)

ナジブ元首相の別の汚職裁判、高裁が継続を決定

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 政府系ファンド、ワン・マレーシア・デベロプメント(1MDB)に絡む一連の汚職事件における、ナジブ・ラザク元首相(別件で収監中)が1MDBから22億7,000万リンギ相当の資金を不正受給した件に関する裁判で、クアラルンプール高等裁判所は30日、検察側が提出した証拠が不十分だとするナジブ被告側の主張を却下。裁判の継続を決定した。

高裁のコリン・ローレンス・セクエラ判事は、検察側が出した証拠は刑事訴訟法に基づく法的基準をすべて満たしていると指摘。ナジブ被告側に検察側の主張に対して反証を行うよう求めた。反証が不十分だと判断されれば、先のSRCインターナショナルの件に続き本件でもナジブ被告が有罪判決を受けることになる。ナジブ被告は本件で職権乱用とマネーロンダリングに関する25件の罪状に問われており、有罪判決を受けた場合、最高20年の禁固刑が科される可能性がある。

ナジブ被告側は、元1MDBの元会長や最高財務責任者(CFO)AMバンクの元マネジャーらの検察側証人の証言が伝聞に基づく信用できないものだと主張したが、セクエラ判事は、「これらの証言は一貫しており、証言の信頼性は損なわれていないと判断する」と述べた。

ナジブ被告側は、1MDB事件で国外逃亡中の実業家ロー・テックジョー(通称ジョー・ロー)容疑者とは共謀関係にはなく、ロー容疑者らに騙されたものであって事件の首謀者ではないと主張。自身の口座に入金された多額の資金については、1MDBの資金とは知らずサウジアラビアからの寄付だと信じていたとしていた。
1MDBに関わる一連の汚職事件を巡っては、SRCインターナショナルから4,200万リンギがナジブ被告のAMイスラミック・バンクの個人口座に振り込まれた背任(CBT)や職権乱用など7件の罪状に問われた件では、2022年8月に有罪が確定し、ナジブ氏は即日収監されている。

ナジブ被告はこれ以外にも、SRCインターナショナルの2,700万リンギの資金洗浄とアラブ首長国(UAE)の国際石油投資会社(IPIC)に支払われた66億リンギの政府資金に関する横領の罪の2件でも告発されている。