第1四半期の財政赤字は17%減少、政府債務はGDP比63%

【クアラルンプール】 マレーシアの財政赤字は3月末時点で219億リンギで、前年同期の264億リンギから17%減少した。財務省が第1四半期経済報告の重要項目として発表した。

歳入は3%増の721億リンギで、売上・サービス税(SST)の急増と個人所得税の増加が貢献した。歳出は2.5%減の942億リンギで、ディーゼル油補助の合理化と原油価格の低下が主因。法定機関への交付金の最適化も減少に貢献した。

3月末時点の政府債務は国内総生産(GDP)比で62.6%の1兆2,800億リンギ。うち97.8%は国内債務で、対外債務は2.2%にとどまった。
(エッジ、5月22日)

与党連合・人民正義党の役員選、アンワル首相実娘が副党首に

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 与党連合・希望同盟(PH)の中核党・人民正義党(PKR)の党役員選挙が23日に行われ、ナンバー2である副党首選ではアンワル・イブラヒム首相の実娘で現職の指名党首補であるヌルル・イザ・アンワル氏が現職のラフィジ・ラムリ副党首(経済相)を大差で破って当選した。党首選ではアンワル首相が無投票再選を決めた。

12人が出馬した党首補選(定員4人)では、現職のアミルディン・シャリ (セランゴール州首相)、アミヌディン・ハルン氏(ネグリ・センビラン州首相)、チャン・リーカン氏(科学技術革新相)と新人のR.ラマクリシュナン氏(副起業家開発共同組合相)が当選した。ニック・ナズミ・ニック・アハマド氏(天然資源・環境持続可能性相)は落選した。党首補の定員は4人だが、党最高評議会からの指名で増員されるため復活する可能性がある。

青年部部長は現職のムハンマド・カミル・アブドル・ムニム氏が無投票で当選を決めた。婦人部部長選は、現職のファドリナ・シデク氏(教育相)がロズィア・イスマイル氏(アンパン地区選出下院議員)を破って当選した。

マレーシアとGCCがFTA交渉を開始へ、1年内の締結目指す

【クアラルンプール】 マレーシアと湾岸協力会議(GCC)の間の自由貿易協定(FTA)交渉が、5月27日に正式に開始される見通しだ。テンク・ザフルル・アジズ投資貿易産業相が明らかにした。

GCCは、▽サウジアラビア▽アラブ首長国連邦(UAE)▽カタール▽クウェート▽バーレーン▽オマーン――の6カ国で構成されている。ザフルル氏は「FTA交渉の正式な開始に向けて準備を進めており、まもなく共同意向表明が発表される見込みだ」とし、サウジアラビアのGCC事務局を最近訪問したことで、交渉プロセスを加速させる基盤が築かれた述べた。

マレーシアは現在、7つの二国間FTAと9つの多国間FTAを締結している。GCCとは1年以内のFTA締結を目指している。協議はまだ初期段階だが、ザフルル氏はマレーシアは既に半導体、電気・電子(E&E)、石油化学、石油・ガス、化学など、いくつかの有望なセクターを特定していると言明。ハラル(イスラムの戒律に則った)経済、デジタル経済、再生可能エネルギー(RE)、人工知能といった新興産業も対象になると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、5月25日)

マレーシアとベトナム、ASEAN送電網などで協力強化

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は25日、ベトナムのファム・ミン・チン首相と2国間会談を行い、エネルギー協力強化で合意。アンワル首相は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国間で送電網をつなぐ「ASEANパワーグリッド(APG)構想」に関するベトナムの協力に謝意を示した。

エネルギー協力には、政府系電力会社のテナガ・ナショナル(TNB)と、マレーシアの国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)、ベトナム石油ガス・グループ(ペトロベトナム)による協力などが含まれる。特に、両首相の立ち会いのもと、TNBと、ベトナム国営企業のベトナム電力公社(EVN)のAPG協力に関する覚書(MoU)の締結が行われた。ベトナムの再生可能エネルギー送電網を、ASEAN電力網に接続する海底ケーブルを介してマレーシア、さらにシンガポールへ接続する計画で、アンワル首相は共同記者会見で、今回のASEAN首脳会議における主要な成果の一つと位置付けた

このほか、マレーシア国民大学 (UKM)とベトナム国家大学の教育と地域統合に関する意向書交換も両首相の立ち合いで行われた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、ザ・スター、5月25日)