マレーシア航空、マーレ、ダナン、チェンマイ線を就航

【クアラルンプール】 マレーシア航空は22日、国際旅行博覧会「MATTAフェア」のイベントで、モルディブのマーレ(MLE)、ベトナムのダナン(DAD)、タイのチェンマイ(CNX)への直行便を新規就航すると発表した。3月22日付けで予約受付を開始する。

使用機材はいずれもボーイング「737-800」型機。MLEへは8月1日よりデイリー運航、DADへは9月24日よりデイリー運航、CNXへは8月15日より週5便の運航を開始する。これによりマレーシア航空は南アジアで13都市、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域で16都市へ運航することとなる。

マレーシア航空は同イベントで、英サッカーチーム「マンチェスター・ユナイテッド」との間で提携契約を締結し、公式民間航空会社として指定されたということも発表。エアバス「A330neo」型機のビジネスクラスおよびエコノミークラスのシートお披露目会も行った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、3月22日、マレーシア航空発表資料)

イオンクレジット、能登半島地震の被災者に50万リンギを寄付

【クアラルンプール】 消費者向け総合金融サービスのイオンクレジットサービス(マレーシア)は、イオン・カンパニー(M)(イオンマレーシア)およびマレーシアイオン財団と共同で、1月1日に発生したマグニチュード7.6の能登半島地震の被災者支援として50万リンギの寄付を行った。

イオンクレジットとイオンマレーシアがそれぞれ17万5,000リンギを拠出。マレーシアイオン財団が2024年1月に実施した寄付金募集で集まった15万リンギを加えて総額50万リンギとなった。クアラルンプールの在マレーシア日本大使館で模擬小切手授与式が行われ、髙橋克彦大使が受領した。

イオンマレーシアは石川県出身者らが中心となった能登半島地震の被災者支援にも協力しており、イオン・タマンマルリ店で3月23、24、30、31日の4日間、募金活動が行われている。


(ビジネス・トゥデー、3月22日)

経理AIのファーストアカウンティング、電子請求書導入支援に参画

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 経理AI(人工知能)のファーストアカウンティング(本社・東京都港区)は22日、ブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)のマレーシア現地法人である、総合マーケティング企業ブリッジインターナショナルアジアが設立予定の「e-Invoicingワーキンググループ」に対し、スポンサーとして参画することを決定したと発表した。

「e-Invoicingワーキンググループ」は、マレーシアで8月から導入される電子請求書制度(e-Invoice)への対応について、マレーシアに進出している日系企業を対象に総合的にサポートするもので、4月17日付けでの設立を予定している。

ファーストアカウンティングの森啓太郎代表取締役社長は、「e-Invoicingワーキンググループ」では約1年にわたり、マレーシア内国歳入庁(IRB)および関連組織から発表される情報に基づいた情報共有を継続的に行うとし、マレーシアにおける日系企業が電子請求書制度に対応できるよう有益な情報を提供していくと述べた。海外での電子請求書対応における生の声に触れることで、学べることも多いとしている。

シネコンのGSCが3月中に3館を閉鎖、競争激化で

【クアラルンプール】 シネコン大手のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)が3月中に3店舗の営業を終了すると発表し、ネットユーザーの間で波紋を広げている。

7日にセランゴール州のショッピングモール「3ダマンサラ」内店舗を17日付けで営業終了するとした後、20日にも同州「クラン・パレード・モール」、ジョホール州コタティンギの「ヘリテージ・モール」内店舗を31日付けで営業終了すると発表した。インスタグラムなどでは短期間での多店舗閉鎖について不安の声が上がっている。

英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」によると、GSCは年内にさらに店舗を閉鎖する見通しだ。同紙は業界関係者の話として、ネットフリックスやアマゾン・プライムビデオ、ディズニープラスなどといったオンライン・ストリーミングとの競争激化が閉鎖の理由だと報じた。新型コロナウイルスの感染拡大が、自宅で視聴できるストリーミング・サービス利用拡大につながったという。

映画館でも独占公開作品の確保や鑑賞体験の充実に向けた様々な取り組みを行っているが、チケット価格の高騰などにより顧客を呼び戻すには至っていない。同紙はGSCに問い合わせを行ったが、回答は得られていないという。
(ハイプ、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月20日、GSC発表資料)

環境団体、日本とマレーシアに対しCCSの取りやめを要求

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際環境ネットワーク「フレンズ・オブ・ジ・アース(FoE)インターナショナル」のメンバーである、環境団体サハバット・アラム・マレーシア(FoEマレーシア)とFoEジャパンは21日、日本政府とマレーシア政府に対し、炭素回収貯留(CCS)技術を促進しないよう求める公開書簡を提出した。

二酸化炭素(CO2)の排出量が多い日本では、マレーシアを含む他国へのCO2輸出を積極的に検討しており、海外CCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書の締結などを行っている。

両団体は、マレーシアのようなグローバル・サウスの国々にCO2を投棄することは、「歴史的に多くの温室効果ガスを排出してきた国々がより多くの気候変動対策への責任をとる」という気候正義の原則に根本的に反しており、 またCCSはリスクが大きく、コストも高い有効性の立証されていない技術であり、長期的な責任を伴うと主張。このような技術に依存することは、日本の気候変動対策を遅らせるだけだとして、輸出を行わないよう求めている。

FoEジャパン事務局次長で気候変動・エネルギーキャンペーナーの深草亜悠美氏は、これまでも多くのCCS事業が高いコストと技術的困難により失敗してきたとし、日本にはまだ商業規模のCCS事業は存在せず、技術的・財政的な障壁があると説明。日本政府が公然と、他国にCO2を輸出する方が安価な選択肢であると主張しているのは恥ずべきことであり、日本政府は気候変動への公平性の原則とその歴史的責任に基づいて、より高い排出削減目標を設定し、こうした誤った解決策の推進をやめるべきだと述べた。

FoEマレーシアのミーナクシ・ラーマン代表は、他国から輸出されたCO2を受け入れることは、マレーシア自身の排出削減努力を台無しにすることになるとし、マレーシア政府に対し、富裕国からの廃棄物をこれ以上受け入れないよう要求すると言明。マレーシアは、世界のあらゆる廃棄物の投棄場所となるべきではないと述べた。

デジタル分野に関する競争政策セミナー、JICAと公取委が共催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)と公正取引委員会(JFTC)は21日、マレーシア競争委員会(MyCC)の職員を対象に、デジタル分野における競争政策をテーマとするオンラインセミナーを共同で開催した。

MyCCがデジタル分野における競争上の問題点の把握を目的とする実態調査を計画する中、MyCCの職員にJFTCの知見を提供し、当該実態調査を充実させることを目的としたもの。セミナー当日は、デジタル分野における競争上の問題に関するJFTCと他の政府機関との連携のあり方やJFTCによって実施されたデジタル分野における各種実態調査の内容についてJFTCが紹介した。セミナーにはMyCCの職員約40人が参加した。

マレーシアでは2010年に競争法が制定され、翌年に競争法の執行機関であるMyCCが設置された。JICAは2021年1月から1年間、さらに2022年11月からは2年間、MyCCに競争法のアドバイザー専門家を派遣し、その後も支援を続けている。今年3月6、7日にもJFTC職員4人が講師として来馬し、「リニエンシー制度」をテーマとする競争法セミナーを共同開催した。

RHBが日清オイリオ現法に持続可能性融資、目標達成に奨励措置

【ペタリンジャヤ】 RHBバンクは日清オイリオグループのマレーシア法人、インターコンチネンタル・スペシャルティ・ファッツ(ISF)との間で、9,000万リンギの持続可能性融資を行う契約を交わした。

契約に基づきISFは、あらかじめ合意された持続可能性の目標達成に応じ、金利の割り戻しを受けることができる。ISFの業務、サプライチェーンへの関与などにおける、パーム油の持続可能性の向上に貢献する内容だ。ISFはパーム油由来の付加価値油などの製造・販売を行っている。

RHBバンキング・グループのラシド・モハマド最高経営責任者(CEO)は「今回の融資は、持続可能な開発に対するわが社のビジョンを体現するだけでなく、積極的変化の触媒というRHBの役割を強化する」と述べた。

ISFの石神高CEOは、RHBとの協働は持続可能性および環境・社会・企業統治(ESG)原則への両社のコミットを体現していると述べた。

IFSは2019年に、マレーシア三井住友銀行から環境配慮評価融資を受けた実績がある。銀行側の環境配慮評価基準に基づき、企業の環境配慮状況を評価し、評価結果に応じ融資条件が設定される内容だった。
(ザ・サン、3月22日)

NECマレーシア、イスカンダルプテリに新サービス拠点を開設

【クアラルンプール】 日本電気(本社・東京都港区)のマレーシア現地法人NECマレーシアは20日、ジョホール州イスカンダル・プテリにITサービス拠点である「インテリジェント・センター・オペレーションズ・オブ・NEC(ICON)」を開設した。

ICONは、サービスデスク業務、ネットワーク・オペレーション・センター、セキュリティ・オペレーション・センターの機能を統合した拠点。コールセンターとしてAI自動化ツールを活用しつつ、アジア顧客の多様なニーズに対応するため、8カ国語でサポートを提供する。知識移転の拠点としても位置づけられており、優秀な現地人材に対し、NECの技術に関する総合的なトレーニングを提供し、今後5年間での人材育成を目指す。

NECマレーシアは2021年にイスカンダル・プテリのサンウェイ・シトリン・ハブに東南アジア向けのカスタマーサポートセンターを開設しており、今回はその拡張移転となる。
(ビジネス・トゥデー、3月21日、NEC発表資料)

【人生の知恵・仕事の知恵】Delegating management

Delegating management

★経営のコツ
先日、仕事を一人で抱え込む年配のリーダーの方に、部下からの苦情が出ている旨を伝え、改善を促したところ下記のように反論されました。
「わかっています。でも任せる人間もいないし、私がいないとダメなんですよ」
その後、1時間話し込んだ上、以下のように諭しました。
「よいマネジメントはですね、〇〇さんがいないと回らない組織ではなく、〇〇さんがいなくても回る組織を作ることですよ」

★一生懸命の罪
生前、松下幸之助は、下記のように話していました。
「一生懸命やっている経営者が、やればやるほど、経営がおかしくなっていく。本人は一生懸命やけども、やり方が間違っている。自転車操業の社長ほど、一生懸命や」
本人は、別に一生懸命を否定しているわけではなく、周りが見えていない経営に対する注意を呼びかけたわけです。

★違う空気を吸ってもらう
いなくても回る組織は、どんなことからでも、任せることから始まります。
たとえば、いつも自分が参加している会議に部下にも参加してもらい、別の視点でものを見てもらうなどをして、本人の意識を変える機会を作るなどです。そして、部下の気づきを喜びと捉えることが、次世代リーダーを生むきっかけになるのです。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお)
アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。
【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

【従業員の勤労意欲を高めるために 】第870回:ライフスタイルとモチベーション(10)良いライフスタイルが良い健康、良い経営の基本

870回:ライフスタイルとモチベーション(10)良いライフスタイルが良い健康、良い経営の基本 

前回(注:Web上には未掲載、メールマガジンにのみ掲載)は、趣味を持つことで、気分がリフレッシュされ、また頭の働きが良くなるというお話でした。今回は、運動や食事とメンタルヘルスの関係についてです。

スペインの小学生567人を対象にした調査では、週に3時間以上の身体活動を行う参加者は、この基準を満たさない参加者よりも心の知性(自分や相手の気持ちを理解したり評価・制御したりする能力)のスコアが高いことが示されました(Melguizo-Ibanez et al., 2022)。また、システマティックレビューは、大学生の健康的な食事が、うつ病、不安、ストレスなどのメンタルヘルスの問題を軽減することを示しました(Solomou et al., 2023)。このように、健康的なライフスタイルは、心を良い状態に保つうえで大事といえます。

しばしば、駐在員の現地への適応が主要なテーマになります。しかし、現地のライフスタイルに適応していることと、健康的なライフスタイルを実践していることとでは、意味が全く異なります。例えば、先行研究では、糖尿病は、日本人や米国人よりも日系アメリカ人ではるかに多いことが示されています(Fujimoto, 2016)。このことは、現地のライフスタイルに適応することで、かえって健康を害する可能性があることを意味します。

駐在員のパフォーマンスを最大化させるには、ライフスタイルに着目する必要があります。良いライフスタイルを維持することで、良い経営の実践に活かしていきましょう。


Fujimoto, W. Y. (2016). 2015 Yutaka Seino distinguished leadership award lecture: the Japanese American community diabetes study and the ‘canary in the coal mine’. Journal of Diabetes Investigation, 7(5), 664-673. https://doi.org/10.1111/jdi.12539
Melguizo-Ibanez, E., Gonzalez-Valero, G., Badicu, G., Filipa-Silva, A., Clemente, F. M., Sarmento, H., … & Ubago-Jimenez, J. L. (2022). Mediterranean diet adherence, body mass index and emotional intelligence in primary education students?an explanatory model as a function of weekly physical activity. Children, 9(6), 872. https://doi.org/10.3390/children9060872
Solomou, S., Logue, J., Reilly, S., & Perez-Algorta, G. (2023). A systematic review of the association of diet quality with the mental health of university students: implications in health education practice. Health Education Research, 38(1), 28-68. https://doi.org/10.1093/her/cyac035

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、国際経済労働研究所理事、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)