【クアラルンプール=アジアインフォネット】 三井化学(本社・東京都中央区)は20日、山九(同)と協業し、セランゴール州のクラン港に海上コンテナ輸送用の物流ハブ拠点を設置したと発表した。

新物流拠点は4月から本格稼働。化学産業にとって重要な、危険品や温度管理品のコンテナを長期保管できる機能に加え、貨物をデバンニング(コンテナを開けてから貨物を荷下ろしすること)して倉庫に保管したのちに第3国へ再輸出する機能もあり、東南アジア・インド・欧州地区のさまざまなニーズなどにも柔軟に対応可能という。

新物流拠点に関しては、ウクライナ情勢などによる物流の不安定性への懸念を背景に、国土交通省が2022年度から実施した、国際物流の多元化に向けた実証実験に両社で参加。従来の日本向けの製品配送をメインとした海外物流拠点ではなく、主に日本からインド・中東・欧州向け輸出の「中継貿易拠点」としての機能と輸送ルート開発に取り組んでいた。