【クアラルンプール】 セランゴール州プトラハイツで1日発生したガスパイプラインの大規模火災について、被害を受けた住民らへの対応が急がれる一方、発生原因の究明と再発防止策を求める声が高まっている。
火災発生現場では縦70フィート、横80フィート、深さ32フィートのクレーター状の穴が確認され、爆発の威力の大きさを示している。地元警察や消防救助局、労働安全衛生局、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)など約20の機関により安全検査や原因の究明、復旧に向けた作業が始まった。
マレーシア消防救助局の元局長のモハマド・ハムダン・ワヒド氏は可燃性ガスが漏れると、蒸気が空気中に蓄積して発火しやすくなり、大規模な爆発につながった可能性があると指摘する。
また、マレーシア労働安全衛生協会のアハマド・ファクルル会長は、ガス漏れが起こると災害防止用の自動安全警報が作動するはずで、「なぜ今回は爆発にまでエスカレートしたのか」と疑問を呈する。さらに可燃性液体の保管と輸送には厳しい規制があり、今回のパイプラインも法的枠組みに基づいて敷設されているはずと断ったうえで、今後同様の事故を防ぐため、2,500キロに及ぶマレーシアのガスパイプライン網を管理する標準操作手順(SOP)を見直す必要性を強調する。
一方で、火災で被害を受けた115軒の住宅では、段階的に立ち入りが許可され、電気配線の点検などが行われた。アンワル・イブラヒム首相は、全損の住宅所有者には5,000リンギ、部分損壊の住宅所有者には2,500リンギの一時支援金をすでに発表。住宅の再建には1年以上かかる可能性があるため、今後も住民支援は最優先事項と強調する。被災者向けの補助金付きの賃貸住宅の提供や、運転免許証など火災で失った書類の再発行も進められている。
(エッジ、マレー・メイル、4月2日、ザ・バイブス、ディムサム・デイリー、ベルナマ通信、4月3日)