来年上期に気温40度の可能性、気象局が警戒呼びかけ

【クアラルンプール】 マレーシア気象局(MetMalaysia)は8日、2026年末に非常に強いエルニーニョ現象(長期にわたり海面水温が平年より高い状態)、いわゆる「スーパー・エルニーニョ」が発生した場合、27年1月から5月にかけて国内の一部地域で気温が40度に達する可能性があるとの見通しを示した。

マレーシア気象局のモハマド・ヒシャム局長は、国際的な観測・研究機関による気候モデルの予測を踏まえ、スーパー・エルニーニョが発生する可能性がほぼ100%に近づいていると言明。今回のエルニーニョの強度が1950年以降に観測された過去のエルニーニョを上回る確率は約70%との見方を示した。

最新の予測では、2027年1―5月の暑季のピークに、半島マレーシア北部の複数の気象観測所で40度に達する可能性があるという。半島部北部・内陸部のほか、サバ、サラワク両州の内陸部でも平年を上回る気温となる可能性がある。気象局は北東モンスーンが終わる1月から5月にかけて、猛暑や熱波のリスクが高まるとみている。

降雨量の減少や乾燥期間の長期化は、集水域やダムなどの水資源に負担をかけるほか、農業をはじめ、水不足の影響を受けやすい産業にも影響を及ぼす可能性がある。さらに森林火災や泥炭地火災のリスクが高まる。これに伴い、国内だけでなく国境を越えた煙害(ヘイズ)が発生する可能性もある。

過去の例では、1997―98年と2015―16年にスーパー・エルニーニョが発生し、国内での最高気温が通常より極端に高くなった。1998年4月9日には、ペルリス州チュピン気象観測所でマレーシアの観測史上最高となる40.1度を記録した。2016年4月10日には、パハン州ジェラントゥート近郊のバトゥ・エンブン気象観測所で39.3度を記録している。
(マレー・メイル、バイブス、9月8日)

サラワク州西南部で一時非常事態宣言、煙害による大気悪化で

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マレーシア政府は4日、サラワク州西南部のセリアン地区で煙害(ヘイズ)による大気汚染が深刻化し、公衆衛生と安全に危険を及ぼす水準に達したとして、同地区全域に非常事態を宣言した。ただ大気汚染はその後改善に向かい、非常事態宣言は7日午前解除された。

サラワク州は隣接するインドネシア側で発生した森林火災の影響を受けて煙害が拡大。4日にはセリアンの大気汚染指数(API)が「危険」レベルの「500」を超える「519」に達し、これを受けて同州政府が連邦政府非常事態宣言を要請していた。

セリアン地区ではその後、大気汚染がやや改善に向かい、7日午前には「非常に不健康」レベルの「222」となった。これにより「非常に不健康」レベルは同州サマラジュと合わせて2カ所のみとなり、「危険」レベルはゼロとなった。

同時刻においては、▽クアラルンプール(KL)▽ペタリンジャヤ▽セレンバン▽マラッカ▽シャアラム――など40カ所で「不健康」レベルを計測した。

連邦政府・首相府(PMO)は7日の非常事態宣言解除声明にあたって、「特にセリアンとサマラハンなど、いくつかの地域ではAPI値が依然として非常に危険なレベルにある」と言明。連邦政府とサラワク州政府が引き続き状況を綿密に監視していくとし、「影響を受けている地域の住民は屋外活動を控え、当局が発令する指示を厳守するよう強く勧告する」と述べた。

非常事態宣言が一時発出されたことを受け、サラワク州教育局は4日、9月7日から11日までの5日間、州内647校を休校すると発表している。

ASEAN特別気象センター、煙霧で「レベル3」警報を発動

【クアラルンプール】 東南アジア諸国連合(ASEAN)特別気象センター(ASMC)は27日、長期的な乾燥状態を背景に、ASEAN南部でホットスポット(火元)と煙霧の状況がさらに悪化したとして、越境煙霧に対する最高レベルとなる「レベル3」警報を発動した。マレーシアでは南西季節風の影響により、サラワク州西部や半島部西側で煙害や視界不良が続く可能性がある。

ASMCによると、24日に米海洋大気庁(NOAA)の人工衛星「NOAA-20」が確認したホットスポットは、インドネシア領カリマンタンで287カ所、同スマトラ島で65カ所で、翌25日にはそれぞれ190カ所、81カ所が確認された。

カリマンタンではホットスポットの集中地域から中程度から濃い煙霧が広範囲に発生しており、特に西カリマンタンから北方向へ移動する越境煙霧が確認されている。南部・中部スマトラでも広い範囲で同様の煙霧が観測された。

マレーシア気象局は、今週は南西風が強まると予測。インドネシア側で発生した煙や煙霧が風に運ばれ、サラワク州西部およびマレー半島西部の一部で視界が悪化する可能性があるとしている。ASMCの最新の煙霧・気象報告でも、西カリマンタンのホットスポットから発生した中程度から濃い煙の帯が北上し、サラワク州西部へ流入していることが確認された。

カリマンタン各地とスマトラ島中・南部のホットスポットからも煙の帯が発生している。西・南カリマンタン、スマトラ島中・南部、西サラワクの複数の大気質観測地点では、「不健康」から「危険」水準の大気汚染が記録された。

マレーシア気象局は、対象地域の住民に対し気象状況や警報について同局の公式ウェブサイトやSNSで最新情報を確認するよう呼びかけている。また、気象情報を提供するスマートフォンアプリ「myCuaca」の利用も推奨している。「不健康」レベルは28日午前11時時点で20カ所で観測されている。
(ベルナマ通信、ビジネス・トゥデー、8月27日)

セランゴール州とKL、首都圏洪水対策で5項目の緊急措置を推進

【プトラジャヤ】 セランゴール州政府と連邦政府の連邦直轄地部は、首都圏クランバレーで頻発する洪水被害を抑制するため、5項目の対策を実施することで合意した。ハンナ・ヨー首相府相(連邦直轄領担当)とセランゴール州のアミルディン・シャリ州首相が23日に協議し、共同声明を発表した。

両者はまず、2週間以内に技術会合を開催する。合意した主な対策は、▽バトゥ・ダムとクラン・ゲート・ダムの貯水能力見直し▽新たな洪水調整池の候補地の特定▽既存の洪水調整池3カ所の拡張▽河川の浚渫と土砂除去の推進▽技術面・費用・財源・実施方法の調整――の5項目。

技術会合では、事業の実施場所や範囲、概算費用、財源、実施方式などを具体化する。政府は次回国会会期および2027年度予算案の提出前に予備的な内容を取りまとめる方針だ。進捗状況を確認し、未解決の問題を処理するため、定期的な協議も実施する。

バトゥ・ダムとクラン・ゲート・ダムについては、現在の貯水能力が今後20―30年間の水管理需要に十分対応できるかを調査する。同時に洪水リスクを低減できる上流地域について、新たな洪水調整池の建設候補地も探す。候補地の選定では、技術的な適性だけでなく、土地の所有・利用状況、環境や地域住民への影響、洪水軽減効果などを考慮する。

セランゴール州灌漑排水局(JPS)は、貯水能力の増強に適した既存の調整池として、カンポン・ラクサマナ池、スンガイ・ケルタス池、ブキット・ラゴン池の3カ所を特定する。うちブキット・ラゴン池は森林保護区内に位置しているため、調整池として利用するには保護区指定の解除が必要となる。

また、河川の浚渫・土砂除去については、セランゴール州JPSとクアラルンプールJPSが、両地域で対策が必要な河川を共同で特定する。浚渫によって発生する土砂の処分場所として、クアラルンプールJPSがセランゴール州内で30エーカー(約12.1ヘクタール)の適地を探す。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、8月23日)

マレーシア航空の成田発便が離陸中止、エンジン不具合か

【千葉/クアラルンプール】 20日午前10時40分ごろ(日本時間)、成田空港でクアラルンプール行きのマレーシア航空MH89便が離陸滑走中、機体から黒煙が上がり、離陸を中止した。乗員乗客約160人にけがはなかった。これに伴い、A滑走路は約2時間半にわたり閉鎖された。

同便はエアバスA330ー300型機を使用。左エンジンに不具合があったとみられ、マレーシア航空は同便を欠航とし、機体の技術点検を行っている。影響を受けた乗客には、振り替え便の手配などを実施。「乗客と乗務員の安全と健康は、当社の最優先事項である」との声明を発表した。
(マレー・メイル、ベルナマ通信、8月20日)

サバ州東側沿岸、危険レベル1に引き下げ=外務相

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本の外務省は15日、サバ州東側沿岸などに出していた「危険情報」のレベルを引き下げた。

同省では、身代金目的の誘拐事件が2014年頃に多発していたことなどを受け、サバ州東側のタワウからサンダカン、クダットにかけての沿岸と、周辺の島しょ部に「危険情報」を発出していた。

今回、誘拐事件が2020年1月以降発生しておらず、治安が回復していることから、沿岸部(バンジ島及びバラムバンガン島含む)についてはレベル1(十分注意)、島しょ部はレベル2(不要不急の渡航自粛)に、2024年12月に続き、それぞれ1段階ずつ引き下げた。

また引き続き最新の治安情報の入手に努め、十分な安全対策を講じるよう呼びかけている。

LRTアンパン/スリペタリン線チャンソウリン駅付近で脱線事故

【クアラルンプール】 故障などのトラブルが相次いでいる首都圏軽便鉄道(LRT)で、今度はアンパン/スリ・ペタリン線のチャン・ソウ・リン駅構内で6両編成の列車が脱線する事故が28日午前10時ごろ、発生した。

事故を起こした列車には25人が乗っていたがケガはなかった。ポイントの故障が脱線の原因とみられている。同駅はアンパン線とスリ・ペタリン線の分岐駅であったため、両線とも付近の上下線が不通となり、セントゥル・ティムール方面はプドゥ駅で、プトラジャヤ方面はバンダル・タシク・セラタン駅でそれぞれ折り返し運転、チェラス―バンダル・タシク・セラタン間とアンパン―パンダン・ジャヤ間はそれぞれシャトル運転となった。不通区間には代替バスが運行されている。

アンソニー・ローク運輸相は「極めて深刻な事故」と表現し、公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアに対し「最大限の」懲罰措置を指示。同社の経営陣のいかなる者も責任を免れることはできないと警告した。公共陸運局(APAD)が事故調査を開始。運輸省は特別調査チームを設置した。

LRTアンパン/スリ・ペタリン線は1996年開業しその後も延伸を続けたが、老朽化が囁かれていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレー・メイル、5月28日)

南西モンスーン入り、高温と突発的暴風雨への備えを呼びかけ

【クアラルンプール】 マレーシア気象局は5月14日に南西モンスーン入りし、9月まで続く見込みだと発表した。湿度が下がるため多くの地域で高温乾燥状態になり全国的に晴れの日が増えるが、一部地域では強風や雷雨を伴う大雨が発生する可能性がある。

モハマド・ヒシャム局長はマレー半島西部、サラワク州北部、サバ州西部など一部地域では強風や雷雨を伴う大雨が発生する可能性があると注意を促した。特に早朝はスコールライン(熱帯における積乱雲が帯状・線状に連なって移動する現象)発生に対する注意が必要だという。

国家災害管理委員会の委員長を務めるアハマド・ザヒド・ハミディ副首相は、この時期は一般的に降雨量が少なくなると指摘。「気象状況に注意を払い、節水に努め、煙害や環境汚染につながる野焼きは避けるべき」と呼びかけた。
(マレー・メイル、5月14日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、5月11、13日)

サンダカンの水上集落で大規模火災、1千戸8千人が被災

【サンダカン】 19日午前1時30分頃、サバ州サンダカンの水上集落から出火。火は強風にあおられて4ヘクタール超の集落にまたたく間に広がった。発生から約2時間半後の午前4時過ぎまでにほぼ鎮圧されたが、集落1,200戸のうち1,000戸計8,000人の住民が焼け出された模様だ。死傷者は報告されていない。

現場はサンダカン湾に面して高床式木造家屋が立ち並ぶ集落。サンダカン消防署と、応援要請を受けた隣接するキナバタンガン消防署からも消防隊員が出動した。しかし、集落へは狭い進入路しかなく消防車が入れなかったことに加え、干潮時間帯で使える海水も少なく、消火活動は困難を極めた。周辺の工場のタンクローリーや消火栓なども活用し、消火に当たったという。出火原因は現在調査中だ。

サバ州政府は消火活動中の同日午前4時には、集落を災害地域に指定。20日午前8時現在で、避難所6カ所が開設され、少なくとも219世帯248人が身を寄せているという。またムスタパ・サクムド首相府相(サバ・サラワク州問題担当)も関係機関に被災住民支援に迅速にあたるよう指示した。
(ザ・スター、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、4月19日、ベルナマ通信、4月20日)

KLIAで過去2週間に中東便188便が欠航、イラン紛争で

【クアラルンプール】 空港運営会社マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)は、イラン紛争が続き航空会社が中東便の運航体制を調整したことから、2月28日から3月12日までの間に10社の航空会社で計188便が欠航になったと発表した。

中東情勢の緊迫化を受け、航空会社はクアラルンプール新国際空港(KLIA)のネットワークを見直し、変更したため、一時的な運航混乱が生じている。マレーシア航空グループ(MAG)は先日、マレーシア航空がドーハ便を3月20日まで一時的に運休すると発表した。

ただKLIA発着の中東便の1日平均便数は徐々に回復しており、現在は1日平均15―16便まで増えている。紛争発生後数日のうちに、特にジェッダとメディナへの便を中心に、複数の航空会社が運航を再開したという。

MAHBは、中東情勢の緊迫化が旅客需要、空港運営、財務実績に及ぼす影響を完全に評価するには時期尚早であり、状況は依然として非常に流動的であると指摘。不確実な状況下におけるあらゆるシナリオに備えており、乗客の快適さを最優先事項とし紛争が続く中で航空会社と緊密に連携を取り、最新の動向を把握していくとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月25日)