MCMCが指針導入、情報セキュリティーを強化

【プトラジャヤ】 マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は9日、通信マルチメディア産業向け、情報・ネットワークセキュリティーに関する指針(INSG)を導入した。情報とネットワークの安全性を高めるのが狙い。

INSGはサービス事業者がネットワーク・インフラを強化することで、サイバーリスクに対処し、消費者を保護することを目的としており、データ漏えいや個人情報の窃盗、フィッシング、マルウェア、ランサムウェア、いやがらせ、児童性的虐待、偽情報、なりすましなどをオンライン上の害に含めている。

INSGは「最善と思われる慣行」との位置づけで、業界による採用は当面任意とし、適切な時期に順守を義務付ける。適用対象は通信マルチメディア法に基づきサービスを提供するすべての業者だが、MCMCはほかの産業部門の企業にも採用を奨励している。任意の期間を設けることで、サービス提供者は順守義務化までの間に指針を導入する時間的余裕が与えられ、意見を当局に寄せることもできるという。

ガイドラインの策定にあたっては、サイバーセキュリティ企業、セキュリティコンサルタント、サービス事業者、省庁、政府機関、学術界など、さまざまな関係者と連携し、議論したという。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、12月9日)

入国自動ゲート対象60カ国に拡大、QRコード審査も検討へ

【クアラルンプール】 入国審査時の自動ゲート利用対象国が新たに53カ国増え、計60カ国に拡大された。シャムスル・アヌアル副内務相が2日、下院質疑で答えた。

新たな対象国として挙げられたのは、欧州連合 (EU) 加盟国含めたヨーロッパの43カ国、中東6カ国に加え、カナダ、香港、中国、台湾の4カ国。2023年2月時点では日本を含めた10カ国、今年7月時点では36カ国としていた。

また出国時の自動パスポートスキャン機としては1,568台が設置されているという。さらに入国審査プロセスの迅速化のため、クアラルンプール国際空港(KLIA)でのQRコードによる審査システムの運用についても検討していく
(ベルナマ通信、12月2日)

積極的差別是正措置には透明・包括性が必要=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は11月30日、マレー・カレッジOB会の夕食会における演説で、政府施策はより包括的になり、ほかの民族への許容性を増しマレー人の利益を損なっているとの懸念がマレー人社会にあることについて「見当違いだ」と一蹴。現政権でマレー君主、マレー人の特権、国語としてのマレー語の地位が危うくされたことはないと言明した

また現政権が国内最大級の不動産開発計画「バンダル・マレーシア」を外国企業から取り戻した際、少なくとも50エーカーはマレー人にとり置くことを決定したが、独立以来のことだと強調した。

先住民・マレー人を優遇する積極的差別是正措置は以前実施された際、縁故主義にまみれ、党幹部らの利益追求に乱用されたことがある。

これを踏まえアンワル氏は、より包括的で透明性のある積極的差別是正措置が現在必要だと指摘。都市の貧困層、過疎地住民を含めすべてのマレー人に恩恵がいきわたるようにすべきだと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、12月1日、フリー・マレーシア・トゥデー、11月30日)

自動車同乗者の保険加入義務化を調査=運輸省

【クアラルンプール】 運輸省は、自動車の同乗者に対する保険加入を義務付ける必要性について調査する方針だ。

連邦裁判所が今月下した控訴審判決を受けて、アンソニー・ローク運輸相が28日、記者団に語った。判決では、仕事のため保険に加入した車両が事故に遭い、同乗していた第三者が被害を受けた場合、その第三者は保険会社に補償を請求できる、とした。

ローク氏は、保険費用などに大きな影響を与えかねないとしたうえで、「道路交通法の改正が必要か見極めるため、今回の判決の影響を徹底的に調査する」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月28日)

訪韓のアンワル首相、財閥首脳と会談

【ソウル】 韓国を24日から公式訪問したアンワル・イブラヒム首相は日程最終日の26日、同国を代表する財閥の首脳らと懇談。マレーシアへの投資、貿易について話し合った。首脳が表明した対マレーシア投資の合計は328億リンギになるという。同行記者団との会見でアンワル首相が明らかにした。

首相に同行したテンク・ザフルル投資貿易産業相によると、電気自動車・同関連金属、生物薬剤、二酸化炭素回収・貯留、グリーン技術、グリーン水素の分野に投資になるという。

このうち取締役会の承認を得たとして正式発表したのはヒョンデ(現代自動車)で、2025年から5年間で4億7,900万米ドルをケダ州クリム工場の拡充に投じる。

アンワル氏によると、マレーシアから韓国への13億米ドルの輸出も直ちに実現するという。マレーシアで活動している韓国企業は約400社。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、11月26日)

セランゴール州、来年からレジ袋の使用を週末3日禁止に

【クアラルンプール】 セランゴール州政府は来年から、州内のすべての事業所でレジ袋の使用を禁止する「ノー・プラスチックバッグ・デー」キャンペーンを現在の毎週土曜から、金ー日曜の3日間へ拡大する方針だ。

州公衆衛生環境委員会のジャマリア・ジャマルディン氏が25日、州議会でキャンペーンの拡大について明らかにした。プラスチックのない環境の実現に向けた州政府の継続的な取り組みの一環で、現在法的な権限などを改めて確認しているという。

キャンペーンは2010年から州内の大手スーパーや小規模店、事業所などの協力のもと毎週土曜に実施。レジ袋の使用で20センを徴収し、徴収した20センは慈善団体や消費者保護プログラム、環境保護活動に寄付されている。
(ベルナマ通信、ビジネス・トゥデー、11月25日)

外国人向け特別パス、来年からオンライン申請可能に

【クアラルンプール】 出入国管理局は2025年1月から、30日以内のマレーシア滞在を外国人に認める特別パスのオンライン申請を受け付ける。

現在、特別パスの審査は入管カウンターで行われているが、ソーシャルビジットパス、専門職者パスを扱うカウンターの50%が特別パスの申請処理で、混雑の原因になっていることから、オンライン方式を導入する。昨年の特別パス交付数は約14万件だった。

ザカリア・シャーバン入管局長によると、入管サービスの90%はオンライン処理またはデジタル化されており、外国人向け短期就労パスの申請、更新もオンライン化されている。入管から許可を受け取った申請者は自身でパスを印字する。外国人全般の入国でも、QRコードを使ったオートゲート方式に移行するという。

入管が構築中の国家統合出入国システム(NIISe)は2028年に統合作業が終わる予定だ。出入国管理を一本化したシステムで、国家登録局、警察など関連機関が持つデータを統合する。システムには人工知能(AI)を導入し効率向上を図る。
(ビジネス・トゥデー、セランゴール・ジャーナル、11月24日)

セランゴール州、モビリティ基本計画が近く完成

【シャアラム】 セランゴール州は2035年までに公共交通機関の利用率を60%にする目標達成に向け、モビリティ・マスタープランを策定中であることを明らかにした。22日の州議会質疑で投資・貿易・モビリティ評議会のン・ツェハン評議員が明らかにした。近く完成予定だという。

同マスタープランにはバス、鉄道、タクシー、配車サービスなどの交通手段だけでなく、バス停、マイクロモビリティ(電動キックボード、電動アシスト自転車などの個人用乗り物)、歩行者用通路などのインフラも組み込まれている。

最新データによると、セランゴール州の公共交通機関の1日の平均乗客数は、軽便鉄道(LRT)や首都圏大量高速輸送(MRT)、モノレールやバスを含め約110万人。ン氏は、8月にワークショップとセランゴール州のすべての地方自治体との協議が行われたと明らかにした。委託条件を確立し、調査の包括性を確保したと付け加えた。
(マレー・メイル、セランゴール・ジャーナル、ベルナマ通信、11月22日)

ジョホール州、金曜の礼拝休憩時間を2時間に延長

【クアラルンプール】 ジョホール州政府は、官民セクターにおいて慣例的に1時間半となっている金曜日の礼拝休憩時間を2025年1月から2時間に延長すると発表した。イスラム教徒が金曜礼拝を行えるようするための措置。オン・ハフィズ・ガジ州首相が21日の州議会における来年度予算案発表の際に明らかにした。

同州スルタン摂政のトゥンク・イスマイル皇太子が10月、現時点で金・土曜となっている週末の公休日について、25年1月1日から土・日曜に戻すと発表したことを受けたもの。オン・ハフィズ氏はこれに合わせて、同州の公共セクターの週の労働日数について、金曜日の午後を半休として4日半とすることも提案した。公共セクターの週労働日数4日半はアラブ首長国連邦(UAE)がすでに導入しているという。

オン・ハフィズ氏は、学校敷地内を含む礼拝スペースの数も増やすと言明。「ムスリム生徒が金曜礼拝を行えるよう、ジョホール州教育局(JPNJ)、イスラム宗教局などが適切な措置を講じる」と述べた。

ジョホール州では建国以前から金・土の公休が実施されていたが、当時州首相だったムヒディン・ヤシン元首相が1994年に土・日に変更。2014年にムスリムにとって金曜日が重要であることへの敬意と、イスラム教を州の宗教として認める印として再び金・土に変更されていた。現在、金・土を公休日と定めているのはジョホール州のほか、ケダ州、クランタン州、トレンガヌ州がある。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、11月21日)

現行の身分証カードを刷新へ、セキュリティーを強化

【クアラルンプール】 政府は2012年に導入された現行の多機能身分証明書カード「MyKad」を、近く刷新する。シャムスル・アヌアル副内相は下院での答弁で、国家登録局が新たなMyKadを調達するための最終段階に入ったと明らかにした。

マレーシアの身分証カードの導入は1948年で、刷新は6回目。2011年にICチップ入りの多機能カードとなった。個人情報、指紋認証、出生時に割り当てられる12桁の番号をICチップに記録している。今回の刷新はセキュリティー機能の強化と、偽造、カード不正利用の防止が狙い。新たなカードでは耐久性のある熱可塑性プラスチックのポリカーボネートを採用する。レーザー彫刻、ホログラム技術を利用しセキュリティー機能を高める。記憶容量も増やす。

シャムスル氏によると、2022年から今年10月までの期間に当局は偽造MyKad、または他人のカード所持で497人を逮捕した。うち起訴に至ったのは190人で、130人は偽造カードを所持していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月21日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、11月20日)