国家経済行動評議会、サプライチェーンと国内産業保護策を承認

【クアラルンプール】 国家経済行動評議会(MTEN)は、世界的な供給危機の中、サプライチェーンと国内産業の継続性を確保するため、▽物流円滑化▽リスク軽減▽市場拡大――の3つの提案を承認した。製造業支援と投資促進を図る。

アクマル・ナスルラ―・モハマド・ナシル経済相は21日に行われた世界的な供給危機に関する定例ブリーフィングで、これらはMTEN危機管理タスクフォース、マレーシア投資貿易産業省(MITI)、マレーシア観光芸術文化省(MOTAC)が提示した複数の戦略的緩和策の一部であると述べた。

アクマル氏はまた、政府は影響を受けた産業が利用可能な国内供給源を評価するとともに、国家戦略上のニーズと相互補完的な貿易原則に基づいた二国間交渉を強化していると言明。「製造業においてはバリューチェーンを混乱させている主要原材料不足に関する苦情が寄せられている。主な課題として挙げられているのは短期的に代替供給源を確保することの難しさ、そして輸出国からの制限や制約のリスクだ」と述べた。

その上でアクマル氏は、オーストラリアとの協力は、マレーシアの肥料生産に必要なリン酸塩や、オーストラリアのマレーシア産尿素の需要など、エネルギーと農業資材の安定供給を確保することに重点を置いていると述べ、安定したエネルギー供給フローの維持に向けた共通の取り組みを強調した。

また中国との協力では、重要な医療機器の国内生産を支援するため、樹脂とナフサの供給を増やすための戦略的措置に重点を置いていると述べた。
(ベルナマ通信、エッジ、ザ・スター電子版、4月21日)

補助金なし燃料価格が軒並み値下げ、原油価格の下落受け

【クアラルンプール】 財務省は22日、23―29日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり4.02リンギから15セン安の3.87リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も、前週の5.10リンギから25セン引き下げられ4.85リンギとなった。

半島部のディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は5.97リンギから85セン値下げされ5.12リンギとなった。「ユーロ5 B7」ディーゼルは5.32リンギとする。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。

財務省は、価格引き下げは世界的な原油価格の下落を受けたものだとした上で、ただ依然として高水準にあると指摘。「世界的な原油価格は下落しているものの、エネルギー市場の不確実性は依然として残っており、供給の完全な回復はすぐには実現しないだろう。また、西アジアの生産施設では混乱が生じており、世界的なサプライチェーンの安定化には時間が必要だ」と述べた。
(ポールタン、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、4月22日)

現行の燃料補助金政策の変更はない=ファディラ副首相

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は21日にベルナマ・ラジオの独占インタビューに応じ、中東における地政学的緊張が高まっているものの現行の燃料補助金政策を急に変更するつもりはないと言明。いかなる政策決定も性急な措置ではなく、包括的なデータ分析に基づいて行われると述べた。

ファディラ氏は、西アジアにおける紛争が1―2年間続く可能性があると認識しているが、いかなる措置もマレーシア国民の大多数の安全を守ることを最優先事項とすると強調。「エネルギー供給の安定、国民の安全確保、経済成長の継続、そして産業界が必要とする支援の確保に必要な措置を決定するためには、データに依拠しなければならない」と述べた。

その上でファディラ氏は、月々の補助金支出が60億―70億リンギに達しているものの、政府は経済計画を遅滞させることなく国民への支援を継続していくと言明。レギュラーガソリン「RON95」とサバ州とサラワク州におけるディーゼル燃料への補助金を含む既存の補助金政策は、生活費の急激な上昇が国民の負担とならないよう最新データに基づいて維持される」と述べた。

また中東危機が3年続く場合については、ホルムズ海峡に関連するサプライチェーンの混乱を受けて、政府が最悪のシナリオに備えていると強調。国営石油会社ペトロナスはアジア太平洋、オーストラリア、南米、アフリカからの代替供給源確保に向けた積極的な措置を講じる一方、補助金付き燃料の密輸出を阻止するため、国境での取り締まりを強化していると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ポールタン、ベルナマ通信、4月21日)

中小零細企業支援、融資保証を80%に引き上げ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は20日、エネルギー危機の影響を受けた中小零細企業を支援するための複数の措置を発表した。経費上昇に苦しむ事業者からの意見を取り入れたもので、「政府は産業界の要望に直ちに行動し、あらゆる支援がそれを必要とするものに届くようにする」と強調した。

政府は事業融資保証会社に50億リンギを追加注入し、建設、農業、農林水産・食品、物流、観光業などを支援する。保証限度を80%(従来は70%)に引き上げ、保証期間も10年(同7年)にする。保証会社は民間金融機関と協力して融資組み換えもサポートする。

年商100万―500万リンギの企業に対するデジタルインボイス義務化を2027年末まで1年延期し、この間、月次でまとめて内国歳入庁へ提出する一括申請を容認する。

マレーシアから持ち出されたものの、中東紛争のためマレーシアに持ち帰ることになった国産輸出品に対する輸入税と売上税の免除も検討する。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、4月20日)

ペトロナスがロシアと石油供給で交渉の可能性=アンワル首相

【コタバル】 アンワル・イブラヒム首相は、国内消費を賄うために十分な量の石油を確保するための措置として、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)がロシアと石油供給について交渉する可能性があると明らかにした

アンワル首相は、かつて米国とともにロシアに様々な制裁を課していた多くの欧州諸国が競い合って再びロシアからの石油供給確保を狙っており、マレーシアもこの路線をとることは可能だと言明。「幸いにもマレーシアとロシアの関係は良好に保たれている。ペトロナスのチームがロシアと交渉することは可能だ」と述べた。

その上でアンワル首相は、政府の早期の外交努力により、マレーシアの石油タンカーがここ数週間、ホルムズ海峡の重要な航路をいち早く通過できたと強調。これにより国内のエネルギー供給網への大きな混乱を回避できたと述べた。

マレーシアのタンカーでは、ペトロナス傘下のペトコがチャーターした石油タンカー「オーシャン・サンダー」が17日、イラクのバスラから100万バレルの原油を積んでペンゲラン統合コンプレックスに無事到着した。同施設は国内で唯一精製が可能な施設であるため極めて重要だという。
(ザ・スター電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、4月18日)

補助金なし「RON95」が4.02リンギに引き下げ、16日から

【クアラルンプール】 財務省は15日、16―22日までの1週間の燃料小売価格を発表。レギュラーガソリン「RON95」の補助金なし価格は、前週の1リットル当たり4.27リンギから25セン安の4.02リンギになった。

燃料補助金制度「ブディ・マダニ」適用外のハイオクガソリン「RON97」の価格も、前週の5.35リンギから25セン引き下げられ5.10リンギとなった。

半島部のディーゼルの小売価格については、「ユーロ5 B10」および「B20」は75セン値下げされ5.97リンギとなった。「ユーロ5 B7」ディーゼルは1リットルあたり6.72リンギから6.17リンギに70セン引き下げられる。

「RON95」の補助金付き価格は1.99リンギ、サバ州、サラワク州、ラブアンにおけるディーゼル燃料の小売価格は2.15リンギでそれぞれ据え置く。

米イランの紛争は7週目に突入し、先週は停戦や緊張緩和を巡る観測が広がる中、ブレント原油価格は落ち着きを見せた。今回全燃料で引き下げになったことについて、財務省は今回の価格調整はそうした国際市場価格の下落に対応したものとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ポールタン、4月15日)

首都鉄道で相次ぐ運行トラブル、運輸省がプラサラナに改善指示

【プトラジャヤ】 首都圏の各鉄道路線で運行トラブルが相次いでいることを受け、アンソニー・ローク運輸相は技術的問題の解決を優先するよう運輸省が公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアに指示したことを明らかにした。

鉄道利用促進キャンペーンに関する記者会見の中でローク氏は、ここ数週間で発生した鉄道の運行トラブルは公共交通機関の利用促進を目指す政府の取り組みを阻害するものであり、消費者の信頼を損なうものだと言明。「ほぼ毎週のように運行障害が発生していることに私自身、苛立ちを感じている」と怒りをにじませた。その上で「鉄道の安全性と信頼性を向上させるため、保守とシステム監視のレベルを高めるよう指示した」と述べた。

ローク氏によると、発生した運行トラブルは主に、信号システムや分岐器などの重要な部品の故障といった予期せぬ技術的問題によるもので、13日に発生した軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線のトラブルはユニバーシティ駅の分岐器の故障が原因だった。ケラナジャヤ線では断食月にトラブルが頻発し、運輸省は公共陸運局(APAD)に調査を指示していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月14日)

国家経済行動評議会、エネルギー危機への対応方針を策定

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は14日付けのX(旧ツイッター)上の投稿で、深刻化の一途をたどり長期化が予想される世界的なエネルギー危機への対応について、国家経済行動評議会(NEAC)が明確な方向性を定めたと述べた。

国民の日常生活への影響を最小限に抑えるため、エネルギーと生活必需品の安定供給を確保することを最重要課題とする。国民の福祉を守ることを最優先事項とし、「規律と現実主義」を堅持する。

エネルギー危機への対応は国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の役割と、今後数カ月間の供給確保に向けた早期計画によって推進される。同時に水田農家、小規模農家、自家用車所有者へのディーゼル燃料補助金の増額支援を通じて、コスト上昇を緩和するための対策を強化する。

アンワル首相は、15日から公務員の在宅勤務を実施するなど、エネルギー効率化を通じて需要管理も改善していくと言明。国の燃料供給を脅かす可能性のある漏洩や密輸に対処するための「ティリス」摘発作戦を強化していると述べた。

その上でアンワル首相は、「中長期的には不安定な輸入燃料への依存度を低減する措置として、再生可能エネルギー源への移行に向けた取り組みを加速させている」とし、バイオディーゼルにおけるバイオ燃料の混合比率引き上げに取り組んでいくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、4月14日)

サバ州政府、日本への直行便再開に向け航空会社と協議へ

【コタキナバル】 サバ州政府は、コタキナバル(KK)と日本の直行便再開に向け、航空会社との協議を進める方針だ。同州のジャフリー・アリフィン観光文化環境相が10日、明らかにした。

ジャフリー氏によると、格安航空会社エアアジア・マレーシアが昨年8月から、コタキナバル―台北―福岡線を運航しているものの、直行便はない。同氏は「直行便は観光セクターの活性化に大きく貢献するため、非常に重要」と指摘した。

具体的には、以前に期間限定などで直行便運航の実績があるマレーシア航空や、エアアジアを中心に協議していく考えを示した。ただし、世界的な燃油価格の高騰などを踏まえ、「路線の再開方法を検討すると同時に、日本との経済・社会関係を強化するための協力活動やプログラムを推進していく」と付け加えた。

同氏はこの日、同州のイスラム文明博物館で開催中の「すしを愛でる」展で行われたイベントに出席。同展は国際交流基金による海外巡回展の一環で、イベントには四方敬之 駐マレーシア日本大使らも出席し、食を通じた相互の文化理解の重要性について言及した。同展は6月7日まで開催されている。
(ザ・スター、ボルネオポスト、4月10日)

マレーシアのタンカー6隻がホルムズ海峡通過、5月までの供給確保

【クアラルンプール】 ホルムズ海峡封鎖で立ち往生していたマレーシアの原油タンカー7隻のうち6隻が海峡を無事通過し、マレーシアに向けて航行中だ。アンワル・イブラヒム首相は、残りの1隻が損傷により港に停泊しているものの、4月と5月の石油供給は確保されていると述べた。1隻は間もなくマレーシアに到着する予定。

アンワル首相は国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のムハンマド・タウフィク最高経営責任者(CEO)から最新の状況について説明を受けたことを明らかにした上で、「4月と5月の石油供給が引き続き安定した状態を維持できることを願っている」と言明。財政圧力の高まりにもかかわらず、現在の燃料価格を維持するという政府の決意を改めて表明し、エネルギー情勢を継続的に監視していると強調した。

アンワル首相は、「ペトロナス元CEOで経済アドバイザーのハッサン・マリカン氏が議長を務める委員会がエネルギー需要全体の見直しを行っており、内閣は現在の経済状況を踏まえ、状況が引き続き管理下に置かれるよう日々の動向を厳密に監視している」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、ザ・スター電子版、4月10日)