【クアラルンプール】 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が26日、クアラルンプール(KL)で開幕。今後20年間の地域の発展と協力の指針となる「クアラルンプール宣言」を採択した。
会議冒頭にアンワル・イブラヒム首相があいさつ。前回クアラルンプールで開催時の2015年に合意された「ASEAN共同体」に触れながら、最近の米国による一方的な関税導入により世界貿易システムは更なる緊張にさらされているとし、今後の20年を見据え「ASEAN共同体ビジョン2045(ACV2045)」策定の重要性を強調した。
クアラルンプール宣言は「ASEAN2045:我々の共通の未来」と題されており、ASEANの団結、安定、持続可能な開発へのコミットメントを再確認した。ACV2045を核とする内容で、▽ASEANの地域的リーダーシップの強化▽デジタル経済とグリーン経済への注力▽政策立案における、女性、若者、社会的弱者などインクルージョン(包摂性)の向上▽持続可能性とレジリエンスの中心議題化――などを優先事項に設定。政治的安全保障、経済、社会文化、インフラとデジタルの連結性を4つの柱とし、それぞれの戦略計画について合意した。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月26日)