【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 加賀電子(本社・東京都千代田区)は10月31日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域における電子機器受託製造サービス(EMS)事業の生産能力増強のため、ペナン州ペライに新工場を建設し、10月より本格稼働を開始したと発表した。

新工場の延べ床面積は1万1,150平方メートル。投資額は5年間でおよそ10億円で、土地と建物はレンタルとなる。各種電源製品および衛生機器、産業機器、民生機器向け基板実装を生産する。従業員数は900人。

同社は、成長ドライバーの中核にEMS事業を位置付け、国内外で生産拠点の拡充を進め、現在は日本を含め10カ国の21カ所に生産工場を構える。2000年には、ペナン州で現地法人「加賀コンポーネンツ(マレーシア)」を設立し、電源製品や衛生機器、電動工具、民生機器向け電装基板の生産を行ってきた。新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い、問題となっていた半導体不足や国際物流網の混乱は解消に向かい、顧客からの需要や引き合いは急回復していることから、これを契機に、老朽化した工場建屋・設備を一新、生産品質・生産効率の一層の向上を図り、旺盛な需要に対応出来る体制を整えることとした。新工場は現工場と同じ工業団地内にあり、直線距離で約3.5キロメートルで、移転費用を抑えられるほか人材流出も抑制できるなど、コスト面、人材面において最適な立地にある。

加賀電子は、今回の生産能力増強は、既存顧客からの受注増に加え、ASEAN地域での分散生産のニーズや現地ローカル企業からの新規案件の受注も視野に、操業開始後5年内に売上高100億円を目指していく方針だ。