ラマダン開始は3月10日の新月観測で決定=統治者会議

【クアラルンプール】 統治者会議は、今年のラマダン(断食月)入りについて、3月10日の新月の観測を以て決定されると明らかにした。統治者印章の管理人事務所が情報局を通じ発表した。

統治者会議の事務方トップである印章管理人が10日、開始をラジオ、テレビを通じ発表する。観測を担当する委員会がすべての州およびラブアン、クアラルンプール・タワー、プトラジャヤ・コンベンションセンターなど全国29カ所で10日の夕方、新月の観測を行う。

ラマダン終了は4月8日の予定で、その後はラマダン明けを祝うハリラヤが10、11の両日開催される。

ラマダンの開始・終了日は月齢によって変動するため、確認が行われてから正式発表される。ラマダンの間、イスラム教徒は幼児や病人、妊婦、旅行者などの例外を除き、日の出から日没まで飲食を断つ。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月4日、フリー・マレーシア・トゥデー、3月3日)

UMWトヨタ、ハイエースパネルバン3.0Lの予約受付を開始

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーター(UMWT)は、商用車のハイエース・パネルバン3.0Lの予約受付を開始した。

従来の2.5Lモデルから性能を向上させ、環境にも配慮した。EU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ4」に適合しており、最高出力136馬力(PS)、最大トルク300ニュートンメートル(Nm)を発揮する。5速マニュアル・トランスミッションを組み合わせた、1KD-FTV型直列4気筒DOHCディーゼルエンジンを搭載。2人乗りで、室内長は2.93メートル(m)。最小回転半径は5mとなっている。標準装備では、パワーウインドウやUSB、ブルートゥース対応の2スピーカー・CDプレーヤー、アンチロック・ブレーキシステム(ABS)、荷重に合わせてブレーキ制動力を制御するロードセンシング・プロポーショニング&バイパスバルブ(LSP&BV)、エアバッグ2個、リバースセンサー、無線自動認識(RFID)タグなどが付属する。保険なし価格は12万3,000リンギからとなっている。
(ポールタン、3月1日)

日系3社とペトロナス、CCSバリューチェーン構築を共同検討へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ENEOS(本社・東京都千代田区)とJX石油開発(本社・東京都千代田区)、三菱商事(本社・東京都千代田区)および国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の関係会社CCSソリューションズは1日、東京湾を排出源とする二酸化炭素(CO2)の分離・回収・集積から、船舶輸送、そしてマレーシアでのCO2貯留(CCS)までの海外CCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を締結した。

本覚書に基づき、4社は、共同で東京湾(京浜地区・京葉地区)周辺の複数産業から排出されるCO2の分離回収・集積に関する調査や、必要設備検討、CO2輸送検討、CO2貯留先調査、事業可能性の調査および国内外法整備の検証などの取り組みを実施する。

域内で回収するCO2の規模は年間300万トン程度を想定しており、現在計画されているCCSプロジェクトにおいても最大規模となる。2030年度までの事業開始を目指す。将来的には年間600万トン程度のCO2回収を目指し検証を進めていく。

日本政府は、2050年のカーボンニュートラルに向けて、2030年のCCS事業開始および2050年までに年間1.2ー2.4億トンのCCSを目指している。大量のCO2削減が必要な為、国内貯留サイトに加えて、海外貯留サイトでのCO2貯留への期待は高く、4社は共同で検証に取り組んでいく計画だ。

仮想通貨取引所のトーラム、証券委員会から仮認可を取得

【クアラルンプール】 仮想通貨取引所のトーラム・インターナショナルはマレーシア証券委員会(SC)から国内6番目のデジタル資産取引所(DAX)として仮認可を得たと発表した。国内2番目のデジタル・ブローカーとしての仮認可も得ている。

トーラムが仮認可から正式な認可に移行するには、SCが定めるコンプライアンス要件を9カ月以内に満たす必要があり、プラットフォームの正式開設は認可取得後となる。

トーラムのゴー・イーフェン最高経営責任者(CEO)は、同社はマレーシアでの仮想通貨取引体験を刷新することを目指しており、次世代ユーザーを取り込むことを最優先していると言明。仮想通貨に対する正しい考え方や理解を持つマレーシア人を育成し、仮想通貨の受容レベルを引き上げることを目指すと述べた。

トーラム・インターナショナルは仮想通貨ソーシャルメディアを運営するトーラム・テクノロジーの一部門。過去6年間の運営実績があり、100カ国・24万人以上の仮想通貨ユーザーにサービスを提供している。

現時点で、トーラム以外にSCに登録されているDAXは、▽ルノ・マレーシア▽MXグローバル▽シネジーDAX▽トークナイズ・テクノロジー▽ハタ・デジタルーーーの5社となっている。そのうちハタ・デジタルがトーラム同様、デジタル・ブローカーとしての認可を得ている。
(ザ・サン、3月1日、リンギットプラス、フィンテックニュース・マレーシア、2月29日)

1月の航空旅客数、前年比10.7%増の695.2万人

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 空港運営会社、マレーシア・エアポーツ(MAHB)によると、2024年1月の国内空港における航空旅客数は前年同月比10.7%増の695.2万人だった。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月の水準の83.0%にまで回復した。

牽引役となった国際線は前年同月比37.3%増の382.7万人、国内線は10.5%マイナスの312.4万人で、それぞれ新型コロナ感染拡大前の2019年の水準の86.0%、79.6%にまで回復した。マレーシアが打ち出した最長30日間のビザなし入国措置と、中国が2023年12月1日付けで打ち出したマレーシア人に対する15日間のビザなし措置、新たな航空会社による週25便の増便や1月上旬の旅行シーズンが後押しした。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)は23.0%増の432.2万人で、国際線が37.5%増の325.3万人、国内線は6.9%マイナスの106.9万人だった。ターミナル1が29.9%増の233.2万人で、格安航空を扱うターミナル2は15.8%増の199.0万人。一方、KLIAを除く国内空港は4.9%減の263.0万人となった。国際線は36.1%増の57.4万人、国内線は12.3%減の205.5万人だった。

パナソニック製造、10ー12月期は14%の増益

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  パナソニック・マニュファクチャリング・マレーシアは2月28日、同社2024年度第3四半期(2023年10ー12月)の純利益が前年同期比14.4%増の2,142万リンギとなったと発表した。材料費の減少、受取利息の増加、関連会社の損失減少などが影響した。


 売上高は前年同期比10.0%減の2億3,350万リンギにとどまった。キッチン家電製造事業からの撤退やベトナム、タイ市場の需要減速が影響したとしている。
 2023年4ー12月の9カ月では、純利益は前年同期比3.1%増の7,506万リンギ、売上高は同12.3%減の6億9,821万リンギとなった。


 同社は今後について、インフレ率上昇、地政学的緊張の激化、金融引き締めなどの下振れリスクがある一方、先進国において、予想を上回る内需の拡大が世界経済の成長率を押し上げる可能性があると予想。売上減少への対応策として、新製品のさらなる開発や既存製品の国内市場・輸出市場双方への販売促進などを行っており、生産性向上や効率化に向け、製造施設におけるテクノロジー活用を進展させると同時に、コスト削減策を継続的に実施し、収益性を改善していくとした。

ジョホール経済特区へのインセンティブを検討=ザフルル投資貿易相

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、政府がジョホール経済特区(JS-SEZ)へのマレーシアとシンガポールの企業誘致を促進するための財政的・非財政的インセンティブを検討していることを明らかにした。

ザフルル氏は、2月28日に開催されたアンワル・イブラヒム首相主導の会議でJS-SEZ推進に向けた提案概要を説明したと言明。「連邦政府によるJS-SEZに対する財政的および非財政的インセンティブの迅速な承認と、フォレスト・シティ金融特区におけるインフラ開発の支援が含まれている」と明らかにした。

会議後にアンワル首相はソーシャルメディアの投稿で、経済省に対しJS-SEZに関連する提案の実施に向けた作業委員会レベルでの会議を開くよう要請したことを公表。28日の会議ではインフラや公共施設の改善に向けたさまざまなプログラムやプロジェクトについても議論されたとし、こうしたプロジェクトには、スルタナ・アミナ病院、スルタン・イスカンダル・ビル、スルタン・アブ・バカル・コンプレックスの改修工事やスルタナ・アミナ第2病院の建設が含まれると述べた。
(ザ・サン、3月1日、マレー・メイル、ベルナマ通信、2月29日)

日系3社、CCS事業化でサラワク州石油企業ペトロスと提携

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(JAPEX、本社・東京都千代田区)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)の3社は、マレーシアの国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の子会社ペトロナスCCSベンチャーズ(PCCSV)とともにサラワク州営企業ペトロリアム・サラワク(ペトロス)との間で、同州沖合の枯渇ガス田であるM3ガス田を貯留地とした、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)事業について検討を行うことで合意した。

2月26日付けでCO2貯留地契約(SSA)を締結した。ペトロスはサラワク州のCO2貯留権管理者。今回のSSAは、2023年9月に日系3社がPCCSVとの間で締結したマレーシアにおけるCCS事業化実現に向けた検討実施に係る基本契約を発展させたもの。

ペトロスが参加することにより、CO2貯留地を定めたより詳細な検討に着手する。具体的には、日本を含む海外CO2の輸送、陸上受入ターミナルやパイプラインを含む貯留地の開発計画の策定や、その技術・商業的実現性の評価を実施し、M3ガス田を始めとするサラワク州沖合の枯渇ガス田をCO2貯留地としたCCS事業の採算性の調査を進める。

日系3社およびPCCSV、ペトロスは、それぞれ培ってきた経験と知見を合わせることで、CCS事業の新たな基準を確立し、アジア太平洋地域における同様の取り組みの先駆となることを目指す。

 

乱立するEV充電アプリを一元化へ=副投資貿易産業相

【クアラルンプール】 リュー・チントン副投資貿易産業相は2月28日の下院質疑で、電気自動車(EV)充電アプリの一元化に向けた取り組みが始まっていると明らかにした。

現時点では、各充電施設運営企業(CPO)が独自アプリをそれぞれ用意している。リュー氏は「私も7つの異なるEV充電アプリをインストールしており、それぞれ支払い方法が異なるので不便だ」と述べた。政府はアプリをひとつにまとめる計画だが、それにはCPOの協力が必要であり、現在協議を行っているとしている。

リュー氏は、2023年12月時点でのEV充電器設置数は全国750カ所にある2,020基だが、そのうち1,591基は充電速度が遅い交流(AC)充電器で、直流(DC)急速充電器は429基に過ぎず、今後はDC急速充電器の設置に注力すると述べた。

リュー氏はまた、マレーシアは国内に半導体と自動車の2つのエコシステムを有しており、グリーンエネルギーへの移行において近隣諸国よりも進んでいると指摘した。
(マレーシアン・リザーブ、2月28日)

EV購入促進に向け一時支援金の導入を検討=副投資貿易産業相

【クアラルンプール】 リュー・チントン副投資貿易産業相は2月28日の下院質疑で、電気自動車(EV)購入促進に向け、一時支援金の導入を検討していると明らかにした。

リュー氏によると、一時支援金案は国家EV運営委員会(NEVSC)経由で財務省に提出され、現在財務省内で検討段階にある。既に適用されている、EVに対する物品税、輸入税、道路税の減免措置に加えて適用される見込みだという。

併せてEVユーザーの長距離移動における不安を解消するため、直流(DC)急速充電器の拡充を急ぐ。具体的な提案については、マレーシア自動車・ロボット工学・IoT研究所(MARii)や天然資源・環境持続可能性省傘下のマレーシア・グリーン技術・気候変動公社(MGTC)などと協議の上、今年第2四半期のNEVSC会合で議論する予定。従来掲げていた「2025年までにEV充電器1万基設置」という目標に代わる新目標を策定するという。

EV業界団体のゼロエミッション自動車協会(ZEVA)によると、2023年のEV販売台数は1万3,257台に達し、稼働中のEVは1万6,763台。一方、2023年末時点でのEV充電器数は2,020基で、EV8台につき充電器1基の割合となっている。今年のEV販売台数は1万9,000ー2万台に達すると予想されており、国民車メーカーのプロトンとプロドゥアも2025年までのEV発売開始を目指しているため、さらなる充電器設置が急務となっている。
(ポールタン、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、2月28日)