【クアラルンプール】 岸田文雄前首相が5ー6日の日程でマレーシアを訪れ、アンワル・イブラヒム首相、ファディラ・ユソフ エネルギー移行・水利転換相、ニック・ナズミ天然資源・環境持続可能性相と、それぞれ個別に会い、脱炭素化などをテーマに意見交換した。

石破茂首相の特使である岸田前首相は、首相在任時の2022年に自ら提唱した「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想の議員連盟最高顧問として来馬した。AZEC構想は、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)などが連携して、脱炭素化と経済成長を目指す取り組みで、今年10月にマレーシアでAZEC首脳会議が開催される。

アンワル首相への表敬訪問は、特産品のドリアンをアンワル首相がプレゼントするなど、和やかな雰囲気で行われた。アンワル首相はASEAN議長国としてAZECへの協力を強調。さらなる推進に向け、分野横断的なエネルギー協力センターをマレーシアに共同で設置することなどについても話し合われたという。

また、首相府相(サバ・サラワク州問題担当)を兼任するファディラ氏とは、サラワク―マレー半島間の送電網整備を含め、エネルギー分野などでの一層の技術協力の可能性を検討。ニック・ナズミ氏とは、二国間クレジット制度(JCM)の協力覚書への署名に向けた作業を加速させることなどについて議論した。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月6日、外務省発表資料)