与党連合と友党が会議、ムヒディン内閣支持で一致

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は、1日に与党連合・国民連盟(PN)及び友党の党首と非公開会議を行ないムヒディン内閣を支持していくことで一致したと明らかにした。
ムヒディン首相はフェイスブックに20枚の写真と共に投稿し、「すべての党首はムヒディン政権への支持を表明し、政治的安定、国民の幸福、国の繁栄のための理解と協力を約束した」としている。近々の実施が囁かれている総選挙に向けた話し合いが行なわれたとみられる。

 会議は2時間にわたって行なわれ、PN構成党からは統一プリブミ党(PPBM)のハムザ・ザイヌディン書記長、統一マレー国民組織(UMNO)のアハマド・ザヒド総裁、汎マレーシア・イスラム党(PAS)のハディ・アワン党首、マレーシア華人協会(MCA)のウィー・カション党首、マレーシア・インド人会議(MIC)のヴィグネスワラン・サナシー党首が出席。
友党からは▽アバン・ジョハリ(サラワク・ブミプトラ保守党=PBB党首)▽シム・クイヒエン(サラワク統一人民党=SUPP党首)▽ティオン・キンシン(民主進歩党=SPDP党首)▽ジェームズ・マシン(サラワク人民党=PRS党首)▽マキシマス・オンキリ(サバ統一党=PBS党首)▽ジョセフ・クルップ(サバ団結党=PBRS党首)▽ジェフリー・キティンガン(サバ国土連帯党=STAR党首)——の各氏が出席した。
野党側が統一首相候補人選でマハティール・モハマド前首相と希望同盟(PH)リーダーのアンワル・イブラヒム人民正義党(PKR)党首が対立しており、PN構成党内からは野党の足並みが揃わないうちに解散・総選挙を行なうべきとの声が上がっている。ムヒディン首相も選挙準備を進めるようPPBM支部に指示したとされる。

野党の首相候補人選、サバ遺産党党首案が浮上

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 野党側の統一首相候補の人選が膠着状態にある中、マハティール・モハマド前首相が妥協案として希望同盟(PH)の友党であるサバ遺産党(ワリサン)のシャフィー・アプダル党首を首相候補として推す案を発表した。実現すればサバ・サラワク州からの首相選出は建国以来初めてとなるため注目されている。
マハティール氏は当初の自身が三たび首相となる構想をPH側に提案していたが、PHを率いるアンワル・イブラヒム人民正義党(PKR)党首が首相候補に決定済みだとしてPKR側が拒否。マハティール氏は「ムヒディン・ヤシン政権打倒に向けた協力をPKRが拒むのであれば、別の方針を模索する」とPKR側に最後通牒を突きつけていた。
マハティール氏はさっそく25日にPKRを除くPH構成党及び友党のリーダーと会合を開催。この中でマハティール氏はPH構成党ではないシャフィー氏を推す案を出し、ほかの野党から支持を得たと主張している。マハティール氏自身が一歩退く決意をPKR側に示すと共に、下院でキャスティングボートを握るサバ・サラワク州の民意を味方につける狙いがあるとみられる。
またマハティール氏は、アンワル氏について第1副首相候補として推す案を出し、実子のムクリズ・マハティール前統一プリブミ党(PPBM)副党首を第2副首相候補として推す案を出し、これも了承されたとしている。
これに対しPKRのサイフディン・ナスシオン書記長は、いかなる決定もPHの最高幹部理事会の決定を経る必要があると指摘。ただし新たな提案については話し合う用意があるとしている。

希望同盟離脱も三たび首相就任に意欲、マハティール氏

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マハティール・モハマド前首相は「星州日報」との単独インタビューの中で、希望同盟(PH)プラス友党の野党グループから離脱する意向を表明。PHを率いるアンワル・イブラヒム人民正義党(PKR)党首には今後野党共闘を求めないとした上で三たび首相職を目指す考えを示した。
マハティール氏は、首相職への3度目の返り咲きを狙う目的があくまでムヒディン・ヤシン内閣を打倒するためだと説明。あと1年やりたかったがアンワル氏に配慮して半年やらせて欲しいと要請したがそれもアンワル氏側から反対されたことを明らかにした上で、アンワル氏側との間で相互の不信感が拭えないためこれ以上の交渉は無理と判断したと述べた。
またPH構成党の中にはPKRと異なりいまだに自身を支持する民主行動党(DAP)や国民信任党(Amanah)がおり、これらの政党とは協力していきたいと述べ、ムヒディン内閣を打倒するための新たな方策を検討すると言明。7月に開幕する次期国会ではムヒディン内閣の不信任案可決を目指し、もし不信任案が投票に持ち込めなかった場合には国民連盟(PN)が策定した補正予算案に反対すると述べた。
■「6カ月では無意味」「不信任案より総選挙の準備」アンワル氏■
アンワル氏はシンガポールの「チャンネル・ニュース・アジア」のインタビューに対し、マハティール氏が提案した6カ月間の首相就任を断った理由について、改革を行なうには6カ月では短すぎるからだと言明。その代わり政権奪回に成功した場合に、マハティール氏に対しシンガポールの故リー・クアンユー氏のような上級相職をオファーしたことを明らかにした。
また次期国会ではマハティール氏のように不信任案成立を目指すのではなく、PN政権もすでに準備に入ったとされる解散・総選挙に向け準備を進めていく考えを示した。