【クアラルンプール】 独立系世論調査会社ムルデカ・センターによる最新の世論調査によると、単独過半数の獲得を目指して選挙戦のトップを走っている与党連合・国民戦線(BN)に対するマレー系有権者の支持率が32%に低下していることが分かった。

同世論調査は10月19ー28日にかけて実施され、マレー系有権者1,209人から回答を得た。

BNとの共闘関係が決裂し、独自で候補を擁立することになった政党連合・国民同盟(PN)が代わって支持率を20%に伸ばした。アンワル・イブラヒム元副首相率いる野党連合・希望同盟(PH)の支持率は13%とやや上昇した。マハティール・モハマド元首相率いる新たな政治連合「祖国運動」(GTA)の支持率はわずか2%だった。

一方で29%が「支持政党・党派はない」と回答。4%は無回答だった。ムルデカ・センターは「まだ投票先を決めていない有権者がBNに投票する可能性はあるが、過去の経験からみて大多数がBN以外、すなわちPNまたはPHのいずれかに投票する可能性が高い」と指摘している。

他の民族でみると、インド系有権者については、PH支持が51%でトップとなり、BN支持は32%にとどまり、PN支持はわずか1%だった。また華人有権者の支持トップはPHの47%で、BNは5%、PNは1%だった。

年齢別でみると、選挙権年齢引き下げの対象となった18ー20歳の有権者の支持率は、PHが30%、BNが28%、PNが24%。21ー24歳もPH支持が26%でトップだった。

いずれの政党連合が勝利しても過半数を獲得できない状況に陥ることは必至な情勢で、各政党連合が政権獲得に向けて新たな共闘を視野に水面下での交渉を加速させるとみられる。

ムルデカ・センターは、「3大政党連合の存在と投票率の不確実性により、獲得議席の予想は困難」とした上で、いずれの政党連合も単独過半数を獲得するのは難しく、少なくとも3つの政党や政党連合の共闘が必要となる可能性が高まっているとしている。
(マレーシア・ナウ、11月4日)