【クアラルンプール】 米政権の関税措置を受け武藤容治経済産業相は27日から30日にかけ、マレーシアとタイを訪問し、閣僚と会談した。クアラルンプールでは28日、テンク・ザフルル投資貿易産業相と会談、2国間および日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)における産業協力について意見を交換した。

ザフルル氏のXへの投稿によると、世界的な先行き不透明の中、両国は人工知能(AI)と次世代自動車の分野で2国間連携を深めることを確認した。現在の国際経済環境への対応についても意見を交換。「マレーシアおよび日本は公正で実効性のある解決策を探るため、一致団結しなければならない」とした。

アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)について連携していくことも確認したという。AZECとはほとんどのASEAN加盟国と日本、豪州の11カ国が参加する、域内のカーボンニュートラルを目指す協力の枠組み。

タイで会見を開いた武藤氏は米政権による関税措置について、ASEAN諸国と連携を取りながら、ルールに基づく多角的な貿易体制を守っていきたいと述べた。
(エッジ、マレー・メイル、報道資料、4月29日)